有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/08/19 15:00
【資料】
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【項目】
131項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、提出日現在において、当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は経営ビジョンである『モノ創りで、笑顔を繋ぐ。』という想いのもと、「心」を大切に、最大限の創意工夫と精進で、仕事のみならず人として成長し、社会に貢献できる企業を目指します。「本当に求められている物」を多面的に捉え、「五感で楽しめる」商品を実現するため、調査・企画・開発・宣伝・販売まで一気通貫して行い、常に感謝の心を込めお客様にとってのメリットを重視する、より質の高い商品を提供し続けてまいります。
当社は独自性のある商品力で、消費者ニーズを捉えた高付加価値で競争力の高い商品の企画開発に取り組んでまいります。主力ブランドにおきましては新商品開発や商品リニューアル、医薬品カテゴリーでは、医療用医薬品の供給強化と一般用医薬品の新商品企画開発を進めており、商品ラインナップの拡充に取り組んでおります。販売面におきましては、販売先との一層の関係強化による事業活性化、販売基盤の強化や営業の効率化による生産性向上に努めております。また、SNSやWEB、テレビ等の広域プロモーションを中心とした宣伝・PR活動の積極展開による認知度向上への取り組みを行ってまいります。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、中長期かつ持続的な成長を実現するため、収益力の維持及び向上を経営目標としており、売上高営業利益率を重要な経営指標と位置付けて、経営課題に取り組んでおります。
(3)経営環境
今後のわが国の経済の見通しにつきましては、雇用環境の改善などにより景気回復傾向の継続が期待されておりましたが、米中をはじめとする通商問題の動向や近隣諸国の地政学リスクの高まり、2019年10月に実施された消費税の引き上げ、さらには新型コロナウイルス感染症の拡大による経済や市場への影響など不透明感が一層強まる状況となっております。
当社が属する健康食品、化粧品、日用雑貨及び医薬品業界におきましては、健康志向の高まり、女性の社会進出やライフスタイルの変化などにより消費者ニーズは多様化しております。今後も高品質・高付加価値な商品を継続的に開発し、市場へ投入できる体制を整え、より一層の業容拡大を推進していくためには、様々な課題に対処していくことが必要であり、以下の項目を今後の事業展開における主要な課題として認識しております。
(4)対処すべき課題
①収益基盤の維持・向上
当社は経営ビジョンである『モノ創りで、笑顔を繋ぐ。』という想いのもと、「本当に求められている商品」とは何かを、常に消費者の立場で考え、独自性のある商品力で高付加価値、そして人々を楽しく幸せにできる商品づくりに取り組んでおり、企画製造販売のファブレスメーカーとしてアイデアや開発力を武器に収益基盤を構築してまいりました。
当事業年度においてもハウスホールド(日用雑貨)カテゴリーで好調の「オキシクリーン」を中心とした重点ブランドの強化と高付加価値商品の開発に注力いたしました。ブランド認知拡大やリピーターの増加に加え、ドラッグストアやホームセンターだけでなくスーパーマーケット、GMSへの導入店舗拡大により好調に推移しております。販売面においても積極的な店頭販売活動を展開し、展示会への出展、SNS・広告などを活用した販促活動を強化し、ブランド認知度向上を図るとともに、既存取引先との関係強化に注力してまいりました。
このような環境のなかで、中長期かつ持続的な成長を実現するためには、収益基盤の維持と向上が重要な課題であると認識しております。
既存事業においては、取引先との連携をより強化することで、事業の活性化と収益獲得機会の確実な取り込みを行います。また好調に推移している「オキシクリーン」では米国Church & Dwight Co., Inc.と日本用のオリジナル新商品の開発を進めており、日本での販売活動における中長期的な関係強化を図っております。「なかったコトに!」「フットメジ」などその他の主力ブランドにおいても、付加価値の高い商品開発、新商品のリリースや主力商品ブランドの使用用途や香り等の異なる商品による横展開を行ってまいります。さらに、SNSやWEB、テレビ等の広域プロモーションを中心とした宣伝・PR活動の積極的な展開による認知度向上への取り組みや、更なる品質向上・安全性確保のための品質管理体制の強化を進めると同時に、業務の生産性向上による収益性改善に向けた取り組みを強化してまいります。
また、将来的には日本市場という枠組みではなく、アジアを中心とした市場圏での展開を見据えた商品企画開発や販売チャネルの拡大へ取り組んで参ります。アジア圏においては一定の実績を上げておりますが、一方で、事業活動を行う国や近隣諸国の法的規制の動向、国内外の経済情勢や政策など外部環境の変化によって売上に大きな影響を受ける傾向があります。今後の事業領域拡大を担う海外事業においては、現地代理店との連携強化や国・地域毎の顧客層等を明確にしたうえで、経済状況や今後の成長性、消費者ニーズを的確に把握しながら、増大する収益機会を確実に取り込み、引き続き市場開拓活動に取り組んでまいります。
②商品の開発について
当社の事業を取り巻く市場環境や消費者、競合他社の状況は常に変化を続けており、市場予測には不確定要素が増えてきているため、より競争力の高い新商品の企画・開発が重要な課題であると考えております。「なかったコトに!」を中心としたヘルスケアカテゴリーでは、機能性表示食品(※)の企画開発の準備ができており、当該カテゴリーでの競争力の高い商品を投入するとともに、時代の変化による需要獲得に対応できる商品企画開発も進めてまいります。医薬品カテゴリーにおいては、医療用医薬品の供給強化と一般用医薬品の新商品企画開発を進めており、当カテゴリーも手堅い事業の柱になるよう商品ラインナップの拡充に取り組み、新型コロナウイルス感染症拡大等のリスク下においても継続的成長を可能とするポートフォリオを構築していきます。また、災害時や疫病流行時にも社会に貢献出来る商品の供給も強化していきたいと考えております。
(※)事業者の責任で、科学的根拠を基に商品パッケージに機能性を表示するものとして、消費者庁に届け出られた食品
③有能な人材の獲得、育成
当社の継続的な発展及び経営基盤の安定をはかるためには、より柔軟な働き方の導入と有能な人材の獲得、育成を行っていくことが重要であると考えております。人材の獲得につきましては、即戦力を有する中途採用に重点を置き、当社の経営方針やビジョンに対して共感し、高い専門性を有する人材の採用に注力しております。また、人材の育成につきましても、社内教育制度の充実をはじめ、外部教育研修制度採用の検討等積極的に取り組み、既存及び新入社員の教育にも注力してまいります。
④内部管理体制の強化について
健全な会社運営においては、内部管理体制の強化が必須であると認識しております。当社は、管理体制を強化するため担当者を増員するとともに、内部監査担当者によるモニタリングを定期的に実施し、監査役や会計監査人と連携をはかることで、適切に運用しております。今後も、更なる経営の安定性や健全性を目標に内部管理体制の強化に取り組んでまいります。