有価証券報告書-第18期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/25 17:00
【資料】
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【項目】
126項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの主力事業である収益不動産の販売において、その価格形成に大きな影響を与えるのは、賃料と金利になり、そのうち金利については、長期金利が一つの指標となっております。賃料につきましては、3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況に記載の通り、堅調に推移しており、長期金利は、急激な金利上昇を抑制するための「連続指値オペ制度」が導入されるなど、日銀がイールドカーブの低位安定を優先する姿勢を明確にしたことなどもあり、足許では低位安定の傾向となっております。今後も新型コロナウイルスのワクチン普及への期待が高まる一方、経済が軌道に乗るまでは日銀が金融緩和姿勢を維持するとみられており、当面は現行水準近辺での推移が継続することが想定されます。また、不動産市況を左右する購入者マインドは景況感に左右されますが、景気回復基調が明確化するのは、高齢者への新型コロナウイルスのワクチン普及後、概ね秋以降になると言われており、しばらくは現状が続くものと想定されます。このような外部環境の中、当社グループは業界トップへ向けた登頂を諦めることなく、“登頂ダイエット”という事業方針を維持し、事業拡大と組織力強化を継続する方針であります。
業界全体としては、カネ余りの状況から引き続き不動産価格は高値で推移しており、これの影響によりマンションの新築供給数は減少傾向にあります。そのため、中古物件の流通に業者が集中し、中古物件の取引価格もやや高くなっている傾向にあります。当社グループといたしましては、仕入れ情報力と開発力を最大限に活かした新築物件の開発及び販売の増加と資金力を主とした中古物件の買取及び販売の増加の両輪で、引き続き“登頂ダイエット”を続けていく方針でありますが、新築、中古問わず、立地と買値の見極めは厳しくし、さらにソフト面において、DXによる更なる事業推進の進化・変革を行っていき、より効率性と生産性の高い組織となるべく、一定の投資をしていくことを予定しております。
当社グループは、『不動産と不動産サービスの価値を創造、向上し、社会を進化させ、人の未来を育み最高の喜びを創出する』という経営理念のもと、「収益不動産総合商社のリーディングカンパニー」、「利益創造力の最大化」、「進化・変革とサステナビリティの共存」という中期ビジョンを立て、売上高1,000億円、時価総額1,000億円、知名度№1という定量目標達成に向け、環境の変化に敏感に対応するとともに、以下の経営課題に取組んでまいります。
(1) DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進
不動産業は非常に巨大なマーケットであるものの、その業態は古く、未だDX(デジタルトランスフォーメーション)に取組まれていない企業が業界の半分以上を占めるとも言われる業界となっております。そのため、DXの余地が多くあり、ここに利益創造力最大化のチャンスが多く存在していると考えております。そのため、当社では2019年度よりDXの推進に組織的に取組み、自動化・省力化による人的工数の削減やコストの削減を実現してまいりました。今後は、工数・コスト削減という視点のみならず、アップサイドバリューを創出するようなDXを強力に推進し、社外にも展開できるような知見・ノウハウを構築するレベルまで高めることで、更なる利益創造力の最大化を図ってまいります。
(2) 物件調達力の強化
主力事業である新築分譲及び中古マッチング販売における将来のパイプライン確保のためには、開発用地や中古物件の調達力が非常に重要になってまいります。そのため、この領域における人的リソース確保や関係業者との更なるリレーション強化などにより、圧倒的情報力を持つとともに、収益不動産デベロッパーとしてのノウハウによる強みや機動的な資金による強みを最大限に活用し、立地と買値の厳選による市況変動リスクへの耐性強化を図りながら、物件調達力を強化してまいります。また、人的リソースを要するからこそ、そこにはDXの余地が多くあると考えており、このリソースの生産性向上のため、必要な領域を見極めた上での、DX推進にも注力してまいります。
(3) マーケティング力の強化及び知名度の向上
当社では、「不動産投資Times」を入口とした、ウェブ広告を中心とするウェブマーケティングにより新規顧客の拡大を推進しております。また、2019年度には、不動産投資型クラウドファンディングのサービスサイト「Rimple」をオープンし、このサイトが新しい顧客層の獲得に貢献している状況にあります。加えて、商品コンセプトの認知やブランド名拡散のため、投資用マンションについては「クレイシア」、コンパクトマンションについては「ヴァースクレイシア」、都市型アパートについては「ソルナクレイシア」というブランド展開をしております。これらの取組により、業界内において一定程度知名度は高まってまいりましたが、今後はこれをより一層加速させ、集客拡大のみならず東京都心エリアでのデベロッパーとしての地位向上も図るため、これらを軸としたマーケティングに注力するとともに、中長期的な視点でテレビCM等のマス広告にも投資をし、更なる顧客層の拡大、新規顧客の獲得を推進し、安定した顧客基盤を構築することで、事業の安定性と発展性を向上してまいります。
(4) カスタマーサクセスの更なる強化
当社では、創業以来、顧客志向での営業活動をモットーとしてまいりました。昨今では、新型コロナウイルスの影響で、従来のような顧客との接点が持ちづらい環境となっております。しかしながら、不動産による資産運用は顧客と事業者の信頼関係が非常に重要であり、その信頼関係が当社の更なる成長へつながると考えております。そのため、これまで以上にカスタマーリレーションに注力し、カスタマーサクセスの強化をはかり、もって当社の成長につなげていけるように各種施策に取組んでまいります。
(5) 優秀な人材の確保
当社グループでは、企業成長と共に、必要とされる社内の業務レベルが上がってきており、また、組織の拡大、組織機能の拡充、新規部署の創出なども多く発生しております。このような状況においては、レベルアップを率先して図れる、また、組織をけん引できる人材が必要となってまいります。今後、中期ビジョン達成を前提とした場合には、このような状況が継続することが想定され、優秀な人材がこれを支えることになると考えております。そのため、新卒採用、中途採用問わず、より多くの優秀な人材確保のため、あらゆる採用手法の活用や採用後の育成に取組んでまいります。
(6) 組織力の強化
当社グループでは、毎年人員規模が拡大しており、各部署の人員増加だけではなく、組織機能追加により部署数も増加しております。拡大する人員・組織数に対し、何の施策も打たない場合には、コミュニケーションが希薄になり、組織の統制と従業員のシナジー発揮に支障をきたす可能性もあると考えております。そのため、ビジョンやミッション、方針等の共有をさらに図り、役割と責任をより一層明確化し、業務の仕組化・ルール化などを行うことで組織力を強化し、一貫した指揮命令系統の構築とシナジーの発揮を図ってまいります。
(7) グループ会社の成長とグループ管理能力の強化
当社は、当連結会計年度において、DXYZ株式会社を子会社として設立し、アヴァント株式会社を増資引受にてグループ会社化いたしました。中期ビジョンの一つにある「進化・変革」の実現のため、今後重要な事業ポジションにこれらの会社がおかれていくことが想定されます。そのため、これらの会社の成長が当社グループの企業価値向上の重要なキーの一つになることから、その事業成長へのテコ入れと当社のグループ会社管理能力の向上に取組んでまいります。
(8) 財務体質の強化
未だ新型コロナウイルスの影響による経済回復時期の不確実性がある中、現状においては問題ないものの、今後の金融機関の融資姿勢の後退については、否定できない状況が継続している状況にあると認識しております。仮に融資環境が後退局面に入ったとしても、安定した資金調達を実現することで継続的に中期ビジョン達成に向かって邁進出来るよう、自己資本の確保やキャッシュ・ポジションの維持・向上、優良資産の確保、ストック収入の確保などに取組み、財務体質の強化を図ってまいります。
(9) 新規事業の開発
中期ビジョンにおける「進化・変革とサステナビリティの共存」という観点及び将来の成長性確保という観点において、新規事業の創出は継続的に行っていく必要があると考えております。そのため、新規事業の創出に向けた事業開発等を積極的に検討していくことに取組んでまいります。
(10) コンプライアンス経営の強化
当社の属する業界は、事業者ごとに新型コロナウイルスの影響が異なっております。また、足許では、販売物件の確保が困難な状況にある事業者や保有する顧客属性次第では、想定より販売が伸びていない事業者なども出ている状況となっており、不確実性が高い環境になっていると感じております。過去の歴史上、このような事業環境下では、コンプライアンスの問題が発生しやすいため、当社の事業領域におけるコンプライアンス体制は、より一層重要性が増しているものと考えております。当社では、予てよりコンプライアンス経営の重要性を認識し、重要な経営課題の1つとして、コンプライアンス体制及びコーポレート・ガバナンスの強化に努めております。そのため、内部統制基本方針を定め、同方針の適切な運用を行っておりますが、当連結会計年度では、これに加え、セールスポリシーの公表やこれの社内周知の再徹底・教育の実施、コンプライアンス研修の強化なども行ってまいりました。今後も、役員・従業員におけるコンプライアンス関連規程の共有、遵守はもとより、倫理観と社会的良識をもった行動をとることで、社会から信頼される会社として認識されるよう努めてまいります。

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