有価証券報告書-第37期(2024/10/01-2025/09/30)

【提出】
2025/12/18 13:32
【資料】
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【項目】
156項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「FT(Financial Technology)とIT(Information Technology)の統合により、ファイナンシャルウェルネスを創造する」ことをパーパスとして掲げ、個人資産の最適なアセットアロケーションと次世代への不安無き移転の実現を目指しております。この理念に基づき、1990年4月の設立以来、金融リテールビジネスの業務プロセスを最適化するためのシステムを開発・提供してまいりました。現在は、事業領域を銀行、証券会社、IFA(金融商品仲介業)等に拡げるとともに、生成AIとAPIを核とした「TAX Management × Asset Management」統合プラットフォームの開発に注力しています。また、生成AIとデジタルテクノロジーの力で納税準備から資産承継、さらには次世代への財産形成に至るまでを包括的にサポートする新しい社会インフラの創造に取り組んでおります。当社グループは、従前のシステム開発会社から文化・金融制度・税制に適合した日本型デジタル資産運用プラットフォーマーへと独自の成長を目指すことを基本方針としております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、事業の継続的な拡大を通じて企業価値を向上させていくことを経営の目標としております。経営指標としては、特に売上規模を表す売上高、収益性を表す営業利益、資本効率を表すROEを重視し、拡大を目指してまいります。
(3) 経営環境
当連結会計年度における日本経済は、物価高による実質賃金のマイナスが続き個人消費は停滞感が強く残っております。さらに、米国の関税政策による輸出減退やサプライチェーンの分断が外需に対する不確実性となっているものの企業における高水準の賃上げや設備投資が内需を支え、経済状況は緩やかな回復基調を維持している状況です。一方、当社グループを取り巻く環境としては、我が国は既に「人生100年時代」、そして団塊の世代による「大相続時代」に突入しております。そのため、健康で豊かな老後・円滑な相続を実現するためには、政府が推進する資産運用立国実現プランに沿って家計金融資産を貯蓄から投資に変換して適切に運用するとともに、大相続時代に備えて相続税の納税準備や円滑な財産分割を準備することが必須の課題となってきております。
(4) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、急速に変化する国内外の環境変化に対応し、中長期的な視点から持続的に企業価値を高めていくために、2025年9月期~2027年9月期を対象とする中期経営計画に基づく経営戦略を策定しました。
本中期経営計画においては、改めて理念体系を再構築し、「FTとITの統合により、ファイナンシャルウェルネスを創造する」というパーパスを制定するとともに、中長期的に目指す姿としてデジタルトランスフォーメーションを実行しながら「金融サービスとアセットマネジメントのイノベーターになる」というビジョンを掲げています。また、社員が共有する行動規範として、①起業家精神、②サイエンス+アート、③革新性、④人と社会に貢献という4つのバリューを制定しました。これらの経営理念の下、中期経営計画を実現していくために、以下の5つの成長戦略を推進していく計画です。
① 顧客基盤深耕・強化施策:強固な顧客基盤と独自技術を活かし、デジタルトランスフォーメーションやAI・クラウドテクノロジーの活用研究と人材の育成を通じて、より幅広いサービスを提供
② 事業ポートフォリオ改革:成長と収益性の向上を図っていくために、従来生命保険会社向け売上が大きな比重を占めていた収益構造から銀行、証券会社を含めたバランスの取れた事業ポートフォリオへの転換を推進
③ ファミリーオフィスビジネスへの参入:100%子会社として設立した株式会社Wealth Engineが中心となってファミリーオフィスビジネスに参入し、アセットマネジメントとタックスマネジメントを融合したコンサルティングサービスを関係税理士法人とともに提供
④ ストックビジネス向けプラットフォーム開発:業務提携した台湾のSoftBI社との合弁会社である株式会社Trust Engineが共同でIFAや会計事務所向けデジタルプラットフォームを開発し、使用料課金に基づくストックビジネスを強化
⑤ 海外市場開拓:経済発展とともに生命保険に対するニーズの増加が期待される東南アジア市場の開拓に向けて、当社が蓄積したシステム開発ノウハウを導入・展開し、システム開発受託を通じて市場参入を図る
当社グループは、今後もITソリューション、アセットマネジメント、コンサルティングの事業ドメインにおいて、人生100年時代、大相続時代のための顧客ニーズに合ったソリューションサービスを提供してまいります。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループでは、金融サービスに必要となるシステム及びプラットフォームを金融機関等及びその顧客に提供することにより、売上高の拡大や収益性の向上を図り、持続的かつ安定的な成長とより強固な経営基盤の確立を目指しております。この目的を実現させるため、以下の事項を重要な課題と認識し、その対応に引き続き取り組んでまいります。
① 中期経営計画の推進・実行
当社グループは、昨年2025年9月期~2027年9月期の3カ年に亘る新中期経営計画を策定し、その計画に沿って各種施策を推進しております。経営理念体系のパーパスは、「FTとITの統合により、ファイナンシャルウェルネスを創造する」、ビジョンは「金融サービスとアセットマネジメントのイノベーターになる」とし、金融機関に対し最新のデジタルソリューションを提供するとともに、ファイナンシャルウェルネスを実現するためのプラットフォームの構築やマルチクライアントファミリーオフィスビジネスの展開等を目標にしております。このパーパスとビジョンの下、以下に記載の中期経営計画の実現に向けた施策を着実に推進・実行していくことが今後最も重要な課題と認識しております。
② 顧客基盤の深耕と強化
現在、政府は「資産所得倍増プラン」を掲げ、「貯蓄から投資へ」を実現するべく金融機関へ個人のニーズやライフプランにあった顧客本位の業務運営を実施することを推進しております。このような状況下、当社グループは既存の顧客に対しては長年に亘る信頼関係をベースに潜在的ニーズをいち早く把握し、生成AIやAPI、クラウドといったテクノロジーを活用した新たなサービスを幅広く提供し、顧客との関係性をより一層強化してまいります。また、グループ会社の株式会社インフォームとともに、生損保システム開発の上流、要件定義工程を含む全工程に係る業務を受託し、金融機関の長期的戦略パートナーとしての地位を獲得していく方針です。
③ 事業ポートフォリオ改革
当社グループは、生命保険会社向けの売上比率が高く、人口の高齢化や顧客のシステム開発方針の影響を受けやすいため、特定の販売先への売上集中を緩和して事業ポートフォリオを適正化し、収益基盤の安定性を確保することが課題であると認識しております。この課題に対処するため、既存顧客との関係を維持・強化するとともに、銀行・証券会社・金融商品仲介業者向け売上を拡大し、既存販売先のシステム投資予算に占める当社グループの受注比率即ちウォレットシェアを高めてまいります。また、生成AIを活用したIFA向けシステムをはじめ、ライフプランニング・公的年金に係る計算エンジンや金融工学系・生保年金数理系計算エンジン等当社グループが有する豊富なナレッジデータベースを活用し、新規取引先の拡大に努めてまいります。
④ ファミリーオフィスビジネスの展開
団塊の世代の相続問題に対する関心が高まっており、相続発生前後の個人保有資産の組替えが個人資産管理の重要なテーマとなりつつあります。また、欧米においては、企業経営者や資産家に対してファミリーオフィスと呼ばれる機関が二世代、三世代にわたる事業の成長と承継、さらには事業から生まれた財産の運用・管理を実行しています。日本においても、企業経営者や資産家等を対象に資産運用や管理、事業承継に関するコンサルティングや後継者教育の必要性が今後ますます高まってくると予想しております。このような環境を踏まえ当社グループは、2024年6月に100%子会社 株式会社Wealth Engineを設立しました。今後はグループ会社の株式会社Trust Engineが開発するIFA・会計事務所向け資産管理プラットフォームを活用し、マルチクライアントファミリーオフィスサービス事業を展開していく計画です。
⑤ ストックビジネスの拡大
当社グループの売上高は、受託開発収入、使用許諾収入、保守運用収入及びコンサルティング収入で構成されていますが、現在受託開発収入に偏重している状況にあります。この課題に対応していくために、プラットフォームを活用したストックビジネスにより利益率の高い使用許諾収入の拡大を図り、利益率の向上を目指してまいります。当社グループは、2024年8月に台湾のウェルスマネジメント分野のシステムでトップシェアを有するSoftBI社と業務提携を締結、2025年7月には合弁会社株式会社Trust Engineを設立し、現在IFA向けの資産管理プラットフォームを共同で開発中です。同プラットフォームの使用料課金により安定収入の計上を目指してまいります。
⑥ 海外市場の開拓
少子高齢化に伴う日本の生命保険市場の成長鈍化を想定し、国民の平均年齢が若く経済発展とともに生命保険に対するニーズの増加が期待される東南アジア市場でシステム開発受託を通じた参入を検討します。東南アジアの生命保険市場においては、人口、平均年齢、GDP、カントリーリスク等を勘案すると、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナムの4カ国が進出候補先として有力と考えられます。業界関係者へのヒアリング、現地調査や、業務提携先のSoftBI社の顧客基盤を活用した調査・分析を行い、総合的に検討の上対象国を決定する予定です。
⑦ 生成AI等先進テクノロジーの活用研究
AIテクノロジーを有効に活用したシステムをいかに早く開発し、テクノロジーの進歩に遅れを取らないよう研究開発に注力していくことが重要課題と認識しております。生成AIを活用した新サービスの開発を加速するために、2024年12月に東大松尾豊研究室発のスタートアップであるElith社と業務提携し、生成AIによる決算書読取システムを共同開発しました。当社グループでは、生成AI活用研究プロジェクトを組成しており、今後も最先端テクノロジーの研究、並びに金融、アセットマネジメント、税務等の業際的専門知識と最新のテクノロジーを融合した新サービスの創出を推進してまいります。
⑧ 優秀な人材の確保と人的資本投資
情報サービス産業では人材の獲得競争が激化しており、優秀な人材の確保が一段と難しくなってきております。当社グループ社員はシステムだけではなく、保険数理、金融知識、ポートフォリオ理論、社会保障、相続・財産承継、税務等に加え、今後は生成AIやメタバース等の最新技術を習熟していくことが求められます。このような環境下、新規採用及び中途採用を拡充して戦略的人材を補強するほか、CAPユニバーシティという社内教育プログラムを通じ総合的人材教育、特にフィンテック事業領域の最新の教育を継続的に強化してまいります。また、社員の給与水準の向上をはじめ、在宅勤務制度の継続やオフィス環境の整備といった人的資本や職場環境に係る投資にも力を入れてまいります。

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