訂正有価証券届出書(新規公開時)
第1【企業の概況】
(はじめに)
当社は、2000年11月に設立された株式会社ワーカホリック(2002年12月に「株式会社ノバレーゼ」に社名変更。以下「旧ノバレーゼ」といいます。)を前身としております。設立以来業績を拡大し、2006年10月に東京証券取引所マザーズ市場へ上場、2010年12月には東京証券取引所市場第一部へ市場変更をいたしました。
ポラリス・キャピタル・グループ株式会社によって設立されたNAPホールディングス株式会社は、2016年9月に旧ノバレーゼの株式公開買付け(以下「本公開買付け」)を発表いたしました。本公開買付けは2016年10月に成立し、これにより旧ノバレーゼはNAPホールディングス株式会社の子会社となり、2016年11月東京証券取引所市場第一部の株式上場を廃止いたしました。NAPホールディングス株式会社は2017年6月30日を効力発生日として旧ノバレーゼを消滅会社とする合併を行い、同日付でNAPホールディングス株式会社の商号を株式会社ノバレーゼに変更し、現在に至っております。
1.NAPホールディングス株式会社が旧ノバレーゼを株式公開買付けした経緯とその目的
旧ノバレーゼは、2000年11月に設立され、挙式・披露宴に関する企画・立案および演出を行う婚礼プロデュース事業、ウエディングドレスやタキシードなどのレンタル・販売を行う婚礼衣裳事業、挙式・披露宴の婚礼飲食や宴会飲食ならびに通常のランチ・ディナー営業のレストラン事業を主な事業として事業活動を行ってまいりました。2006年10月には株式を東京証券取引所マザーズ市場へ上場、2010年12月には東京証券取引所市場第一部に市場変更をいたしました。
このような中、代表者であり筆頭株主でもありました浅田剛治氏は次世代の経営陣への承継を進めていくため、2016年3月の株主総会において自らは代表取締役会長へ就任し経営の一線から退くとともに、後任として現任であります荻野洋基が代表取締役社長に就任し、経営体制の変更を行いました。
浅田剛治氏は経営を退くにあたり自らが保有する株式の売却を検討する意向を有するようになったとの事でしたが、当時既存店の業績が軟調に推移しており、それに合わせて代表の交代、株主の交代となった場合においては、社内外の混乱やそれに伴う株価の低迷によって長期間株主の皆様に負担を強いる可能性があることから、一度非上場化した上でポラリス・キャピタル・グループ株式会社の知見を活かして中長期的な成長の視点を持った施策を行うことに集中し、安定的な経営体制を整備する必要があると考え、当社普通株式に対する公開買付けに賛同するに至り、2016年11月に東京証券取引所市場第一部の上場を廃止いたしました。
2.上場廃止後の状況
旧ノバレーゼは上場廃止後、ポラリス・キャピタル・グループ株式会社とともに「100日プラン」を実施し、上場廃止時において公表しました以下の重点施策について、中長期的な戦略の見直しを図りました。
(1)不採算店舗の改善
不採算店舗の改善については、魅力的な立地や設備等を最大限に活かすべく、「人材戦略」「広告戦略」の観点から、改善を図りました。
①人材戦略
上場廃止後、経営と業務執行の責任分担を明確にし、権限委譲をすすめるため、執行役員制度を導入いたしました。また、これまでの本部主導であった組織体制を改め、エリア制を導入し、エリアごとの店舗を束ねる責任者を配置いたしました。これにより、現場に近いところでのサポートが可能となり、GMクラスのスタッフの底上げを図ることが出来ました。
スタッフについても、従来店舗に紐づいていたスタッフの配置をエリアの配置にすることにより、適材適所でスタッフが柔軟に対応できる体制へと移行しました。これによりこれまで店舗にとどまっていた優秀な人材が他店舗へ臨店することが可能となり、OJTでより多くのスタッフの教育ができ、スタッフの底上げを図ることが出来ました。
②広告戦略
これまでの雑誌への出稿だけでなく、テレビCMやカウンターと呼ばれる対面式の式場紹介等も積極的に活用し、集客の最大化を図りました。
また、既存の広告形態にこだわることなく、新しく自社婚礼施設を使い、婚礼顧客以外の顧客も対象としたイベント「純白の森ナイトミュージアム」等も実施し、知名度、認知度の向上を図りました。
(2)新規出店の加速
新規出店の加速においては、主に以下の観点から改善を図りました。
①人事戦略
店舗開発経験者の採用を積極的に行い、上場廃止時と比較して大幅な人員の増員を行いました。これにより、新規出店候補地のリサーチやソーシング、新店建築時における施工管理を効率的に行うことができる体制を構築いたしました。
また、自社の人員のみでなく、外部のコンサルティングも積極的に活用することにより、出店候補地のリサーチの幅を広げる事が出来ました。施工管理についても外部コンサルティングを活用し、効率的に行うことができるようになると同時に、そのノウハウを基に自社スタッフについても施工管理の効率化を図ることが出来ました。
②出店戦略
出店候補地の周辺人口について何人程度の都市が対象となるか、これまでの事業実績をもとに再検証を行いました。
これにより、周辺人口について上場廃止時においては人口30万人としておりましたが、人口25万人の都市でも十分に事業性があると判断し、現在は人口25万人以上の都市において出店候補地の選定を行っております。この変更により、これまで対象としていなかった都市についても出店候補地とすることが可能となり、出店パイプラインの拡大を図ることが出来ました。
出店候補地の事業性の検証においては、当社のこれまでの出店モデルを参考にチェックリストを作成し、初期的かつ簡易的に判断できる仕組みを構築しました。これにより、現地を視察する出店候補地の精度が高まり、より有益な情報へのアプローチが可能となりました。
人口25万人以上の都市については日本全国で100都市程度存在しますが、この中でも特に事業性のありそうな重点都市を設定し、その地域の情報を重点的にリサーチすることにより、より精度の高い情報を入手することができる体制となりました。
(3)周辺領域への事業拡大及び外注・外販方針の再検討
①周辺領域への事業拡大においては、主に以下の施策を実行してまいりました。
a.オンラインストア「THINGS MORE」オープン
上場廃止時においては、内祝いやプチギフトなど、結婚式に関連する商品について他社のECサイトのようにWEB上でお買い上げいただく仕組みを構築できておりませんでしたが、2018年8月にオンラインストア「THINGS MORE」をオープンし、当社グループが得意とする内祝いやプチギフトの販路拡大を図ることが出来ました。また、当社グループのレストランとの連携や、従前から運用していた当社ご利用顧客向け会員システム「NOVARESE CARD」と連携することにより、既存顧客の満足度向上も図ることが出来ました。
b.結婚式の参列者を対象としたパーティドレスのレンタル事業への参入
社内事業公募により提案された社内ベンチャー事業として2019年1月に「株式会社アンドユー」を設立し、「結婚式の参列者を対象としたパーティドレスのレンタル事業」を立ち上げ、2019年4月よりECサイト「ANDYOU dressing room」において販売を開始いたしました。
これまで結婚式場のプロデュースを行ってきた当社のノウハウにより、会場特性に応じたパーティドレスを提案できることから、他社との差別化を図りやすい事業であり、リピーターも多いことから今後の成長が見込める事業であると考えております。
c.留袖・モーニングのレンタル事業のECサイト化
上場廃止時においては、FAXにおいて注文を受け付けるシステムでありましたが、2019年7月に留袖・モーニングの専門ECサイトとして「Wearful」をオープンいたしました。これにより、FAXによる注文のわずらわしさを解消し、よりお客様が注文しやすい環境を構築し、顧客満足度の向上を図りました。また、当社の結婚式場ご利用のお客様以外のお客様へもご自宅へ配送する仕組みであることから、収益機会の拡大を図ることが出来ました。
②外注・外販方針の再検討においては、主に以下の施策を実行してまいりました。
a.広告代理店業の内製化
社内事業公募により提案された社内ベンチャー事業として2019年1月に「株式会社Do」を設立し、これまで外注していた「広告代理店業」を内製化いたしました。
当社がこれまで培ってきた集客ノウハウについては他社の引き合いも多く、「ブライダル専門の広告代理店」として、収益機会の拡大を図ることが出来ました。
b.コールセンターの内製化
「株式会社タイムレス」において、レストラン予約や婚礼会場の来館予約を受付けるコールセンター業務を2017年8月より内製化いたしました。これまで結婚式場のプロデュースやレストランを運営してきたノウハウをコールセンターの受付業務においても活かすことにより、お客様への受け答えがスムーズに行われ、結果として予約の取り漏れなども防ぐことができるようになりました。
コールセンター業務については外販しやすい業種である事から、今後の収益機会の拡大につなげていきたいと考えております。
(4)海外展開
海外展開におきましては、上場廃止時において韓国および中国へ出店しておりましたが、韓国においては、国内における景況感が好転せず、レストラン特化型事業として出店していた2店舗の赤字が継続したことから、2018年6月に2店舗の閉店を行い、2019年7月に韓国の現地法人の清算も完了いたしました。また、中国についても2020年6月に店舗を運営していた現地法人の株式売却を完了いたしました。
しかしながら、引き続きアジア地域の出店候補地については精力的に開発を行っており、業務提携含め引き続き海外展開の可能性を図ってまいります。
アジア以外の地域におきましては、米国ハワイ州において「ウエディングフォト事業」および「スパ事業」を手掛けていた米国法人「EXEO USA,INC.」(現在は改称し「ISLAND LABEL HAWAII,INC.」)の株式を2019年12月に取得し、同事業にも参入いたしました。
当社グループ初の米国進出となったことから、同社を拠点として今後様々な分野へ挑戦していきたいと考えております。
「ウエディングフォト事業」については、これまで当社が行ってきた設備投資型のビジネスではないビジネスモデルであり、かつ、当社がこれまで行ってきたドレス事業等のノウハウも活きることから、今後の成長が見込める事業であると考えております。また、これまでの当社グループの顧客層と異なる顧客層である「結婚式を行わない顧客層」へのアプローチも行えることから、さらなる収益の拡大に資するものと考えております。
なお、上場廃止事業年度(2016年12月期)以降における経営成績等の推移は以下のとおりであります。2019年12月期より国際会計基準(以下「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しております。
(単位:千円)
(単位:千円)
(注)1.千円未満を切り捨てて表示しております。
2.第4期より、国際会計基準(以下、「IFRS」という。)により連結財務諸表を作成しております。なお、第
3期のIFRSによる連結経営指標等をあわせて記載しております。
3.非上場化による効果
当社は非上場化以降において、経営体制を革新させたほか、ポラリス・キャピタル・グループ株式会社の知見や外部コンサルタントの活用により、各種KPIの再構築を行い、経営の管理体制の強化を図りました。中長期的な視点に立った広告戦略により、広告宣伝を積極的に行い、知名度向上およびブランド価値向上に注力してまいりました。また、昨今はお客様自身によるInstagram等のSNSにおける情報発信も活発であることから、短期的な設備の更新投資をすることが不可欠であり、店舗のインテリアの刷新など、お客様の満足度向上のために店舗リニューアルを実施することで、店舗施設の魅力を高め店舗当たりの売上を高めてまいりました。さらに、店舗開発部門の増員や出店契約などの管理体制の強化を行いました。これにより、出店パイプラインの強化や、店舗出店時や契約更新時において将来当該店舗が不採算となった場合における退店リスクを減少させることが出来ました。
また、当社が上場企業であった当時、不採算店舗が発生した場合においても、短期的な利益の低下を伴う多額の違約金が発生するような退店の意思決定は困難な状況にありました。しかし、非上場化したことで2017年から2022年までの間に不採算店舗として、婚礼施設2店舗、レストラン店舗5店舗の閉店を行い、違約金含め必要な損失処理を行ってまいりました。
人事戦略においては、非上場化以降において、外部コンサルタントを活用し、人事制度の抜本的な見直しを行いました。社内の等級や給与面の変更、人事考課の抜本的な見直しなど、公平な評価と働きやすさを両立した人事制度を構築しました。また、「ベビーシッター制度」や「副業の解禁」、「在宅勤務」など、先進的な人事制度を打ち出し、スタッフが働きやすい環境を追求してまいりました。
4.再上場の目的
このような様々な意思決定を行い、経営革新や重点施策の迅速な実施を行った結果、当初株式公開買付けの際に懸念していた経営者の交代および株主の交代に伴う社内外の混乱期を脱し、また、当社が重点施策として公表していた4項目「不採算店舗の改善」「新規出店の加速」「周辺領域への事業拡大及び外注・外販方針の再検討」「海外展開」のいずれも短期間のうちに軌道に乗せることが出来たと考えております。その結果、業績は回復しその後も順調に推移しており、安定的に経営を行う環境が整ったと考えております。
人事戦略面におきましても、外部コンサルタントを活用しながら人事制度の刷新拡充や労働環境の改善を短期間で実行し、働きやすい環境の構築が完了いたしました。結果として、優秀な人材が十分に力を発揮できる、職場環境の構築ができたと考えております。
今後は強化された経営管理や整備された職場環境を武器に、これまでの重点施策を着実に実行しながら、さらなる成長へつなげるためのステージに立ったと考えております。
当社の成長、すなわち、今後更なる企業価値の増大、株主価値の向上を実現するために、新業態開発、M&A、海外展開等の中長期的な成長投資により、大型の資金需要が発生する可能性があります。継続的な成長を実現するためには、これらの需要に必要な資金調達や人材の確保を行う必要があり、①信用度・認知度の向上により人事採用活動の円滑化を図り、優秀な人材を確保すること、および必要な資金を調達すること、②同じく従業員の会社・仕事に対する誇りからモチベーションを高め、更なる育成を図ること、③同じく取引先からの信用充実による取引の円滑化を図ることが重要であり、これらを実現することおよび、適正な株価形成と流動性を目指し、東京証券取引所への再上場を予定しております。
(はじめに)
当社は、2000年11月に設立された株式会社ワーカホリック(2002年12月に「株式会社ノバレーゼ」に社名変更。以下「旧ノバレーゼ」といいます。)を前身としております。設立以来業績を拡大し、2006年10月に東京証券取引所マザーズ市場へ上場、2010年12月には東京証券取引所市場第一部へ市場変更をいたしました。
ポラリス・キャピタル・グループ株式会社によって設立されたNAPホールディングス株式会社は、2016年9月に旧ノバレーゼの株式公開買付け(以下「本公開買付け」)を発表いたしました。本公開買付けは2016年10月に成立し、これにより旧ノバレーゼはNAPホールディングス株式会社の子会社となり、2016年11月東京証券取引所市場第一部の株式上場を廃止いたしました。NAPホールディングス株式会社は2017年6月30日を効力発生日として旧ノバレーゼを消滅会社とする合併を行い、同日付でNAPホールディングス株式会社の商号を株式会社ノバレーゼに変更し、現在に至っております。
1.NAPホールディングス株式会社が旧ノバレーゼを株式公開買付けした経緯とその目的
旧ノバレーゼは、2000年11月に設立され、挙式・披露宴に関する企画・立案および演出を行う婚礼プロデュース事業、ウエディングドレスやタキシードなどのレンタル・販売を行う婚礼衣裳事業、挙式・披露宴の婚礼飲食や宴会飲食ならびに通常のランチ・ディナー営業のレストラン事業を主な事業として事業活動を行ってまいりました。2006年10月には株式を東京証券取引所マザーズ市場へ上場、2010年12月には東京証券取引所市場第一部に市場変更をいたしました。
このような中、代表者であり筆頭株主でもありました浅田剛治氏は次世代の経営陣への承継を進めていくため、2016年3月の株主総会において自らは代表取締役会長へ就任し経営の一線から退くとともに、後任として現任であります荻野洋基が代表取締役社長に就任し、経営体制の変更を行いました。
浅田剛治氏は経営を退くにあたり自らが保有する株式の売却を検討する意向を有するようになったとの事でしたが、当時既存店の業績が軟調に推移しており、それに合わせて代表の交代、株主の交代となった場合においては、社内外の混乱やそれに伴う株価の低迷によって長期間株主の皆様に負担を強いる可能性があることから、一度非上場化した上でポラリス・キャピタル・グループ株式会社の知見を活かして中長期的な成長の視点を持った施策を行うことに集中し、安定的な経営体制を整備する必要があると考え、当社普通株式に対する公開買付けに賛同するに至り、2016年11月に東京証券取引所市場第一部の上場を廃止いたしました。
2.上場廃止後の状況
旧ノバレーゼは上場廃止後、ポラリス・キャピタル・グループ株式会社とともに「100日プラン」を実施し、上場廃止時において公表しました以下の重点施策について、中長期的な戦略の見直しを図りました。
(1)不採算店舗の改善
不採算店舗の改善については、魅力的な立地や設備等を最大限に活かすべく、「人材戦略」「広告戦略」の観点から、改善を図りました。
①人材戦略
上場廃止後、経営と業務執行の責任分担を明確にし、権限委譲をすすめるため、執行役員制度を導入いたしました。また、これまでの本部主導であった組織体制を改め、エリア制を導入し、エリアごとの店舗を束ねる責任者を配置いたしました。これにより、現場に近いところでのサポートが可能となり、GMクラスのスタッフの底上げを図ることが出来ました。
スタッフについても、従来店舗に紐づいていたスタッフの配置をエリアの配置にすることにより、適材適所でスタッフが柔軟に対応できる体制へと移行しました。これによりこれまで店舗にとどまっていた優秀な人材が他店舗へ臨店することが可能となり、OJTでより多くのスタッフの教育ができ、スタッフの底上げを図ることが出来ました。
②広告戦略
これまでの雑誌への出稿だけでなく、テレビCMやカウンターと呼ばれる対面式の式場紹介等も積極的に活用し、集客の最大化を図りました。
また、既存の広告形態にこだわることなく、新しく自社婚礼施設を使い、婚礼顧客以外の顧客も対象としたイベント「純白の森ナイトミュージアム」等も実施し、知名度、認知度の向上を図りました。
(2)新規出店の加速
新規出店の加速においては、主に以下の観点から改善を図りました。
①人事戦略
店舗開発経験者の採用を積極的に行い、上場廃止時と比較して大幅な人員の増員を行いました。これにより、新規出店候補地のリサーチやソーシング、新店建築時における施工管理を効率的に行うことができる体制を構築いたしました。
また、自社の人員のみでなく、外部のコンサルティングも積極的に活用することにより、出店候補地のリサーチの幅を広げる事が出来ました。施工管理についても外部コンサルティングを活用し、効率的に行うことができるようになると同時に、そのノウハウを基に自社スタッフについても施工管理の効率化を図ることが出来ました。
②出店戦略
出店候補地の周辺人口について何人程度の都市が対象となるか、これまでの事業実績をもとに再検証を行いました。
これにより、周辺人口について上場廃止時においては人口30万人としておりましたが、人口25万人の都市でも十分に事業性があると判断し、現在は人口25万人以上の都市において出店候補地の選定を行っております。この変更により、これまで対象としていなかった都市についても出店候補地とすることが可能となり、出店パイプラインの拡大を図ることが出来ました。
出店候補地の事業性の検証においては、当社のこれまでの出店モデルを参考にチェックリストを作成し、初期的かつ簡易的に判断できる仕組みを構築しました。これにより、現地を視察する出店候補地の精度が高まり、より有益な情報へのアプローチが可能となりました。
人口25万人以上の都市については日本全国で100都市程度存在しますが、この中でも特に事業性のありそうな重点都市を設定し、その地域の情報を重点的にリサーチすることにより、より精度の高い情報を入手することができる体制となりました。
(3)周辺領域への事業拡大及び外注・外販方針の再検討
①周辺領域への事業拡大においては、主に以下の施策を実行してまいりました。
a.オンラインストア「THINGS MORE」オープン
上場廃止時においては、内祝いやプチギフトなど、結婚式に関連する商品について他社のECサイトのようにWEB上でお買い上げいただく仕組みを構築できておりませんでしたが、2018年8月にオンラインストア「THINGS MORE」をオープンし、当社グループが得意とする内祝いやプチギフトの販路拡大を図ることが出来ました。また、当社グループのレストランとの連携や、従前から運用していた当社ご利用顧客向け会員システム「NOVARESE CARD」と連携することにより、既存顧客の満足度向上も図ることが出来ました。
b.結婚式の参列者を対象としたパーティドレスのレンタル事業への参入
社内事業公募により提案された社内ベンチャー事業として2019年1月に「株式会社アンドユー」を設立し、「結婚式の参列者を対象としたパーティドレスのレンタル事業」を立ち上げ、2019年4月よりECサイト「ANDYOU dressing room」において販売を開始いたしました。
これまで結婚式場のプロデュースを行ってきた当社のノウハウにより、会場特性に応じたパーティドレスを提案できることから、他社との差別化を図りやすい事業であり、リピーターも多いことから今後の成長が見込める事業であると考えております。
c.留袖・モーニングのレンタル事業のECサイト化
上場廃止時においては、FAXにおいて注文を受け付けるシステムでありましたが、2019年7月に留袖・モーニングの専門ECサイトとして「Wearful」をオープンいたしました。これにより、FAXによる注文のわずらわしさを解消し、よりお客様が注文しやすい環境を構築し、顧客満足度の向上を図りました。また、当社の結婚式場ご利用のお客様以外のお客様へもご自宅へ配送する仕組みであることから、収益機会の拡大を図ることが出来ました。
②外注・外販方針の再検討においては、主に以下の施策を実行してまいりました。
a.広告代理店業の内製化
社内事業公募により提案された社内ベンチャー事業として2019年1月に「株式会社Do」を設立し、これまで外注していた「広告代理店業」を内製化いたしました。
当社がこれまで培ってきた集客ノウハウについては他社の引き合いも多く、「ブライダル専門の広告代理店」として、収益機会の拡大を図ることが出来ました。
b.コールセンターの内製化
「株式会社タイムレス」において、レストラン予約や婚礼会場の来館予約を受付けるコールセンター業務を2017年8月より内製化いたしました。これまで結婚式場のプロデュースやレストランを運営してきたノウハウをコールセンターの受付業務においても活かすことにより、お客様への受け答えがスムーズに行われ、結果として予約の取り漏れなども防ぐことができるようになりました。
コールセンター業務については外販しやすい業種である事から、今後の収益機会の拡大につなげていきたいと考えております。
(4)海外展開
海外展開におきましては、上場廃止時において韓国および中国へ出店しておりましたが、韓国においては、国内における景況感が好転せず、レストラン特化型事業として出店していた2店舗の赤字が継続したことから、2018年6月に2店舗の閉店を行い、2019年7月に韓国の現地法人の清算も完了いたしました。また、中国についても2020年6月に店舗を運営していた現地法人の株式売却を完了いたしました。
しかしながら、引き続きアジア地域の出店候補地については精力的に開発を行っており、業務提携含め引き続き海外展開の可能性を図ってまいります。
アジア以外の地域におきましては、米国ハワイ州において「ウエディングフォト事業」および「スパ事業」を手掛けていた米国法人「EXEO USA,INC.」(現在は改称し「ISLAND LABEL HAWAII,INC.」)の株式を2019年12月に取得し、同事業にも参入いたしました。
当社グループ初の米国進出となったことから、同社を拠点として今後様々な分野へ挑戦していきたいと考えております。
「ウエディングフォト事業」については、これまで当社が行ってきた設備投資型のビジネスではないビジネスモデルであり、かつ、当社がこれまで行ってきたドレス事業等のノウハウも活きることから、今後の成長が見込める事業であると考えております。また、これまでの当社グループの顧客層と異なる顧客層である「結婚式を行わない顧客層」へのアプローチも行えることから、さらなる収益の拡大に資するものと考えております。
なお、上場廃止事業年度(2016年12月期)以降における経営成績等の推移は以下のとおりであります。2019年12月期より国際会計基準(以下「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しております。
(単位:千円)
| 回次 | 日本基準(連結) | |
| 旧ノバレーゼ | 株式会社ノバレーゼ | |
| 第17期 | 第2期 | |
| 決算年月 | 2016年12月 | 2017年12月 |
| 売上高 | 15,857,591 | 16,357,063 |
| 売上総利益 | 8,733,015 | 9,330,268 |
| 営業利益 | 1,473,263 | 1,068,472 |
| 経常利益 | 1,357,698 | 418,840 |
| 税金等調整前当期純利益 | 1,257,118 | 45,909 |
| 当期純利益または当期純損失(△) | 918,101 | △191,239 |
(単位:千円)
| 回次 | IFRS(連結) | ||||
| 株式会社ノバレーゼ | |||||
| 第3期 | 第4期 | 第5期 | 第6期 | 第7期 | |
| 決算年月 | 2018年12月 | 2019年12月 | 2020年12月 | 2021年12月 | 2022年12月 |
| 売上収益 | 18,388,118 | 17,405,379 | 7,334,059 | 11,191,900 | 17,222,448 |
| 売上総利益 | 10,634,840 | 10,020,265 | 3,402,822 | 6,397,602 | 10,142,217 |
| 営業利益または営業損失(△) | 2,299,789 | 2,019,850 | △3,941,540 | 822,185 | 2,775,733 |
| 税引前利益または税引前損失(△) | 1,651,124 | 1,734,415 | △4,326,364 | 539,239 | 2,485,209 |
| 当期利益または当期損失(△) | 1,074,249 | 1,312,819 | △2,947,527 | 374,025 | 1,656,874 |
(注)1.千円未満を切り捨てて表示しております。
2.第4期より、国際会計基準(以下、「IFRS」という。)により連結財務諸表を作成しております。なお、第
3期のIFRSによる連結経営指標等をあわせて記載しております。
3.非上場化による効果
当社は非上場化以降において、経営体制を革新させたほか、ポラリス・キャピタル・グループ株式会社の知見や外部コンサルタントの活用により、各種KPIの再構築を行い、経営の管理体制の強化を図りました。中長期的な視点に立った広告戦略により、広告宣伝を積極的に行い、知名度向上およびブランド価値向上に注力してまいりました。また、昨今はお客様自身によるInstagram等のSNSにおける情報発信も活発であることから、短期的な設備の更新投資をすることが不可欠であり、店舗のインテリアの刷新など、お客様の満足度向上のために店舗リニューアルを実施することで、店舗施設の魅力を高め店舗当たりの売上を高めてまいりました。さらに、店舗開発部門の増員や出店契約などの管理体制の強化を行いました。これにより、出店パイプラインの強化や、店舗出店時や契約更新時において将来当該店舗が不採算となった場合における退店リスクを減少させることが出来ました。
また、当社が上場企業であった当時、不採算店舗が発生した場合においても、短期的な利益の低下を伴う多額の違約金が発生するような退店の意思決定は困難な状況にありました。しかし、非上場化したことで2017年から2022年までの間に不採算店舗として、婚礼施設2店舗、レストラン店舗5店舗の閉店を行い、違約金含め必要な損失処理を行ってまいりました。
人事戦略においては、非上場化以降において、外部コンサルタントを活用し、人事制度の抜本的な見直しを行いました。社内の等級や給与面の変更、人事考課の抜本的な見直しなど、公平な評価と働きやすさを両立した人事制度を構築しました。また、「ベビーシッター制度」や「副業の解禁」、「在宅勤務」など、先進的な人事制度を打ち出し、スタッフが働きやすい環境を追求してまいりました。
4.再上場の目的
このような様々な意思決定を行い、経営革新や重点施策の迅速な実施を行った結果、当初株式公開買付けの際に懸念していた経営者の交代および株主の交代に伴う社内外の混乱期を脱し、また、当社が重点施策として公表していた4項目「不採算店舗の改善」「新規出店の加速」「周辺領域への事業拡大及び外注・外販方針の再検討」「海外展開」のいずれも短期間のうちに軌道に乗せることが出来たと考えております。その結果、業績は回復しその後も順調に推移しており、安定的に経営を行う環境が整ったと考えております。
人事戦略面におきましても、外部コンサルタントを活用しながら人事制度の刷新拡充や労働環境の改善を短期間で実行し、働きやすい環境の構築が完了いたしました。結果として、優秀な人材が十分に力を発揮できる、職場環境の構築ができたと考えております。
今後は強化された経営管理や整備された職場環境を武器に、これまでの重点施策を着実に実行しながら、さらなる成長へつなげるためのステージに立ったと考えております。
当社の成長、すなわち、今後更なる企業価値の増大、株主価値の向上を実現するために、新業態開発、M&A、海外展開等の中長期的な成長投資により、大型の資金需要が発生する可能性があります。継続的な成長を実現するためには、これらの需要に必要な資金調達や人材の確保を行う必要があり、①信用度・認知度の向上により人事採用活動の円滑化を図り、優秀な人材を確保すること、および必要な資金を調達すること、②同じく従業員の会社・仕事に対する誇りからモチベーションを高め、更なる育成を図ること、③同じく取引先からの信用充実による取引の円滑化を図ることが重要であり、これらを実現することおよび、適正な株価形成と流動性を目指し、東京証券取引所への再上場を予定しております。