有価証券報告書-第26期(平成29年1月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/03/29 9:30
【資料】
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【項目】
83項目
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は「この国のものづくりを置き去りにする」を経営理念にしております。
これは、日本の製造業の牽引役に成るべく、従来のやり方や考えに捉われずに新しいことに挑戦し続けるという当社の決意を表現したものです。
(行動指針)
当社の使命は、全てのステークホルダーの利益を尊重しつつ、革新的な製品およびサービスを提供し、顧客満足度を最大化できる価値を創造しつづけることです。
我々は社会的責任を持って公正かつ倫理的に事業を行い、公平な雇用をし、職場の安全性を守り、我々の業務に適用される全ての法律を遵守します。
① 法令等遵守の徹底
法令・社会的規範、社内諸規程・マニュアル等を遵守します。また、適正な会計処理を行い、事実に基づいた経理処理や証票類の記載を行います。
② 高品質とスピードを両立したサービス提供
関連する法律・ルールを遵守したうえで、お客様の視点を踏まえて、そのニーズを反映した良質なサービスを迅速にご提供します。
③ お客様の声への適切な対応
ご意見、お問い合わせ、クレーム等いかなる「お客様の声」にも誠実に対応するとともに、今後のサービス提供や業務改善に反映します。
④ 人権を尊重する職場環境の実現
職場における差別、各種ハラスメント等の人権侵害行為を許容せず、相互の信頼と良識のある職場環境を実現します。
⑤ 快適な職場環境の整備
社員が能力や個性を存分に発揮するとともに、能力を積極的に向上できる、快適で働きやすい職場環境を整備します。
⑥ ステークホルダーとの関係
ステークホルダーとの関係は、健全かつ節度を保ち、疑義を招くような接待・贈答を行ったり受けたりしません。
⑦ インサイダー取引の禁止
インサイダー取引となりうる株式等の売買は行いません。そのために、当社および取引先等の内部情報は厳重かつ適切に管理します。
⑧ 業務の相互牽制と管理
あらゆる業務活動において、社員が相互に牽制を働かせるとともに、管理者は所管の業務活動の遂行状況を適切に管理・把握します。
⑨ 適切かつ透明な意思決定の確保
業務活動におけるあらゆる意思決定は、法令や社内の諸規程に則り、合理的根拠に基づいて第三者に説明することを前提として実行します。
⑩ 適切なリスク管理
あらゆる業務活動において、リスク管理をはかるとともに、各種のリスクを常に適切に管理できる内部管理体制を構築します。
⑪ 情報の適切な管理
当社およびお客様の機密情報に加えて、社員のプライバシーに関わる情報についても守秘する義務があることを意識し、常に適切に管理します。
⑫ 適切かつ公正な情報開示
当社の経営状況および企業活動への正確な理解を促進するために、ステークホルダーへの適切かつ公正な情報開示に努めます。
⑬ 知的資産の適切な保護
あらゆる業務活動において、第三者が保有するすべての知的資産を尊重するとともに、当社が保有する知的資産を適切に保護し役立てます。
⑭ 反社会的勢力との関係の拒絶
反社会的な団体や勢力との関与を断固として拒絶し、そうした活動を助長する行為は一切行わず、毅然とした姿勢で臨みます。
(2)経営戦略等
当社の経営戦略の現状と見通しは以下のとおりです。
・3Dプリンター出力事業
試作はものづくりの上流に位置する工程になります。当社は、砂型3Dプリンターなど、新しい装置を適宜導入する予定であり、事業拡大に貢献する3Dプリンターを積極的に利用する考えであります。3Dプリンターに対する認知度も高まっており、今後も受注状況は底堅く推移するものと考えております。
医療用実体モデルについては、自社製品である「HEARTROID」を、オーダーメイドモデルの受託サービスにより、受注数を増やしております。医療機器メーカーからのニーズを「HEARTROID」の新製品開発に生かし、ラインナップを増やしていくことで、規格製品の売上増を見込めると考えております。また、「HEARTROID」の販売においては、国内外の代理店契約を進め、販路拡大により売上増を見込めると考えております。
・鋳造事業
砂型鋳造については、人為的不具合による再作の削減、外注加工の粗利率管理を徹底していくとともに、技術的難易度の高い案件についても、再作コスト削減に引続き取り組んでまいります。
また、コンセプトセンターの第5期棟(鋳造棟)が稼働を開始いたしましたので、生産能力が段階的に上がると考えておりますが、一方で、生産コストや労働時間の削減を図るため、生産効率向上を実現する必要があります。
当該事業は引き合いが多い傾向で推移してきておりますので、生産能力の拡大、生産効率の向上、技術力向上による高品質、短納期の継続により売上増を見込めると考えております。
・CT事業
検査・測定サービスでは、物体の内部形状の測定、評価、非接触検査による製品の品質検査及び部品の撮像サービスを行っております。当該サービスの需要は堅調に推移し、産業用CTを平成30年4月に増設しラインナップを強化いたします。今後も需要は堅調に推移するものと考えており、製品評価やリバースエンジニアリング等、非接触での内部形状評価及びデータ化による売上増が見込めると考えております。
また、産業用CTのニーズが高まると考え、産業用高性能CTの販売業務を開始しており、当社保有の産業用CTによる検査・測定サービスとの相乗効果で売上増を見込めると考えております。
(3)経営環境
少子高齢化社会の到来による消費力の減少、人件費の高騰による製造部門の国外流出等、「ものづくり」を取り巻く環境は厳しい状況となっています。そのような経済環境のもと、当社は、「この国のものづくりを置き去りにする」というコーポレートメッセージに従い、3Dプリンター、鋳造工法及び産業用CTを融合した独自のものづくり技術を駆使して、事業に取り組んでおります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社が、事業推進上重要課題と認識している点は、以下のとおりであります。
① グループ資源の融合・活用
近年の3Dプリンターに対する需要の拡大をきっかけに、金属を素材とした3Dプリンターによる造形が課題となっており、当社も取り組んでおりますが、黎明期であり、実用可能な段階には至っていない状況が続いております。これに対し、3Dプリンターと鋳造を事業として持つ当社の特色を生かし、今後、砂型鋳造で使われる木型を介さず、3Dプリンターでの鋳型を作製する砂型鋳造法を確立することで、金属鋳造への3Dプリンターの応用を進めていくことに取り組んでまいります。
② 多種合金への展開
当社はこれまで砂型鋳造法の精度を高めることで、試作品から製品分野へ対応範囲を拡大してきましたが、さらに素材の面におきましても、顧客メーカーのニーズに応えるために、アルミニウム合金、マグネシウム合金及び鋳鉄を取扱っております。今後、鋳鋼・銅合金などの取扱いも検討いたします。また、アルミニウム、マグネシウムの中でも強度等が向上した新たな配合の同合金材料の採用を続けることにより、さらに幅広い市場を開拓することに取り組んでまいります。
③ 医療機器販売等に係る事業の参入
当社が安定的かつ持続的企業成長を実現するために、既存の3事業(3Dプリンター出力事業、鋳造事業及びCT事業)と親和性がある新規事業への参入、拡大が必要と考えています。
現在、当社は自社製品である心臓カテーテルシミュレーター「HEARTROID」をはじめとする医療関連製品を3Dプリンターの技術を活用して製造しており、平成29年7月には「高度管理医療機器等販売業・貸与業」の許可を取得し、医療機器の販売が可能となりました。これを第一歩として、医療機器の開発、製造、販売、貸与及び輸出入に係る新規分野での事業拡大に取り組んでまいります。
④ 自動車のEV化への対応
今後、世界の自動車販売に占めるEV(Electric Vehicle=電気自動車)の割合は急速に高まっていくことが予想されています。EV化に伴い車体構造がシンプルになり、使用される部品数が大幅に減少する一方で、新たに開発が見込まれるモーターや重要保安部品等における試作技術力が求められています。
このような世界的な潮流の変化を好機ととらえ、当社の強みである高品質・高付加価値を活かし、EV化の対応に取り組んでまいります。
⑤ マグネシウム鋳造の受注拡大
当社は、素材の軽量化に寄与するマグネシウム鋳造に注力しております。自動車や航空宇宙分野においては、素材の軽量化はそのまま作製物の軽量化につながり、メーカーにとって重要な課題となっております。当社では、一般的なマグネシウム合金よりも強度等が優れている特殊マグネシウム合金(以下「MEL合金」という。)を製造しているMEL社(Magnesium Electron Ltd.英)と材料仕入に関するライセンス契約を平成24年3月に締結しており、同素材は、砂型鋳造法にのみ使用可能となっております。MEL合金は、F1用車両や軍事用輸送機など特殊分野への用途が広がっていることから、今後も、MEL合金を含めたマグネシウム鋳造による受注拡大に努めてまいります。
⑥ 人材の確保、育成
変化する事業環境に最適な企業構造を保ちつつ、長期的な成長を担保するために、優秀な人材の確保、育成が急務であります。当社では、3Dプリンター出力事業と鋳造事業及びCT事業、また製造部門と営業部門を横断できるゼネラリスト型の人材と、製造業特有の技術・知識に長けた職人型の人材の両面の育成が課題であり、これらに関し中長期的視野で取り組んでまいります。
⑦ ブランドの知名度向上
当社が完成品メーカーの単なる下請けではなく、3Dプリンターと鋳造工法による高品質なものづくりを行う対等なパートナーとして主体的に関わっていくためには、製品の品質やサービス等に裏付けられたコーポレートブランドを確立していくことが重要と考えております。そのため、営業活動におけるサービスや採用活動において、費用対効果を見極めながら広報宣伝やIR、PR活動を推進させることを課題と認識し、工場の設計からウェブサイトや各種パンフレットに至るまで一貫したコンセプトで作成し、コーポレート・アイデンティティの構築とそのブランディングに取り組んでまいります。

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