有価証券報告書-第16期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(1) 経営の基本方針
① 共有価値の創造
当社グループは、顧客である住宅事業者の経営を支援するために、金融という切り口から住宅産業の課題解決に取り組んでおります。経営における最も重要な指針として、課題解決という「社会的価値の追求」により、企業としての「経済的価値の向上」を目指す、「共有価値の創造」を掲げております。

② 8つの経営方針
経営方針としては、以下の8つを掲げております。

(2)目標とする経営指標
当社グループでは、長期利益の実現を目指し、「堅実で持続的な増益」を最も重要な経営目標としております。
増収も主要な目標のひとつと考えておりますが、顧客・投資家・株主・従業員・社会等の当社グループを取り巻くあらゆるステークホルダーへの責任を果たすためには、増益により健全で積極的な投資を継続し、持続的に成長していくことが肝要であるとの価値観から、増収よりも増益に重きを置いております。
増益を重要視しているという観点に加え、当社グループでは各セグメント及び各サービスによって粗利率が異なり、売上をセグメント共通の指標にしづらいといった側面(注)もあるため、最も重要な指標として「営業利益」を位置付けております。
(注)住宅金融事業の主力サービスである住宅ローンは融資手数料のみを売上として計上し、住宅瑕疵保険等事業の主力サービスである住宅瑕疵(かし)保険は原価を含む総額表示にて計上し、住宅アカデメイア事業の主力サービスである住宅保証サービス等は売上から原価を差し引いた純額表示にて計上している等の差異があります。また、業績への貢献度が最も高い住宅ローンの粗利率が高いことから、連結損益計算書においては、営業収益が小さく相対的に利益率が高くなる傾向にあります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループでは中期経営計画を毎期更新しており、現在は2022年3月期から2024年3月期における3カ年を対象とした中期経営計画として「MSJグループ中期経営計画2024年3月期」を策定しております。2024年3月期までに連結営業収益90億円(当連結会計年度比1.26倍)、連結営業利益20億円(当連結会計年度比1.40倍)を計画しております。
従前より取り組んでおりました住宅事業者への支援強化により差別化を推進し、住宅金融サービスの販売件数増加等につなげ、中長期的な成長を目指します。当中期経営計画における戦略ターゲット、コンセプト等は次のとおりです。
① 戦略ターゲット
当社グループは、住宅の建設・販売等を行う住宅事業者(ハウスメーカー、ビルダー、工務店、デベロッパー、不動産会社等)を顧客としておりますが、そのなかでも中小規模の住宅事業者を戦略ターゲットとしております。住宅業界は大手により市場が寡占化されておらず、中小企業が圧倒的に多く存在し、我が国における住宅産業の大切な担い手となっております。従って、中小住宅事業者向けの経営支援に関するマーケットはすそ野が広く、ポテンシャルが高いと考えております。
一般的に中小企業を顧客とすることは、リスクが高く収益性も低いと考えられておりますが、当社グループでは中小住宅事業者向けに特化した住宅金融サービスに加え、住宅事業クラウドや建築士による現場検査・保全、完成保証等、他の民間金融機関にはない住宅事業を多方面から支援するサービス群を持っております。これらを組み合わせることで、他企業が模倣しにくい競争戦略ストーリー(④ 競争戦略ストーリー 参照)を生み出します。
② 背景
住宅業界においてはコロナ禍等の影響により、財務基盤の弱い中小住宅事業者を中心に、主要取引金融機関(メインバンク)との関係が希薄化し、「メインバンク・ロス」となるケースが増加しております。さらに住宅の原材料となる木材価格が高騰し供給制約が起き始め、住宅事業者は資金繰りや利益の確保といった切実な課題に直面しております。当社グループでは、これらの課題解決に取り組み、コロナ禍をチャンスに変えてまいります。
③ 競争戦略コンセプト
当社グループでは、「最も敷居の低いビルダーズバンク」というコンセプトを掲げております。「敷居の低い」とは融資基準を下げるという意味ではなく、住宅事業者が気軽に相談できることを意味し、「ビルダーズバンク」とは住宅事業者(ビルダー)専門の総合金融サービス会社を表しております。戦略ターゲットであるメインバンク・ロス状態の中小住宅事業者は、「銀行は敷居が高い」と感じているケースが多いため、金融機関として敷居が低いことが大きな価値となります。
④ 競争戦略ストーリー
当社グループでは、住宅事業を多方面から支援するサービス群等の様々な差別化要素を持っております。これら一つひとつの差別化要素を相互作用させ組み合わせてストーリーにし、1軒の住宅に多彩な住宅金融サービスを提供する「ONEハウスMULTIファイナンス」(第2 企業の概況 3 事業の内容 参照)モデルを推進します。
当ストーリーは、当社グループにおいて一番集客力があり住宅事業者にとって敷居の低いサービスから取引を始め、住宅事業クラウドシステムの無償提供により住宅事業者を囲い込み、住宅事業者の経営情報等をモニタリングし、貸し倒れリスクを最小化した形で事業資金を提供し、利益率の高い住宅ローン商品の貸付へとつなげていくものです。当ストーリーを何度も回転させ、リピート販売を推進します(下図参照)。

⑤ 投資戦略
当社は中長期的な成長を実現するため、「第三者割当による第2回新株予約権(行使価格修正条項及び行使停止条項付)」を発行し(第4 提出会社の状況 (2) 新株予約権等の状況 ③ その他新株予約権等の状況 参照)、資金調達を行っております。
メインバンク・ロス状態にある中小住宅事業者は年々増加し、住宅ローン市場において巨大な空白ゾーンが生まれております。当社グループではこれをチャンスと捉え、成長実現の鍵は当該空白ゾーンの攻略にあると考えております。そのために、戦略商品のリリース・拡充等を推進し、商品力の増強によって、当社顧客層を当該空白ゾーンに向かって拡大させる戦略を立てております。
戦略商品のひとつが、当連結会計年度に新たにリリースした住宅ローン「MSJフラット35(保証型)」でです。従来の「MSJフラット35」より金利が低く住宅資金需要者のメリットが高いことから、当社顧客層の拡大に貢献できると考えております。また、もう一つの戦略商品として、住宅事業者の事業資金の役割を担う「つなぎローン」を重点的に拡充し、住宅事業者の高まる資金繰りニーズに応えます。これらの戦略商品のリリース・拡充に関する資金等を目的として、本資金調達を当連結会計年度に開始いたしました。
今後2022年9月26日までの行使期間において合計約20億円の資金調達を想定しております。競争優位性を高めるため、引き続き健全で積極的な投資を継続してまいります。
(4)対処すべき課題
「社会的価値」及び「経済的価値」((1) 経営の基本方針 参照)の追求における課題は次のとおりであると考えております。
① 「社会的価値の追求」(住宅産業における課題解決)における課題
A.中小住宅事業者が直面する「メインバンク・ロス」
住宅業界においては、メインバンク・ロスとなる中小住宅事業者が増加しております。そこで当社グループでは、住宅事業者の身近な経営のパートナーとして、住宅ローンのみならず資金繰り等も含めた総合的な金融サービスを提供し、課題解決に取り組みます。
B.デジタル化による生産性向上・利益確保
住宅業界においては、建材・住宅資材等の建設原価や人件費が上昇し続けており、デジタル化による生産性向上・利益確保が共通課題となっております。しかし、中小住宅事業者はデジタル化の導入が遅れており、厳しい状況にあります。そこで当社グループでは、独自に開発した住宅事業クラウドシステム「助っ人クラウド」を住宅事業者に無償で提供し、課題解決に取り組みます。
C.住宅ストック事業への事業転換
住宅業界では、新築住宅市場は縮小局面にあり、住宅事業者は住宅ストック事業を含めた業態への転換が求められています。そこで当社グループでは、「生涯顧客化」(住宅事業者が、住宅の引渡後もメンテナンス等の実施により顧客とつながり続け、新築住宅の建設・販売だけではなくリフォーム等の幅広い収益を上げるビジネスモデル)による業態転換を支援するサービスを増強し、課題解決に取り組みます。
② 「経済的価値の向上」(当社グループの中長期的な成長)」における課題
A.クロスセルの推進による収益力向上
当社グループは、住宅分野の様々な金融サービスを取り扱っており、1軒の住宅にいかに多くのサービスを販売できるかが重要なポイントとなります。そこで、住宅事業者を囲い込み連鎖的にサービスを販売できるクラウドの仕組みにより、クロスセルを推進し1軒の住宅当たりの単価を上げ、収益力向上を目指します。
B.差別化の推進によるシェアの拡大
住宅ローン・保険・保証等の住宅金融サービスは、商品内容での差別化が難しいコモディティ商品ですが、当社グループでは住宅事業者の企業活動に必要な商品を組み合わせて提供できる点が差別化ポイントとなっております。この強みを活かし、サービスの付加価値を高め、シェアの拡大を目指します。
C.新商品開発・拡充による課題解決の持続
当社グループは、中小住宅事業者が直面する課題を解決することを目的に、新しいサービス開発してきました。今後も、人材の育成や企業文化の醸成に力を入れ、新商品開発・拡充により住宅事業者のニーズにいち早く応え、成長を実現します。
(1) 経営の基本方針
① 共有価値の創造
当社グループは、顧客である住宅事業者の経営を支援するために、金融という切り口から住宅産業の課題解決に取り組んでおります。経営における最も重要な指針として、課題解決という「社会的価値の追求」により、企業としての「経済的価値の向上」を目指す、「共有価値の創造」を掲げております。

② 8つの経営方針
経営方針としては、以下の8つを掲げております。

(2)目標とする経営指標
当社グループでは、長期利益の実現を目指し、「堅実で持続的な増益」を最も重要な経営目標としております。
増収も主要な目標のひとつと考えておりますが、顧客・投資家・株主・従業員・社会等の当社グループを取り巻くあらゆるステークホルダーへの責任を果たすためには、増益により健全で積極的な投資を継続し、持続的に成長していくことが肝要であるとの価値観から、増収よりも増益に重きを置いております。
増益を重要視しているという観点に加え、当社グループでは各セグメント及び各サービスによって粗利率が異なり、売上をセグメント共通の指標にしづらいといった側面(注)もあるため、最も重要な指標として「営業利益」を位置付けております。
(注)住宅金融事業の主力サービスである住宅ローンは融資手数料のみを売上として計上し、住宅瑕疵保険等事業の主力サービスである住宅瑕疵(かし)保険は原価を含む総額表示にて計上し、住宅アカデメイア事業の主力サービスである住宅保証サービス等は売上から原価を差し引いた純額表示にて計上している等の差異があります。また、業績への貢献度が最も高い住宅ローンの粗利率が高いことから、連結損益計算書においては、営業収益が小さく相対的に利益率が高くなる傾向にあります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループでは中期経営計画を毎期更新しており、現在は2022年3月期から2024年3月期における3カ年を対象とした中期経営計画として「MSJグループ中期経営計画2024年3月期」を策定しております。2024年3月期までに連結営業収益90億円(当連結会計年度比1.26倍)、連結営業利益20億円(当連結会計年度比1.40倍)を計画しております。
従前より取り組んでおりました住宅事業者への支援強化により差別化を推進し、住宅金融サービスの販売件数増加等につなげ、中長期的な成長を目指します。当中期経営計画における戦略ターゲット、コンセプト等は次のとおりです。
① 戦略ターゲット
当社グループは、住宅の建設・販売等を行う住宅事業者(ハウスメーカー、ビルダー、工務店、デベロッパー、不動産会社等)を顧客としておりますが、そのなかでも中小規模の住宅事業者を戦略ターゲットとしております。住宅業界は大手により市場が寡占化されておらず、中小企業が圧倒的に多く存在し、我が国における住宅産業の大切な担い手となっております。従って、中小住宅事業者向けの経営支援に関するマーケットはすそ野が広く、ポテンシャルが高いと考えております。
一般的に中小企業を顧客とすることは、リスクが高く収益性も低いと考えられておりますが、当社グループでは中小住宅事業者向けに特化した住宅金融サービスに加え、住宅事業クラウドや建築士による現場検査・保全、完成保証等、他の民間金融機関にはない住宅事業を多方面から支援するサービス群を持っております。これらを組み合わせることで、他企業が模倣しにくい競争戦略ストーリー(④ 競争戦略ストーリー 参照)を生み出します。
② 背景
住宅業界においてはコロナ禍等の影響により、財務基盤の弱い中小住宅事業者を中心に、主要取引金融機関(メインバンク)との関係が希薄化し、「メインバンク・ロス」となるケースが増加しております。さらに住宅の原材料となる木材価格が高騰し供給制約が起き始め、住宅事業者は資金繰りや利益の確保といった切実な課題に直面しております。当社グループでは、これらの課題解決に取り組み、コロナ禍をチャンスに変えてまいります。
③ 競争戦略コンセプト
当社グループでは、「最も敷居の低いビルダーズバンク」というコンセプトを掲げております。「敷居の低い」とは融資基準を下げるという意味ではなく、住宅事業者が気軽に相談できることを意味し、「ビルダーズバンク」とは住宅事業者(ビルダー)専門の総合金融サービス会社を表しております。戦略ターゲットであるメインバンク・ロス状態の中小住宅事業者は、「銀行は敷居が高い」と感じているケースが多いため、金融機関として敷居が低いことが大きな価値となります。
④ 競争戦略ストーリー
当社グループでは、住宅事業を多方面から支援するサービス群等の様々な差別化要素を持っております。これら一つひとつの差別化要素を相互作用させ組み合わせてストーリーにし、1軒の住宅に多彩な住宅金融サービスを提供する「ONEハウスMULTIファイナンス」(第2 企業の概況 3 事業の内容 参照)モデルを推進します。
当ストーリーは、当社グループにおいて一番集客力があり住宅事業者にとって敷居の低いサービスから取引を始め、住宅事業クラウドシステムの無償提供により住宅事業者を囲い込み、住宅事業者の経営情報等をモニタリングし、貸し倒れリスクを最小化した形で事業資金を提供し、利益率の高い住宅ローン商品の貸付へとつなげていくものです。当ストーリーを何度も回転させ、リピート販売を推進します(下図参照)。

⑤ 投資戦略
当社は中長期的な成長を実現するため、「第三者割当による第2回新株予約権(行使価格修正条項及び行使停止条項付)」を発行し(第4 提出会社の状況 (2) 新株予約権等の状況 ③ その他新株予約権等の状況 参照)、資金調達を行っております。
メインバンク・ロス状態にある中小住宅事業者は年々増加し、住宅ローン市場において巨大な空白ゾーンが生まれております。当社グループではこれをチャンスと捉え、成長実現の鍵は当該空白ゾーンの攻略にあると考えております。そのために、戦略商品のリリース・拡充等を推進し、商品力の増強によって、当社顧客層を当該空白ゾーンに向かって拡大させる戦略を立てております。
戦略商品のひとつが、当連結会計年度に新たにリリースした住宅ローン「MSJフラット35(保証型)」でです。従来の「MSJフラット35」より金利が低く住宅資金需要者のメリットが高いことから、当社顧客層の拡大に貢献できると考えております。また、もう一つの戦略商品として、住宅事業者の事業資金の役割を担う「つなぎローン」を重点的に拡充し、住宅事業者の高まる資金繰りニーズに応えます。これらの戦略商品のリリース・拡充に関する資金等を目的として、本資金調達を当連結会計年度に開始いたしました。
今後2022年9月26日までの行使期間において合計約20億円の資金調達を想定しております。競争優位性を高めるため、引き続き健全で積極的な投資を継続してまいります。
(4)対処すべき課題
「社会的価値」及び「経済的価値」((1) 経営の基本方針 参照)の追求における課題は次のとおりであると考えております。
① 「社会的価値の追求」(住宅産業における課題解決)における課題
A.中小住宅事業者が直面する「メインバンク・ロス」
住宅業界においては、メインバンク・ロスとなる中小住宅事業者が増加しております。そこで当社グループでは、住宅事業者の身近な経営のパートナーとして、住宅ローンのみならず資金繰り等も含めた総合的な金融サービスを提供し、課題解決に取り組みます。
B.デジタル化による生産性向上・利益確保
住宅業界においては、建材・住宅資材等の建設原価や人件費が上昇し続けており、デジタル化による生産性向上・利益確保が共通課題となっております。しかし、中小住宅事業者はデジタル化の導入が遅れており、厳しい状況にあります。そこで当社グループでは、独自に開発した住宅事業クラウドシステム「助っ人クラウド」を住宅事業者に無償で提供し、課題解決に取り組みます。
C.住宅ストック事業への事業転換
住宅業界では、新築住宅市場は縮小局面にあり、住宅事業者は住宅ストック事業を含めた業態への転換が求められています。そこで当社グループでは、「生涯顧客化」(住宅事業者が、住宅の引渡後もメンテナンス等の実施により顧客とつながり続け、新築住宅の建設・販売だけではなくリフォーム等の幅広い収益を上げるビジネスモデル)による業態転換を支援するサービスを増強し、課題解決に取り組みます。
② 「経済的価値の向上」(当社グループの中長期的な成長)」における課題
A.クロスセルの推進による収益力向上
当社グループは、住宅分野の様々な金融サービスを取り扱っており、1軒の住宅にいかに多くのサービスを販売できるかが重要なポイントとなります。そこで、住宅事業者を囲い込み連鎖的にサービスを販売できるクラウドの仕組みにより、クロスセルを推進し1軒の住宅当たりの単価を上げ、収益力向上を目指します。
B.差別化の推進によるシェアの拡大
住宅ローン・保険・保証等の住宅金融サービスは、商品内容での差別化が難しいコモディティ商品ですが、当社グループでは住宅事業者の企業活動に必要な商品を組み合わせて提供できる点が差別化ポイントとなっております。この強みを活かし、サービスの付加価値を高め、シェアの拡大を目指します。
C.新商品開発・拡充による課題解決の持続
当社グループは、中小住宅事業者が直面する課題を解決することを目的に、新しいサービス開発してきました。今後も、人材の育成や企業文化の醸成に力を入れ、新商品開発・拡充により住宅事業者のニーズにいち早く応え、成長を実現します。