有価証券報告書-第24期(2022/04/01-2023/03/31)
32.金融商品
(1) 資本管理
当社グループでは、経営原則の一つとして株式価値の持続的な向上を掲げています。当社は株主還元を重要な経営課題と認識しており、経営体質強化のための内部留保、経営成績及び財政状態を勘案し、株主還元政策を決定しますが、現時点では、将来の事業展開と経営体質強化のために必要な内部留保を確保しつつ、株式価値の長期最大化に向け、将来の事業拡大に必要不可欠な開発投資等の成長投資を第一優先とする方針を有しています。
また、当社グループは、資本効率を向上させながら大型の再生可能エネルギー発電所の開発投資を行うために、金融機関からの長期の借入を活用しています。当社グループの再生可能エネルギー事業は多額の初期投資を必要とする事業であり、減価償却費等の償却費の費用に占める割合が大きくなる傾向にあります。一過性の償却負担に過度に左右されることなく、企業価値の増大を目指し、もって株式価値の向上に努めるべく、当社グループでは、経営指標として金利・税金・償却前利益であるEBITDAを重視し、その持続的な増大を目指していきます。
当社グループが財務健全性を適切にモニタリングする観点から、保有する資産の実態的な価値を把握するほか、重視している主な指標は以下の通りです。
(注) 1.資本合計/負債及び資本合計
(注) 2.親会社の所有者に帰属する持分合計/負債及び資本合計
(注) 3.(有利子負債-現金及び現金同等物-引出制限付預金)/(売上収益-燃料費-外注費-人件費+持分法による投資損益(前連結会計年度は由利本荘洋上風力除く)+その他の収益・費用)
有利子負債:社債及び借入金、リース負債、その他の金融負債
(2) 財務上のリスク
当社グループの事業活動は、事業環境・金融市場環境による影響を受けます。事業活動を行う過程で保有する金融商品は財務上のリスク(①信用リスク、②流動性リスク、③市場リスク((ⅰ)為替変動リスク、(ⅱ)金利変動リスク))に晒されており、当該財務上のリスクを軽減するために、リスク管理を行っています。リスク管理にあたっては、リスク発生要因の根本からの発生を防止することでリスクを回避し、回避できないリスクについてはその低減を図るようにしています。
また、当社グループは、デリバティブ取引を為替変動リスク又は金利変動リスクを回避するために利用しており、投機的な取引は行わない方針です。
① 信用リスク
営業債権は、顧客の信用リスクに晒されています。当該リスクに関しては、取引先ごとに期日管理及び残高管理を行うことにより、回収遅延がないことを確認しながら管理しています。
デリバティブ取引は、カウンターパーティーの信用リスクに晒されています。カウンターパーティーの信用リスクを軽減するために、格付の高い金融機関とのみ取引を行っています。
保証債務を除き、当社グループの信用リスクに対する最大エクスポージャーは、連結財政状態計算書に表示されている帳簿価額になります。保証債務に係る信用リスクの最大エクスポージャーは、債務保証額で表しています(「注記38 偶発事象」参照)。なお、特定の取引先について、重要な信用リスクのエクスポージャーはなく、特段の管理を有する信用リスクの過度の集中はありません。
金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているか否かは、当初認識時における債務不履行発生リスクと各連結会計年度における債務不履行発生リスクを比較して判断しています。当社グループでは、原則として契約で定められた支払期限を30日超過した場合に、金融資産の信用リスクが当初認識時より著しく増大していると判断しており、支払期限を3か月超過した場合に債務不履行が生じていると判断しています。債務不履行に該当した場合、又は、債務者からの弁済条件の見直し要請、債務者の深刻な財政難、債務者の破産等による法的整理の手続の開始等があった場合、信用減損しているものと判断しています。
これらの判断には、過大なコストや労力をかけずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報を考慮しており、当該情報に基づいて反証可能である場合には、信用リスクの著しい増大は生じていないものと判断しています。また、金融資産の全体又は一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合は、金融資産の総額での帳簿価額を直接減額し、対応する損失評価引当金の金額を減額しています。
当社グループは、上記資産のうち、営業債権はリスクプロファイルがほぼ同質的であることから、関連する予想損失に対してIFRS第9号に規定される単純化したアプローチにより、全期間の予想信用損失に等しい金額で損失評価引当金を計上しています。
また、その他の債権及びその他の金融資産に関する予想損失に対しては、IFRS第9号に規定される信用リスク区分に応じて、当初認識時以降、信用リスクが著しく増加していない場合に、向こう12カ月以内に生じる可能性があるデフォルト事象に起因する信用損失について損失評価引当金を計上しており、信用リスクが著しく増加している場合には、デフォルトのタイミングにかかわらず、全期間の予想信用損失に等しい金額で損失評価引当金を計上しています。
信用リスクに対する最大エクスポージャーは、各金融資産の減損後の帳簿価額です。当社グループにおいて、前連結会計年度末及び当連結会計年度末のいずれにおいても延滞している債権はなく、また、損失評価引当金の計上に重要性はありません。各報告日における信用リスクに対する最大エクスポージャーは以下のとおりです。
12カ月の予想信用損失と等しい金額で測定されるものには引出制限付預金を含み、その金額は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末でそれぞれ27,769百万円及び28,262百万円です。
② 流動性リスク
流動性リスクとは、当社グループが現金又はその他の金融資産により決済する金融負債に関連する債務を履行するにあたり、支払期日にその支払を実行できなくなるリスクです。
借入金、社債、リース負債、営業債務及びその他の金融負債は流動性リスクに晒されていますが、当社グループでは、連結各社単位で資金繰り計画を作成し、適時に更新することにより、当該リスクを管理しています。また、運転資金等の効率的な調達を行うため取引銀行と当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しています。この契約に基づく連結会計年度末の借入未実行残高は次のとおりです。
なお、当社及び連結子会社の当連結会計年度末の借入金には、金銭消費貸借契約の中で、一定の指標等を基準とする財務制限条項が付されているものがあります。財務制限条項については、「注記16 社債及び借入金」を参照ください。
(ⅰ)非デリバティブ金融負債
非デリバティブ金融負債の期日別内訳は次のとおりです。
前連結会計年度末(2022年3月31日)
当連結会計年度末(2023年3月31日)
(注) 1.借入金の返済期限は、「注記16 社債及び借入金」参照。
(注) 2.リース負債の返済期限は、最長で2045年です。
(ⅱ)デリバティブ金融負債
デリバティブ金融負債の期日別内訳は次のとおりです。
前連結会計年度末(2022年3月31日)
当連結会計年度末(2023年3月31日)
(注) 金利関連デリバティブは、変動金利の借入金の支払金利の変動リスクをヘッジするため締結した金利スワップ契約であり、契約上の満期日は最長で2040年です。
上記の表の金額は割引前の総額で表示しており、契約上の利息支払額を含み、相殺契約の影響を除外しています。また、上記の表で開示されているインフロー(アウトフロー)は、リスク管理目的で保有する、通常契約満期前に処分することのないデリバティブ金融負債に関連する契約上の割引前キャッシュ・フローです。この開示は、純額で現金決済となるデリバティブに係る正味キャッシュ・フロー金額、及び同時に総額で現金決済となるデリバティブに係るキャッシュ・インフロー及びキャッシュ・アウトフローの総額を示しています。
③ 市場リスク
(ⅰ)為替変動リスク
当社グループ及び当社グループの関連会社におけるバイオマス発電においては、木質バイオマス燃料の安定的な調達が必要となります。一部の材料は海外から輸入しており、その場合、長期燃料購入契約は外貨建取引となる場合があります。そのため、当社グループでは、バイオマス発電燃料に係る市場リスクとして為替相場の変動を識別しており、2023年以降を予定している発電所の運転開始後に為替相場が変動した場合に、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があると考えています。
上記リスクに対処するため、当社グループ及び当社グループの関連会社では、一部の連結子会社及び持分法適用会社において、バイオマス燃料購入契約に対して為替予約を締結していますが、当該燃料購入契約が長期にわたることから、その契約は長期包括為替予約とし、予定取引から発生する将来キャッシュ・フローを固定化しています。長期包括為替予約では、包括的な為替予約期間において複数の為替予約が約定され、決済されていきます。ヘッジ対象である長期燃料購入契約は、予定取引であり、ヘッジ会計適用にあたっては、事業計画に即して当該取引が実行される可能性が非常に高い必要があります。この実行可能性については経営者による最善の見積りにより非常に高いと判断しています。当社グループ及び当社グループの関連会社では、これら全ての為替予約についてリスク管理規程等の社内管理規程に基づき、為替予約の重要な契約条件をヘッジ対象の条件と整合させる方針を有しています。
ヘッジ関係の開始時の予定取引から発生する想定将来キャッシュフローに対しヘッジ比率は1:1に設定しており、上記為替予約の結果、為替予約に係るキャッシュ・フロー・ヘッジは連結財政状態計算書の「その他の資本の構成要素」において、前連結会計年度末時点及び当連結会計年度末時点で、それぞれ、8,233百万円(利益)及び12,715百万円(利益)計上しています。これらの金額のうち、前連結会計年度4,488百万円(利益)及び当連結会計年度7,525百万円(利益)は持分法による取込額です。
なお、ヘッジを行っていない外貨エクスポージャーとして、主に海外事業に関連した外貨建債権債務がありますが、純損益及び資本へ与える影響の金額的重要性が低いため、感応度分析の開示は省略しています。
(ⅱ)金利変動リスク
(a) 金利変動リスクの内容及び管理方針
当社グループにおいて金利変動リスクに晒されている金融商品は、主に長期借入金です。当社グループの長期借入金は、主に設備投資及び運転資金を目的に調達したものです。変動金利の借入金については、金利の変動リスクに晒されていますが、このうち一部については、支払金利の変動リスクを回避するために、個別契約ごとにデリバティブ取引(金利スワップ取引)をヘッジ手段として利用し、将来キャッシュ・フローを固定化しています。
前連結会計年度及び当連結会計年度末において、当社グループの連結財政状態計算書に計上されている変動金利借入金残高はそれぞれ135,903百万円及び135,143百万円であり、それぞれのうち金利スワップが締結されている変動金利借入金残高は、119,956百万円及び113,418百万円です。また、前連結会計年度及び当連結会計年度末において、金利スワップの対象外となる変動金利借入金残高はそれぞれ15,947百万円及び21,725百万円であり、それらについて、対象となる金利が0.1%上昇した場合は連結損益計算書の金融費用がそれぞれ16百万円及び22百万円増加することになります。
(b) 金利指標改革
当社グループでは、金利指標改革の影響を評価するとともに、代替的な金利指標へのスムーズな移行に取り組み、前連結会計年度において移行は全て完了いたしました。
一部の持分法適用会社において、当連結会計年度末現在、LIBORを参照し代替的な指標金利にまだ移行していない金融商品がありますが、2023年6月までに全て移行が完了する予定です。
(3) 公正価値
① 公正価値及び帳簿価額
連結財政状態計算書上、公正価値で測定されていない金融商品の帳簿価額と公正価値は次のとおりです。帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている金融商品は以下の表には含めていません。
上記には1年以内に返済予定の残高を含めています。
負債性金融資産に含まれる長期貸付金の公正価値は、同程度の信用格付を有する貸付先に対して、同一の残存期間で同条件の貸付を行う場合の利率で将来キャッシュ・フローを割り引いて算定する方法によっています。
長期借入金及び社債の公正価値は、元利金の合計額を同様の新規借入を行った場合に想定される利率で割り引いて算定する方法によっています。
負債性金融資産、長期借入金及び社債の公正価値ヒエラルキーはレベル2に該当します。
② 公正価値のヒエラルキー
金融商品の公正価値のヒエラルキーは、次のとおり分類しています。
レベル1:活発な市場における相場価格により測定された公正価値
レベル2:レベル1に含まれる相場価格以外で、直接又は間接的に観察可能な価格により測定された公正価値
レベル3:観察可能でないインプットを含む、評価技法を用いて測定された公正価値
金融商品のレベル間の振替は、連結会計年度末において認識しています。前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル間の重要な振替が行われた金融商品はありません。
公正価値ヒエラルキーのレベルごとに分類された、経常的に公正価値で測定する金融資産及び金融負債の内訳は、次のとおりです。
前連結会計年度末(2022年3月31日)
当連結会計年度末(2023年3月31日)
(注) 1.当社は、共同出資者との出資者間合意の定めにより一定期間の経過後に一定の価格にて当社が他共同出資者の出資持分を買い取る権利(コール・オプション)を有している場合があります。当社グループのデリバティブ資産には、割引キャッシュ・フロー・モデルにより算定された当社の持分法適用会社の他共同出資者持分に関するコール・オプションの報告日時点の公正価値が含まれており、レベル3に区分しています。また、上記コール・オプションに加え、先物為替予約及び金利スワップに係るデリバティブ資産が含まれ、レベル2に区分しています。デリバティブ資産は、連結財政状態計算書上、「その他の金融資産」に計上されています。
(注) 2.出資金に含まれる匿名組合出資金の公正価値はレベル3に区分しています。出資金は、連結財政状態計算書上、「その他の金融資産」に計上されています。
(注) 3.デリバティブ負債に含まれる金利スワップの公正価値はレベル2に区分しています。デリバティブ負債は、連結財政状態計算書上、「その他の金融負債」に計上されています。
(注) 4. 当社グループは、事業開発の一定のマイルストーン達成を条件に他の株主に対して取得対価を追加的に支払う契約を有している場合があります。条件付対価の公正価値は、契約に基づく将来支払額をもとに割引キャッシュ・フロー・モデルにより算定しており、レベル3に区分しています。条件付対価は、連結財政状態計算書上、「その他の金融負債」に含めています。
③ レベル3に区分される公正価値測定に関する情報
(ⅰ)評価プロセス
当社グループはレベル3の金融商品に係る公正価値測定にあたっては、適切な権限者に承認された公正価値測定に係る評価方法を含む評価方針及び手続きに従い、対象となる金融商品の性質、特徴及びリスクを最も適切に反映できる評価技法及びインプットを用いて評価方法を決定し、公正価値を測定しています。重要な金融商品については必要に応じて外部の評価専門家を利用し、その評価結果は評価者がレビューしています。公正価値測定の結果は外部者評価結果を含め、適切な権限者がレビュー、承認しています。
(ⅱ)レベル3に区分される経常的な公正価値測定の評価技法及びインプット並びに経営者による仮定及び見積りの不確実性
レベル3に区分される主な金融商品は全て割引キャッシュ・フロー法により公正価値を算定しています。その公正価値算定においては、将来キャッシュ・フロー予想に加え、割引率の構成要素についての前提条件を決定しています。これらの前提条件は、経営者による最善の見積りに基づいて決定されていますが、重要な観察不能なインプットを含みます。これら観察不能なインプットが変動した場合、公正価値に重要な影響を与える可能性があります。
将来キャッシュ・フロー予想については、持分法適用会社の他共同出資者持分に関するコール・オプションについては、固定価格買取制度(FIT)又は再生可能エネルギー発電所導入促進のための各制度等に基づいた事業期間、売電価格、発電事業に必要な設備投資及び発電設備の利用率を経営者による最善の見積りに基づいて決定しています。当社グループは、リスクプレミアムやリスクフリーレートなどを適切に反映した約7%の割引率を使用しています。コール・オプションの公正価値は、割引率の上昇(下落)により減少(増加)します。
(ⅲ)レベル3に分類された金融商品の期首残高から期末残高への調整表
(注) 1.金融資産に係る当期利益(損失)には、持分法適用会社の他共同出資者持分に関するコール・オプションの公正価値の事後測定をしたことにより生じた変動差額(前連結会計年度1,088百万円(利益)、当連結会計年度1,418百万円(損失))が含まれており、連結損益計算書上の「オプション公正価値評価益」又は「オプション公正価値評価損」に表示しています。また、上記コール・オプションに加え、資本性金融資産の公正価値の事後測定をしたことにより生じた変動差額(当連結会計年度721百万円(利益))が含まれており、連結損益計算書上の「その他の収益」に表示しています。当期利益(損失)のうち、報告日において保有している金融資産に関する未実現損益の変動に起因する額は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ1,020百万円(利益)及び697百万円(損失)です。
(注) 2.その他の包括利益は、連結包括利益計算書上の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産」に表示しています。
(注) 3.金融負債に係る当期損失(利益)は、条件付対価の公正価値の事後測定を実施したことにより生じた変動差額であり、連結損益計算書上の「金融収益」又は「金融費用」に表示しています。当期損失(利益)のうち、報告日において保有している金融負債に関する未実現損益の変動に起因する額は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ34百万円(損失)及び21百万円(損失)です。
(注) 4.金融負債に係る前連結会計年度のその他は、条件付対価の認識の中止によるものです。
(4) ヘッジ会計
当社グループは、通常の営業活動において、為替相場変動及び金利変動などの市場リスクに晒されています。これらのリスクを管理するため、当社グループは、原則として、リスクの純額を把握し、リスクを相殺する効果を有する取引を活用して市場リスクの軽減を図っています。さらに、リスク管理戦略に則って様々なデリバティブ取引を締結し、当社グループが晒されている市場リスクの軽減を図っています。(「(2)財務上のリスク ③市場リスク」参照)
ヘッジ会計の適用にあたっては、ヘッジされているリスクに起因するヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動が、ヘッジ手段の公正価値又はキャッシュ・フローの変動により相殺される経済的関係にあることを確認するために、原則として、ヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件が一致しているか又は密接に合致しているかどうかの定性的な評価及びヘッジ対象とヘッジ手段の価値が同一のリスクにより価値変動が相殺し合う関係にあることの定量的評価を通じて、ヘッジ対象とヘッジ手段の間の経済的関係の存在を確認しています。なお、当社は有効性の高いヘッジを行っているため、通常、重要なヘッジの非有効部分が発生しないと想定しています。
また、ヘッジ手段とヘッジ対象の経済的関係性及びリスク管理戦略に照らして適切なヘッジ比率を設定しています。
① キャッシュ・フロー・ヘッジ
(ⅰ)ヘッジ指定されている重要なデリバティブ
前連結会計年度末(2022年3月31日)
当連結会計年度末(2023年3月31日)
(ⅱ)ヘッジ指定されているヘッジ対象に関するキャッシュ・フロー項目
前連結会計年度末(2022年3月31日)
当連結会計年度末(2023年3月31日)
(ⅲ)連結損益計算書及び連結包括利益計算書における影響
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(1) 資本管理
当社グループでは、経営原則の一つとして株式価値の持続的な向上を掲げています。当社は株主還元を重要な経営課題と認識しており、経営体質強化のための内部留保、経営成績及び財政状態を勘案し、株主還元政策を決定しますが、現時点では、将来の事業展開と経営体質強化のために必要な内部留保を確保しつつ、株式価値の長期最大化に向け、将来の事業拡大に必要不可欠な開発投資等の成長投資を第一優先とする方針を有しています。
また、当社グループは、資本効率を向上させながら大型の再生可能エネルギー発電所の開発投資を行うために、金融機関からの長期の借入を活用しています。当社グループの再生可能エネルギー事業は多額の初期投資を必要とする事業であり、減価償却費等の償却費の費用に占める割合が大きくなる傾向にあります。一過性の償却負担に過度に左右されることなく、企業価値の増大を目指し、もって株式価値の向上に努めるべく、当社グループでは、経営指標として金利・税金・償却前利益であるEBITDAを重視し、その持続的な増大を目指していきます。
当社グループが財務健全性を適切にモニタリングする観点から、保有する資産の実態的な価値を把握するほか、重視している主な指標は以下の通りです。
| 前連結会計年度末 (2022年3月31日) | 当連結会計年度末 (2023年3月31日) | |
| 資本比率(注)1 (%) | 17.7 | 21.3 |
| 親会社所有者持分比率(注)2 (%) | 10.8 | 14.2 |
| 純有利子負債/EBITDA倍率(注)3 (倍) | 12.5 | 8.7 |
(注) 1.資本合計/負債及び資本合計
(注) 2.親会社の所有者に帰属する持分合計/負債及び資本合計
(注) 3.(有利子負債-現金及び現金同等物-引出制限付預金)/(売上収益-燃料費-外注費-人件費+持分法による投資損益(前連結会計年度は由利本荘洋上風力除く)+その他の収益・費用)
有利子負債:社債及び借入金、リース負債、その他の金融負債
(2) 財務上のリスク
当社グループの事業活動は、事業環境・金融市場環境による影響を受けます。事業活動を行う過程で保有する金融商品は財務上のリスク(①信用リスク、②流動性リスク、③市場リスク((ⅰ)為替変動リスク、(ⅱ)金利変動リスク))に晒されており、当該財務上のリスクを軽減するために、リスク管理を行っています。リスク管理にあたっては、リスク発生要因の根本からの発生を防止することでリスクを回避し、回避できないリスクについてはその低減を図るようにしています。
また、当社グループは、デリバティブ取引を為替変動リスク又は金利変動リスクを回避するために利用しており、投機的な取引は行わない方針です。
① 信用リスク
営業債権は、顧客の信用リスクに晒されています。当該リスクに関しては、取引先ごとに期日管理及び残高管理を行うことにより、回収遅延がないことを確認しながら管理しています。
デリバティブ取引は、カウンターパーティーの信用リスクに晒されています。カウンターパーティーの信用リスクを軽減するために、格付の高い金融機関とのみ取引を行っています。
保証債務を除き、当社グループの信用リスクに対する最大エクスポージャーは、連結財政状態計算書に表示されている帳簿価額になります。保証債務に係る信用リスクの最大エクスポージャーは、債務保証額で表しています(「注記38 偶発事象」参照)。なお、特定の取引先について、重要な信用リスクのエクスポージャーはなく、特段の管理を有する信用リスクの過度の集中はありません。
金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているか否かは、当初認識時における債務不履行発生リスクと各連結会計年度における債務不履行発生リスクを比較して判断しています。当社グループでは、原則として契約で定められた支払期限を30日超過した場合に、金融資産の信用リスクが当初認識時より著しく増大していると判断しており、支払期限を3か月超過した場合に債務不履行が生じていると判断しています。債務不履行に該当した場合、又は、債務者からの弁済条件の見直し要請、債務者の深刻な財政難、債務者の破産等による法的整理の手続の開始等があった場合、信用減損しているものと判断しています。
これらの判断には、過大なコストや労力をかけずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報を考慮しており、当該情報に基づいて反証可能である場合には、信用リスクの著しい増大は生じていないものと判断しています。また、金融資産の全体又は一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合は、金融資産の総額での帳簿価額を直接減額し、対応する損失評価引当金の金額を減額しています。
当社グループは、上記資産のうち、営業債権はリスクプロファイルがほぼ同質的であることから、関連する予想損失に対してIFRS第9号に規定される単純化したアプローチにより、全期間の予想信用損失に等しい金額で損失評価引当金を計上しています。
また、その他の債権及びその他の金融資産に関する予想損失に対しては、IFRS第9号に規定される信用リスク区分に応じて、当初認識時以降、信用リスクが著しく増加していない場合に、向こう12カ月以内に生じる可能性があるデフォルト事象に起因する信用損失について損失評価引当金を計上しており、信用リスクが著しく増加している場合には、デフォルトのタイミングにかかわらず、全期間の予想信用損失に等しい金額で損失評価引当金を計上しています。
信用リスクに対する最大エクスポージャーは、各金融資産の減損後の帳簿価額です。当社グループにおいて、前連結会計年度末及び当連結会計年度末のいずれにおいても延滞している債権はなく、また、損失評価引当金の計上に重要性はありません。各報告日における信用リスクに対する最大エクスポージャーは以下のとおりです。
| (単位:百万円) | ||||
| 12ヶ月の予想信用損失と等しい金額で測定されるもの | 全期間の予想信用損失に等しい金額で測定されるもの | |||
| 信用減損金融資産ではない金融資産 | 信用減損 金融資産 | 営業債権 | ||
| 前連結会計年度末 (2022年3月31日) | 32,585 | - | - | 5,984 |
| 当連結会計年度末 (2023年3月31日) | 32,339 | - | - | 5,955 |
12カ月の予想信用損失と等しい金額で測定されるものには引出制限付預金を含み、その金額は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末でそれぞれ27,769百万円及び28,262百万円です。
② 流動性リスク
流動性リスクとは、当社グループが現金又はその他の金融資産により決済する金融負債に関連する債務を履行するにあたり、支払期日にその支払を実行できなくなるリスクです。
借入金、社債、リース負債、営業債務及びその他の金融負債は流動性リスクに晒されていますが、当社グループでは、連結各社単位で資金繰り計画を作成し、適時に更新することにより、当該リスクを管理しています。また、運転資金等の効率的な調達を行うため取引銀行と当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しています。この契約に基づく連結会計年度末の借入未実行残高は次のとおりです。
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度末 (2022年3月31日) | 当連結会計年度末 (2023年3月31日) | |
| 当座貸越極度額及び貸出コミットメントの総額 | 195,090 | 177,729 |
| 借入実行残高 | 163,565 | 159,800 |
| 借入未実行残高 | 31,525 | 17,929 |
なお、当社及び連結子会社の当連結会計年度末の借入金には、金銭消費貸借契約の中で、一定の指標等を基準とする財務制限条項が付されているものがあります。財務制限条項については、「注記16 社債及び借入金」を参照ください。
(ⅰ)非デリバティブ金融負債
非デリバティブ金融負債の期日別内訳は次のとおりです。
前連結会計年度末(2022年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||||
| 帳簿価額 | 契約上の キャッシュ・ フロー | 1年以内 | 1年超 5年以内 | 5年超 10年以内 | 10年超 | |
| 借入金(注)1 | 183,890 | 199,663 | 14,762 | 69,159 | 61,296 | 54,447 |
| 社債 | 13,943 | 14,770 | 167 | 7,560 | 7,043 | - |
| リース負債(注)2 | 9,263 | 10,548 | 922 | 2,649 | 3,108 | 3,869 |
| 営業債務及びその他の金融負債 | 6,614 | 6,660 | 5,441 | 1,123 | 97 | - |
| 合計 | 213,710 | 231,642 | 21,292 | 80,491 | 71,543 | 58,316 |
当連結会計年度末(2023年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||||
| 帳簿価額 | 契約上の キャッシュ・ フロー | 1年以内 | 1年超 5年以内 | 5年超 10年以内 | 10年超 | |
| 借入金(注)1 | 183,839 | 198,460 | 17,190 | 73,755 | 61,541 | 45,974 |
| 社債 | 13,956 | 14,603 | 167 | 14,436 | - | - |
| リース負債(注)2 | 8,282 | 9,510 | 666 | 2,558 | 3,079 | 3,208 |
| 営業債務及びその他の金融負債 | 4,489 | 4,504 | 3,823 | 680 | - | - |
| 合計 | 210,566 | 227,077 | 21,846 | 91,429 | 64,620 | 49,183 |
(注) 1.借入金の返済期限は、「注記16 社債及び借入金」参照。
(注) 2.リース負債の返済期限は、最長で2045年です。
(ⅱ)デリバティブ金融負債
デリバティブ金融負債の期日別内訳は次のとおりです。
前連結会計年度末(2022年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||||
| 帳簿価額 | 契約上の キャッシュ・ フロー | 1年以内 | 1年超 5年以内 | 5年超 10年以内 | 10年超 | |
| 金利関連デリバティブ(注) | 5,213 | - | - | - | - | - |
| キャッシュ・インフロー | - | 8,131 | 979 | 3,559 | 2,548 | 1,045 |
| キャッシュ・アウトフロー | - | 16,981 | 2,041 | 7,378 | 5,357 | 2,205 |
| 合計 | 5,213 | 8,850 | 1,062 | 3,819 | 2,810 | 1,160 |
当連結会計年度末(2023年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||||
| 帳簿価額 | 契約上の キャッシュ・ フロー | 1年以内 | 1年超 5年以内 | 5年超 10年以内 | 10年超 | |
| 金利関連デリバティブ(注) | 1,931 | - | - | - | - | - |
| キャッシュ・インフロー | - | 7,024 | 1,002 | 3,169 | 2,112 | 742 |
| キャッシュ・アウトフロー | - | 14,376 | 2,019 | 6,458 | 4,359 | 1,541 |
| 合計 | 1,931 | 7,352 | 1,017 | 3,289 | 2,247 | 799 |
(注) 金利関連デリバティブは、変動金利の借入金の支払金利の変動リスクをヘッジするため締結した金利スワップ契約であり、契約上の満期日は最長で2040年です。
上記の表の金額は割引前の総額で表示しており、契約上の利息支払額を含み、相殺契約の影響を除外しています。また、上記の表で開示されているインフロー(アウトフロー)は、リスク管理目的で保有する、通常契約満期前に処分することのないデリバティブ金融負債に関連する契約上の割引前キャッシュ・フローです。この開示は、純額で現金決済となるデリバティブに係る正味キャッシュ・フロー金額、及び同時に総額で現金決済となるデリバティブに係るキャッシュ・インフロー及びキャッシュ・アウトフローの総額を示しています。
③ 市場リスク
(ⅰ)為替変動リスク
当社グループ及び当社グループの関連会社におけるバイオマス発電においては、木質バイオマス燃料の安定的な調達が必要となります。一部の材料は海外から輸入しており、その場合、長期燃料購入契約は外貨建取引となる場合があります。そのため、当社グループでは、バイオマス発電燃料に係る市場リスクとして為替相場の変動を識別しており、2023年以降を予定している発電所の運転開始後に為替相場が変動した場合に、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があると考えています。
上記リスクに対処するため、当社グループ及び当社グループの関連会社では、一部の連結子会社及び持分法適用会社において、バイオマス燃料購入契約に対して為替予約を締結していますが、当該燃料購入契約が長期にわたることから、その契約は長期包括為替予約とし、予定取引から発生する将来キャッシュ・フローを固定化しています。長期包括為替予約では、包括的な為替予約期間において複数の為替予約が約定され、決済されていきます。ヘッジ対象である長期燃料購入契約は、予定取引であり、ヘッジ会計適用にあたっては、事業計画に即して当該取引が実行される可能性が非常に高い必要があります。この実行可能性については経営者による最善の見積りにより非常に高いと判断しています。当社グループ及び当社グループの関連会社では、これら全ての為替予約についてリスク管理規程等の社内管理規程に基づき、為替予約の重要な契約条件をヘッジ対象の条件と整合させる方針を有しています。
ヘッジ関係の開始時の予定取引から発生する想定将来キャッシュフローに対しヘッジ比率は1:1に設定しており、上記為替予約の結果、為替予約に係るキャッシュ・フロー・ヘッジは連結財政状態計算書の「その他の資本の構成要素」において、前連結会計年度末時点及び当連結会計年度末時点で、それぞれ、8,233百万円(利益)及び12,715百万円(利益)計上しています。これらの金額のうち、前連結会計年度4,488百万円(利益)及び当連結会計年度7,525百万円(利益)は持分法による取込額です。
なお、ヘッジを行っていない外貨エクスポージャーとして、主に海外事業に関連した外貨建債権債務がありますが、純損益及び資本へ与える影響の金額的重要性が低いため、感応度分析の開示は省略しています。
(ⅱ)金利変動リスク
(a) 金利変動リスクの内容及び管理方針
当社グループにおいて金利変動リスクに晒されている金融商品は、主に長期借入金です。当社グループの長期借入金は、主に設備投資及び運転資金を目的に調達したものです。変動金利の借入金については、金利の変動リスクに晒されていますが、このうち一部については、支払金利の変動リスクを回避するために、個別契約ごとにデリバティブ取引(金利スワップ取引)をヘッジ手段として利用し、将来キャッシュ・フローを固定化しています。
前連結会計年度及び当連結会計年度末において、当社グループの連結財政状態計算書に計上されている変動金利借入金残高はそれぞれ135,903百万円及び135,143百万円であり、それぞれのうち金利スワップが締結されている変動金利借入金残高は、119,956百万円及び113,418百万円です。また、前連結会計年度及び当連結会計年度末において、金利スワップの対象外となる変動金利借入金残高はそれぞれ15,947百万円及び21,725百万円であり、それらについて、対象となる金利が0.1%上昇した場合は連結損益計算書の金融費用がそれぞれ16百万円及び22百万円増加することになります。
(b) 金利指標改革
当社グループでは、金利指標改革の影響を評価するとともに、代替的な金利指標へのスムーズな移行に取り組み、前連結会計年度において移行は全て完了いたしました。
一部の持分法適用会社において、当連結会計年度末現在、LIBORを参照し代替的な指標金利にまだ移行していない金融商品がありますが、2023年6月までに全て移行が完了する予定です。
(3) 公正価値
① 公正価値及び帳簿価額
連結財政状態計算書上、公正価値で測定されていない金融商品の帳簿価額と公正価値は次のとおりです。帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている金融商品は以下の表には含めていません。
| (単位:百万円) | ||||
| 前連結会計年度末 (2022年3月31日) | 当連結会計年度末 (2023年3月31日) | |||
| 帳簿価額 | 公正価値 | 帳簿価額 | 公正価値 | |
| 金融資産 償却原価で測定される金融資産 | ||||
| その他の金融資産 負債性金融資産 | 1,029 | 954 | 1,215 | 1,249 |
| 金融負債 償却原価で測定される金融負債 | ||||
| 長期借入金 | 183,890 | 183,575 | 183,839 | 179,669 |
| 社債 | 13,943 | 13,807 | 13,956 | 13,776 |
| 合計 | 197,833 | 197,382 | 197,795 | 193,445 |
上記には1年以内に返済予定の残高を含めています。
負債性金融資産に含まれる長期貸付金の公正価値は、同程度の信用格付を有する貸付先に対して、同一の残存期間で同条件の貸付を行う場合の利率で将来キャッシュ・フローを割り引いて算定する方法によっています。
長期借入金及び社債の公正価値は、元利金の合計額を同様の新規借入を行った場合に想定される利率で割り引いて算定する方法によっています。
負債性金融資産、長期借入金及び社債の公正価値ヒエラルキーはレベル2に該当します。
② 公正価値のヒエラルキー
金融商品の公正価値のヒエラルキーは、次のとおり分類しています。
レベル1:活発な市場における相場価格により測定された公正価値
レベル2:レベル1に含まれる相場価格以外で、直接又は間接的に観察可能な価格により測定された公正価値
レベル3:観察可能でないインプットを含む、評価技法を用いて測定された公正価値
金融商品のレベル間の振替は、連結会計年度末において認識しています。前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル間の重要な振替が行われた金融商品はありません。
公正価値ヒエラルキーのレベルごとに分類された、経常的に公正価値で測定する金融資産及び金融負債の内訳は、次のとおりです。
前連結会計年度末(2022年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||
| レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |
| 金融資産 | ||||
| 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産: | ||||
| デリバティブ資産(注)1 | - | 19,307 | 6,305 | 25,612 |
| その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産: | ||||
| 株式 | - | - | 182 | 182 |
| 合計 | - | 19,307 | 6,487 | 25,794 |
| 金融負債 | ||||
| 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債: | ||||
| デリバティブ負債(注)2 | - | 5,213 | - | 5,213 |
| 条件付対価(注)3 | - | - | 774 | 774 |
| 合計 | - | 5,213 | 774 | 5,987 |
当連結会計年度末(2023年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||
| レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |
| 金融資産 | ||||
| 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産: | ||||
| デリバティブ資産(注)1 | - | 20,848 | 4,888 | 25,736 |
| 出資金(注)2 | - | - | 699 | 699 |
| その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産: | ||||
| 株式 | - | - | 260 | 260 |
| 合計 | - | 20,848 | 5,847 | 26,695 |
| 金融負債 | ||||
| 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債: | ||||
| デリバティブ負債(注)3 | - | 1,931 | - | 1,931 |
| 条件付対価(注)4 | - | - | 795 | 795 |
| 合計 | - | 1,931 | 795 | 2,727 |
(注) 1.当社は、共同出資者との出資者間合意の定めにより一定期間の経過後に一定の価格にて当社が他共同出資者の出資持分を買い取る権利(コール・オプション)を有している場合があります。当社グループのデリバティブ資産には、割引キャッシュ・フロー・モデルにより算定された当社の持分法適用会社の他共同出資者持分に関するコール・オプションの報告日時点の公正価値が含まれており、レベル3に区分しています。また、上記コール・オプションに加え、先物為替予約及び金利スワップに係るデリバティブ資産が含まれ、レベル2に区分しています。デリバティブ資産は、連結財政状態計算書上、「その他の金融資産」に計上されています。
(注) 2.出資金に含まれる匿名組合出資金の公正価値はレベル3に区分しています。出資金は、連結財政状態計算書上、「その他の金融資産」に計上されています。
(注) 3.デリバティブ負債に含まれる金利スワップの公正価値はレベル2に区分しています。デリバティブ負債は、連結財政状態計算書上、「その他の金融負債」に計上されています。
(注) 4. 当社グループは、事業開発の一定のマイルストーン達成を条件に他の株主に対して取得対価を追加的に支払う契約を有している場合があります。条件付対価の公正価値は、契約に基づく将来支払額をもとに割引キャッシュ・フロー・モデルにより算定しており、レベル3に区分しています。条件付対価は、連結財政状態計算書上、「その他の金融負債」に含めています。
③ レベル3に区分される公正価値測定に関する情報
(ⅰ)評価プロセス
当社グループはレベル3の金融商品に係る公正価値測定にあたっては、適切な権限者に承認された公正価値測定に係る評価方法を含む評価方針及び手続きに従い、対象となる金融商品の性質、特徴及びリスクを最も適切に反映できる評価技法及びインプットを用いて評価方法を決定し、公正価値を測定しています。重要な金融商品については必要に応じて外部の評価専門家を利用し、その評価結果は評価者がレビューしています。公正価値測定の結果は外部者評価結果を含め、適切な権限者がレビュー、承認しています。
(ⅱ)レベル3に区分される経常的な公正価値測定の評価技法及びインプット並びに経営者による仮定及び見積りの不確実性
レベル3に区分される主な金融商品は全て割引キャッシュ・フロー法により公正価値を算定しています。その公正価値算定においては、将来キャッシュ・フロー予想に加え、割引率の構成要素についての前提条件を決定しています。これらの前提条件は、経営者による最善の見積りに基づいて決定されていますが、重要な観察不能なインプットを含みます。これら観察不能なインプットが変動した場合、公正価値に重要な影響を与える可能性があります。
将来キャッシュ・フロー予想については、持分法適用会社の他共同出資者持分に関するコール・オプションについては、固定価格買取制度(FIT)又は再生可能エネルギー発電所導入促進のための各制度等に基づいた事業期間、売電価格、発電事業に必要な設備投資及び発電設備の利用率を経営者による最善の見積りに基づいて決定しています。当社グループは、リスクプレミアムやリスクフリーレートなどを適切に反映した約7%の割引率を使用しています。コール・オプションの公正価値は、割引率の上昇(下落)により減少(増加)します。
(ⅲ)レベル3に分類された金融商品の期首残高から期末残高への調整表
| (単位:百万円) | ||
| 金融資産 | 前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
| 期首残高 | 5,209 | 6,487 |
| 取得 | - | 103 |
| 利得・損失 | ||
| 当期利益(△損失)(注)1 | 1,088 | △697 |
| その他の包括利益(注)2 | 133 | 61 |
| その他 | 58 | △107 |
| 期末残高 | 6,487 | 5,847 |
| (単位:百万円) | ||
| 金融負債 | 前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
| 期首残高 | 1,870 | 774 |
| 利得・損失 | ||
| 当期損失(△利益)(注)3 | △64 | 21 |
| その他(注)4 | △1,032 | - |
| 期末残高 | 774 | 795 |
(注) 1.金融資産に係る当期利益(損失)には、持分法適用会社の他共同出資者持分に関するコール・オプションの公正価値の事後測定をしたことにより生じた変動差額(前連結会計年度1,088百万円(利益)、当連結会計年度1,418百万円(損失))が含まれており、連結損益計算書上の「オプション公正価値評価益」又は「オプション公正価値評価損」に表示しています。また、上記コール・オプションに加え、資本性金融資産の公正価値の事後測定をしたことにより生じた変動差額(当連結会計年度721百万円(利益))が含まれており、連結損益計算書上の「その他の収益」に表示しています。当期利益(損失)のうち、報告日において保有している金融資産に関する未実現損益の変動に起因する額は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ1,020百万円(利益)及び697百万円(損失)です。
(注) 2.その他の包括利益は、連結包括利益計算書上の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産」に表示しています。
(注) 3.金融負債に係る当期損失(利益)は、条件付対価の公正価値の事後測定を実施したことにより生じた変動差額であり、連結損益計算書上の「金融収益」又は「金融費用」に表示しています。当期損失(利益)のうち、報告日において保有している金融負債に関する未実現損益の変動に起因する額は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ34百万円(損失)及び21百万円(損失)です。
(注) 4.金融負債に係る前連結会計年度のその他は、条件付対価の認識の中止によるものです。
(4) ヘッジ会計
当社グループは、通常の営業活動において、為替相場変動及び金利変動などの市場リスクに晒されています。これらのリスクを管理するため、当社グループは、原則として、リスクの純額を把握し、リスクを相殺する効果を有する取引を活用して市場リスクの軽減を図っています。さらに、リスク管理戦略に則って様々なデリバティブ取引を締結し、当社グループが晒されている市場リスクの軽減を図っています。(「(2)財務上のリスク ③市場リスク」参照)
ヘッジ会計の適用にあたっては、ヘッジされているリスクに起因するヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動が、ヘッジ手段の公正価値又はキャッシュ・フローの変動により相殺される経済的関係にあることを確認するために、原則として、ヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件が一致しているか又は密接に合致しているかどうかの定性的な評価及びヘッジ対象とヘッジ手段の価値が同一のリスクにより価値変動が相殺し合う関係にあることの定量的評価を通じて、ヘッジ対象とヘッジ手段の間の経済的関係の存在を確認しています。なお、当社は有効性の高いヘッジを行っているため、通常、重要なヘッジの非有効部分が発生しないと想定しています。
また、ヘッジ手段とヘッジ対象の経済的関係性及びリスク管理戦略に照らして適切なヘッジ比率を設定しています。
① キャッシュ・フロー・ヘッジ
(ⅰ)ヘッジ指定されている重要なデリバティブ
前連結会計年度末(2022年3月31日)
| ヘッジ手段 | 想定元本 (単位:百万円) | 残存期間 | ヘッジ手段の帳簿価額 (単位:百万円) | ヘッジ非有効部分の算定に用いた公正価値変動 (単位:百万円) | |
| デリバティブ資産 | デリバティブ負債 | ||||
| 金利変動リスク | |||||
| 金利スワップ | 116,574 | 1年~19年 | - | 5,213 | - |
| 為替変動リスク | |||||
| 為替予約 | 81,937 | 1年~18年 | 19,307 | - | - |
当連結会計年度末(2023年3月31日)
| ヘッジ手段 | 想定元本 (単位:百万円) | 残存期間 | ヘッジ手段の帳簿価額 (単位:百万円) | ヘッジ非有効部分の算定に用いた公正価値変動 (単位:百万円) | |
| デリバティブ資産 | デリバティブ負債 | ||||
| 金利変動リスク | |||||
| 金利スワップ | 118,409 | 1年~18年 | 5 | 1,931 | - |
| 為替変動リスク | |||||
| 為替予約 | 79,275 | 1年~17年 | 20,843 | - | - |
(ⅱ)ヘッジ指定されているヘッジ対象に関するキャッシュ・フロー項目
前連結会計年度末(2022年3月31日)
| (単位:百万円) | |||
| リスク区分 | キャッシュ・フロー・ ヘッジの残高 (△損失) | ヘッジコストの残高 | ヘッジ非有効部分の 算定に用いた価値の 変動 |
| 金利変動リスク | △2,959 | - | - |
| 為替変動リスク | 3,745 | - | - |
当連結会計年度末(2023年3月31日)
| (単位:百万円) | |||
| リスク区分 | キャッシュ・フロー・ ヘッジの残高 (△損失) | ヘッジコストの残高 | ヘッジ非有効部分の 算定に用いた価値の 変動 |
| 金利変動リスク | △525 | - | - |
| 為替変動リスク | 5,185 | - | - |
(ⅲ)連結損益計算書及び連結包括利益計算書における影響
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||||
| リスク区分 | その他の 包括利益に 認識した ヘッジ損益 (△損失) | 純損益に認識 したヘッジ 非有効部分 | ヘッジ非有効 部分を含んで いる表示科目 | 資産又は負債の帳簿価額に直接含めた 金額 | その他の資本 の構成要素か ら純損益への 組替調整額 (△損失) | 組替調整額を 含んでいる 連結損益計算 書の表示科目 |
| キャッシュ・フロー・ヘッジ | ||||||
| 金利変動リスク | 1,258 | - | - | - | △645 | 金融費用 |
| 為替変動リスク | 5,319 | - | - | - | - | - |
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||||
| リスク区分 | その他の 包括利益に 認識した ヘッジ損益 (△損失) | 純損益に認識 したヘッジ 非有効部分 | ヘッジ非有効 部分を含んで いる表示科目 | 資産又は負債の帳簿価額に直接含めた 金額 | その他の資本 の構成要素か ら純損益への 組替調整額 (△損失) | 組替調整額を 含んでいる 連結損益計算 書の表示科目 |
| キャッシュ・フロー・ヘッジ | ||||||
| 金利変動リスク | 3,456 | - | - | - | △585 | 金融費用 |
| 為替変動リスク | 1,816 | - | - | - | 232 | 燃料費 |