有価証券報告書-第25期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/20 15:30
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3.重要性がある会計方針
当社グループの重要性がある会計方針は次のとおりであり、他の記載がない限り、連結財務諸表が表示されている全ての期間について適用しています。
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業(組成された事業体を含む)です。支配とは、投資先に対するパワーを有し、投資先への関与により生じるリターンの変動に晒され、かつ投資先に対するパワーを通じてリターンに影響を与える能力を有する場合をいいます。また、当社グループがパワーを有しているか否かは、現時点で行使可能な潜在的議決権も考慮して決定しています。
子会社の財務諸表は、当社グループが支配を獲得した日から支配を喪失する日まで、連結財務諸表に含まれています。子会社の会計方針は、当社グループが適用する会計方針と整合させるため、必要に応じて当該子会社の財務諸表を調整しています。
子会社に対する当社グループ持分の一部を処分した後も支配が継続する場合には、当社グループの持分の変動を資本取引として会計処理しており、非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識されています。支配を喪失した場合には、子会社の資産及び負債、子会社に関連する非支配持分及びその他の資本の構成要素の認識を中止します。その結果生じた利得又は損失は純損益で認識しています。
当社グループ内の債権債務残高及び取引、並びに当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しています。
② 関連会社及び共同支配企業
関連会社とは、当社グループがその財務及び経営方針に対して、支配には至らないものの重要な影響力を有している企業をいいます。当社グループが他の企業の議決権の20%以上50%以下を保有する場合、原則として当該他の企業に対して重要な影響力を有していると推定しています。共同支配企業とは、取決めに対する共同支配を有する当事者が当該取決めの純資産に対する権利を有している場合をいいます。
関連会社又は共同支配企業への投資は、当初認識時に取得原価で認識し、持分法によって会計処理しています。重要な影響力を有することとなった日又は共同支配を開始することとなった日から重要な影響力を喪失する日又は共同支配が終了する日までの関連会社又は共同支配企業の損益及びその他の包括利益に対する当社グループの持分は、関連会社又は共同支配企業に対する投資額の変動として認識しています。なお、投資日における投資とこれに対応する被投資会社の資本との間に差額がある場合には、当該差額はのれんとして投資の帳簿価額に含めています。関連会社又は共同支配企業との取引から発生した未実現利益は投資から控除しています。
持分法適用会社の会計方針は、当社グループが適用する会計方針と整合させるため、必要に応じて修正しています。
損失に対する当社グループの持分相当額が持分法適用会社に対する投資額を上回った場合には、その投資の帳簿価額をゼロまで減額し、当社グループが被投資企業に代わって債務を負担し又は支払いを行う場合を除き、それ以上の損失は認識していません。
③ ストラクチャード・エンティティ(組成された事業体)
ストラクチャード・エンティティとは、支配の決定に際して議決権又は類似の権利が決定的な要因とならないように設計された企業のことです。当社グループが運営を支配し連結しているストラクチャード・エンティティとして、役員等向け株式交付信託制度に基づき設定された株式報酬信託と、SPCを会社法上の合同会社(GK)として設立して商法上の匿名組合(TK)として営業者に出資を行うTK-GKスキームがあります。
なお、契約上の義務なしに、連結しているストラクチャード・エンティティに対する重要な財務的支援又はその他の重要な支援を提供したことはなく、提供する意図もありません。
(2) 企業結合
当社グループは、企業結合を、取得した活動及び資産の組み合わせが事業の定義を満たし、支配が当社グループに移転した場合に、取得法を用いて会計処理をしています。特定の活動及び資産の組み合わせが事業かどうかを決定する際に、当社グループは、取得した資産及び活動の組み合わせが、少なくともインプット及び実質的なプロセスを含むかどうか並びにアウトプットを生み出す能力を有するかどうかを評価します。支払対価の公正価値、被取得企業の非支配持分の金額及び段階取得の場合には取得企業が以前より保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計金額が、取得日における識別可能資産及び引受負債の正味価額を上回る場合に、その超過額をのれんとして認識しています。一方、この対価の総額が、識別可能資産及び引受負債の正味価額を下回る場合、その差額を利得として純損益に認識しています。
当社グループは、非支配持分を公正価値で測定するか、取得日における被取得企業の識別可能な純資産に対する比例的持分で測定するか個々の取引ごとに選択しています。
企業結合に関連して発生した取得費用は、負債性金融商品及び資本性金融商品の発行費用を除き、発生時に費用として処理しています。
企業結合の当初の会計処理が、企業結合が発生した連結会計年度末までに完了していない場合には、完了していない項目を暫定的な金額で計上しています。取得日時点で存在し、なおかつそれを知っていたならば取得日で認識した金額の測定に影響したであろう事実及び状況に関する情報を、認識される金額の測定に影響を与えていたと判断される期間(以下、「測定期間」)に入手した場合、その情報を反映して、取得日に認識した暫定的な金額を遡及的に修正しています。この新たに得た情報により資産と負債の追加での認識が発生する場合があります。測定期間は最長で1年間です。
(3) 外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日における為替レートでグループ企業の各機能通貨に換算しています。
外貨建貨幣性資産・負債は、報告日の為替レートで機能通貨に換算しています。外貨建の公正価値で測定される非貨幣性資産・負債は、その公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に換算しています。為替換算差額は通常、純損益で認識しています。ただし、当該資産及び負債に係る利得又は損益がその他の包括利益として認識される場合には、為替換算差額は、その他の包括利益で認識しています。
外貨建の取得原価に基づいて測定されている非貨幣性項目は、取引日の為替レートで換算しています。
② 在外営業活動体の外貨換算差額
在外営業活動体の資産・負債は、取得により発生したのれん及び公正価値の調整を含め、報告日の為替レートで表示通貨に換算しています。在外営業活動体の収益及び費用は著しい変動がない限り、平均為替レートで表示通貨に換算しています。為替換算差額はその他の包括利益で認識し、為替換算差額を非支配持分に配分している部分を除き、その他の資本の構成要素である在外営業活動体の外貨換算差額に累積しています。
在外営業活動体の一部又は全てを処分し、支配、重要な影響力又は共同支配を喪失する場合には、その在外営業活動体に関連する外貨換算差額の累積金額を、処分に係る利得又は損失の一部として純損益に組み替えます。
(4) 金融商品
① 非デリバティブ金融資産
金融資産はその当初認識時に、償却原価で測定する金融資産、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産、及び、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
当社グループでは、償却原価で測定する金融資産については発生日に当初認識しており、それ以外の金融資産については取引日に当初認識しています。
金融資産は、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は金融資産のキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんど全てが移転している場合において、認識を中止しています。
(a) 償却原価で測定する金融資産
次の条件がともに満たされる金融資産を償却原価で測定する金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
償却原価で測定する金融資産は、重大な金融要素を含んでいない営業債権及び契約資産を除き、当初認識時に公正価値にその取得に直接起因する取引コストを加算して測定しています。重大な金融要素を含んでいない営業債権等については取引価格で当初測定しています。また、当初認識後は実効金利法による償却原価で測定しています。
(b) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産以外の金融資産は、公正価値で測定する金融資産に分類しています。
公正価値で測定する金融資産のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類されたもの以外の金融資産については、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。純損益を通じて公正価値で測定する金融資産には、売買目的で保有する金融資産が含まれます。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値により測定し、その取得に直接起因する取引コストは、発生時に純損益で認識しています。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動を純損益として認識しています。
(c) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
公正価値で測定する負債性金融商品のうち、次の条件がともに満たされる場合には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するため及び売却するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品は、当初認識時に公正価値にその取得に直接起因する取引コストを加算して測定しています。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動をその他の包括利益として認識しています。その他の包括利益として認識した金額は、認識を中止した場合、その累計額を純損益に振り替えています。
また、売買目的ではない資本性金融商品への投資については、当初認識時に、その公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択を行うことが認められており、当社グループでは金融商品ごとに当該指定を行い、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に分類しています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産は、当初認識時に公正価値にその取得に直接起因する取引コストを加算して測定しています。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動をその他の包括利益として認識しています。その他の包括利益として認識した金額は、認識を中止した場合にその累積額を利益剰余金に振り替えており、純損益には振り替えていません。なお、配当については、当該配当金が明らかに投資の取得原価の回収を示している場合を除いて純損益として認識しています。
② 金融資産の減損
当社グループは、償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産及び金融保証契約について、金融資産の信用リスクが当初認識以後に著しく増大している場合には、当該金融資産に係る損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融資産に係る損失評価引当金を12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で測定しています。金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているか否かに関する評価は「注記32 金融商品 (2)財務上のリスク ①信用リスク」に記載しています。
ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権及び契約資産に対する損失評価引当金は、常に全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。
金融資産の予想信用損失は、次のものを反映する方法で見積っています。
(a) 一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される偏りのない確率加重金額
(b) 貨幣の時間価値
(c) 過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、報告日において過大なコストや労力をかけずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報
損失評価引当金の繰入額及び戻入額は純損益として認識しています。また、金融資産の全部又は一部分を回収できないと合理的に判断される場合は、金融資産の帳簿価額を直接償却しています。
③ 非デリバティブ金融負債
非デリバティブ金融負債は、契約条項の当事者となった取引日に当初認識し、償却原価で測定する金融負債と純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しています。非デリバティブ金融負債は、金融負債が消滅したとき、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し又は失効となった時に認識を中止しています。
(a) 償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債は、当初認識時には公正価値からその発行に直接起因する取引コストを減算して測定しています。また、当初認識後は実効金利法に基づく償却原価で測定しています。
(b) 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は、当初認識時には公正価値で測定しています。また、当初認識後は公正価値で測定し、その変動については純損益として認識しています。
④ デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループでは、為替変動リスク及び金利変動リスクをヘッジするために、先物為替予約取引、金利スワップ取引を行っています。また、当社は、共同出資者との出資者間合意の定めにより、一定期間の経過後に一定の価格にて当社が他共同出資者の出資持分を買い取る契約(コール・オプション)を有しています。
当社グループでは、ヘッジ会計の開始時においてヘッジ関係並びにヘッジの実施についてのリスク管理目的及び戦略の公式な指定及び文書化を行っています。当該文書にはヘッジ手段の特定、ヘッジの対象となる項目又は取引、ヘッジされるリスクの性質、及びヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動に対するエクスポージャーを相殺するに際してのヘッジ手段の有効性の評価方法が含まれています。また、当社グループでは、これらのヘッジについて、ヘッジされたリスクに起因する公正価値又はキャッシュ・フローの変動を相殺するに際し極めて有効であると見込んでいますが、ヘッジ指定されていた会計期間を通じて実際に極めて有効であったか否かを判断するために、継続的に評価しています。
デリバティブは公正価値で当初認識しています。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動は次のとおり処理しています。
(a) ヘッジ指定されているデリバティブ
ヘッジ手段であるデリバティブ取引には先物為替予約及び金利スワップがあり、その公正価値変動のうち有効なヘッジと判定される部分は、その他の包括利益として認識しています。
その他の包括利益に認識した金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える会計期間においてその他の資本の構成要素から純損益に振り替えています。
ヘッジ手段が失効、売却、終結又は行使された場合、ヘッジ比率を調整してもなお、ヘッジの適格要件を満たさなくなった場合には、ヘッジ会計を将来に向けて中止しています。
(b) ヘッジ指定されていないデリバティブ
デリバティブの公正価値の変動は純損益として認識しています。
(5) 非支配持分へ付与されたプット・オプション
子会社の共同出資者との合意の定めにより、一定期間の経過後に一定の価格にて、当社以外の共同出資者がその出資持分を当社に売り渡す権利(プット・オプション)を有している場合があります。当該売建プット・オプションの対象となっている非支配持分はその他の金融負債に振り替え、非支配持分とその他の金融負債の差額は資本剰余金として処理しています。当該その他の金融負債は、原則としてその償還金額の現在価値で当初認識しています。当初認識後は実効金利法に基づく償却原価で測定するとともに、その事後的な変動額を資本剰余金として認識しています。なお、当該プット・オプションが失効した場合は、その他の金融負債を資本剰余金に振り替えています。
(6) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されています。
(7) 引出制限付預金
引出制限付預金は、外部金融機関との間で締結された契約条件により、用途が制限されている預金です。
(8) 棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額とのいずれか低い金額で測定しています。取得原価には、購入原価、加工費及び棚卸資産が現在の場所及び状態に至るまでに発生したその他のコストの全てを含んでおり、原価の算定にあたっては、主として総平均法により配分されています。正味実現可能価額は、通常の営業過程における見積売価から、完成までの見積原価及び販売に要する見積費用を控除した額です。
(9) 有形固定資産
有形固定資産については、当初認識後の測定に原価モデルを採用しており、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で測定しています。取得原価には資産の取得に直接関連する費用、資産の解体及び除去費用、原状回復費用の当初見積額、並びに資産計上の要件を満たす借入コストが含まれています。有形固定資産の構成要素の耐用年数が構成要素ごとに異なる場合は、それぞれ別個の有形固定資産項目として計上しています。
土地、建設仮勘定以外の有形固定資産は、使用が可能となった時点から、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で減価償却しています。主要な有形固定資産の見積耐用年数は次のとおりです。
建物及び構築物 :2~50年
機械装置及び運搬具 :2~20年
(10) 借入コスト
意図した使用又は販売が可能となるまでに相当の期間を要する資産に関して、その資産の取得、建設又は生産に直接起因する借入コストは、当該資産の取得原価の一部として資産化しています。その他の借入コストは全て、発生した期間に費用として認識しています。
(11) のれん及び無形資産
のれんは償却を行わず、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で測定しています。
無形資産については、当初認識後の測定に原価モデルを採用しており、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しています。
個別に取得した無形資産は取得原価で測定しており、企業結合により取得した無形資産の取得原価は企業結合日の公正価値で測定しています。
耐用年数を確定できる無形資産はそれぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で償却しています。主要な無形資産の見積耐用年数は次のとおりです。
・契約関連無形資産 : 20年
・工事負担金 : 13~20年
・内部利用目的のソフトウェア : 5年
・その他無形資産 : 3~19年
なお、償却方法、残存価額及び耐用年数は毎年見直し、必要に応じて調整しています。
耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産は償却を行わず、毎年同時期及び減損の兆候を識別した場合はその都度、その資産の回収可能価額を見積っています。
(12) リース
当社グループは、契約の締結時に契約がリースであるか又はリースを含んでいるかを判定します。契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるか又はリースを含んでいます。
① 借手
当社グループは、リースの開始日において使用権資産とリース負債を認識しています。使用権資産は、取得原価で当初測定しています。この取得原価は、リース負債の当初測定額に、開始日又はそれ以前に支払ったリース料を調整し、発生した当初直接コストと原資産の解体及び除去、原資産又は原資産の設置された敷地の原状回復の際に生じるコストの見積りを加え、受領済みのリース・インセンティブを控除して算定しています。
当初認識後においては、原価モデルを採用しており、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で測定しています。使用権資産は、リース開始日から使用権資産の耐用年数の終了時又はリース期間の終了時のいずれか早い方まで、定額法により減価償却しています。リース期間については、リースの解約不能期間に加えて、行使することが合理的に確実である場合におけるリース延長オプションの対象期間と、行使しないことが合理的に確実である場合におけるリースの解約オプションの対象期間を含む期間として決定しています。
リース負債は、開始日時点で支払われていないリース料をリースの計算利子率を用いて割り引いた現在価値で当初測定しています。当社グループでは、リースの計算利子率が容易に算定できない場合は、追加借入利子率を割引率として使用しています。
リース負債の測定に含めるリース料総額は、固定リース料(実質的な固定リース料を含む)、指数又はレートに基づいて算定される変動リース料、残価保証に基づいて支払うと見込まれる金額、当社グループが行使することが合理的に確実である場合の購入オプションの行使価格、延長オプションを行使することが合理的に確実である場合のオプション期間のリース料、及びリースの早期解約に対するペナルティの支払額(当社グループが早期解約しないことが合理的に確実な場合を除く)より構成されています。
リース負債は、実効金利法による償却原価で測定しています。指数又はレートの変動により将来のリース料が変動した場合、残価保証に基づいて支払うと見込まれる金額の見積りが変動した場合、又は購入、延長、あるいは解約オプションを行使するかどうかの判定が変化した場合、リース負債は再測定されます。このようにリース負債を再測定する場合、対応する修正は使用権資産の帳簿価額を修正するか、使用権資産の帳簿価額がゼロまで減額されている場合には純損益として認識します。
当社グループは、リース期間が12ヶ月以内の短期リース及び少額資産のリースについて、使用権資産及びリース負債を認識しないことを選択しています。当社グループは、これらのリースに係るリース料をリース期間にわたり定額法により費用として認識しています。
② 貸手
当社グループは、貸手のリース取引について、リースの開始日にファイナンス・リース又はオペレーティング・リースのいずれかに分類しています。
ファイナンス・リースに基づいて保有している資産は、リース開始日において、正味リース投資未回収額に等しい金額で債権として表示しています。
オペレーティング・リース取引において、受取リース料は、リース期間にわたって定額法により収益として認識しています。
(13) 非金融資産の減損
当社グループは毎決算日において、棚卸資産及び繰延税金資産を除く非金融資産について、資産が減損している可能性を示す兆候があるか否かを評価しています。減損の兆候が存在する場合には、個別の資産又は資金生成単位ごとの回収可能価額に基づき減損テストを実施しています。なお、のれん、耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産は償却を行わず、毎期同時期及び減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しています。
減損テストにおいて、資産は、継続的な使用により他の資産又は資金生成単位のキャッシュ・インフローから概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資産グループに集約し、のれんは、企業結合のシナジーが得られると期待される最小の資金生成単位又は資金生成単位グループに配分しています。当社グループの全社資産は、独立したキャッシュ・インフローを生成しないため、全社資産に減損の兆候がある場合、全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額を見積っています。
回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い方で算定しています。使用価値は、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間価値及びその資産の固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いて算定しています。
個別の資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を上回る場合には純損益にて減損損失を認識し、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額しています。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額しています。
のれん以外の非金融資産に係る減損損失は、減損損失がもはや存在しないか又は減少している可能性を示す兆候が存在する場合に当該資産の回収可能価額を見積っており、回収可能価額が減損処理後の帳簿価額を上回った場合には減損損失の戻入れを行っています。なお、減損損失の戻入れは過去の期間において当該資産に認識した減損損失がなかった場合の帳簿価額を超えない範囲を上限として回収可能価額と帳簿価額との差額を純損益にて認識しています。
(14) 従業員給付
① 退職後給付
当社グループは、従業員の退職後給付制度として確定拠出制度を採用しています。確定拠出制度については、確定拠出制度に支払うべき額を、従業員が関連する勤務を提供した時に費用として認識しています。
② 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算を行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として認識しています。
賞与及び有給休暇費用については、それらを支払う法的もしくは推定的な債務を有し、信頼性のある見積りが可能な場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識しています。
(15) 株式に基づく報酬
当社グループは、当社の取締役及び従業員等に対する報酬制度として、持分決済型のストック・オプション制度を採用しています。ストック・オプションは、付与日における公正価値によって見積り、最終的に権利確定すると予想されるストック・オプションの数を考慮した上で、権利確定期間にわたって費用として認識し、同額を資本の増加として認識しています。付与されたオプションの公正価値は、オプションの諸条件を考慮し、二項モデル等を用いて算定しています。
また、当社は、取締役及び執行役員等に対する株式報酬として株式交付信託を採用しており、受領したサービスの対価は、付与日における当社株式の公正価値で測定しており、付与日から権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を資本の増加として認識しています。
(16) 引当金
引当金は、過去の事象の結果として、当社グループが現在の法的債務又は推定的債務を有し、その債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出の可能性が高く、かつその資源の流出の金額について信頼できる見積りができる場合に認識しています。
引当金は見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及びその負債に特有のリスクを反映した税引前の利率を用いて現在価値に割り引いています。時間の経過による影響を反映した引当金の増加額は、金融費用として認識しています。
資産除去債務は、資産の解体・除去費用、原状回復費用、並びに資産を使用した結果生じる支出に関して引当金を認識するとともに、当該資産の取得原価に加算しています。将来の見積費用及び適用された割引率は毎年見直され、修正が必要と判断された場合は当該資産の帳簿価額に加算又は控除し、会計上の見積りの変更として処理しています。
(17) 資本
① 普通株式
普通株式は資本に分類しています。普通株式及びストック・オプションの発行に直接関連して発生した費用(税効果考慮後)は資本から控除しています。
② 自己株式
自己株式を取得した場合には、直接関連して発生した費用(税効果考慮後)を含めた支払対価を資本から控除しています。また、自己株式の売却又は消却において利得又は損失は認識せず、帳簿価額と処分時の対価との差額は資本剰余金として認識しています。
(18) 売上収益
当社グループは、次の5ステップアプローチに基づき、顧客との契約から生じる収益を認識しています。
ステップ1:契約の識別
ステップ2:履行義務の識別
ステップ3:取引価格の算定
ステップ4:履行義務への取引価格の配分
ステップ5:履行義務の充足による収益の認識
なお、顧客との契約獲得のための増分コストについて、回収可能であると見込まれる部分について資産として認識しています。契約獲得のための増分コストとは顧客との契約を獲得するために発生したコストで、当該契約を獲得しなければ発生しなかったであろうものです。顧客との契約を履行するためのコストは、当該コストが、契約に直接関連しており、履行義務の充足に使用される会社の資源を創出又は増価する、及び当該費用の回収が見込まれる場合に資産として認識しています。
資産として認識された顧客との契約の獲得又は履行のためのコストは、各契約期間にわたり、関連する収益に対応させて費用認識しており、その大半を占める再生可能エネルギー発電事業における各発電所の売電に係る契約に対応するコストは、固定価格買取制度(FIT)又は再生可能エネルギー発電所導入促進のための各制度等に基づく再生可能エネルギーの買取期間にわたって定額で償却しています。
取引価格は顧客との契約に従っており、変動対価や重大な金融要素が含まれている場合は、契約条件等に基づき取引価格を見積って調整しています。
複数の履行義務が含まれている契約の取引価格は、過去の実績等を基に見積った、それぞれの履行義務の独立販売価格の比率で按分しています。
具体的な収益認識基準は、次のとおりです。
① 一時点で充足される履行義務
当社グループにおいて一時点で充足される履行義務には、主として、再生可能エネルギー開発・運営事業には事業開発業務契約、再生可能エネルギー発電事業には売電に関する契約があります。
事業開発業務契約は、契約に定められた役務提供を完了した段階で、また、検収を要する場合は検収時点で顧客に支配が移転したと判断し契約に定められた収益を認識して、契約に従った受領時期に対価を請求し約定どおり受領しています。
売電に関する契約は、当社グループの有する再生可能エネルギー発電設備から発生する電気を、一般送配電事業者等の電力供給設備を介して、一般送配電事業者等のオフテイカーに供給した時点で、当該電力財に対する支配が顧客に移転したと判断し、当該電力の発電量に応じて契約に定められた金額に基づき収益を認識して、月次で対価を請求し約定どおり受領しています。
なお、事業開発業務契約のうち、履行義務を充足してから受領まで1年超を要するものは、重大な金融要素を識別していますが、売電に関する契約は履行義務を充足してから概ね1~2ヶ月で受領しており、重大な金融要素を含んでいません。
② 一定の期間にわたり充足される履行義務
次の要件のいずれかに該当する場合は、製品又は役務に対する支配が一定期間にわたり移転するため、一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識しています。
(a) 顧客が履行によって提供される便益を、履行するにつれて同時に受け取って消費する。
(b) 履行が、資産を創出するか又は増価させ、顧客が当該資産の創出又は増価について支配する。
(c) 履行が、他に転用できる資産を創出せず、かつ、現在までに完了した履行に対する支払いを受ける強制可能な権利を有している。
当社グループにおいて一定の期間にわたり充足される履行義務には、主として、再生可能エネルギー開発・運営事業に工事管理契約と運営管理契約があります。
これらの契約は、主として月額で単価が決められており、この場合、履行義務は契約期間にわたり役務を提供することであり、当該履行義務は時の経過につれて充足される(インプット法)ものであり、履行義務が充足される期間において契約に定められた金額に応じて収益を認識し、月次で対価を請求し約定どおり受領しています。
(19) 金融収益及び金融費用
金融収益は、受取利息、受取配当金、為替差益、公正価値の評価益及び実現益等から構成されています。受取利息は、実効金利法を用いて発生時に認識しています。受取配当金は、当社グループの受領権が確定した時点で認識しています。
金融費用は、支払利息、為替差損、公正価値の評価損及び実現損等から構成されています。支払利息は、実効金利法を用いて発生時に認識しています。
(20) 政府補助金
政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得られたときに、公正価値で認識しています。
収益に関する政府補助金は、補助金で補償することを意図している費用が発生した期間にわたって規則的に純損益を認識しています。資産の取得に対する政府補助金は、当該補助金の金額を資産の取得原価から控除しています。
(21) 法人所得税
法人所得税費用は、当期税金費用と繰延税金費用から構成されています。これらは、企業結合に関連するもの及び直接資本又はその他の包括利益で認識される項目を除き、純損益として認識しています。
当期税金費用は、決算日において制定され又は実質的に制定されている税率を用いて、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で算定しています。
繰延税金費用は、会計上の資産及び負債の帳簿価額と税務基準額の差額である一時差異並びに繰越欠損金に基づいて、決算日までに制定又は実質的に制定されている税法に基づいて、一時差異等が解消される期に適用されると予想される税率で算定しています。
繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除に対して、それらを利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲で認識し、毎決算日に見直しを行っています。
なお、企業結合ではなく、取引時に会計上の利益にも課税所得にも影響を与えず、かつ、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引から発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異については、繰延税金資産及び負債を認識していません。さらにのれんの当初認識において生じる将来加算一時差異についても、繰延税金負債を認識していません。
子会社、関連会社及び共同支配企業に対する投資に係る将来加算一時差異については、繰延税金負債を認識しています。ただし、一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合には認識していません。また、子会社、関連会社及び共同支配企業に対する投資に係る将来減算一時差異については、一時差異が予測し得る期間内に解消し、かつ課税所得を稼得する可能性が高い範囲でのみ繰延税金資産を認識しています。
繰延税金資産及び繰延税金負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に対して課される法人所得税に関するものである場合に相殺しています。
なお、法人所得税の不確実な税務ポジションについて、税法の解釈に基づき税務ポジションが発生する可能性が高い場合には、合理的な見積額を資産又は負債として認識しています。
(22) 1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しています。
希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有する全ての潜在的普通株式による影響を調整して算定しています。
(23) 会計方針の変更
当社グループは、当連結会計年度より強制適用となった基準書及び解釈指針を適用しています。これによる当社グループの連結財務諸表に与える重要な影響はありません 。
(24) 表示方法の変更
(連結キャッシュ・フロー計算書)
前連結会計年度において、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の小計欄以下の「その他」に含めていた「補償金の受取額」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記することとしました。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っています。
この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の小計欄以下の「その他」に表示していた611百万円は、「補償金の受取額」434百万円、「その他」177百万円として組み替えています。
前連結会計年度において、「投資活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に含めていた「投資有価証券の取得による支出」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記することとしました。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っています。
この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、「投資活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に表示していた△142百万円は、「投資有価証券の取得による支出」△18百万円、「その他」△124百万円として組み替えています。