有価証券報告書-第61期(2023/01/01-2023/12/31)

【提出】
2024/03/28 14:48
【資料】
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【項目】
142項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「豊かになるための集団」、「負けてたまるかの拡大発展」、「顧客に密着する経営」、「新製品新事業の開拓」、「会社は永続するもの」という経営理念を掲げ事業展開を行っております。
具体的には、今や建物に不可欠になった自動ドアの販売を事業の核に、安全で快適なエントランス環境を創造する企業を標榜しております。また、販売、設計、施工、アフターサービスまで社内一貫体制で行える経営資源を活かし、新規事業にも積極的に取り組んでおります。
(2)経営環境及び経営戦略
当社グループの業績に影響を及ぼす国内建築市場につきましては、堅調な増加傾向が続くものと考えられますが、国内においては地域によってかなり仕事量に差が出ると考えております。
このような環境の中、景気に左右されにくいストック市場(注)の潜在需要は、地域に関係なく大きいものと考えております。そのため、建築需要の旺盛な首都圏では、新規のシェアを拡大を図るとともに、リニューアルにも注力し、収益の拡大を目指してまいります。一方で、新規の建築需要が減少していくと考えられる地方では、リニューアル需要の掘り起こしに一層注力してまいります。
また、収益力の向上のため、既存の保守契約と共にIoT技術を活用した新保守契約プランの拡大に努め、一層の契約率向上に取り組んでまいります。
また、新基幹システムの稼働を含めた社内システムの導入活用によるDX推進に取り組み、全社的な業務効率化も進めてまいります。
(注)ストック市場とは、リニューアル需要や保守契約の締結が見込める、当社グループの製品を利用して頂いている施主や建物管理会社等のエンドユーザーを顧客とする市場を指します。
(3)目標とする経営指標
当社グループは、継続的な成長及び安定的な収益確保の実現を経営目標としており、その客観的な指標として、売上高成長率及び売上高経常利益率の向上を掲げております。顧客に様々な商品やサービスを提供し、顧客一人当たりのライフサイクルバリュー(生涯価値)の拡大を通じて、目標達成に努めてまいります。また、企業価値向上への取り組みとして、十分なエクイティ・スプレッドの確保のため、ROEの向上にも注力してまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① エンゲージメントの向上
当社グループでは、営業・設計・製造・施工・保守サービスを正社員による社内一貫体制で行うことを強みにしております。採用難が深刻化している今日、充分な人材の確保と育成が成長の継続に不可欠です。したがって、採用活動を一層強化するとともに定着率向上のためにも働きがいのある職場作りに取り組んでまいります。
具体的な施策として地域別職種別手当の新設や転勤者に対する優遇策の実施、人事考課及び人事評価制度の改善を図ってまいります。また、「健康経営」の取り組みに一層注力し、社員一人ひとりのエンゲージメントの向上に努めてまいります。
② 新規部門の収益改善
原材料価格の上昇や競合他社との激しい価格競争が続く中で収益を確保するため、仕入価格の上昇に対する適正な価格転嫁に努めるとともに、新規物件の選別受注及び採算管理の徹底を継続してまいります。
③ ストック市場への取り組み強化
ストック市場(リニューアル及びメンテナンス)は当社グループの利益の源泉であります。当社グループが管理している約31万台の自動ドアをご利用いただいているエンドユーザーとの「つながり」を創出、強化する施策に取り組み、リニューアル受注の一層の推進と保守契約率の向上により収益基盤の強化に努めてまいります。
④ 生産性の向上
生産性の向上にデジタルの活用は不可欠であり、技術サービス部門・設計部門、子会社工場を含め、あらゆる業務においてDXの推進に取り組んでまいります。
当社が提供している「Fi-R(リモート)」(IoTを活用した保守契約プラン)はお客様へのサービス向上と同時に省人化を実現するものです。Fi-Rの契約率を大幅に伸長させることによって、保守点検サービスにおけるDX推進に努めてまいります。