有価証券報告書-第35期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/29 10:00
【資料】
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【項目】
152項目
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、国内外における博多ラーメン専門店「一風堂」「IPPUDO」を中心とした複数ブランドの飲食店の展開を中核に、食材の生産、教育、商品開発、製造、流通、販売までを一貫して手がける事業モデルの実現に向け、複数の事業をグローバルに展開しております。
当社グループは企業理念である「変わらないために、変わり続ける」のもと、ラーメンをはじめとする「日本食」の普及と、企業ミッションである“Japanese Wonder to the World「世界中に“笑顔”と“ありがとう”を」”をグローバルに実現することを目指すとともに、より高いレベルでの顧客満足の獲得と更なる企業価値の向上に尽力し、顧客及び株主等のステークホルダーの利益最大化の実現に努めてまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループが重要視している経営指標は、売上高・営業利益・営業利益率・ROEであります。
(3)中長期的な会社の経営戦略、経営環境と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、「変わらないために、変わり続ける」という企業理念に基づき、ラーメンを中心とした日本の食文化を世界に伝えるべく、2025年までに全世界でのトータル店舗数600店舗の実現を中長期的な目標として掲げておりましたが、当該店舗数を含めた中期的な方針について、現在、再検討しております。再検討の結果、中長期的な方針に変更があった場合は、その時点で速やかに公表いたします。
昨今における国内の外食産業においては、コンビニエンスストアから中食業態までを巻き込んだ競争が一層激化する状況にあるほか、労働者賃金の高騰、原材料の価格上昇及び物流費高騰の影響に加え、2020年2月以降の新型コロナウイルスの感染拡大が消費行動並びに経済に甚大な影響を及ぼしており、足元は非常に厳しい経営環境であるとともに、先行きは極めて不透明な状況にあります。また、海外においても新型コロナウイルス感染拡大による各国経済の実質的シャットダウン以前より、アメリカの保護主義経済政策に端を発する欧州及び中国等の貿易摩擦や、イギリスのEU離脱から起因する経済環境、香港やフランス等で見受けられる市民活動が経済に与える影響等、景気の先行きに不安要素が多数見受けられます。
このような環境のもと、以下の課題に優先的に取り組み、事業の拡大に努めてまいります。
①国内事業基盤の再構築
国内既存店の強化並びに収益性向上が重要であるとの認識のもと、当社グループは中核ブランド「一風堂」の顧客への価値の維持と向上のため、収益性とブランディングの観点から厳選した出店を行ってまいります。また、客席稼働率の上昇や衛生面の更なる強化を目的として、前期より取り組んでまいりましたITシステムの入れ替えを含む既存店舗の戦略的改装も継続して行うとともに、大型商業施設の増加に伴う商圏内の潜在顧客の動線の変化等により収益性が低下し、将来的に発展が望みにくい商圏並びに事業に関しては撤退も含め検討してまいります。
店舗運営に関しては、自社アプリやオンラインのレビュー等を含め幅広く顧客とコミュニケーションを図り、商品においては、主力商品であるラーメンの継続的なブラッシュアップを引き続き実行していくとともに、季節商品の提供も引き続き実施してまいります。
サービス面においては、飲食店の基本であるQSC(クオリティ・サービス・クレンリネス)のさらなる向上に取り組み、地域のお客様に愛され続けるお店作りに努めてまいります。
また、今回の新型コロナウイルス感染拡大を受けて、消費者の動向の変化も想定されるため、店舗レイアウトの変更、安心・安全な店舗環境の整備、中食の商品提案及び通販用ECサイトの強化等、多様なアプローチにて今後の事業展開を検討してまいります。
②海外の積極的な事業展開
既に日本を含め世界15か国・地域にて出店している当社グループ内のノウハウや人的ネットワークを活用し、今後も出店に関しては厳密に精査をする一方、中長期的には事業の拡大を図ります。カントリーリスクを含む食材価格の高騰や枯渇のリスクを分散するために、グローバルな調達ネットワーク構築を推進し、併せてスケールメリットを活かしたコストダウンを目指しつつ、出店国現地での調達・製造も併せて実施してまいります。
今後も世界経済に脅威を与える事象は発生しうると認識しておりますが、同時に世界の人口は増加傾向にあり、世界経済は長期的には発展を続けると思われます。その中でも日本食に対する関心は更に高まると推測され、日本の食文化を世界に広げていくという当社グループの事業には追い風が続きます。
また、今回の新型コロナウイルス感染拡大を受けて、消費者の動向の変化も想定されますが、小型店舗へのシフトやテイクアウトやデリバリー、中食の商品提案含めて、多様なアプローチにて今後の事業展開を検討してまいります。
③人財の採用と教育
当社グループのコアコンピタンスである店舗運営力向上のためには、人財こそが他社との差別化にもつながると考えており、国内外問わず、人財採用の強化及び従業員満足度の向上を継続して行ってまいります。
日本のみならず、各先進国においても人口の高齢化や少子化の傾向は見受けられ、人財の確保において他社並びに他業種との競合は激化しております。当社グループは、2019年10月には海外初進出10周年を記念して、IPPUDO Global Leadership Conferenceを初開催し、15か国・地域の店舗運営リーダーたち100人を日本に招集し、集中的な研修やノウハウの共有を行いました。このような活動こそが、店舗運営の人財の活性化並びに採用の強化につながり、最終的に顧客の満足度向上に貢献すると考えております。
ITシステムの入れ替え等による店舗業務の自動化を図りつつも、飲食業の原点である接客とおもてなしを提供する人財の継続的教育並びに労働環境の改善の観点から、年末年始には創業以来、初めて店休日を設けることや、有給休暇取得の推奨、同一労働同一賃金の徹底等、各方面で施策を講じており、継続して当社グループの人財がより長く働ける、より働きやすい、将来に希望を持てる労働環境の構築に努めます。
④衛生面の強化
食中毒事故の発生や偽装表記の問題等により、食の安心や安全に対する社会的なニーズが高まっております。また、日本における2021年のHACCP完全制度化等、原材料や提供商品のみならず、製造工程や物流の過程においても食の安全性に対しての取り組みは必須となっております。当社グループでは、専門対策部署を設置し、工場から物流、店舗での保管や提供方法等、顧客へ商品が最終的に提供されるまでのすべての工程において最新の法令を遵守し、顧客に安全な食をお届けするべく、衛生管理マニュアルに基づき衛生管理・品質管理に努めております。
当社グループは、新型コロナウイルス感染拡大の初期より、店舗においての消毒や従業員のマスクの着用を実施し、緊急事態宣言が発令された際には企業としての社会的責任を果たすべく、店舗の営業を休止いたしました。どのような環境においても、顧客と従業員の安全を守るべく、今後も衛生対策の強化を通して、安心・安全な環境の構築に努めてまいります。
⑤食習慣の多様化
新型コロナウイルス感染拡大により、リモートワークや分散労働が推奨され、準じて消費者の食習慣も変化の兆しが見られます。テイクアウトやデリバリーに加え、中食や保存食の需要が非常に高まり、この傾向は当分継続されると見込まれます。同時に、環境保全の観点等から、従来の食習慣が一部の顧客層においては激変しており、菜食主義やスローフード等の社会的変動も加速しております。
当社グループにおいては、海外では既に開始しているテイクアウトやデリバリーの日本国内導入を検討するとともに、既に展開している中食事業等の強化に努め、顧客の来店以外での収益構造の強化に努めます。また、店舗においても、各地域や文化で多様化する食のニーズに応じるべく、商品のラインナップを整理、改善してまいります。

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