訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2017/10/18 13:00
【資料】
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【項目】
106項目

対処すべき課題

当社グループが属する音楽業界・エンタテインメントを主として取り扱うIT業界においては、当社グループ及び大手数社がシェアを持つ構図になっております。
このような状況の下、当社グループは、ワンストップ・ソリューションプラットフォーム「SKIYAKI EXTRA」の優位性が他社に対する強みであると考えており、その強みを活かして大手コンテンツホルダー企業に対して継続的に営業を行って参りました。その結果、大手コンテンツホルダー企業と業務提携契約を締結し、会員数を伸ばして参りました。
一方で、現状、小規模な組織により事業を運営していることもあり、コーポレート・ガバナンスの強化も重要な課題として認識しております。また、当社グループサービスの要である「SKIYAKI EXTRA」に更なる競争力を持たせるために、より一層十分な開発リソースを確保していく必要があることも課題として認識しております。
以上を踏まえ、当社グループとしましては、以下の具体的な課題に取り組んで参ります。
①人材の確保
現在IT業界においては、優秀な人材(とりわけ、エンジニア)の確保が厳しい状況が続いております。当社グループとしましては、従業員が働きやすい環境づくりや福利厚生の充実を図っております。
具体的には、まず、独自開発の社内業務管理システム「INTRA」や電子稟議システムの導入等により業務の効率化を推進することで、従業員が仕事とプライベートを両立できる環境の構築に努めており、従業員の月平均の所定外労働時間は、全体で約9時間51分、エンジニアに限ると約7時間54分となっております(いずれも平成28年7月~平成29年2月実績。なお、一般社団法人情報サービス産業協会が平成28年7月に実施した調査によれば、同協会に加盟する事業者におけるエンジニアの月平均の所定外労働時間は、約23時間4分であります。)。
また、若手従業員を対象に社内独自作成の教材を用いて毎週開催するリーダー育成の社内講習会「SKIYAKIアカデミア」や、エンジニアが集まり定期的に開催する社内勉強会などの施策により、従業員に学びと気付きの機会を提供しております。
さらに、求職者を惹きつけるような魅力あるアーティストのファンクラブ・ファンサイトを継続的にリリースしていくこと自体が、当社グループの業務の魅力とやりがいをわかりやすい形で伝えるための重要な手段になると考えております。
②コンテンツ力の更なる強化
当社グループでは、既存コンテンツの継続的な成長に加え、新規コンテンツの獲得のための新たなパートナー獲得に向けた取り組みを行っております。引き続き、大手コンテンツホルダー企業とのアライアンスの促進や、ブレイク前のアーティストの発掘等を行って参ります。また、新たなジャンルの開拓として、漫画、アニメ、ゲーム領域及びそれらを原作とする2.5次元ミュージカルを対象とした営業活動を強化しております。
③内部管理体制の強化
当社が今後一層の事業拡大を進めるともに事業環境の変化に適応していくためには、内部管理体制を強化していくことも重要であると考えております。当社としましては、内部統制の実効性を高めコーポレート・ガバナンスを充実していくことで、リスク管理の徹底や業務の効率化を図っていきます。
④システム基盤の強化
当社グループが目指している「創造革命」を実現するには、単なるコンテンツの提供者という立ち位置から、トータルソリューションを提供するプラットフォーマーへの転身が必要であります。また、当社グループは収益の基盤となるサービスをインターネット上で展開していることから、システム稼働の安定性を確保することが重要な経営課題であると認識しております。「SKIYAKI EXTRA」の利用者増加に対応するための負荷分散等、継続的にシステム基盤の強化を図っていく方針であります。
⑤会員情報の管理体制
当社グループの事業では多数の会員の個人情報を取り扱っており、その数はサービスの拡大に比例して増加しております。そのため、今後個人情報の管理体制をより一層厳格に行うことを重要な課題として認識しております。 不正アクセス等への事前対策はもちろん、情報漏洩の多くが内部の関係者のヒューマンエラーに起因しているという実情を踏まえ、情報の取り扱いに関する社内規程を厳格に定め、情報セキュリティに関する社内研修を定期的に実施し、引き続き従業員の情報管理意識及び情報リテラシーの向上に努めて参ります。なお、万が一の事態に備え、個人情報漏洩時の損害保険にも加入しております。
⑥グローバルな事業展開
当社グループでは、社名にも想いを込めたように、グローバルな事業展開を標榜しております。「SKIYAKI EXTRA」を中核とした当社グループのサービスをグローバルに展開し、世界中のアーティスト・クリエーターに利用してもらえるよう、現地法人設立の検討や、現地でのパートナー企業の選定、協業の際の当社グループシステムとの連携等も重要な経営課題として認識しております。
⑦他の企業との資本提携の推進
当社グループは、当社及び連結子会社1社、持分法適用関連会社1社により構成されておりますが、当社グループを取り巻く事業環境の急激な変化に対応し、収益基盤をより一層強化するためには、他の企業との資本提携の推進が必要であると考えております。
今後の具体的なM&A戦略として、当社グループとのシナジーが見込まれる以下の事業領域における企業との資本提携を検討しております。
・既存サービスに関連する事業領域(ファンクラブ、EC、チケット、コンサート、イベント、旅行、映像等)
・既存または新たに提供するコンテンツに関連する事業領域(音楽、漫画、アニメ、出版、舞台、ミュージカル、キャラクター、ゲーム等)
・新たな技術革新に関連する事業領域(VR、AR、MR、AI、ブロックチェーン、仮想通貨、個人間決済等)
なお、平成30年1月期において、コンサート・イベント制作事業を営む企業との資本提携に係る出資(株式取得費用)として85,500千円、平成31年1月期において、漫画、アニメ等に関連するWebサービス事業を営む企業との資本提携に係る出資(株式取得費用)として100,000千円、平成32年1月期において、オンデマンドグッズ製作事業を営む企業との資本提携に係る出資(株式取得費用)として100,000千円を予定しております。