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2017/09/11 15:01
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当社グループを取巻く事業環境は、新興国の所得水準向上を背景とした食の多様化、供食形態の変化(外食・中食需要増)、人口増加による食料資源問題、為替変動などにより激しく変化しております。他方、日本食を中心としたアジア食品のグローバル化の進行は未だその途上と考えられます。
このような状況下、当社グループとしましては、これまで構築してきました事業基盤を実態的な参入障壁・コアコンピタンスと認識し、それをもって外部環境の変化を先取りした施策の取り組みと既存事業における一層の収益性の向上の両立を目指します。具体的には、以下の戦略・方針を実現してまいります。
(1) 営業戦略
当社グループの主要市場である北米においては、より強固な営業基盤を構築すると共に、引き続き新規顧客の開拓を推進することでシェアの拡大を図ります。また、国内においては、継続的に安定収益を確保すると共に、新たな商品、加工又は販売形態による新規収益機会の創出を図ります。北米での成長を維持しつつも、北米以外のエリアについては、より一層積極的に市場開拓に向けて取り組んでいく方針であります。
また、業務用調理済加工食品、グルテンフリー(注)1.やハラール対応(注)2.等の多様化する食のニーズを見つめ、新しい食材、新しいメニュー、新しい食の文化を探求・提供するためにも、各国において、より現地に根差した活動を行っていくことが求められるものと考えております。係る課題に対処していくために、現地社員の採用を増やし、現地のニーズをつぶさに汲み取り商品開発に結び付けられるよう、無(多)民族、無(多)国籍経営を引き続き目指してまいります。例えば、現在北米エリアにおいては、日本食レストラン経営者構成に鑑みた営業人員の配置の最適化を目指しております。
当社グループは、昭和43年5月より、サンキスト・グロワーズ社の日本輸入総代理店として、日本全国の卸売市場へシトラスを中心とした青果物を販売してまいりました。以来、シトラス以外のトロピカル・野菜・バナナ等、幅広い商品ラインアップを取りそろえる中で取引量を増やし、その販路を拡大してまいりました。今後は、このような知見・技術を活かし、アジア各国への販売活動を広げるとともに、アジア食グローバル事業にて各国より調達した水産物を日本国内に販売する等、事業横断的に複合的な販売戦略に努めてまいります。
(注) 1.グルテンとは、小麦粉等に含まれる粘り気のあるたんぱく質のことです。欧米では「グルテンフリー」としてグルテンを極力摂取しない、という食事方法があります。
2.ハラールとは、イスラム法において合法なものの事を指します。イスラム文化圏やイスラム教徒の方々からはハラールに準じた処理を施した食品を供給することが求められることがあります。
(2) 商品戦略
当社グループは、北米を中心に世界各国へ商品を供給するために、各国の法令やマーケットに合わせた商品開発を行わなければなりません。そのため、引き続き生産者やメーカー等と協働してマーケット・イン(注)1.による高品質かつ迅速な商品開発を推進してまいります。ブランド戦略としては、PB「Shirakiku」を軸として、その商品ラインナップを拡充し、「健康・安全・美味」を象徴する日本食のナショナルブランド(注)2.としてより一層強化・育成してまいります。
また、資源動向、需給バランス、為替変動等の変化にも対応する商品ポートフォリオを意識して商品開発を行っております。多様化する食のニーズに対応するために、「できたものを売る」ではなく「マーケットから求められているものを作る」を念頭に活動してまいります。
なお、観光庁「訪日外国人消費動向」2016年によれば、訪日外国人の方々への「次回来日時に何をしたいか」というアンケート結果では「日本食を食べること」が最上位となっております。日本への訪問に際して日本食への関心度・興味が高まっていることがうかがえます。当社グループでは、係る日本食への関心・興味を受け、帰国後、自国の日本食レストランでも、より満足する、より訴求力のある食品・食材を供給していくことが課題であると認識しております。このような課題に対し、当社グループは、各国日本食レストラン経営者、生産者やメーカーとの連携を密にし、商品開発を行ってまいります。
(注) 1.市場ニーズを優先し、顧客視点で商品を企画・開発し、提供していくことを指します。
2.知名度の高い、メーカーブランドを意味しております。
(3) 物流・システム戦略
当社グループでは自社物流機能を有しておりますが、在庫管理、流通加工及び配送業務において、国・地域や業界の慣例により非効率なオペレーションも存在します。具体的には、物流オペレーションにおいては依然として「人の力」に頼る工程も多く残っています。今後、世界的に物流人件費の上昇が見込まれることを鑑みますと、「受注」から「配送」までの業務を一貫して効率運用できる物流システムの再構築を推進するとともに、自動制御ロジスティックシステム等の先進技術の導入も検討する等、今一層の徹底した在庫管理・物流機能の向上に努め、「小口配送網」(注)の維持・強化を進めてまいります。
また、グループ会社による輸出入の共同輸送やグループ会社間で管理システムを共有化することでも効率化を図ってまいります。
(注)当社グループの1箇所配送あたりの必要な最低売上は1.5千米ドルを目安としております。なお、小口配送網は高い効率性が求められており、大手卸売会社が参入するには一定の参入障壁があると考えております。
(4) フードセーフティ・法令対応
当社グループは、取扱商品に関するフードセーフティ(食の安心・安全を担保する取り組み)や営業展開する世界各国の法令に対応するために、グループ各社にフードセーフティを管理する部署を設置している他、グループ外の専門家等も活用し、情報収集とその分析を迅速に対応できる組織的な体制の構築に取り組んでおります。係るフードセーフティ体制の更なる拡充・深化をすすめていくにあたっては、サプライチェーン全体を管理し健康危害を防止する中でリスク対応力を高めていくこと、輸出国・輸入国の連携で既存の法令・新法令に適切に対応していくこと、当社グループ内でコンプライアンス意識を醸成し、法令遵守を担保していくことを継続的な課題であると認識しております。
このような課題に対し、より厳格な対応を目指すためにグループ外の専門家等も活用し、一層の情報収集とその分析を迅速に対応できる組織的な体制を構築してまいります。
(5) 財務戦略
当社グループでは、主要取引が米ドルを中心とした外貨取引であるため、為替リスク対応が重要な課題と認識しております。このためグループ会社間における為替マリー(注)の活用や、三国間貿易を行うことで為替リスクの極小化を図ってまいります。
また、当社グループの継続的成長を図るうえで、資金調達力の強化は重要な検討事項であると捉えております。現在、調達額の大半を間接金融により行っておりますが、今後は公募増資、社債発行など資本市場からの直接金融による資金調達力も考慮の上、安定した財務基盤の構築に取り組んでまいります。
(注)外国為替の売りと買いを結びつけることによって、為替持高を相殺することを指します。
(6) M&Aを活用した成長の追求
当社グループでは、これまでも成長性が高く、かつ、マーケット全体に占める割合の大きいアジア及び欧州においてこれまで複数のM&Aを実施してまいりました。今後も将来の事業展開に向けた新規のM&Aを実施していくことが切要であると捉えております。特に、北米及び国内以外の海外拠点については、早期稼働に向けた事業基盤の構築と併せて必要によりM&Aも検討してまいります。
(7) 新技術、パラダイムシフトへの対応
食品業界では今後、養殖産業の発達等による食の工業化、水産・農産の都市化(産地直送化、消費地近辺での産出・生産)、健康意識の高まりによる加工食品からナチュラルフードへの嗜好の変化が起こると考えております。また、AI、IoT等の新技術が実業の現場で活用されてくるようになってきています。
北米においては、ネット通販業者による食品販売の動きといった「ネットとリアルの融合」も加速しており、これにより日本食の卸売会社間だけの競争から、日本食以外の総合食品卸会社との競合、ネット専業者の食品販売への参入、ネット通販業者によるリアル食品店舗への参入へと当社グループの事業拡大と共に競合が変化してくることが見込まれます。
当社グループでは、かねてからのサプライチェーンに対する強み、競合に対する強みを生かし、このような課題に対処してまいります。

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