有価証券報告書-第6期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/25 15:49
【資料】
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【項目】
87項目
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
人生は「ある日」の積み重ねでできています。そしてお客さまにとって住宅を持つ日こそ、かけがえのない「ある日」。日本初のモーゲージバンクとして創業した当社グループは、住宅ローン専門金融機関のパイオニアとして、さまざまなニーズにお応えする住宅ローン商品を、全国の店舗をはじめとする多様なチャネルにてご提案することで、お客さまの大切な「ある日」が最高のものとなるようにお手伝いします。
さらに、お客さまの新しい生活がより楽しく、充実したものとなるよう、理想の家探しや、日々の暮らしのコストを下げるサポートなど、ライフステージに合わせたサービスをご提供します。新しい生活のはじまりから、ずっと寄り添うようにお付き合いさせていただく「住生活プロデュース企業」として、当社はお客さまの豊かな住生活の実現を応援します。そのために、当社グループは、「お客さまの満足の追求」を大切にし、企業価値の向上に努めております。住宅ローン専門金融機関のリーディングカンパニーとして、スピード感を持ってイノベーション・チャレンジを続けることに今後も引き続き取り組んでまいります。また、これらの取り組みを支えるチームワークと、風通しの良いカルチャーを一層促進するために、尊敬と感謝の気持ちを重んじて、確実性・持続性のある企業体制の構築に努めております。
(2)経営戦略等
当社グループは経営の基本方針に基づき、お客さまや不動産事業者にご満足いただける商品やサービスの拡充に努めております。多様な商品、多様なチャネル、テクノロジーを駆使したサービスを活かした住宅ローンの契約を核に、お客さまとの長期にわたる関係を活かし、お客さまと金融機関、不動産事業者、消費者向けメーカーやサービス業者の住まいと暮らしに関するあらゆるニーズをマッチングするためのプラットフォームの構築を目指しております。
また、住宅ローンのサービスを提供するにあたっては、お客さまのニーズに応えるため迅速でタイムリーなオペレーションを重視するとともに、住宅ローンの実行から発生する信用リスクや金利リスクを極力回避するため、基本的にローン資産を継続して保有しない方針としており、ローン資産の流動化を積極的に行っています。
これらの戦略をとることにより、住宅ローン市場ならびに周辺のサービス事業における市場ポジションを拡大し、収益性とリスク抑制に関しバランスのとれた成長をめざすこととしております。
(3)目標とする経営指標
当社グループは、2018年3月期から2023年3月期までを対象とした中期経営計画を策定しております。当社グループの主たる収益源は、住宅ローンの新規貸付及び回収に係る売上であり、「住宅ローン取扱高、国内No.1」を目指して住宅ローン事業の一層の強化に取り組んでおります。
財務目標とその2020年3月期進捗状況は、以下に記載のとおりであります。
指標CAGR目標
(2018年3月期-2023年3月期)
CAGR実績
(2018年3月期-2020年3月期)
住宅ローン新規借入実行件数15.0%13.5%
営業収益10.0%13.2%
税引前利益15.0%18.6%

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①市場環境
当面の当社グループが属する住宅関連業界におきましては、政府による各種住宅取得支援策の拡大などがあるものの、消費税増税後の反動により新設住宅着工戸数は緩やかに減少しており、さらに、新型コロナウイルスの感染拡大により景気の動向が極めて不透明になっている状況のなか、住宅ローンの需要についても減少することが懸念されています。
一方で、やや中期的には、地方から大都市圏への人口流入、ライフステージ・ライフスタイルに合わせたマイホームの買い替え、単身世帯の増加、在宅勤務の広がりによる地方エリアへの移住等を背景とした住宅需要の活性化が予想され、また、国の中古物件流通促進政策を背景とした中古物件流通量の増加等、住宅ローン市場において引き続き成長が見込める領域(潜在マーケット)が存在すると想定され、当社の中核ビジネスである住宅ローン市場を取り巻く環境には多くのビジネス機会があるものと考えられます。
②競合他社の状況と商品ラインアップ
日本銀行によるマイナス金利政策や変動金利型住宅ローン金利引き下げ競争の激化を背景として、住宅ローンによる利息収益が期待できない環境が続き、銀行をはじめとする民間金融機関の住宅ローン事業の縮小・撤退が報じられておりますが、変動金利商品を提供する大小の銀行は、依然として全住宅ローンの80%を超える市場を占有しています。一方、インターネット専業銀行は住宅ローンの商品性・サービスの強化を推し進めており、銀行のなかではポジションを拡大しつつある状況にあります。
当社グループは、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供している全期間固定金利商品で、従来から提供する「ARUHIフラット35」(フラット35買取型)に加え、当社独自の全期間固定金利商品である「ARUHIスーパーフラット」(フラット35保証型)を数年前から市場に投入・拡大することにより、固定金利市場の拡大を図っております。「ARUHIスーパーフラット」シリーズは全体の実行件数を押し上げる原動力となっており、2019年度のフラット35の実行件数(借換を含む)シェアは27.5%となり、10年連続で第1位となりました。さらに、銀行代理商品やオリジナル変動金利商品等の変動金利商品の導入・拡充により、市場規模の大きな分野に参入し、住宅ローン事業のさらなる拡大を図っております。今後は、お客さまの属性やニーズの違いを的確に分析・判断し、最適な商品を開発することに加え、新たな顧客層や不動産事業者等への営業基盤強化等が課題であると認識しております。
③販売チャネル
当社グループは、FC店舗、直営店舗、直販ホールセール営業やWebチャネルなど、様々な販売チャネルを拡大して提供することで、より大きな市場により効率よくアクセス可能な体制を整備してまいりました。今後も、全国に展開されるリアルチャネルとWebチャネルの融合を推進することで、お客さまの多様化するニーズへの対応に引き続き取り組んでまいります。
一方、FC店舗網の強化に取り組む上で、FC店舗を含む人材の安定的な確保と雇用の拡大、能力向上とコンプライアンス体制の強化が課題であると認識しております。従って、FC運営法人の指導サポート体制の強化、新規出店及び新規店舗の早期育成、許認可事業の全社横断的管理、継続的な臨店監査の実施等に積極的に取り組むべく専門部署を設置し、引き続き販売体制及びコンプライアンス体制の強化に取り組んでまいります。
④オペレーション体制
当社グループは、住宅ローン業務において、OCR(Optical Character Recognition)やRPA(Robotic Process Automation)、AI等の最先端テクノロジーを活かして、お客さまの利便性と事務効率の向上への取り組みを加速させております。また、不正に利用される疑いのある住宅ローンの申込みを数秒で検知するAIを活用したリスク管理システム「ARUHI ホークアイ1.0」を導入し、イノベーションを通じたさらなる企業価値の向上に努めております。今後も引き続き当社グループ独自の先進的なテクノロジーを活用し、住宅ローン業務の自動化・ペーパーレス化等を通じた更なる事務処理能力、精度の向上及び事務コストの削減に取り組んでまいります。
また、当社グループは、事務コストを削減したい、煩雑な事務作業を外注したい、といった銀行等の民間金融機関からのご要望にお応えすべく、今後もさまざまな金融機関と話を進めてまいります。従来コストセンターだった住宅ローン事務のプロフィットセンター化を実現することで、事務受託事業の拡大を目指しております。
⑤会社が考えるサステナビリティ
当社グループは、住生活プロデュース企業として、住宅ローンを中心としたさまざまな商品・サービスを提供することで、多くの人が安心して暮らし続けることができる社会の実現を目指しています。また、お客さま・ビジネスパートナー・地域社会などのステークホルダーのみなさまの期待・要請に応え、社会規範と高い倫理観のもとに住まいと暮らしをサポートするさまざまな事業を開発・推進することで、社会的課題の解決と持続的な企業価値の向上を図っております。
これらを実現するための基本的な課題として、当社グループは「コンプライアンス・ファースト」のスローガンを掲げ、テクノロジーの活用やオペレーションの改善を通じ、ルールに沿った適切な運営を行えるよう体制を整えております。FC店を含めたこれらの取組みは継続して強化してまいることが重要と認識しており、FC店を含む営業部門・オペレーション部門など第一線の社員に対しコンプライアンス重視の徹底を教育・研修などを通じて浸透させるとともに、コンプライアンス部門・監査部門の継続的な体制強化が課題と認識しております。
その上で当社グループは、お客さまの満足度向上についても最も重要な経営課題の一つであると考えております。当社の考える「お客さま」とは、メインビジネスである住宅ローンにおける資金需要者だけでなく、ビジナスパートナー、地域社会、従業員等を含むさまざまなステークホルダーであると定義しています。全社をあげて顧客満足への取り組みを行うため、社内のすべての会議体・すべての部署に対してお客さま満足に関する提言を行うCSD(カスタマー・サティスファクション・ディレクター)を設置し、「カスタマーファースト」をスローガンの1つとして、全社的な顧客満足への取り組みを行っております。
また、環境への取り組みにおいては、「良いものを受け継ぎ長く使う、循環型社会の構築に貢献する」「地球環境に配慮した、良質な住宅の普及を促進する」との考え方をベースに企業活動を行っており、当該考え方に基づいたグリーンRMBSを発行いたしました。グリーンRMBSの裏付け資産は、省エネルギー性能の高い住宅に対するローンである、フラット35Sより適格基準のものを選定しており、省エネルギー性に優れた住宅の普及促進に貢献しております。こうしたグリーンRMBSの発行は、日本初の取り組みとなるもので、今後も金融機関として環境負荷を減らす取り組みに努めてまいります。
地域活性への取り組みにおいては、「本当に住みやすい街大賞」の選定を行っております。当社グループは、住宅ローン事業で得られた膨大なデータを元に、あこがれやイメージではなく「実際にその地域で生活する」という視点から、住環境・交通利便・教育環境・コストパフォーマンス・発展性の5つの基準について、住宅や不動産の専門家が参画する選定委員会によって、公平な審査のもとに毎年「本当に住みやすい街」を選定し、ランキングを発表しています。このランキングはTV、雑誌、インターネットなどの多くのメディアに取り上げられ話題となっており、選出された街の商店街の看板やWebサイトなどにランキングを利用していただくことで、街のPRを後押ししております。また、選定された街と連携し地域活性化に向けた取り組みを行うことで、街の持続的な発展に貢献しております。
⑥内部管理体制及び経営管理体制
コンプライアンス意識の更なる向上と法令遵守体制の一層の強化の必要性が増している中、当社グループは、「コンプライアンス・ファースト」をスローガンに掲げ、当社グループ従業員及びFC店舗の従業員に対し法令遵守、情報管理やコンプライアンスに関し定期的な研修を行い、その意識の向上に努めています。また、許認可事業を全社横断的に管理する組織を設置するとともに、コンプライアンスを統括する部署に検査・指導グループを設け、定期的な検査・指導を臨店にて行うなど、内部管理体制の強化に取り組んでおります。また、ガバナンス体制の継続的な見直し、ERM(統合リスクマネジメント)の導入、管理会計システムの強化等、経営管理体制の強化に取り組んでおります。

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