有価証券報告書-第12期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/19 16:22
【資料】
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【項目】
128項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
人生は「ある日」の積み重ねでできています。当社グループは、ライフステージに応じた住まいの実現を金融面からサポートし、お客さまの大切な「ある日」をお手伝いし、笑顔溢れる社会に貢献します。
当社グループは、全国の店舗をはじめとする多様なチャネルを通じて、個人のお客さまには、固定金利商品・変動金利商品の双方を揃えた住宅ローンに加え、自宅の買替えに伴う様々な資金ニーズに応えるマイホーム売却サポートローン、自宅売却後も賃借し住み続けることができるリースバックを、住宅ローンの主要パートナーである不動産事業者さまへは仕入資金ローンや仕入物件を、ご提供しています。
当社グループは、多様な金融サービス、卓越したオペレーション、パートナーネットワークを通じて、お客さまにとってファーストチョイスとなる住宅金融のリーディングカンパニーを目指します。
(2)中期的な経営戦略
今後の住宅市場においては、人口や不動産全体の流通量はやや微減となるものの、社会の多様化によるシングル、シニア、外国籍の方々の増加などを背景に、同顧客層などにおける住宅ニーズが高まると考えております。また、住宅ローン市場においては、住宅市場に連動し、市場全体としては微減傾向となるものの、今後増加が見込まれる顧客層からの借入ニーズの高まりに加え、日本銀行が金融政策の正常化を進める中で、「固定金利」住宅ローンの価値が改めて評価されております。一方で、円安や原油価格の高騰を背景としたインフレの加速が住宅価格や消費動向に及ぼす影響は注視が必要です。
当社の足元の課題としては、事業環境の変化に対応するための営業現場、オペレーション及びプロパーローンの強化、外部環境に左右されやすいフロー偏重の収益構造から脱却するためのストック収益の拡大、更なるSBIグループのリソース・機能の活用と考えております。
このような事業環境見通し及び足元の課題を踏まえ、当社グループは、お客さまの各ライフステージにおける住宅金融サポート機能の構築を目指し、2025年5月に「中期経営計画2025」を策定しました。
当社は、「中期経営計画2025」において、①「フラット35」シェア圧倒的No.1、②成長領域への投資、③ストック収益50%超、の3つを重点施策として設定しております。
具体的には、「フラット35」の年間シェアでの圧倒的No.1に向け、「営業ネットワーク」と「オペレーション」への投資を拡大し、更なるDX化を推し進めることにより、金融環境の変化に伴う金利固定化ニーズを確実に取り込み、事業基盤を強化してまいります。
成長領域への投資に関しては、世帯数の増加や流通量の増加が見込まれるシングル、シニア、外国籍の方々といった新たな顧客層(成長領域)に対して、段階的にプロパーローンを中心とした商品開発を強化します。同時に、リスク・リターンのバランスを保ちながらリスクオンを実施するためにリスク管理体制をより一層強化してまいります。
ストック収益50%の達成に向けては、SBIEFグループの継続的な成長に加え、SBIグループとの共同出資による保証事業において、当社の住宅ローンに加え、SBIグループのリソースを活用した全国の金融機関への住宅ローン保証業務の取扱いを拡大してまいります。これにより、従来の市場動向に左右されやすいフロー収益に偏っていた収益構造からストック収益の割合を拡大させ、多角的な収益構造の基盤確立を行ってまいります。
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(3)目標とする経営指標
中期経営計画における財務目標は、以下のとおりであります。
指標2026年3月期(実績)2030年3月期(注)
営業収益250億円550億円
税引前利益27億円100億円
ROE4.3%10.0%超

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、2025年5月に策定した「中期経営計画2025」の2年目を迎え、足元の市場環境の変化を捉えた成長戦略を加速させております。
課題認識と戦略の方向性は以下のとおりです。
① 営業体制及び販売チャネル
当社グループは、フランチャイズ店舗(以下、「FC店舗」)、直営店舗、直販ホールセール営業や、来店不要で手続きが可能な非対面チャネル、SBIEFグループの各店舗やSBIグループの親密地域金融機関との連携など、さまざまな販売チャネルを通じて、より大きな市場に、より効率よくアクセス可能な体制を整備してまいりました。
引き続き、当社グループの強みである「営業ネットワーク」への投資を拡大し、FC店舗中心の持続的な店舗展開、Web申込システムの導入による利便性向上、及び営業DXの推進により、全社的な業務スピードと生産性の向上を図ります。FC店舗の出店において、新規FC店舗の人材確保が難しく、出店を見送るケースが複数発生しており、今後はこの課題を克服するための持続可能なモデルの開発を進めてまいります。まず直営店舗の出店を先行させ、営業基盤を確立した後に必要に応じてFC店舗に譲渡するなど環境変化に応じた機動的な店舗配置を行うことで、ビジネス機会の損失を防いでまいります。
また、営業体制の強化及び販売チャネルの拡大を進めるうえで、FC店舗を含む人材の安定的な確保、研修などの教育制度による能力向上及びコンプライアンスの推進が課題であると認識しております。2026年4月には更なる販売体制の強化を目的に、教育・研修体制を整備するための専任部署を新設しました。店舗チャネルの戦略的な運営を従来以上に推し進め、販売体制の強化とコンプライアンスの推進に継続的に取り組んでまいります。店舗網全体のオペレーション能力の向上とコンプライアンス遵守を両立させることで、健全かつ持続的な成長を実現してまいります。
② オペレーション体制
当社グループは、住宅ローン業務において、AI、OCR(Optical Character Recognition)、RPA(Robotic Process Automation)等の最先端テクノロジーを活用し、お客さまの利便性と営業及び事務効率の向上に取り組んでまいりました。
一方で、多様化する商品・顧客属性への対応による事務工数の増加は依然として重要な課題であり、今後も生産性向上に直結する業務プロセスのデジタル化(DX)へ積極的に投資を行い、お客さま、不動産事業者さま、及び各店舗にとって最適なプロセスを再構築いたします。また、審査プロセスの高度化を通じた住宅ローン不適正利用の予防についても、eKYC等のテクノロジーを駆使して継続的に取り組んでまいります。オペレーション体制の強化において、イノベーション・チャレンジを継続することが当社グループの責務かつ課題であると認識しております。
③ 競合他社の状況と商品ラインアップ
住宅ローン市場においては、銀行等が提供する変動金利商品が全住宅ローンの約90%(注1)の市場を占有し、貸出金利、付帯サービス拡充などの競争が激化しています。一方で、日本銀行が金融政策の正常化を進める中で、「固定金利」住宅ローンの価値が改めて評価されております。この市場環境の変化は、当社の主力商品である「フラット35」にとって追い風となっており、2026年3月期の「フラット35」融資実行件数は、前連結会計年度比でプラスに転じるなど、回復基調を鮮明にしております。
当社は、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供している全期間固定金利商品である「フラット35」(フラット35買取型)に加え、当社独自の全期間固定金利商品である「スーパーフラット」(フラット35保証型)の拡販、ペアローン及び「フラット50」などを活用し、固定金利市場の拡大を図っています。2026年3月期の「フラット35」融資実行件数(借換を含む)シェアは27.7%となり、16年連続で第1位(注2)となりました。
また、当社の課題であったFC店舗領域における変動金利商品として「住宅ローン(SBI信用保証)」のリリースやSBI新生銀行の銀行代理商品を直営店舗で取り扱い開始するなど、顧客ニーズに応じた多様な商品ラインアップを拡充してまいりました。
引き続き、「フラット35」シェア圧倒的No.1に向け、事業基盤を強化してまいります。加えて、既存の取扱商品では、世帯数の増加や流通量の増加が見込まれるシングル、シニア、外国籍の方々といった今後の成長領域において取りこぼしの発生が見込まれることから、プロパーローンの強化を進めてまいります。
(注)1.出典:国土交通省 令和7年度 民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書
固定金利期間選択型を含む。
2.2010年度-2025年度統計、取扱全金融機関のうち借換を含む「フラット35」融資実行件数
(2026年3月末現在、当社調べ)
④ 収益構造
当社の収益構造は、市場動向の影響を受けやすい「フラット35」の事務手数料を中心としたオリジネーション関連収益といったフロー収益に偏っていたことから、SBIエステートファイナンスをグループ会社化するなど、ストック収益の割合を拡大させてきました。
SBIグループとの共同出資にてSBI信用保証株式会社を設立し、2025年4月より保証事業を開始しました。当社において、同社を保証会社とするプロパーローンを開始したことに加え、SBIグループのリソースを活用することによる全国の金融機関の住宅ローンへの保証業務の拡大を通じて、信用保証残高を積み上げ、ストック収益の拡大を目指してまいります。
併せて、SBIエステートファイナンスの不動産事業者さま向けの仕入資金ローン、お客さま向けのマイホーム売却サポートローン等の商品をFC店舗及び直営店舗で取り扱うためのグループ内の連携強化、拡大した営業エリアにおける販売体制の確立など、住宅ローン以外の住宅金融商品の取扱いも強化し、ストック収益の拡大を進めてまいります。
⑤ リスク管理
当社グループは、リスク管理基本方針に基づくERM(Enterprise Risk Management)体制により、グループ全体のリスクを統合的に管理しております。事業領域の拡大や商品拡充に伴う新規リスクや既存リスクの継続的なモニタリングにより、リスクを適切にコントロールしながらビジネスの拡大による企業価値向上に取り組んでまいります。
なお、リスク管理の詳細は、「3 事業等のリスク」をご参照ください。
⑥ コンプライアンス
当社グループは、当社の「MISSION、VALUE」の企業理念に則り「SBIアルヒ・コンプライアンス行動規範」を定め、FC店舗従業員を含む全役職員に周知しております。この行動規範では、社外のステークホルダー(お客さま・株主・社会全般など)への行動規範と帰属する組織の一員(よりよい企業風土・組織の一員・経営者など)としての行動規範を定めております。
なお、コンプライアンス体制の詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③コーポレート・ガバナンスに関するその他の事項 d.コンプライアンス体制の整備状況」をご参照ください。

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