有価証券報告書-第12期(2025/04/01-2026/03/31)
9.金融リスク管理
当社グループは長期的かつ安定的な収益確保の観点から、金融リスク管理の重要性を認識し、適切なリスク管理体制を構築・運営しております。当社グループは信用リスク、流動性リスク、市場リスク等のリスクにさらされております。
当社グループはこれらのリスクに対処するため、リスク管理担当役員及びリスク管理部門を設置・運用しており、明文化されたリスク管理規程等の定めに基づき、各種リスク管理手続きを実施しております。特に、リスク管理の必要性が高い項目については、ERM委員会を適宜開催し、組織的なリスクの検証、対応策の検討を行った上で、取締役会にて承認を経る手続きを実施しております。
当社グループの金融リスクの状況及び管理方法は次のとおりであります。
(1) 信用リスク
(a) 信用リスクの概要
当社グループの信用リスクとは、「融資先の財務状況の悪化等により、資産(オフバランス資産を含む)の価値が減少ないし消失し、当社グループが損失を被るリスク」と定義しております。
信用リスクの主な管理対象は、当社グループの住宅金融事業の融資業務により生じる住宅ローン債権、不動産担保ローン債権及び金融保証契約により生じる保証債務であります。
住宅金融事業の主力商品である「フラット35」については、融資実行と同時に住宅金融支援機構へと債権が譲渡されるため、通常信用リスクは発生いたしません。その他の住宅ローン債権についても、原則として流動化・証券化の手法を用いて信用リスクの分離・軽減が施されており、一部の商品については、住宅金融支援機構による債務保証を受けることで信用補完を行っております。これらの住宅ローン債権は主に低金利かつ担保を付した比較的安全な債権であり、さらに融資対象者を全国の個人顧客とすることでリスク分散が図られております。
当社グループのSBI信用保証株式会社が2025年4月より開始した住宅ローン保証事業では、経済環境の悪化等による代位弁済の増加や、不動産市況の悪化等による担保不動産価格の下落により、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主力商品である不動産担保ローンについても、住宅ローン保証事業と同様に不動産市況悪化による担保不動産価格の下落や、融資先の業況悪化等により、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの住宅ローン保証事業では、AI技術による審査サービスを活用することで、精度の高い審査の実現と適切な与信判断、及び金融機関と協調した債権管理業務の実現により信用リスクの軽減に努めております。また、当社グループの不動産担保ローンでは、貸付時に担保不動産の評価を保守的に見積もるなど、厳格な審査及び途上与信管理に注力し、適切な信用リスク・コントロールの確保等リスクの軽減に努めております。
(b) 信用リスクに対する最大エクスポージャーの程度
当社グループの信用リスクに対する最大エクスポージャーは連結財政状態計算書に表示される金融資産の帳簿価額及び住宅ローン等に係る金融保証契約の保証残高であります。
(c) 担保とその他信用補完を評価・管理する政策と手続き
当社グループの保有する担保は、主力商品である住宅ローン及び不動産担保ローンの物的担保となる抵当権であり、当該抵当権の対象不動産の評価は社内及び証券化契約において設定した審査基準に基づいて行っております。担保提供者は主に住宅ローン債務者、不動産担保ローン債務者及び連帯保証人(以下、債務者等)であり、当該債務者等の属性についても上記審査基準を用いて適切な対象者であることを審査しております。当該抵当権は、一部の債権を除き、原則として第一順位の抵当権が設定されているため、債務者が債務不履行を起こした場合、目的物から優先的に弁済を受け取ることができます。
(d) 信用リスクの集中
1) 国家別信用リスクの集中
当社グループの営業活動が日本国内でのみ行われているため、信用リスクを有している金融資産の国家別信用リスクは、全額日本に対する信用リスクであります。
2) 格付け等級別の信用リスクの集中
当社グループは顧客に対して内部規定に従って信用度及び住宅の担保価値を評価して取引しており、各顧客に対する内部的な格付けを付与しないため、格付け等級別の記載は省略しております。
(e) 信用健全性
1) 信用リスク・エクスポージャー
営業貸付金
当社グループは、保険を付している金融資産に対しては住宅を担保として取引をすることによって信用管理をしております。また、格付け評価を通じた信用リスク管理は実施しておりません。
また、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、貸出条件を調整した金融資産はありません。
保険を付していない金融資産に対しては、延滞日数に応じた信用リスクを評価しております。なお、下記は担保の取得などにより回収が見込まれる金額を含んでおります。
営業貸付金の年齢分析内訳は次のとおりであります。
前連結会計年度末(2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度末(2026年3月31日)
(単位:百万円)
営業貸付金以外の債権等
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、営業貸付金以外の債権等については、信用リスクが著しく増加していると判断したものはなく、その帳簿価額に対する信用リスクに重要性はありません。
2) 損失評価引当金の増減
前連結会計年度の損失評価引当金の増減は次のとおりであります。
(単位:百万円)
当連結会計年度の損失評価引当金の増減は次のとおりであります。
(単位:百万円)
3) 金融保証契約の保証残高
当連結会計年度の保証残高の増減は次のとおりであります。
(単位:百万円)
4) 担保権の実行等によって取得した資産
前連結会計年度中及び当連結会計年度中に担保権の実行等によって取得した金融資産や非金融資産としてIFRS会計基準の認識基準を満たしている資産はありません。
(2) 流動性リスク
当社グループは流動性リスク管理の主管部署として財務経理部を設置し、財務経理部は当社グループの主力商品である住宅ローン及び当該住宅ローンの前提となるつなぎ融資に必要な融資実行資金を確保するため、金融機関からの銀行借入枠の設定や資金調達を目的とした流動化・証券化のスキームの組成を行っております。財務経理部は予測したキャッシュ・フローと実際のキャッシュ・フローを観察し、適切な時期に銀行借入及び債権流動化を行うことで流動性リスクを管理しております。
(a) 流動性リスクの概要
1) 流動性リスクの定義
当社グループの流動性リスクとは、「当社グループの財務内容の悪化等により、必要な資金確保が困難になる、又は通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスク」と定義しております。
2) 流動性リスクの発生要因
当社グループの住宅金融事業では、住宅ローンの融資実行が日々行われるため、日々資金調達が生じる一方、融資実行によって生じた貸付債権を住宅金融支援機構に譲渡した際の譲渡代金の入金日が毎月一定日に定められているため、資金調達日と入金日の相違が流動性リスクの発生要因となります。
3) 日次ベースでの流動性リスク管理及び対処方法
当社グループは、財務部において必要な資金データの収集を行い、3営業日先までの資金需要を予測し、手元流動性の減少が予想される場合には、取引先から借入等を行うことで手元流動性を維持しております。
4) 中長期での流動性リスク管理及び対処方法
当社グループは、中長期事業計画を定期的に検討することで、将来の流動性リスクの分析を行うとともに、定期的にERM委員会を開催しております。
5) 取引金融機関との契約
当社グループは、流動性リスクの軽減を目的として、金融機関との間でコミットメントライン契約、タームローン契約、当座貸越契約及び債権流動化契約等の流動性を補完するための契約を締結しておりますが、それらの契約には、財務制限条項が付されております。
(b) 金融負債の種類別の満期分析
金融負債の満期分析は次のとおりであります。
前連結会計年度(2025年3月31日)
(単位:百万円)
当社グループが締結しているコミットメントライン契約及び当座貸越契約の未使用残高は40,811百万円であります。
当連結会計年度(2026年3月31日)
(単位:百万円)
当社グループが締結しているコミットメントライン契約及び当座貸越契約の未使用残高は41,522百万円であります。
(3) 市場リスク
当社グループの市場リスクとは、「金利、為替、株式等のさまざまな市場のリスク・ファクターの変動により、資産・負債(オフバランスを含む)の価値が変動し、損失を被るリスク」と定義しております。
当社グループの市場リスクの主な管理対象は貸付債権及び受益権(配当受領権)でありますが、これらの金融資産のほとんどは流動化・証券化された長期固定金利の住宅ローン債権及びそれに裏付けられた受益権であります。この場合、貸付先である顧客から回収する利息と資金調達先に当たる投資家へ支払う配当はともに固定金利であり、金利のミスマッチによる市場リスクは限定されております。一方で、当社グループが保有する流動化・証券化されていない一部の住宅ローン債権については、市場金利の急激な変動により金融機関からの調達金利が大きく上昇した場合には、損失を被る可能性があります。
なお、当社グループの有利子負債のうち、一部は変動金利であり、他の全ての変数が一定であると仮定した上で、金利が1%上昇した場合の連結損益計算書の税引前利益に与える影響は、以下のとおりであります。
(金利感応度分析)
(単位:百万円)
(4) 金融資産の譲渡
当社グループは貸付債権の流動化取引を行っております。流動化取引の主なものは、住宅金融事業により認識した住宅ローン債権の流動化取引であります。当社グループは、資金調達を目的として住宅ローン債権を金融機関に譲渡し、現金及び譲渡した債権に対する受益権(配当受領権)を取得いたします。
これらの流動化において組成されたストラクチャード・エンティティの投資家は、当該ストラクチャード・エンティティの保有する資産に対してのみ遡及でき、当社グループの他の資産に対しては遡及できません。当社グループは、これらの組成されたストラクチャード・エンティティへの契約外の支援の提供及び潜在的な支援の合意を行っておらず、流動化に関連するこれらの組成されたストラクチャード・エンティティに対する関与の主な内容は、受益権の保有、流動性補完、限定的な信用補完の提供、債権の回収代行及び回収代行に係る手数料の受取であります。
・認識が中止された金融資産の譲渡
当社グループは住宅ローン債権を非連結のストラクチャード・エンティティ等に譲渡しております。当連結会計年度において認識が中止された住宅ローン債権の譲渡による譲渡利益は1,163百万円(前連結会計年度は1,430百万円)、うち、全体の認識が中止された住宅ローン債権の譲渡による譲渡利益は363百万円(前連結会計年度は524百万円)であります。
なお、認識の中止を行った金融資産に対する継続的関与から生じる損失のエクスポージャーは、「30. 他の企業への関与(3)ストラクチャード・エンティティ」に記載した損失の最大エクスポージャーに含まれております。
・認識の中止となるわけではない金融資産の譲渡
認識の中止の要件を満たさない方法で譲渡された金融資産及び関連する負債に関する帳簿価額と、譲渡資産に関連する負債が譲渡資産のみに遡求権を有している場合の公正価値は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(2025年3月31日)
譲渡資産と関連する負債の主な差額は、流動化に当たり当社グループが保有している劣後持分であります。
当連結会計年度(2026年3月31日)
譲渡資産と関連する負債の主な差額は、流動化に当たり当社グループが保有している劣後持分であります。
当社グループは長期的かつ安定的な収益確保の観点から、金融リスク管理の重要性を認識し、適切なリスク管理体制を構築・運営しております。当社グループは信用リスク、流動性リスク、市場リスク等のリスクにさらされております。
当社グループはこれらのリスクに対処するため、リスク管理担当役員及びリスク管理部門を設置・運用しており、明文化されたリスク管理規程等の定めに基づき、各種リスク管理手続きを実施しております。特に、リスク管理の必要性が高い項目については、ERM委員会を適宜開催し、組織的なリスクの検証、対応策の検討を行った上で、取締役会にて承認を経る手続きを実施しております。
当社グループの金融リスクの状況及び管理方法は次のとおりであります。
(1) 信用リスク
(a) 信用リスクの概要
当社グループの信用リスクとは、「融資先の財務状況の悪化等により、資産(オフバランス資産を含む)の価値が減少ないし消失し、当社グループが損失を被るリスク」と定義しております。
信用リスクの主な管理対象は、当社グループの住宅金融事業の融資業務により生じる住宅ローン債権、不動産担保ローン債権及び金融保証契約により生じる保証債務であります。
住宅金融事業の主力商品である「フラット35」については、融資実行と同時に住宅金融支援機構へと債権が譲渡されるため、通常信用リスクは発生いたしません。その他の住宅ローン債権についても、原則として流動化・証券化の手法を用いて信用リスクの分離・軽減が施されており、一部の商品については、住宅金融支援機構による債務保証を受けることで信用補完を行っております。これらの住宅ローン債権は主に低金利かつ担保を付した比較的安全な債権であり、さらに融資対象者を全国の個人顧客とすることでリスク分散が図られております。
当社グループのSBI信用保証株式会社が2025年4月より開始した住宅ローン保証事業では、経済環境の悪化等による代位弁済の増加や、不動産市況の悪化等による担保不動産価格の下落により、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主力商品である不動産担保ローンについても、住宅ローン保証事業と同様に不動産市況悪化による担保不動産価格の下落や、融資先の業況悪化等により、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの住宅ローン保証事業では、AI技術による審査サービスを活用することで、精度の高い審査の実現と適切な与信判断、及び金融機関と協調した債権管理業務の実現により信用リスクの軽減に努めております。また、当社グループの不動産担保ローンでは、貸付時に担保不動産の評価を保守的に見積もるなど、厳格な審査及び途上与信管理に注力し、適切な信用リスク・コントロールの確保等リスクの軽減に努めております。
(b) 信用リスクに対する最大エクスポージャーの程度
当社グループの信用リスクに対する最大エクスポージャーは連結財政状態計算書に表示される金融資産の帳簿価額及び住宅ローン等に係る金融保証契約の保証残高であります。
(c) 担保とその他信用補完を評価・管理する政策と手続き
当社グループの保有する担保は、主力商品である住宅ローン及び不動産担保ローンの物的担保となる抵当権であり、当該抵当権の対象不動産の評価は社内及び証券化契約において設定した審査基準に基づいて行っております。担保提供者は主に住宅ローン債務者、不動産担保ローン債務者及び連帯保証人(以下、債務者等)であり、当該債務者等の属性についても上記審査基準を用いて適切な対象者であることを審査しております。当該抵当権は、一部の債権を除き、原則として第一順位の抵当権が設定されているため、債務者が債務不履行を起こした場合、目的物から優先的に弁済を受け取ることができます。
(d) 信用リスクの集中
1) 国家別信用リスクの集中
当社グループの営業活動が日本国内でのみ行われているため、信用リスクを有している金融資産の国家別信用リスクは、全額日本に対する信用リスクであります。
2) 格付け等級別の信用リスクの集中
当社グループは顧客に対して内部規定に従って信用度及び住宅の担保価値を評価して取引しており、各顧客に対する内部的な格付けを付与しないため、格付け等級別の記載は省略しております。
(e) 信用健全性
1) 信用リスク・エクスポージャー
営業貸付金
当社グループは、保険を付している金融資産に対しては住宅を担保として取引をすることによって信用管理をしております。また、格付け評価を通じた信用リスク管理は実施しておりません。
また、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、貸出条件を調整した金融資産はありません。
保険を付していない金融資産に対しては、延滞日数に応じた信用リスクを評価しております。なお、下記は担保の取得などにより回収が見込まれる金額を含んでおります。
営業貸付金の年齢分析内訳は次のとおりであります。
前連結会計年度末(2025年3月31日)
(単位:百万円)
| 延滞日数 | 12ヶ月の予想信用損失 | 全期間の予想信用損失 | |
| 信用減損なし | 信用減損あり | ||
| 延滞なし | 37,395 | - | - |
| 30日以下 | 408 | - | - |
| 60日以下 | 119 | - | - |
| 90日以下 | - | 58 | - |
| 90日超 | - | - | 755 |
| 帳簿価額(総額) | 37,923 | 58 | 755 |
| 損失評価引当金 | - | - | △405 |
| 帳簿価額(償却原価) | 37,923 | 58 | 349 |
当連結会計年度末(2026年3月31日)
(単位:百万円)
| 延滞日数 | 12ヶ月の予想信用損失 | 全期間の予想信用損失 | |
| 信用減損なし | 信用減損あり | ||
| 延滞なし | 43,884 | - | - |
| 30日以下 | 418 | - | - |
| 60日以下 | 67 | - | - |
| 90日以下 | - | 74 | - |
| 90日超 | - | - | 773 |
| 帳簿価額(総額) | 44,370 | 74 | 773 |
| 損失評価引当金 | △0 | - | △424 |
| 帳簿価額(償却原価) | 44,369 | 74 | 348 |
営業貸付金以外の債権等
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、営業貸付金以外の債権等については、信用リスクが著しく増加していると判断したものはなく、その帳簿価額に対する信用リスクに重要性はありません。
2) 損失評価引当金の増減
前連結会計年度の損失評価引当金の増減は次のとおりであります。
(単位:百万円)
| 12ヶ月の予想信用損失 | 全期間の予想信用損失 | ||
| 信用減損なし | 信用減損あり | ||
| 期首残高 | - | - | △405 |
| 再測定(純額) | - | - | - |
| 新規認識による増加 | - | - | 0 |
| 認識の中止による減少 (直接償却含む) | - | - | - |
| 振替による増減 | - | - | - |
| 期末残高 | - | - | △405 |
当連結会計年度の損失評価引当金の増減は次のとおりであります。
(単位:百万円)
| 12ヶ月の予想信用損失 | 全期間の予想信用損失 | ||
| 信用減損なし | 信用減損あり | ||
| 期首残高 | - | - | △405 |
| 再測定(純額) | - | - | - |
| 新規認識による増加 | △0 | - | △18 |
| 認識の中止による減少 (直接償却含む) | - | - | - |
| 振替による増減 | - | - | - |
| 期末残高 | △0 | - | △424 |
3) 金融保証契約の保証残高
当連結会計年度の保証残高の増減は次のとおりであります。
(単位:百万円)
| 12ヶ月の予想信用損失 | 全期間の予想信用損失 | ||
| 信用減損なし | 信用減損あり | ||
| 期首残高 | - | - | - |
| 金融保証契約 | 2,262 | - | - |
| 期末残高 | 2,262 | - | - |
4) 担保権の実行等によって取得した資産
前連結会計年度中及び当連結会計年度中に担保権の実行等によって取得した金融資産や非金融資産としてIFRS会計基準の認識基準を満たしている資産はありません。
(2) 流動性リスク
当社グループは流動性リスク管理の主管部署として財務経理部を設置し、財務経理部は当社グループの主力商品である住宅ローン及び当該住宅ローンの前提となるつなぎ融資に必要な融資実行資金を確保するため、金融機関からの銀行借入枠の設定や資金調達を目的とした流動化・証券化のスキームの組成を行っております。財務経理部は予測したキャッシュ・フローと実際のキャッシュ・フローを観察し、適切な時期に銀行借入及び債権流動化を行うことで流動性リスクを管理しております。
(a) 流動性リスクの概要
1) 流動性リスクの定義
当社グループの流動性リスクとは、「当社グループの財務内容の悪化等により、必要な資金確保が困難になる、又は通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスク」と定義しております。
2) 流動性リスクの発生要因
当社グループの住宅金融事業では、住宅ローンの融資実行が日々行われるため、日々資金調達が生じる一方、融資実行によって生じた貸付債権を住宅金融支援機構に譲渡した際の譲渡代金の入金日が毎月一定日に定められているため、資金調達日と入金日の相違が流動性リスクの発生要因となります。
3) 日次ベースでの流動性リスク管理及び対処方法
当社グループは、財務部において必要な資金データの収集を行い、3営業日先までの資金需要を予測し、手元流動性の減少が予想される場合には、取引先から借入等を行うことで手元流動性を維持しております。
4) 中長期での流動性リスク管理及び対処方法
当社グループは、中長期事業計画を定期的に検討することで、将来の流動性リスクの分析を行うとともに、定期的にERM委員会を開催しております。
5) 取引金融機関との契約
当社グループは、流動性リスクの軽減を目的として、金融機関との間でコミットメントライン契約、タームローン契約、当座貸越契約及び債権流動化契約等の流動性を補完するための契約を締結しておりますが、それらの契約には、財務制限条項が付されております。
(b) 金融負債の種類別の満期分析
金融負債の満期分析は次のとおりであります。
前連結会計年度(2025年3月31日)
(単位:百万円)
| 1年以下 | 1年超過5年以下 | 5年超過 | 合計 | |
| 預り金 | 5,656 | 15 | - | 5,671 |
| リース負債 | 330 | 240 | 32 | 604 |
| 借入債務 | 69,668 | 36,105 | - | 105,773 |
| 社債 | 1,100 | 2,400 | - | 3,500 |
| その他の金融負債 | 990 | - | - | 990 |
| 合計 | 77,745 | 38,761 | 32 | 116,540 |
当社グループが締結しているコミットメントライン契約及び当座貸越契約の未使用残高は40,811百万円であります。
当連結会計年度(2026年3月31日)
(単位:百万円)
| 1年以下 | 1年超過5年以下 | 5年超過 | 合計 | |
| 預り金 | 6,833 | 35 | - | 6,868 |
| リース負債 | 323 | 145 | 23 | 492 |
| 借入債務 | 84,298 | 35,733 | 281 | 120,313 |
| 社債 | 1,189 | 10,187 | - | 11,377 |
| その他の金融負債 | 749 | - | - | 749 |
| 合計 | 93,394 | 46,102 | 305 | 139,801 |
当社グループが締結しているコミットメントライン契約及び当座貸越契約の未使用残高は41,522百万円であります。
(3) 市場リスク
当社グループの市場リスクとは、「金利、為替、株式等のさまざまな市場のリスク・ファクターの変動により、資産・負債(オフバランスを含む)の価値が変動し、損失を被るリスク」と定義しております。
当社グループの市場リスクの主な管理対象は貸付債権及び受益権(配当受領権)でありますが、これらの金融資産のほとんどは流動化・証券化された長期固定金利の住宅ローン債権及びそれに裏付けられた受益権であります。この場合、貸付先である顧客から回収する利息と資金調達先に当たる投資家へ支払う配当はともに固定金利であり、金利のミスマッチによる市場リスクは限定されております。一方で、当社グループが保有する流動化・証券化されていない一部の住宅ローン債権については、市場金利の急激な変動により金融機関からの調達金利が大きく上昇した場合には、損失を被る可能性があります。
なお、当社グループの有利子負債のうち、一部は変動金利であり、他の全ての変数が一定であると仮定した上で、金利が1%上昇した場合の連結損益計算書の税引前利益に与える影響は、以下のとおりであります。
(金利感応度分析)
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |
| (自 2024年4月1日 | (自 2025年4月1日 | |
| 至 2025年3月31日) | 至 2026年3月31日) | |
| 税引前損益への影響額(△は減少額) | △809 | △937 |
(4) 金融資産の譲渡
当社グループは貸付債権の流動化取引を行っております。流動化取引の主なものは、住宅金融事業により認識した住宅ローン債権の流動化取引であります。当社グループは、資金調達を目的として住宅ローン債権を金融機関に譲渡し、現金及び譲渡した債権に対する受益権(配当受領権)を取得いたします。
これらの流動化において組成されたストラクチャード・エンティティの投資家は、当該ストラクチャード・エンティティの保有する資産に対してのみ遡及でき、当社グループの他の資産に対しては遡及できません。当社グループは、これらの組成されたストラクチャード・エンティティへの契約外の支援の提供及び潜在的な支援の合意を行っておらず、流動化に関連するこれらの組成されたストラクチャード・エンティティに対する関与の主な内容は、受益権の保有、流動性補完、限定的な信用補完の提供、債権の回収代行及び回収代行に係る手数料の受取であります。
・認識が中止された金融資産の譲渡
当社グループは住宅ローン債権を非連結のストラクチャード・エンティティ等に譲渡しております。当連結会計年度において認識が中止された住宅ローン債権の譲渡による譲渡利益は1,163百万円(前連結会計年度は1,430百万円)、うち、全体の認識が中止された住宅ローン債権の譲渡による譲渡利益は363百万円(前連結会計年度は524百万円)であります。
なお、認識の中止を行った金融資産に対する継続的関与から生じる損失のエクスポージャーは、「30. 他の企業への関与(3)ストラクチャード・エンティティ」に記載した損失の最大エクスポージャーに含まれております。
・認識の中止となるわけではない金融資産の譲渡
認識の中止の要件を満たさない方法で譲渡された金融資産及び関連する負債に関する帳簿価額と、譲渡資産に関連する負債が譲渡資産のみに遡求権を有している場合の公正価値は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(2025年3月31日)
| (単位:百万円) | ||
| 譲渡資産の帳簿価額 | 43,547 | |
| 関連する負債の帳簿価額 | 43,547 | |
| (譲渡資産のみに遡及権を有する負債に関する金融資産及び金融負債の公正価値) | ||
| 譲渡資産の公正価値 | 43,548 | |
| 関連する負債の公正価値 | 43,547 | |
| 正味ポジション(純額) | 0 | |
譲渡資産と関連する負債の主な差額は、流動化に当たり当社グループが保有している劣後持分であります。
当連結会計年度(2026年3月31日)
| (単位:百万円) | ||
| 譲渡資産の帳簿価額 | 43,026 | |
| 関連する負債の帳簿価額 | 43,025 | |
| (譲渡資産のみに遡及権を有する負債に関する金融資産及び金融負債の公正価値) | ||
| 譲渡資産の公正価値 | 43,026 | |
| 関連する負債の公正価値 | 43,025 | |
| 正味ポジション(純額) | 0 | |
譲渡資産と関連する負債の主な差額は、流動化に当たり当社グループが保有している劣後持分であります。