有価証券報告書-第14期(2024/09/01-2025/08/31)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1)経営方針
当社グループは、循環型社会における主要な取組の一つである「リユース」を事業の中核とする企業として、「Circular Design for the Earth and Us」をパーパスに掲げ、事業活動を通じた持続可能な社会への貢献を目指しております。更に、顧客やパートナーへの様々な選択肢提供により、当社グループが保有するモノのみならず顧客やパートナーが保有するモノの循環を促進することで新たな収益機会を創出すべく、2030年に「Circular Design Company」の実現を目指しております。
(2)経営環境
当社グループが属するリユース業界においては、フリマアプリの拡大・浸透をはじめとして市場が活性化しており、サステナビリティへの関心もあってリユースの注目度は更に高まっております。また、2024年のリユース市場規模は前年比4.5%増の3兆2,628億円となりました。また、2030年にはその市場規模は4兆円に到達すると見込まれております。(出所:株式会社リフォーム産業新聞社「リユース業界の市場規模推計2025(2024年版)」(2025年9月))
このような状況の中、一般消費者からの買取は依然として競争が激しく、販売面においても小規模なものも含めると数多くの事業者向けオークションが乱立しております。今後も、新規参入やM&Aなどによる企業再編の動きが加速するものと予想されます。
一方で、海外においては組織的にCtoBtoBのビジネスモデル(一般消費者から買取を行い、リユース事業者に販売するモデル)を展開する事業者は一部存在するものの、当社グループが最大規模で海外展開しているものと認識しております。また、世界のラグジュアリーリユース市場規模は2023年に361億ドルであり、2030年には500億ドル以上に拡大すると見込まれております(出所:BlueWeave Consulting)。国内よりも市場規模が大きいことに加え競合企業がまだ少ないことから、海外におけるリユース市場は国内以上に成長余地があると考えております。
上記の認識に基づき、当社グループは、オークションプラットフォームの機能拡充による付加価値向上・他社との差別化により利用を促進していくことに加え、小売販売の強化や不動産・自動車をはじめとした取扱領域の拡大など、当社グループと顧客とのエンゲージメントを高め長期的な関係を築くことで、継続的な収益を生むリカーリング型のビジネスモデルに注力してまいります。また、グローバル展開を加速していくことで、更なる成長を図ってまいります。
(3)経営戦略及び優先的に対処すべき事業上の課題
当社グループは、2027年8月期を最終年度とする3か年の中期経営計画「To the Next Stage: For 2030 Revival Vision」を2024年10月に公表いたしました。本中期経営計画においては、収益性向上に向け構造改革を進めるとともに、重点領域と定める小売拡大や海外仕入拡大に資する投資に厳選して対応することを基本方針とし事業拡大に努めてまいります。
また、本中期経営計画で設定している重点テーマ及びマテリアリティを解決すべく、仕入・オークション・小売・海外・領域拡大・サステナビリティの取組の6つを基本戦略として、2030年の「Circular Design Company」実現に向け、企業価値向上を目指してまいります。
[中期経営計画の概要]
[中期経営計画の基本戦略]

事業戦略は次のとおりであります。
戦略1.仕入
これまでの積極的な出店やM&Aにより拡大した店舗網を基盤に、今後は効率化を重視し出店地域を厳選した出店戦略を進めてまいります。リピーター施策にも注力することでリピーター比率をより高め、効率的な国内店舗仕入の拡大を図ってまいります。
また、国内店舗仕入以外にも、リソース配分の最適化により出張買取・宅配買取・オンライン買取に注力するとともに、株式会社三越伊勢丹との取組「i’m green」や金融機関等からの顧客紹介など他業種とのアライアンスの取組により、新規出店に依存しない仕入体制の構築を目指してまいります。これに加えて、社員独立制度や、海外パートナー店舗と同形態となるパートナー制度の開始により、直営店出店以外の方法でも店舗拡大を計画しております。
海外においては、これまでの海外展開の経験を踏まえ、店舗出店コストや人件費の高い欧米ではなく、アジアや中東地域においてパートナー店舗を中心に出店を加速するとともに、国内で培ったWEBマーケティングのノウハウを海外でも最大限活用することで、海外における仕入拡大を図ってまいります。
2025年8月期においては、売上総利益率を重視するとともに1店舗あたりの効率を重視した仕入を継続いたしました。出店基準の見直しも進め、新たな出店基準に応じた店舗の出退店を行いました。また、提携社数の増加及びアライアンスによる仕入拡大に加え、特に東南アジア・中東地域での海外における仕入も拡大いたしました。
2026年8月期においては、効率的な店舗運営やリピーター施策等を継続し、収益性を重視しつつ、出店ペースを加速し、国内は年間10店舗程度の直営店舗の出店を予定しております。海外においては、パートナー店舗を中心に東南アジア・中東に注力し、年間10店舗以上の出店を計画しております。また、アライアンス等による店舗仕入以外の仕入ネットワークの強化を図ることで、グループ全体で恒常的な仕入高成長を目指し、2026年8月期は仕入高成長率10%程度を目指してまいります。

戦略2.オークション
当社グループ最大の強みであるオークションプラットフォームの更なる強化に向け、機能拡充を継続いたします。
パートナー開拓に引き続き注力するとともに、世界中から参加しやすいオークションとなるようプラットフォームの最適化を行うほか、リペアサービス等の付随サービス拡充により他社オークションとの差別化を図るなど、国内外パートナーの参加拡大に努めてまいります。また、パートナー向けに新たな決済手法の導入を行う等、パートナーのキャッシュフロー改善に資するサービス導入による利便性向上を図るとともに落札額拡大も企図した施策に取り組んでまいります。
オークション委託については、委託出品点数の増加に加え、STAR BUYERS AUCTION(以下「SBA」という。)サイト内でパートナー企業名義でのオークション開催ができるSaaS型機能の提供も貢献いたしました。引き続き利用企業の獲得に注力することにより、2027年8月期のオークション委託比率は40%以上を目指してまいります。
また、フルフィルメントサービスの提供によりプラットフォームの付加価値向上に引き続き注力いたします。フルフィルメントサービスは、パートナーがSBAで落札した商品を自動で当社グループのECサイトに出品でき、パートナー自身がリソースを割くことなく小売販売を行うことができるサービスであり、当社としては小売委託拡大や手数料収入拡大が期待できることから、収益性の向上につながる取組として推進してまいります。
2025年8月期においては、オークションプラットフォームの機能拡充を継続していること等により、オークション委託が順調に拡大し、2025年8月期のオークション委託比率は38.3%となりました。また、第3四半期連結会計期間よりオークション会員費・参加費の導入を行ったことにより手数料収入を拡大し、更なる収益性向上も図りました。
2026年8月期においても引き続き委託拡大と収益性改善に努めてまいります。また、2025年10月よりオークションパートナー向けに新たな決済サービスの導入を開始する等、パートナーのキャッシュフロー改善に資するサービス導入により利便性向上を図ることでオークションへの参加をさらに促進いたします。このように、落札額の拡大につなげる新たな取組も行いつつ、小売とのバランスを取りながら自社商品の出品も継続し、プラットフォームとしての魅力を向上させることで、SBAを世界でも唯一無二のオークションに成長させてまいります。

戦略3.小売
顧客との関係をこれまでの買取のみの一方通行のものから、買い取った上で販売もするという循環を描く双方向なものに変え、顧客のLTV向上を図ってまいります。
小売強化に向け、商品の特性に合わせて小売向けの商品の振り向けを積極的に行うことで、小売での販売機会を拡大いたします。オークション出品予定の商品についても、出品までのリードタイムを活用し、短期間に限定して当社グループのECサイトに掲載する施策(シームレス出品)を行うことで、在庫回転期間を長期化することなく小売での販売機会の拡大を図ってまいります。本施策により、当社グループのECサイトへの商品掲載数も増加するため、WEBマーケティングによる集客効果の最大化も期待できると考えております。
小売店舗については2024年10月にオープンしたALLU SHINJUKUを含む5店舗展開により、従来のリユース店舗と一線を画す店舗設計や商品ラインナップを意識し、他社との差別化を図りながら、国内顧客向け1to1施策等による国内富裕者層の取り込みや、インバウンド顧客へのアプローチを継続してまいります。当社グループのECサイトにおいては、店舗への商品取り寄せや来店顧客のリピーター化を促進するなど、リアルとオンラインの相乗効果を企図しております。また、国内のみならず海外拠点からの送客やインバウンド顧客の固定化による海外顧客の囲い込み、海外の小規模事業者向けのプラットフォームとしての位置付けの確立、業務効率化等による収益性向上と更なる認知拡大・売上高成長を企図し、2025年11月に越境ECサイトをローンチいたしました。これに加えて、店舗や当社グループのECサイトで購入された商品は当社グループのECサイト「ALLU online store」上に自動出品されるサービスを展開しており、販売後も当社プラットフォーム上に商品がストックされることで、ECサイト価値の向上に寄与するほか、商品が循環することで売買のたびに手数料収入を得られるモデルの実現を目指してまいります。
2025年8月期においては、シームレス出品によるEC強化や、ALLU SHINJUKUの出店による小売店舗網の拡大に努めました。また、国内顧客向け1to1施策による顧客のリピーター化や、国内ECサイトの統合によるECプラットフォーム強化に取り組みました。
2026年8月期においては、これらの取組に加えて自社での越境ECサイトの立ち上げによるグローバルでの小売拡大にも注力いたします。また、越境ECサイトを活用することで、資金面の兼ね合い等でSBAに参加できない小規模事業者等の事業者向けのプラットフォームとしても強化いたします。国内においては、引き続きシームレス出品やSBAパートナーからの委託出品によりECサイト価値向上と更なる取扱い拡大を計画しております。また、店舗においても既存の5店舗体制で展開し、インバウンド顧客に依存しない売上獲得の強化を目指し、国内顧客向け1to1施策等による売上高成長を目指してまいります。


戦略4.海外
海外においては、引き続き買取店舗の店舗網拡大により、仕入拡大に注力してまいります。2025年8月期末時点で日本を含む14か国に展開しておりますが、これまでの海外展開の経験を踏まえ、本中期経営計画においては店舗投資コストや人件費が低いアジア地域や、中東地域での展開に注力いたします。パートナー店舗を中心に出店を加速することで効率的に店舗網拡大を図るとともに、国内で培ったWEBマーケティングのノウハウを海外でも最大限活用することで、海外における仕入拡大を図ってまいります。2027年8月期末に90店舗、2030年8月期末に150店舗を目標に海外店舗を出店してまいります。
販売においては、富裕者層の多い地域を中心に、パートナーのオークション参加誘致に引き続き注力し、年率10%程度のペースでパートナー開拓を継続してまいります。また、越境ECサイトにて購入いただける小規模事業者の開拓も進めていくとともに越境ECサイトを活用した小売販売も強化することで、国内小売店舗に来店したインバウンド顧客のリピーター化も企図してまいります。
2025年8月期における買取店舗展開については、スクラップアンドビルドを進めパートナーによる出店を継続したことに加え、最適なリソース配分により1店舗あたりの仕入高が伸長いたしました。販売面では、米国関税措置の影響を一部受けたものの、SBAパートナーの拡大に努めるとともに、インバウンド顧客の取り込みによる小売売上高拡大に取り組みました。
2026年8月期においては、引き続きパートナー店舗を中心に東南アジア・中東での出店に注力することにより、国内店舗出店だけに依らない仕入拡大を計画しております。販売面では、SBAパートナー拡大に引き続き注力するほか、自社で越境ECサイトを立ち上げることにより、業務効率化等による収益性向上と海外顧客のリピーター化を図ってまいります。

戦略5.領域拡大
当社グループの中心事業である、ブランド品等の買取・販売とのシナジーが見込まれる周辺サービスの拡充としてリペア事業への注力なども進めており、持続可能な消費を促進しながら、サービス利用からの顧客流入を図ってまいります。
また、ブランド品等とのシナジーが見込める自動車や不動産をはじめとする実物資産へと取扱を拡大し、顧客のLTV向上、リピーター化促進も図ってまいります。
リペア事業においては、従来からサービス展開している時計修理に加え、バッグ修理のサービスも開始しております。業界の中でも大規模体制のリペア専門チームを社内で有しており、高精度かつ高品質なサービスを提供することにより、個人顧客との関係性構築に加え、SBAでの落札額向上やALLUでの販売額向上にも寄与しております。2025年8月期のリペア件数実績は約4.5万件であり、2027年8月期には5万件以上を目指しております。
自動車事業においては、なんぼや・ALLUからの送客による買取・販売を継続しつつ、整備事業及び「TWISTED(注)」事業を拡大させることにより、富裕者層との接点拡大及び既存事業とのシナジー創出に努めてまいります。TWISTED車両の国内での走行認可が下りたことから、2026年8月期より本格的に認知拡大施策及び販売を行う計画としております。また、2025年9月にはショールーム併設の認証整備工場を神奈川県横浜市に新設し、実車展示による販売促進及び整備能力向上による自動車事業拡大も企図しております。
不動産事業においては、自動車事業同様になんぼや・ALLUからの送客により既存リソースを活用した集客を行うとともに、顧客のライフステージに寄り添うことでLTV向上を企図しております。不動産仲介事業を中心に展開しており、仲介事業が順調に拡大してきたことから、2026年8月期より顧客の即金ニーズに応えた更なる利便性向上のため、不動産の買取販売も開始する計画としております。
(注)JAGUAR LAND ROVER LIMITED社のDEFENDER車両を独自に修復・カスタマイズした車両。
国内ではバリュエンスジャパン株式会社が独占販売を行う。
戦略6.サステナビリティ
当社グループの持続的な成長を支える取組として、事業とサステナビリティの更なる統合を図ってまいります。
社会的な課題であり当社グループのマテリアリティの一つでもある気候変動への取組をはじめ、人的資本への取組、取締役会の実効性向上・サステナビリティ経営体制の強化に向けた取組など、E・S・Gそれぞれにおいて施策を推し進めてまいります。
また、スポーツ事業についても、当社が設定した4つの重点テーマを横断して解決する重要な取組の1つであると認識しており、モノや思いをつなぐ新たな循環型経済圏をつくる非財務価値向上への取組として推進し、企業価値向上を図ってまいります。
詳細につきましては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
(対処すべき課題)
① 仕入の効率化
当社グループは、創業時よりWEBマーケティングを中心に集客を行っております。一方で、競争環境の激化により顧客獲得コストが上昇していることから、CRM施策によるリピーター顧客の獲得や集客の効率化が必要であると認識しております。
今後もSEO対策をはじめとするWEBマーケティングを中心に、潜在顧客・顕在顧客の双方にアプローチしつつ、認知向上によって指名検索を増加させることによる顧客獲得単価の低減や、取扱領域の拡大など顧客とのエンゲージメント強化によるグループ内送客の体制構築と顧客のリピーター化により、効率的な集客を実現できるものと考えております。
また、店舗の繁閑に応じたリソース配分により効率的な店舗運営を行っていくことや、百貨店や金融機関など他業種とのアライアンスによる買取強化にも注力するなど、自社での買取以外の仕入も拡大することで、効率的な仕入成長を目指してまいります。加えて、国内で培ったノウハウを活かし海外でもWEBマーケティングを行うことやパートナーによる効率的な店舗網拡大により、海外仕入を拡大することにも取り組んでまいります。
② 査定能力の標準化
リユース品は新品と異なり決まった価格が存在せず、相場も一定ではないことから、値付けが非常に難しいという特徴を持っております。当社グループにおいては、研修体制の整備や現場でのOJTを進めることで買取スタッフの能力向上に努めておりますが、これに加え、査定能力の標準化や真贋を判定するための仕組みの構築が重要であると認識しております。
そのため、社内システムの機能改善やデータベースの整備、本部による店舗サポート体制の強化を継続することで、更なる能力標準化と買取の効率化に努めてまいります。
③ オークションプラットフォームの拡大
当社グループの主力販路であるSBAは、オンラインで開催しており、海外の事業者も数多く参加するグローバルなブランドリユースオークションプラットフォームとして規模を拡大しております。
今後も更に多くの国内外パートナーが参加するプラットフォームとして魅力を高めるとともに、プラットフォームの機能拡充を継続していくことで、GMV(流通取引総額)の拡大を図ってまいります。また、SBAサイト内でパートナー企業名義でのオークション開催ができるSaaS型機能の提供等による委託拡大や、パートナーが落札した商品の保管・小売販売までをワンストップで請け負うフルフィルメントサービスの構築、パートナー会員費・オークション参加費の導入により、更なる収益力向上を目指してまいります。
④ 小売販売の強化
当社グループは当連結会計年度末現在、実店舗5店舗とECサイトにて、一般消費者に向けた小売販売を行っております。
今後は、toBの強みを活かしたシームレス出品(オークション出品までのリードタイムを活用しECサイトに商品を出品する施策)に加え、海外でのEC販売などグローバルも含めた小売強化に注力してまいります。小売販売の強化は、ビジネスモデルをリカーリング型に転換するための重要施策と位置付けております。顧客との接点を拡大し、買取をはじめとした当社グループサービスの利用につなげることでエンゲージメント強化を図るほか、小売の販売力強化によりフルフィルメントサービスにおける小売委託をより多く獲得できるようになり、パートナーとのエンゲージメント強化にも貢献すると考えております。
⑤ 顧客とのエンゲージメント強化
当社グループの事業は、顧客からの買取がビジネスモデルの起点にあるため、より多くの顧客と接点を持つことが事業を拡大する上で重要と考えております。
今後は、買取のみならず、小売販売をはじめとするtoCサービスの拡大、不動産・自動車・リペア・スポーツ事業などの取扱領域の拡充やグループ内送客の体制強化などにより、顧客とのエンゲージメントを高めてまいります。これによりグループ全体で顧客との長期的な関係を築くことで、継続的な収益を生むリカーリング型のビジネスモデルへと転換していく方針です。
⑥ グローバル展開の加速
当社グループは、香港をはじめ欧米、東南アジア、中東等に子会社を設け、現地におけるSBAパートナーの開拓と、買取店舗の展開を進めております。買取においては直営のみならず、パートナーとの協業による出店に注力し、当社グループとしてリスクを最小限にした店舗展開を行っております。国内リユース市場における競争が依然として激しい現状において、リユース市場が成長しており、かつ競合が比較的少ない海外へとビジネスを拡大していくことが重要であると認識しております。
国内で培ったWEBマーケティングのノウハウを海外でも活かすことにより、CtoBtoBのビジネスモデルのグローバル展開と、グローバルも含めた小売強化を行うことで、更なる規模拡大を図ってまいります。
⑦ サステナビリティの取組強化
当社グループのメイン事業であるリユースは、循環型社会における重要な取組の一つであり、リユース事業をグローバルに展開していくことが、持続可能な社会の実現、ひいては当社グループの持続的な成長につながると考えております。TCFD提言に基づく情報開示をはじめ、リユースによる環境フットプリントの削減貢献量を可視化したResale Impactの事業ブランドへの展開や、カーボンニュートラル達成に向けた国際的イニシアチブの認証取得などの取組を行っております。
また、コーポレート・ガバナンスの実践・強化により経営の透明性・公正性・迅速性の維持・向上を図り、全てのステークホルダーとの対話を通じて、持続的な成長と中長期的な企業価値及び株主価値の向上に取り組んでおります。
今後も循環型社会の実現を牽引する存在として、環境や社会、ガバナンスに配慮した取組を積極的に行っていくことで、持続的な社会の実現と企業価値向上を目指してまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2027年8月期を最終年度とする3か年の中期経営計画「To the Next Stage: For 2030 Revival Vision」の戦略におけるKPIとその目標値は以下のとおりであります。
<中期経営計画におけるKPI及び目標値>
(注)1.国内買取店舗数の目標値につきましては、2030年8月期の出店店舗数であります。
2.2回目以降買取成立顧客ユニークユーザー数÷買取成立顧客ユニークユーザー数
3.2030年8月期の海外買取店舗数の目標値は150店舗であります。
仕入においては、アライアンスや海外の仕入が好調に推移したことにより、国内店舗展開だけに依らない仕入拡大も当社グループ全体の仕入高成長に貢献しております。
オークションにおいては、オークションプラットフォームとしての認知度向上や委託出品点数の増加に加え、SaaS型機能の貢献等により、オークション委託比率が好調に拡大しております。
小売においては、売上総利益率重視の仕入を行いながら小売へ鮮度の高い商品振り向けが実現できていることやシームレス出品の施策が奏功していることに加え、小売販売力の向上により店舗・ECそれぞれで売上高が好調に拡大しており、小売売上高比率も堅調に推移しております。
海外においては、事業運営の効率を重視し、欧米の直営店舗は閉店した一方、東南アジアや中東等においてはパートナー店舗を中心に出店を継続しております。最適なリソース配分により1店舗あたりの仕入高を着実に伸ばすとともに、店舗展開も加速することで海外の仕入高成長も目指してまいります。
領域拡大においても、リペアサービス提供件数を拡大することで事業者や一般消費者向けのリペアサービスの提供のみならず、自社オークションやALLUにおいて販売する商品の価値も向上させることができるため、販売額の拡大にも貢献しております。また、自動車や不動産などのブランド品以外の事業領域拡大への取組にも引き続き努めてまいります。
詳細は、当社コーポレートサイト(https://www.valuence.inc/ir/investor/plan/)をご覧ください。
(1)経営方針
当社グループは、循環型社会における主要な取組の一つである「リユース」を事業の中核とする企業として、「Circular Design for the Earth and Us」をパーパスに掲げ、事業活動を通じた持続可能な社会への貢献を目指しております。更に、顧客やパートナーへの様々な選択肢提供により、当社グループが保有するモノのみならず顧客やパートナーが保有するモノの循環を促進することで新たな収益機会を創出すべく、2030年に「Circular Design Company」の実現を目指しております。
(2)経営環境
当社グループが属するリユース業界においては、フリマアプリの拡大・浸透をはじめとして市場が活性化しており、サステナビリティへの関心もあってリユースの注目度は更に高まっております。また、2024年のリユース市場規模は前年比4.5%増の3兆2,628億円となりました。また、2030年にはその市場規模は4兆円に到達すると見込まれております。(出所:株式会社リフォーム産業新聞社「リユース業界の市場規模推計2025(2024年版)」(2025年9月))
このような状況の中、一般消費者からの買取は依然として競争が激しく、販売面においても小規模なものも含めると数多くの事業者向けオークションが乱立しております。今後も、新規参入やM&Aなどによる企業再編の動きが加速するものと予想されます。
一方で、海外においては組織的にCtoBtoBのビジネスモデル(一般消費者から買取を行い、リユース事業者に販売するモデル)を展開する事業者は一部存在するものの、当社グループが最大規模で海外展開しているものと認識しております。また、世界のラグジュアリーリユース市場規模は2023年に361億ドルであり、2030年には500億ドル以上に拡大すると見込まれております(出所:BlueWeave Consulting)。国内よりも市場規模が大きいことに加え競合企業がまだ少ないことから、海外におけるリユース市場は国内以上に成長余地があると考えております。
上記の認識に基づき、当社グループは、オークションプラットフォームの機能拡充による付加価値向上・他社との差別化により利用を促進していくことに加え、小売販売の強化や不動産・自動車をはじめとした取扱領域の拡大など、当社グループと顧客とのエンゲージメントを高め長期的な関係を築くことで、継続的な収益を生むリカーリング型のビジネスモデルに注力してまいります。また、グローバル展開を加速していくことで、更なる成長を図ってまいります。
(3)経営戦略及び優先的に対処すべき事業上の課題
当社グループは、2027年8月期を最終年度とする3か年の中期経営計画「To the Next Stage: For 2030 Revival Vision」を2024年10月に公表いたしました。本中期経営計画においては、収益性向上に向け構造改革を進めるとともに、重点領域と定める小売拡大や海外仕入拡大に資する投資に厳選して対応することを基本方針とし事業拡大に努めてまいります。
また、本中期経営計画で設定している重点テーマ及びマテリアリティを解決すべく、仕入・オークション・小売・海外・領域拡大・サステナビリティの取組の6つを基本戦略として、2030年の「Circular Design Company」実現に向け、企業価値向上を目指してまいります。
[中期経営計画の概要]
[中期経営計画の基本戦略]
事業戦略は次のとおりであります。
戦略1.仕入
これまでの積極的な出店やM&Aにより拡大した店舗網を基盤に、今後は効率化を重視し出店地域を厳選した出店戦略を進めてまいります。リピーター施策にも注力することでリピーター比率をより高め、効率的な国内店舗仕入の拡大を図ってまいります。
また、国内店舗仕入以外にも、リソース配分の最適化により出張買取・宅配買取・オンライン買取に注力するとともに、株式会社三越伊勢丹との取組「i’m green」や金融機関等からの顧客紹介など他業種とのアライアンスの取組により、新規出店に依存しない仕入体制の構築を目指してまいります。これに加えて、社員独立制度や、海外パートナー店舗と同形態となるパートナー制度の開始により、直営店出店以外の方法でも店舗拡大を計画しております。
海外においては、これまでの海外展開の経験を踏まえ、店舗出店コストや人件費の高い欧米ではなく、アジアや中東地域においてパートナー店舗を中心に出店を加速するとともに、国内で培ったWEBマーケティングのノウハウを海外でも最大限活用することで、海外における仕入拡大を図ってまいります。
2025年8月期においては、売上総利益率を重視するとともに1店舗あたりの効率を重視した仕入を継続いたしました。出店基準の見直しも進め、新たな出店基準に応じた店舗の出退店を行いました。また、提携社数の増加及びアライアンスによる仕入拡大に加え、特に東南アジア・中東地域での海外における仕入も拡大いたしました。
2026年8月期においては、効率的な店舗運営やリピーター施策等を継続し、収益性を重視しつつ、出店ペースを加速し、国内は年間10店舗程度の直営店舗の出店を予定しております。海外においては、パートナー店舗を中心に東南アジア・中東に注力し、年間10店舗以上の出店を計画しております。また、アライアンス等による店舗仕入以外の仕入ネットワークの強化を図ることで、グループ全体で恒常的な仕入高成長を目指し、2026年8月期は仕入高成長率10%程度を目指してまいります。

戦略2.オークション
当社グループ最大の強みであるオークションプラットフォームの更なる強化に向け、機能拡充を継続いたします。
パートナー開拓に引き続き注力するとともに、世界中から参加しやすいオークションとなるようプラットフォームの最適化を行うほか、リペアサービス等の付随サービス拡充により他社オークションとの差別化を図るなど、国内外パートナーの参加拡大に努めてまいります。また、パートナー向けに新たな決済手法の導入を行う等、パートナーのキャッシュフロー改善に資するサービス導入による利便性向上を図るとともに落札額拡大も企図した施策に取り組んでまいります。
オークション委託については、委託出品点数の増加に加え、STAR BUYERS AUCTION(以下「SBA」という。)サイト内でパートナー企業名義でのオークション開催ができるSaaS型機能の提供も貢献いたしました。引き続き利用企業の獲得に注力することにより、2027年8月期のオークション委託比率は40%以上を目指してまいります。
また、フルフィルメントサービスの提供によりプラットフォームの付加価値向上に引き続き注力いたします。フルフィルメントサービスは、パートナーがSBAで落札した商品を自動で当社グループのECサイトに出品でき、パートナー自身がリソースを割くことなく小売販売を行うことができるサービスであり、当社としては小売委託拡大や手数料収入拡大が期待できることから、収益性の向上につながる取組として推進してまいります。
2025年8月期においては、オークションプラットフォームの機能拡充を継続していること等により、オークション委託が順調に拡大し、2025年8月期のオークション委託比率は38.3%となりました。また、第3四半期連結会計期間よりオークション会員費・参加費の導入を行ったことにより手数料収入を拡大し、更なる収益性向上も図りました。
2026年8月期においても引き続き委託拡大と収益性改善に努めてまいります。また、2025年10月よりオークションパートナー向けに新たな決済サービスの導入を開始する等、パートナーのキャッシュフロー改善に資するサービス導入により利便性向上を図ることでオークションへの参加をさらに促進いたします。このように、落札額の拡大につなげる新たな取組も行いつつ、小売とのバランスを取りながら自社商品の出品も継続し、プラットフォームとしての魅力を向上させることで、SBAを世界でも唯一無二のオークションに成長させてまいります。

戦略3.小売
顧客との関係をこれまでの買取のみの一方通行のものから、買い取った上で販売もするという循環を描く双方向なものに変え、顧客のLTV向上を図ってまいります。
小売強化に向け、商品の特性に合わせて小売向けの商品の振り向けを積極的に行うことで、小売での販売機会を拡大いたします。オークション出品予定の商品についても、出品までのリードタイムを活用し、短期間に限定して当社グループのECサイトに掲載する施策(シームレス出品)を行うことで、在庫回転期間を長期化することなく小売での販売機会の拡大を図ってまいります。本施策により、当社グループのECサイトへの商品掲載数も増加するため、WEBマーケティングによる集客効果の最大化も期待できると考えております。
小売店舗については2024年10月にオープンしたALLU SHINJUKUを含む5店舗展開により、従来のリユース店舗と一線を画す店舗設計や商品ラインナップを意識し、他社との差別化を図りながら、国内顧客向け1to1施策等による国内富裕者層の取り込みや、インバウンド顧客へのアプローチを継続してまいります。当社グループのECサイトにおいては、店舗への商品取り寄せや来店顧客のリピーター化を促進するなど、リアルとオンラインの相乗効果を企図しております。また、国内のみならず海外拠点からの送客やインバウンド顧客の固定化による海外顧客の囲い込み、海外の小規模事業者向けのプラットフォームとしての位置付けの確立、業務効率化等による収益性向上と更なる認知拡大・売上高成長を企図し、2025年11月に越境ECサイトをローンチいたしました。これに加えて、店舗や当社グループのECサイトで購入された商品は当社グループのECサイト「ALLU online store」上に自動出品されるサービスを展開しており、販売後も当社プラットフォーム上に商品がストックされることで、ECサイト価値の向上に寄与するほか、商品が循環することで売買のたびに手数料収入を得られるモデルの実現を目指してまいります。
2025年8月期においては、シームレス出品によるEC強化や、ALLU SHINJUKUの出店による小売店舗網の拡大に努めました。また、国内顧客向け1to1施策による顧客のリピーター化や、国内ECサイトの統合によるECプラットフォーム強化に取り組みました。
2026年8月期においては、これらの取組に加えて自社での越境ECサイトの立ち上げによるグローバルでの小売拡大にも注力いたします。また、越境ECサイトを活用することで、資金面の兼ね合い等でSBAに参加できない小規模事業者等の事業者向けのプラットフォームとしても強化いたします。国内においては、引き続きシームレス出品やSBAパートナーからの委託出品によりECサイト価値向上と更なる取扱い拡大を計画しております。また、店舗においても既存の5店舗体制で展開し、インバウンド顧客に依存しない売上獲得の強化を目指し、国内顧客向け1to1施策等による売上高成長を目指してまいります。


戦略4.海外
海外においては、引き続き買取店舗の店舗網拡大により、仕入拡大に注力してまいります。2025年8月期末時点で日本を含む14か国に展開しておりますが、これまでの海外展開の経験を踏まえ、本中期経営計画においては店舗投資コストや人件費が低いアジア地域や、中東地域での展開に注力いたします。パートナー店舗を中心に出店を加速することで効率的に店舗網拡大を図るとともに、国内で培ったWEBマーケティングのノウハウを海外でも最大限活用することで、海外における仕入拡大を図ってまいります。2027年8月期末に90店舗、2030年8月期末に150店舗を目標に海外店舗を出店してまいります。
販売においては、富裕者層の多い地域を中心に、パートナーのオークション参加誘致に引き続き注力し、年率10%程度のペースでパートナー開拓を継続してまいります。また、越境ECサイトにて購入いただける小規模事業者の開拓も進めていくとともに越境ECサイトを活用した小売販売も強化することで、国内小売店舗に来店したインバウンド顧客のリピーター化も企図してまいります。
2025年8月期における買取店舗展開については、スクラップアンドビルドを進めパートナーによる出店を継続したことに加え、最適なリソース配分により1店舗あたりの仕入高が伸長いたしました。販売面では、米国関税措置の影響を一部受けたものの、SBAパートナーの拡大に努めるとともに、インバウンド顧客の取り込みによる小売売上高拡大に取り組みました。
2026年8月期においては、引き続きパートナー店舗を中心に東南アジア・中東での出店に注力することにより、国内店舗出店だけに依らない仕入拡大を計画しております。販売面では、SBAパートナー拡大に引き続き注力するほか、自社で越境ECサイトを立ち上げることにより、業務効率化等による収益性向上と海外顧客のリピーター化を図ってまいります。

戦略5.領域拡大
当社グループの中心事業である、ブランド品等の買取・販売とのシナジーが見込まれる周辺サービスの拡充としてリペア事業への注力なども進めており、持続可能な消費を促進しながら、サービス利用からの顧客流入を図ってまいります。
また、ブランド品等とのシナジーが見込める自動車や不動産をはじめとする実物資産へと取扱を拡大し、顧客のLTV向上、リピーター化促進も図ってまいります。
リペア事業においては、従来からサービス展開している時計修理に加え、バッグ修理のサービスも開始しております。業界の中でも大規模体制のリペア専門チームを社内で有しており、高精度かつ高品質なサービスを提供することにより、個人顧客との関係性構築に加え、SBAでの落札額向上やALLUでの販売額向上にも寄与しております。2025年8月期のリペア件数実績は約4.5万件であり、2027年8月期には5万件以上を目指しております。
自動車事業においては、なんぼや・ALLUからの送客による買取・販売を継続しつつ、整備事業及び「TWISTED(注)」事業を拡大させることにより、富裕者層との接点拡大及び既存事業とのシナジー創出に努めてまいります。TWISTED車両の国内での走行認可が下りたことから、2026年8月期より本格的に認知拡大施策及び販売を行う計画としております。また、2025年9月にはショールーム併設の認証整備工場を神奈川県横浜市に新設し、実車展示による販売促進及び整備能力向上による自動車事業拡大も企図しております。
不動産事業においては、自動車事業同様になんぼや・ALLUからの送客により既存リソースを活用した集客を行うとともに、顧客のライフステージに寄り添うことでLTV向上を企図しております。不動産仲介事業を中心に展開しており、仲介事業が順調に拡大してきたことから、2026年8月期より顧客の即金ニーズに応えた更なる利便性向上のため、不動産の買取販売も開始する計画としております。
(注)JAGUAR LAND ROVER LIMITED社のDEFENDER車両を独自に修復・カスタマイズした車両。国内ではバリュエンスジャパン株式会社が独占販売を行う。
戦略6.サステナビリティ
当社グループの持続的な成長を支える取組として、事業とサステナビリティの更なる統合を図ってまいります。
社会的な課題であり当社グループのマテリアリティの一つでもある気候変動への取組をはじめ、人的資本への取組、取締役会の実効性向上・サステナビリティ経営体制の強化に向けた取組など、E・S・Gそれぞれにおいて施策を推し進めてまいります。
また、スポーツ事業についても、当社が設定した4つの重点テーマを横断して解決する重要な取組の1つであると認識しており、モノや思いをつなぐ新たな循環型経済圏をつくる非財務価値向上への取組として推進し、企業価値向上を図ってまいります。
詳細につきましては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
(対処すべき課題)
① 仕入の効率化
当社グループは、創業時よりWEBマーケティングを中心に集客を行っております。一方で、競争環境の激化により顧客獲得コストが上昇していることから、CRM施策によるリピーター顧客の獲得や集客の効率化が必要であると認識しております。
今後もSEO対策をはじめとするWEBマーケティングを中心に、潜在顧客・顕在顧客の双方にアプローチしつつ、認知向上によって指名検索を増加させることによる顧客獲得単価の低減や、取扱領域の拡大など顧客とのエンゲージメント強化によるグループ内送客の体制構築と顧客のリピーター化により、効率的な集客を実現できるものと考えております。
また、店舗の繁閑に応じたリソース配分により効率的な店舗運営を行っていくことや、百貨店や金融機関など他業種とのアライアンスによる買取強化にも注力するなど、自社での買取以外の仕入も拡大することで、効率的な仕入成長を目指してまいります。加えて、国内で培ったノウハウを活かし海外でもWEBマーケティングを行うことやパートナーによる効率的な店舗網拡大により、海外仕入を拡大することにも取り組んでまいります。
② 査定能力の標準化
リユース品は新品と異なり決まった価格が存在せず、相場も一定ではないことから、値付けが非常に難しいという特徴を持っております。当社グループにおいては、研修体制の整備や現場でのOJTを進めることで買取スタッフの能力向上に努めておりますが、これに加え、査定能力の標準化や真贋を判定するための仕組みの構築が重要であると認識しております。
そのため、社内システムの機能改善やデータベースの整備、本部による店舗サポート体制の強化を継続することで、更なる能力標準化と買取の効率化に努めてまいります。
③ オークションプラットフォームの拡大
当社グループの主力販路であるSBAは、オンラインで開催しており、海外の事業者も数多く参加するグローバルなブランドリユースオークションプラットフォームとして規模を拡大しております。
今後も更に多くの国内外パートナーが参加するプラットフォームとして魅力を高めるとともに、プラットフォームの機能拡充を継続していくことで、GMV(流通取引総額)の拡大を図ってまいります。また、SBAサイト内でパートナー企業名義でのオークション開催ができるSaaS型機能の提供等による委託拡大や、パートナーが落札した商品の保管・小売販売までをワンストップで請け負うフルフィルメントサービスの構築、パートナー会員費・オークション参加費の導入により、更なる収益力向上を目指してまいります。
④ 小売販売の強化
当社グループは当連結会計年度末現在、実店舗5店舗とECサイトにて、一般消費者に向けた小売販売を行っております。
今後は、toBの強みを活かしたシームレス出品(オークション出品までのリードタイムを活用しECサイトに商品を出品する施策)に加え、海外でのEC販売などグローバルも含めた小売強化に注力してまいります。小売販売の強化は、ビジネスモデルをリカーリング型に転換するための重要施策と位置付けております。顧客との接点を拡大し、買取をはじめとした当社グループサービスの利用につなげることでエンゲージメント強化を図るほか、小売の販売力強化によりフルフィルメントサービスにおける小売委託をより多く獲得できるようになり、パートナーとのエンゲージメント強化にも貢献すると考えております。
⑤ 顧客とのエンゲージメント強化
当社グループの事業は、顧客からの買取がビジネスモデルの起点にあるため、より多くの顧客と接点を持つことが事業を拡大する上で重要と考えております。
今後は、買取のみならず、小売販売をはじめとするtoCサービスの拡大、不動産・自動車・リペア・スポーツ事業などの取扱領域の拡充やグループ内送客の体制強化などにより、顧客とのエンゲージメントを高めてまいります。これによりグループ全体で顧客との長期的な関係を築くことで、継続的な収益を生むリカーリング型のビジネスモデルへと転換していく方針です。
⑥ グローバル展開の加速
当社グループは、香港をはじめ欧米、東南アジア、中東等に子会社を設け、現地におけるSBAパートナーの開拓と、買取店舗の展開を進めております。買取においては直営のみならず、パートナーとの協業による出店に注力し、当社グループとしてリスクを最小限にした店舗展開を行っております。国内リユース市場における競争が依然として激しい現状において、リユース市場が成長しており、かつ競合が比較的少ない海外へとビジネスを拡大していくことが重要であると認識しております。
国内で培ったWEBマーケティングのノウハウを海外でも活かすことにより、CtoBtoBのビジネスモデルのグローバル展開と、グローバルも含めた小売強化を行うことで、更なる規模拡大を図ってまいります。
⑦ サステナビリティの取組強化
当社グループのメイン事業であるリユースは、循環型社会における重要な取組の一つであり、リユース事業をグローバルに展開していくことが、持続可能な社会の実現、ひいては当社グループの持続的な成長につながると考えております。TCFD提言に基づく情報開示をはじめ、リユースによる環境フットプリントの削減貢献量を可視化したResale Impactの事業ブランドへの展開や、カーボンニュートラル達成に向けた国際的イニシアチブの認証取得などの取組を行っております。
また、コーポレート・ガバナンスの実践・強化により経営の透明性・公正性・迅速性の維持・向上を図り、全てのステークホルダーとの対話を通じて、持続的な成長と中長期的な企業価値及び株主価値の向上に取り組んでおります。
今後も循環型社会の実現を牽引する存在として、環境や社会、ガバナンスに配慮した取組を積極的に行っていくことで、持続的な社会の実現と企業価値向上を目指してまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2027年8月期を最終年度とする3か年の中期経営計画「To the Next Stage: For 2030 Revival Vision」の戦略におけるKPIとその目標値は以下のとおりであります。
<中期経営計画におけるKPI及び目標値>
| 戦略1.仕入 | 2025年8月期実績 | 2027年8月期目標 | |
| なんぼや以外(海外含む)の仕入高比率 | 18.4% | 25%以上 | |
| 国内買取店舗数(なんぼや・古美術八光堂・BRAND CONCIER) | 139店舗 | 240店舗 (注)1 | |
| 買取顧客リピーター比率 (注)2 | 49.3% | 50%以上 | |
| 戦略2.オークション | 2025年8月期実績 | 2027年8月期目標 | |
| オークション委託比率 | 38.3% | 40%以上 | |
| 戦略3.小売 | 2025年8月期実績 | 2027年8月期目標 | |
| 小売売上高比率 | 20.6% | 25%以上 | |
| 戦略4.海外 | 2025年8月期実績 | 2027年8月期目標 | |
| 海外買取店舗数 | 49店舗 | 90店舗 (注)3 | |
| 海外仕入高成長率 | ― | CAGR 25%以上 | |
| 海外パートナー数増加率 | 31.7% | 年率10%以上 | |
| 戦略5.領域拡大 | 2025年8月期実績 | 2027年8月期目標 | |
| リペアサービス提供件数 | 約4.5万件 | 5万件以上 | |
(注)1.国内買取店舗数の目標値につきましては、2030年8月期の出店店舗数であります。
2.2回目以降買取成立顧客ユニークユーザー数÷買取成立顧客ユニークユーザー数
3.2030年8月期の海外買取店舗数の目標値は150店舗であります。
仕入においては、アライアンスや海外の仕入が好調に推移したことにより、国内店舗展開だけに依らない仕入拡大も当社グループ全体の仕入高成長に貢献しております。
オークションにおいては、オークションプラットフォームとしての認知度向上や委託出品点数の増加に加え、SaaS型機能の貢献等により、オークション委託比率が好調に拡大しております。
小売においては、売上総利益率重視の仕入を行いながら小売へ鮮度の高い商品振り向けが実現できていることやシームレス出品の施策が奏功していることに加え、小売販売力の向上により店舗・ECそれぞれで売上高が好調に拡大しており、小売売上高比率も堅調に推移しております。
海外においては、事業運営の効率を重視し、欧米の直営店舗は閉店した一方、東南アジアや中東等においてはパートナー店舗を中心に出店を継続しております。最適なリソース配分により1店舗あたりの仕入高を着実に伸ばすとともに、店舗展開も加速することで海外の仕入高成長も目指してまいります。
領域拡大においても、リペアサービス提供件数を拡大することで事業者や一般消費者向けのリペアサービスの提供のみならず、自社オークションやALLUにおいて販売する商品の価値も向上させることができるため、販売額の拡大にも貢献しております。また、自動車や不動産などのブランド品以外の事業領域拡大への取組にも引き続き努めてまいります。
詳細は、当社コーポレートサイト(https://www.valuence.inc/ir/investor/plan/)をご覧ください。