有価証券報告書-第11期(2022/11/01-2023/10/31)

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2024/01/26 12:55
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136項目
3.重要な会計方針
(1)連結の基礎
①子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業(組成された企業を含む)をいいます。子会社の財務諸表は、支配開始日から支配終了日までの間、当社の連結財務諸表に含まれております。子会社の会計方針は、当社が適用する会計方針と整合させるため、必要に応じて修正しております。
当社グループがある企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、当該企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、当社グループは当該企業を支配していると判断しております。
②連結上消去される取引
連結グループ内の債権債務残高及び取引、並びに連結グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
(2)企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債及び当社が発行する資本性金融商品の取得日の公正価値の合計として測定しております。企業結合に関連して発生する取引関連費用は、発生時に純損益に認識しております。
被取得企業における識別可能な資産及び負債は、以下を除いて、取得日の公正価値で測定しております。
・繰延税金資産又は負債及び従業員給付契約に関連する資産又は負債は、それぞれIAS第12号「法人所得税」及びIAS第19号「従業員給付」に従って認識及び測定しております。
・IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に従って取得日に売却目的保有に分類され取得した非流動資産又は処分グループは、当該基準書に従って測定しております。
・被取得企業の株式に基づく報酬取引に係る負債もしくは資本性金融商品、又は被取得企業の株式に基づく報酬取引の当社の株式に基づく報酬取引への置換えに係る負債もしくは資本性金融商品は、IFRS第2号「株式に基づく報酬」に従って測定しております。
取得対価が被取得企業における識別可能な資産及び負債の公正価値を超過する場合は、連結財政状態計算書においてのれんとして計上しております。反対に下回る場合には、連結損益計算書において直ちに純損益に計上しております。
非支配持分を公正価値で測定するか、又は識別可能な純資産の認識金額の比例持分で測定するかについては、企業結合ごとに選択しております。
企業結合が生じた連結会計年度の末日までに企業結合の当初の会計処理が完了していない場合には、会計処理が完了していない項目について暫定的な金額で連結財務諸表上認識しております。測定期間中、取得日時点で存在し、それを知っていたならば取得日時点で認識した金額の測定に影響したであろう事実及び状況について入手した新しい情報を反映するために、取得日時点で認識した暫定的な金額を遡及修正しております。測定期間は取得日から1年を超えることはありません。
非支配持分の追加取得については、資本取引として処理しているため、当該取引からはのれんは認識しておりません。
(3)外貨換算
①外貨建取引
外貨建取引は、取引日における為替レートを適用することにより、機能通貨に換算しております。
外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に換算しております。公正価値で測定される外貨建非貨幣性資産及び負債は、当該公正価値の測定日における為替レートで機能通貨に換算しております。取得原価で測定される外貨建非貨幣性資産及び負債は、取引日の為替レートで換算しております。
外貨建取引の決済及び換算によって生じる換算差額は、純損益に認識しております。ただし、非貨幣性資産及び負債の評価替えに係る利益又は損失がその他の包括利益に認識される場合は、為替差額もその他の包括利益に認識しています。
②在外営業活動体の財務諸表
在外営業活動体の資産及び負債は、取得により発生したのれん及び公正価値の調整表を含め、連結決算日の為替レートで表示通貨に換算しております。また、在外営業活動体の収益及び費用は、為替レートが著しく変動している場合を除き、期中の平均レートで表示通貨に換算しております。
在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額は、その他の包括利益として認識しております。在外営業活動体の持分全体の処分及び、支配又は重要な影響力の喪失を伴う持分の一部処分につき、換算差額は処分損益の一部として純損益で認識しております。
(4)金融商品
①金融資産
(ⅰ)当初認識及び測定
営業債権及びその他の債権は発生日に認識しており、その他の金融資産は金融資産に関する契約の当事者となった取引日に認識しております。
すべての金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類される場合を除き、公正価値に取引費用を加算した金額で測定しております。
(ⅱ)分類及び事後測定
金融資産は、「償却原価で測定する金融資産」、「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産」、又は「純損益を通じて公正価値で測定する金融資産」のいずれかに分類しております。この分類は、当初認識時に決定しており、金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
「償却原価で測定する金融資産」
以下の要件をともに満たす場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払いのみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
償却原価で測定する金融資産は、実効金利法による償却原価で測定し、実効金利法による償却額は当期の純損益に認識しております。当該金融資産の認識を中止した場合の利得又は損失は、当期の純損益に認識しております。
「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産」
資本性金融資産のうち、当初認識時に公正価値の変動をその他の包括利益を通じて認識すると指定したものについては、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に分類しております。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産は、公正価値で測定し、その変動額をその他の包括利益として認識しております。当該金融資産の認識を中止した場合、その他の包括利益として認識した累積損益を利益剰余金に振替え、純損益では認識しておりません。なお、当該金融資産からの配当金については、金融収益の一部として当期の純損益に認識しております。
「純損益を通じて公正価値で測定する金融資産」
上記のいずれにも分類されない金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は、公正価値で測定し、その変動額を純損益として認識しております。当該金融資産の認識を中止した場合の利得又は損失は、当期の純損益に認識しております。なお、当該金融資産に分類される資本性金融資産からの配当金については、金融収益の一部として当期の純損益に認識しております。
(ⅲ)金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産については、予想信用損失に対する貸倒引当金を認識しております。当該貸倒引当金の繰入額は純損益に認識しております。また、それ以降の期間において貸倒引当金を減額する事象が生じた場合は、貸倒引当金の戻入額を純損益に認識しております。
当社グループは、期末日において、金融資産に係る信用リスクが当初認識時点から著しく増加しているかどうかを評価しております。金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融資産に係る貸倒引当金を期末日後12ヶ月の予想信用損失と同額で測定しております。一方、金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融資産に係る貸倒引当金を当該金融商品の予想残存期間の全期間にわたる予想信用損失と同額で測定しております。ただし、営業債権及び契約資産については、常に貸倒引当金を全期間の予想信用損失と同額で測定しております。
信用リスクが著しく増大しているかどうかは、債務不履行が発生するリスクの変化に基づいて判断しており、その判断にあたっては、期日経過情報、債務者の財政状態の悪化、内部・外部信用格付の低下等を考慮しております。
金融商品の予想信用損失は、以下のものを反映する方法で見積っております。
・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・貨幣の時間価値
・報告日時点で過大なコスト又は労力なしに利用可能である、過去の事象、現在の状況、並びに将来の経済状況の予測についての合理的で裏付け可能な情報
金融資産の全部又は一部を回収できないと合理的に判断される場合は、当該金融資産の帳簿価額を直接償却しております。
(ⅳ)金融資産の認識の中止
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅する、又は当社グループが金融資産の所有のリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合において、金融資産の認識を中止しております。当社グループが、移転した当該金融資産に対する支配を継続している場合には、継続的関与を有している範囲において、資産と関連する負債を認識しております。
②金融負債
(ⅰ)当初認識及び測定
当社グループは、発行した負債証券をその発行日に当初認識しております。その他の金融負債は、当社グループが当該金融商品の契約の当事者になる取引日に当初認識しております。
すべての金融負債は公正価値で当初測定しておりますが、償却原価で測定する金融負債については、公正価値から直接帰属する取引費用を控除した金額で測定しております。純損益を通じて公正価値で測定する金融負債の取引費用は、純損益に認識しております。
(ⅱ)分類及び事後測定
金融負債は、「償却原価で測定する金融負債」と「純損益を通じて公正価値で測定する金融負債」のいずれかに分類しております。この分類は、当初認識時に決定しており、金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
「償却原価で測定する金融負債」
金融負債のうち、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類されないものについて、償却原価で測定する金融負債に分類しております。
償却原価で測定する金融負債は、実効金利法による償却原価で測定し、実効金利法による償却額は当期の純損益に認識しております。当該金融負債の認識を中止した場合の利得又は損失は、当期の純損益に認識しております。
「純損益を通じて公正価値で測定する金融負債」
金融負債のうち、当初認識時に公正価値の変動を純損益を通じて認識すると指定したものについては、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しております。
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は、公正価値で測定し、その変動を当期の純損益に認識しております。当該金融負債の認識を中止した場合の利得又は損失は、当期の純損益として認識しております。
(ⅲ)金融負債の認識の中止
当社グループは、金融負債が消滅したとき、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し、又は失効となった時に、金融負債の認識を中止します。
③金融資産及び金融負債の表示
金融資産及び金融負債は、当社グループが認識している金額を相殺する法的に強制可能な権利を有し、かつ純額で決済するか又は資産の実現と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、金融資産と金融負債を相殺し、連結財政状態計算書に純額で表示しております。
④金融商品の公正価値
活発な市場において取引されている金融商品の公正価値は、市場における公表市場価格等によって測定しております。活発な市場が存在しない金融商品の公正価値は、適切な評価技法を使用して測定しております。
⑤金融保証契約
金融保証契約とは、負債性金融商品の当初又は変更後の条件に従った期日が到来しても、特定の債務者が支払を行わないために保証契約保有者に発生する損失を契約発行者が当該保有者に対し補填することを要求する契約であります。
金融保証契約は、当初契約時点において、公正価値で測定しております。当初認識後は、以下のいずれか高い方で測定しております。
(ⅰ)上記「金融資産の減損」に従って算定した貸倒引当金の額
(ⅱ)当初測定額からIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の原則に従って認識した収益の累計額を控除した額
(5)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
(6)棚卸資産
棚卸資産は主に販売用不動産及び貯蔵品で構成されており、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い価額で測定しております。
正味実現可能価額は、通常の事業過程における見積売価から、完成までに要する原価の見積額及び販売に要する費用の見積額を控除した額であります。取得原価は主として個別法に基づいて算定されており、取得費、外注費並びに現在の場所及び状態に至るまでに要したすべての費用を含んでおります。
(7)有形固定資産(使用権資産を除く)
①認識及び測定
有形固定資産の測定は「原価モデル」を採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しております。取得原価には資産の取得に直接関連する費用、並びに解体・除去及び土地の原状回復費用が含まれております。
②減価償却
減価償却費は償却可能価額をもとに算定しております。償却可能価額は、資産の取得価額又は取得価額に準じる額から残存価額を差し引いて算出しております。
土地及び建設仮勘定以外の有形固定資産の減価償却は、各資産の見積耐用年数にわたり、主に定額法に基づいて計上しております。
主要な有形固定資産の見積耐用年数は以下のとおりであります。
・建物及び構築物 15年
・車両運搬具 2年
・工具、器具及び備品 2年~20年
見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、毎期末日に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
(8)のれん
のれんの当初認識時における測定は、上記「(2)企業結合」に記載しております。のれんは取得原価から減損損失累計額を控除した価額で計上しております。
のれんは償却を行わず、毎期又は減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しております。のれんの減損損失は純損益として認識し、その後の戻入れは行っておりません。
(9)無形資産
当初認識時において、個別に取得した無形資産は取得原価、企業結合において取得した無形資産は取得日における公正価値で測定しております。
①耐用年数を確定できる無形資産
無形資産の測定は「原価モデル」を採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しております。
無形資産は、耐用年数を確定できない無形資産を除いて、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却しております。減損の兆候がある場合は、減損テストを実施しております。
主要な無形資産の見積耐用年数は以下のとおりであります。
・ソフトウエア 3年~5年
見積耐用年数、残存価額及び償却方法は、毎期末日に見直しを行い、変更があった場合には、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
②耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産
耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産は、償却を行わず、毎期及び減損の兆候を識別したときに、減損テストを実施しております。
(10)リース
当社グループは、契約の締結時に当該契約がリースであるか又はリースを含んでいるかを判定しております。法的にはリースの形態をとらないものであっても、契約の実態に照らし、当該契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該契約がリースであるか又はリースを含んでいると判断しております。
①借手としてのリース
借手としてのリースは、単一モデルにより、原則としてすべてのリースについて、原資産を使用する権利を表す使用権資産とリース料を支払う義務を表すリース負債を連結財政状態計算書上で認識しております。
リース開始日において、リース負債はリース期間における未払リース料総額の現在価値で測定し、使用権資産はリース負債の当初測定額に当初直接コスト、前払リース料等を調整し、リース契約に基づき要求される原状回復義務等のコストを加えた額で測定を行っております。
使用権資産は、リース契約の終了時までに当社グループが所有権を獲得することが合理的に見込まれる場合には見積耐用年数で、それ以外の場合には見積耐用年数又はリース期間のいずれか短い方の期間にわたって主に定額法により減価償却を行っております。リース料の支払額は、実効金利法に基づき、金融費用とリース負債の返済額とに配分し、金融費用は連結損益計算書上、使用権資産に係る減価償却費と区分して表示しております。
リース期間は、解約不能なリース期間に、リース契約を延長又は解約するオプションの対象期間を加えた期間としております。当該オプションの対象期間は、当社グループが延長オプションを行使すること又は解約オプションを行使しないことが合理的に確実である場合にのみ、解約不能期間に加えております。
なお、リース期間が12ヶ月以内に終了する短期リース及び原資産が少額であるリースについては、使用権資産及びリース負債を認識せず、当該リースに関連したリース料をリース期間にわたり定額法又は他の規則的な基礎のいずれかにより費用として認識しております。
使用権資産の見積耐用年数又はリース期間は2年から7年です。
見積耐用年数又はリース期間は、毎期末日に見直しを行い、変更があった場合には、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
なお、使用権資産のうち、投資不動産の定義を満たすものは連結財政状態計算書上投資不動産として表示しています。
②貸手としてのリース
貸手としてのリースは、契約上、原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてが借手に移転する場合はファイナンス・リースに分類し、ファイナンス・リース以外のリースをオペレーティング・リースに分類しております。また、中間の貸手としてサブリースを行う場合は、原資産ではなくヘッドリースから生じる使用権資産を参照して、ファイナンス・リース又はオペレーティング・リースに分類しております。
ファイナンス・リースは、リース開始日において、原資産の認識の中止を行うと共に、リース料総額の現在価値で正味リース投資未回収額を測定し、同額をリース債権として認識しております。リース料の受取額は、実効金利法に基づき、金融収益とリース債権の回収額とに配分し、金融収益は純損益に認識しております。
オペレーティング・リースは、原資産の認識を継続し、リース料の受取額は、原則としてリース期間にわたって均等に売上収益として純損益に認識しております。
③セール・アンド・リースバック取引
セール・アンド・リースバック取引は売手である借手から買手である貸手への資産の譲渡が売却に該当するか否かをIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」に基づいて判断しております。資産の売却に該当する場合は、売手である借手は、リースバックから生じた使用権資産を、資産の帳簿価額に基づき測定し、リースバックされなかった部分の損益のみを認識しております。投資用区分所有マンションのセール・アンド・リースバック取引における売却時の収入については、連結キャッシュ・フロー計算書において、営業活動によるキャッシュ・フローに含めております。資産の売却に該当しない場合は、売手である借手は、譲渡した資産を引き続き認識するとともに、譲渡収入と同額の金融負債を認識し、金融取引として処理しております。
(11)投資不動産
投資不動産とは、賃貸収入又はキャピタル・ゲイン、もしくはその両方を得ることを目的として保有する不動産であります。通常の営業過程で販売する不動産や他の管理目的で使用する不動産は含まれておりません。
投資不動産の測定は、「原価モデル」を採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しております。投資不動産の減価償却は、見積耐用年数にわたって主として定額法で計上しております。
主要な投資不動産の見積耐用年数は2年~7年であります。
見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、毎期末日に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
(12)非金融資産の減損
棚卸資産や繰延税金資産等を除く当社グループの非金融資産は、期末日ごとに減損の兆候の有無を判断し、減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積り、減損テストを行っております。のれん及び耐用年数を確定できない又は未だ使用可能ではない無形資産については、少なくとも年1回又は減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを行っております。
資産又は資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と処分費用控除後の公正価値のうちいずれか大きい方の金額としております。使用価値の算定においては、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該資産又は資金生成単位に固有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割り引いております。
減損の判定は、資産、資金生成単位又は資金生成単位グループごとに実施しており、資産、資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に、当該差額を減損損失として純損益に認識しております。
複数の資産が一体となってキャッシュ・インフローを生み出しており、個別資産の回収可能価額の見積りが可能でない場合には、他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローから概ね独立したキャッシュ・インフローを生成する最小の単位を資金生成単位とし、当該資金生成単位に含めて減損テストを行っております。企業結合により取得したのれんは、企業結合のシナジーから便益が得られると期待される資金生成単位又は資金生成単位グループに配分して減損テストを行っております。全社資産は独立したキャッシュ・インフローを生成しないため、全社資産に減損の兆候がある場合は、全社資産が帰属する資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額を算定して減損テストを行っております。
資金生成単位又は資金生成単位グループに関連して認識した減損損失は、まず当該資金生成単位又は資金生成単位グループに配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位又は資金生成単位グループ内の他の資産の帳簿価額に基づく比例按分により他の資産に配分しております。
過去に認識した減損は、期末日ごとに減損の戻入の兆候の有無を評価し、減損の戻入の兆候が存在する場合は、回収可能価額まで戻し入れを行っております。ただし、のれんに関連する減損損失は戻し入れを行っておりません。また、減損損失の戻入は、過年度に減損損失を認識しなかったとした場合の償却又は減価償却控除後の帳簿価額を上限としております。
(13)従業員給付
①短期従業員給付
短期従業員給付とは、従業員が関連する勤務を提供した期間の末日後12ヶ月以内に決済の期限が到来する従業員給付をいい、ある会計期間中に従業員が勤務を提供した場合に、当社グループは当該勤務の見返りに支払うと見込まれる割り引かない金額で認識しております。当社グループにおける短期従業員給付には賞与及び有給休暇に係るものがあります。
累積型の有給休暇に関する従業員給付の予想コストは、将来の有給休暇の権利を増加させる勤務を従業員が提供した時に認識しております。また、当社グループは、累積型有給休暇の予想コストを、連結会計年度の末日現在で累積されている未使用の権利の結果として当社グループが支払うと見込まれる追加金額として測定しております。
なお、賞与については、過去に従業員から勤務を提供された結果、支払を行う法的又は推定的債務を有しており、かつ、当該債務について信頼性のある見積りが可能な場合に負債として認識しております。
②退職後給付
当社及び一部の連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため確定拠出制度のほか、従業員選択制による複数事業主制度による確定給付企業年金基金への加入制度を設けております。
確定拠出制度は、雇用主が一定の掛金を公的又は私的管理の年金保険制度に拠出し、その拠出額以上の支払について法的又は推定的債務を負わない退職後給付制度であります。確定拠出制度の退職給付に係る費用は、拠出時に費用として認識しております。
複数事業主制度による企業年金基金への加入は、確定給付制度としての会計処理を行うために十分な情報を入手できないため、複数事業主制度への拠出額を従業員が勤務を提供した期間に費用として認識し、確定拠出制度と同様の会計処理を行っております。
(14)引当金
引当金は、過去の事象の結果として、当社グループが現在の法的又は推定的債務を負っており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しております。引当金として認識する金額は、当該債務に係るリスクや不確実性を考慮した最善の見積りであります。貨幣の時間価値の影響が重要な場合には、引当金は当該債務の決済に必要と見込まれる支出の現在価値で測定しております。
(15)株式に基づく報酬
当社グループでは、取締役、執行役員及び一部の従業員に対する持分決済型の株式に基づく報酬として、ストック・オプション制度を採用しております。
ストック・オプションは権利付与日における公正価値で測定しております。ストック・オプションの権利付与日に算定した公正価値は、最終的に権利確定すると予想されるストック・オプションの数を考慮した上で、権利付与日から権利確定日までの期間にわたって費用として純損益に認識し、同額を連結財政状態計算書において資本の増加として認識しております。
(16)収益
当社グループは、以下の5ステップアプローチに基づき収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:履行義務を充足した時点で(又は充足するに応じて)収益を認識する
当社グループは、主要な事業としてRENOSYマーケットプレイス事業、ITANDI事業を行っております。これらの事業から生じる収益は、顧客との契約に従い計上しており、それぞれの履行義務に関する情報、取引価格の決定方法、収益の認識時期等は、連結財務諸表注記「26.売上収益」に記載のとおりであります。
(17)法人所得税
法人所得税は、当期税金と繰延税金から構成されております。これらは、企業結合に関連するもの、及び直接資本又はその他の包括利益に認識する項目を除き、純損益に認識しております。
①当期税金
当期税金は、税務当局に対する納付又は税務当局から還付が予想される金額で測定しております。税額の算定にあたっては、当社グループが事業活動を行い、課税対象となる損益を稼得する国において、期末日までに制定され又は実質的に制定されている税率及び税法に従っております。
②繰延税金
繰延税金資産及び負債は、期末日における資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除に対して認識しております。繰延税金資産は将来減算一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除について、それらを回収できる将来課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識し、繰延税金負債は原則としてすべての将来加算一時差異に対して認識しております。
繰延税金資産の帳簿価額は毎期見直され、繰延税金資産の一部又は全額の税務便益を実現できるだけの十分な課税所得が稼得されない可能性が高い部分については、帳簿価額を減額しております。過去の未認識の繰延税金資産は毎期再評価され、将来の課税所得によって繰延税金資産の税務便益を実現できる可能性が高くなった範囲で未認識であった繰延税金資産を認識しております。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を計上しておりません。
・のれんの当初認識から生じる将来加算一時差異
・企業結合取引を除く、会計上の利益にも税務上の課税所得にも影響を与えない取引によって発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合
・子会社に対する投資に係る将来減算一時差異のうち、予見可能な期間内に一時差異が解消される可能性が高くない場合
繰延税金資産及び負債は、期末日において制定され又は実質的に制定されている税率及び税法に基づいて、繰延税金資産が実現する期又は負債が決済される期に適用されると予想される税率に従って測定しております。
繰延税金資産及び負債は、当期税金負債と当期税金資産を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合、相殺しております。
(18)株主資本
①普通株式
普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上しております。また、株式発行費用は発行価額から控除しております。
②自己株式
自己株式を取得した場合、その取得価額を資本の控除項目として認識しております。自己株式を売却した場合には、帳簿価額と売却時の対価の差額を資本剰余金として認識し、利得又は損失を認識しておりません。
(19)1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期損益をその期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して計算しております。