有価証券報告書-第73期(令和2年10月1日-令和3年9月30日)
文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社は昭和23年の創業以来一貫して「職人さんの手仕事の自動化・省力化」のための商品作りに邁進してまいりました。後に「職人さんの手仕事の自動化・省力化により、豊かな生活空間・快適な職場空間を創造する」を経営理念に定めることとなります。この「ブレない開発方針・経営方針」は当社の誇りとするところであります。
長年の産業機器の受注実績に裏付けられた、お客様のニーズ・要望を形に変える、優れた「構想力・技術力」により、オリジナリティーあふれる新商品で市場を形成し、関連するニーズをも商品化して、お客様の信頼を得つつ周辺市場を併せて開拓・育成していく「市場形成力」により更に事業を拡大してまいりました。
その過程で育成し蓄積した職人さんの手仕事(=「縫製」「裁断」「検尺」「塗布」「剥離」「折畳」「測定」等)の自動化・省力化に関する「コア技術」を活用し、広範な産業分野からの様々な引き合いに対応して、数多くの産業機器を開発・販売してまいりました。
一方、早くからコンピュータの有用性に着目して、「勘と経験」が幅を利かせる古い体質の業界に、あえてコンピュータソフト、コンピュータ制御の製造装置を販売するとともに、自社へもいち早く導入し、インターネットも早々に事業に取り入れた、ローカル企業ならではの「情報技術力」も、当社グループの成長のための大きな武器となっております。
その結果、単なる機械メーカーとは異なり、機械・設備を導入したお客様の発展を期した、ハード・ソフト両面の指導支援をおこなって、次の世代まで信者客を形成する「戦略提案営業力」が、ライバル企業と一線を画する「差別化」の原動力となっております。
さて、先述のとおり、「職人さんの手仕事の自動化・省力化により、豊かな生活空間・快適な職場空間を創造する」これは当社の経営理念、すなわち「当社は何のために存在しているのか?」に対する答え、当社の「存在意義」であります。
そして、「お客様の仕事の自動化・省力化による業界・社会への貢献」が当社の使命であります。「自動化」そのものが使命というよりはむしろ、「自動化した結果、お客様にもたらされるメリットを極大化させるよう、絶えず努力すること」が使命であると心得て、今後とも事業の推進に全力を挙げてまいります。
(2)事業展開構想
既存事業と新規事業の組み合わせによる強固な事業基盤の確立を目指してまいります。
① プロフェッショナルセグメント(インテリア事業部門、畳事業部門)
新築住宅等の住宅関連市場を主たるマーケットとするインテリア事業部門、畳事業部門は、長年の事業推進により各々の業界でNO.1シェアと判断しております。ともに成熟した市場を対象としておりますが、ホームセンター・建機レンタル・防水等の近接市場に対する従来からの取扱商品の販売推進や、業務用デジタルプリンター等の新規取扱商品の増加により、事業分野の拡大をはかっております。令和4年9月期は自動壁紙糊付機が販売開始50周年、コンピュータ式畳製造システムが販売開始40周年を迎える節目の年に当たり、これら主力機器の販売を一層推進することに加え、当社初のサブスクリプション方式のクラウド型業務管理ツール「Goolip」の発売により取引先の拡大をはかってまいります。また、畳事業部門におきましては、引き続き当社機器を活用した案件の「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」(中小企業庁)への申請を積極的に支援することで、トップシェアを不動のものとしてまいります。
また、畳業界とインテリア内装業界、展示装飾業界とインテリア内装業界などの融合が加速し、業界の構造変化が予想されます。流通・小売・工事の各業者に対して、そうした環境の下での生き残り・発展のための戦略や商品を、タイムリーに提案してまいります。
② コンシューマセグメント(コンシューマ事業部門・ソーラー・エネルギー事業部門)
コンシューマセグメントにおいては、当社のコア技術やプロフェッショナルセグメントの流通ルートを活かして新築住宅関連市場から離れた事業範囲の拡大を目指しております。新型コロナ禍の影響が続いておりますが、感染対策も兼ねる防災商品や、葬祭畳や介護用畳等の特殊機能畳、さらには畳の持つ機能を活かしながら開発したフィットネス用ジムボード等、当社オリジナル商品の販売を推進してまいります。また、ネットビジネスにおきましては、各地のJA・ホームセンター等を窓口とした畳替え仲介事業等において、上場企業としての信用力を活かした営業施策を展開してまいります。ソーラー・エネルギー事業におきましては、SDGsへの対応でニーズが高まっている企業向けソーラー発電システムや、蓄電池等周辺機器の販売に注力してまいります。
③ インダストリーセグメント(産業機器事業部門、食品機器事業部門)
二次電池製造装置等の産業用製造装置を中心とする産業機器事業部門、大手飲食チェーン向けマルチディスペンサーを中心とする食品機器事業部門の事業を推進しております。
産業機器事業部門は、神岡工場内に令和4年4月完成予定の新工場棟を活用して、従来組立スペースの不足から見送った大型案件の受注を推進する方針であります。また、従来から当社コア技術を活かして受注を促進してまいりましたが、令和2年10月に子会社とした株式会社ROSECCの持つ、ロボット技術・ウォータージェット技術とのシナジー効果の発揮による、受注分野の拡大を更に推進してまいります。
また、自動化・省力化設備として外食業界で高く注目されるようになったマルチディスペンサーにつきましては、非接触操作等新型コロナ禍後も変わらないと見込まれるニーズへも積極的に対応してまいります。
④ ニュー・インダストリーセグメント
令和2年10月1日に子会社化した株式会社ROSECCを当セグメントに位置づけております。同社は、自動車業界を中心に、ウォータージェット技術、ロボット技術を活かした各種の自動化システムを企画・開発・販売するファブレス企業であります。当社産業機器事業部門との人的交流や技術面の交流を一層進め、シナジー効果の発揮に努めてまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、収益性の指標として売上高経常利益率を、安定性の指標として自己資本比率を、効率性の指標として総資本回転率を重要な経営指標と位置づけており、バランスの取れた企業価値の拡大を目指してまいります。当連結会計年度の売上高経常利益率は3.0%、自己資本比率は32.2%、総資本回転率は1.1となりました。
(4)経営環境と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループでは、以下の項目を特に認識すべき課題として捉えております。
① 新型コロナウイルス感染症への対応
新型コロナウイルス感染症の拡大は社会活動全体に大きな影響を及ぼし、新しい生活様式をはじめ様々な場面で従来と異なる対応が求められております。当社グループでは、変えるべきは変え、元に戻すべきは戻すなど、ピンチをチャンスに変えるべく柔軟かつ迅速に対応しており、特にWEBを活用した「新しい営業方式」は、畳事業部門やインテリア事業部門の業績向上に大きく貢献いたしました。また、密集を避ける避難所用畳や非接触型の食品機器等、新たな商品も積極的に開発しており、同感染症の感染対策需要は、当社グループの事業拡大のチャンスになるものと捉えて、積極的に対応してまいる方針であります。
② コーポレートガバナンスコードへの対応
令和4年4月に東京証券取引所が新市場区分に移行するに際し、当社は上場市場をスタンダード市場に変更いたします。同市場の上場企業にはコーポレートガバナンスコード全項目への適切な対応が求められており、当社では社内プロジェクトを発足させて、各項目への対応を検討・実施してまいりました。経過的な対応状況の項目の更なる検討も含め、今後とも各項目への対応を一層充実させてまいります。
③ SDGsへの対応
平成27年9月に国際連合で採決されたSDGs(Sustainable Development Goals)について、企業としての対応を求める社会的要請が近年にわかに強まってきております。当社におきましては、経営理念の「豊かな生活空間の創造」がSDGsの基本理念にかなうものであるとの基本認識のもと、ISOに基づく各種の実施項目との関連を明確にしてSDGsへの理解を深めつつ、ソーラー・エネルギー等の各種事業やISOの推進を通じてSDGsを推進してまいる方針であります。なお、神岡工場新工場棟の建設資金調達にSDGsシンジケーションを活用いたしましたが、その際、当社のSDGsの取り組みについて大手コンサルティング会社のコンサルティングを受け、取り組みの現状把握と今後の推進の方向性を再確認したところであります。
④ 開発力の強化
畳製造装置やインテリア内装施工機器等の従来開発してきた機器の他、当社のコア技術を活かした顧客仕様による工場生産設備等の機器開発において、IoTやロボット技術等の新技術に対応した製品を開発することが求められております。この課題に対処するため、技術者の育成、自由度の高い研究開発体制の構築等の開発環境を整備し、「真似はされても真似するな」の信念に基づいた「オンリーワン製品」の開発を目指してまいります。
⑤ 子会社とのシナジー効果の発揮による事業拡大
令和2年10月に子会社化した株式会社ROSECCは、ウォータージェット技術、ロボット技術を活かした各種の自動化システムを企画・開発・販売するファブレス企業であります。子会社化後、研究開発部門を中心に、同社との技術面や人材面での交流を進めてまいりました。今後、そうした交流で得た知見を活かして、同社とのシナジー効果を発揮した引き合い対応と受注促進に努め、着実な事業拡大に結びつけてまいる方針であります。
⑥ マーケティング力の向上
新設住宅着工市場の拡大が見込み難い環境の中で、インテリア事業部門は近接市場への製商品の販売や新商品の開発を推進しており、畳事業部門では他社機器ユーザーの新規獲得による一層のシェア拡大を目指しております。また、コンシューマセグメントでは特殊機能畳等のユニークな商品開発とネット販売等の販売ルートの拡大を推進しております。そうした営業活動を進めるためには、顧客ニーズを的確に捉え迅速に対応するマーケティング力の向上と、上場企業としての知名度を活かした新規購買先の開拓が課題となってまいります。この課題に対処するため、営業部門での幅広い情報収集とともに、マーケティング担当部署、購買担当部署、担当人員の充実をはかっております。
⑦ 生産体制の強化
当社は、本社の所在する兵庫県たつの市の市内3カ所に生産工場を持ち、外注も活用しつつ自社製品の生産に対応してまいりました。しかしながら建物や設備の老朽化が進み、組立スペースの拡大による大型案件の受注獲得余力の確保、労働生産性の向上と労働環境の改善等が課題となっておりました。これらの課題に対処し、加えて近年急速に関心が高まっているSDGsに適切に対応すること等を目途として、令和4年4月完成予定にて、神岡工場敷地内に新工場棟及び生産本部棟を建築中であります。
⑧ 原価管理の充実
当社は、プロフェッショナルセグメントのインテリア内装施工機器・工具・コンピュータ式畳製造システム、コンシューマセグメントの特殊機能畳、インダストリーセグメントの顧客仕様の生産設備やディスペンサー等の厨房機器等の多様な製品を、見込生産又は受注生産により、ロット又は単品で生産しており、その製造工程に応じた適切な原価管理が必要であります。この課題に対処するため、それぞれの製品特性を踏まえた標準原価を設定し、毎月定期的に原価検討会議を開催して改善策を継続的に検討することで、原価管理の充実に努めております。
⑨ 経営体制の充実
取締役会においては、中途採用者の取締役への登用や複数の独立社外取締役の選任等により人材の多様化を進め、幅広い観点から充実した審議が可能となる体制整備をはかっております。今般、取締役の多様性マトリックスも作成いたしております。また、令和元年10月には執行役員制度を導入し、事業推進及び社内連携体制の強化とともに、経営層の人材育成に努めております。
⑩ コンプライアンスの徹底、内部監査、監査等委員会監査、ISOの充実
企業行動規範や内部統制システム基本方針を定めて、コンプライアンスの重要性を周知徹底するとともに、内部監査室による内部監査の実施と、常勤監査等委員の選定による監査等委員会監査の充実により、経営方針、経営計画の実現のための円滑な業務運営を徹底しております。また、ISO9001とISO14001のマネジメントシステムに基づき、メーカーの原点である品質向上と環境対応の向上に努めております。
⑪ 人材育成
社員一人ひとりの能力向上を通じた組織力の強化で、従来の市場でのシェア拡大とともに新市場を開発し、売上、利益の拡大をはかってまいる方針であります。この課題に対処するため人事制度の改革に取り組んでおり、当期設置した人事担当役員の下、教育研修制度の一層の充実、人事考課制度の改正や役位と部門に応じたあるべき人材像の提示等によって、人材の育成と更なる活力向上をはかってまいる方針であります。
(1) 経営の基本方針
当社は昭和23年の創業以来一貫して「職人さんの手仕事の自動化・省力化」のための商品作りに邁進してまいりました。後に「職人さんの手仕事の自動化・省力化により、豊かな生活空間・快適な職場空間を創造する」を経営理念に定めることとなります。この「ブレない開発方針・経営方針」は当社の誇りとするところであります。
長年の産業機器の受注実績に裏付けられた、お客様のニーズ・要望を形に変える、優れた「構想力・技術力」により、オリジナリティーあふれる新商品で市場を形成し、関連するニーズをも商品化して、お客様の信頼を得つつ周辺市場を併せて開拓・育成していく「市場形成力」により更に事業を拡大してまいりました。
その過程で育成し蓄積した職人さんの手仕事(=「縫製」「裁断」「検尺」「塗布」「剥離」「折畳」「測定」等)の自動化・省力化に関する「コア技術」を活用し、広範な産業分野からの様々な引き合いに対応して、数多くの産業機器を開発・販売してまいりました。
一方、早くからコンピュータの有用性に着目して、「勘と経験」が幅を利かせる古い体質の業界に、あえてコンピュータソフト、コンピュータ制御の製造装置を販売するとともに、自社へもいち早く導入し、インターネットも早々に事業に取り入れた、ローカル企業ならではの「情報技術力」も、当社グループの成長のための大きな武器となっております。
その結果、単なる機械メーカーとは異なり、機械・設備を導入したお客様の発展を期した、ハード・ソフト両面の指導支援をおこなって、次の世代まで信者客を形成する「戦略提案営業力」が、ライバル企業と一線を画する「差別化」の原動力となっております。
さて、先述のとおり、「職人さんの手仕事の自動化・省力化により、豊かな生活空間・快適な職場空間を創造する」これは当社の経営理念、すなわち「当社は何のために存在しているのか?」に対する答え、当社の「存在意義」であります。
そして、「お客様の仕事の自動化・省力化による業界・社会への貢献」が当社の使命であります。「自動化」そのものが使命というよりはむしろ、「自動化した結果、お客様にもたらされるメリットを極大化させるよう、絶えず努力すること」が使命であると心得て、今後とも事業の推進に全力を挙げてまいります。
(2)事業展開構想
既存事業と新規事業の組み合わせによる強固な事業基盤の確立を目指してまいります。
① プロフェッショナルセグメント(インテリア事業部門、畳事業部門)
新築住宅等の住宅関連市場を主たるマーケットとするインテリア事業部門、畳事業部門は、長年の事業推進により各々の業界でNO.1シェアと判断しております。ともに成熟した市場を対象としておりますが、ホームセンター・建機レンタル・防水等の近接市場に対する従来からの取扱商品の販売推進や、業務用デジタルプリンター等の新規取扱商品の増加により、事業分野の拡大をはかっております。令和4年9月期は自動壁紙糊付機が販売開始50周年、コンピュータ式畳製造システムが販売開始40周年を迎える節目の年に当たり、これら主力機器の販売を一層推進することに加え、当社初のサブスクリプション方式のクラウド型業務管理ツール「Goolip」の発売により取引先の拡大をはかってまいります。また、畳事業部門におきましては、引き続き当社機器を活用した案件の「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」(中小企業庁)への申請を積極的に支援することで、トップシェアを不動のものとしてまいります。
また、畳業界とインテリア内装業界、展示装飾業界とインテリア内装業界などの融合が加速し、業界の構造変化が予想されます。流通・小売・工事の各業者に対して、そうした環境の下での生き残り・発展のための戦略や商品を、タイムリーに提案してまいります。
② コンシューマセグメント(コンシューマ事業部門・ソーラー・エネルギー事業部門)
コンシューマセグメントにおいては、当社のコア技術やプロフェッショナルセグメントの流通ルートを活かして新築住宅関連市場から離れた事業範囲の拡大を目指しております。新型コロナ禍の影響が続いておりますが、感染対策も兼ねる防災商品や、葬祭畳や介護用畳等の特殊機能畳、さらには畳の持つ機能を活かしながら開発したフィットネス用ジムボード等、当社オリジナル商品の販売を推進してまいります。また、ネットビジネスにおきましては、各地のJA・ホームセンター等を窓口とした畳替え仲介事業等において、上場企業としての信用力を活かした営業施策を展開してまいります。ソーラー・エネルギー事業におきましては、SDGsへの対応でニーズが高まっている企業向けソーラー発電システムや、蓄電池等周辺機器の販売に注力してまいります。
③ インダストリーセグメント(産業機器事業部門、食品機器事業部門)
二次電池製造装置等の産業用製造装置を中心とする産業機器事業部門、大手飲食チェーン向けマルチディスペンサーを中心とする食品機器事業部門の事業を推進しております。
産業機器事業部門は、神岡工場内に令和4年4月完成予定の新工場棟を活用して、従来組立スペースの不足から見送った大型案件の受注を推進する方針であります。また、従来から当社コア技術を活かして受注を促進してまいりましたが、令和2年10月に子会社とした株式会社ROSECCの持つ、ロボット技術・ウォータージェット技術とのシナジー効果の発揮による、受注分野の拡大を更に推進してまいります。
また、自動化・省力化設備として外食業界で高く注目されるようになったマルチディスペンサーにつきましては、非接触操作等新型コロナ禍後も変わらないと見込まれるニーズへも積極的に対応してまいります。
④ ニュー・インダストリーセグメント
令和2年10月1日に子会社化した株式会社ROSECCを当セグメントに位置づけております。同社は、自動車業界を中心に、ウォータージェット技術、ロボット技術を活かした各種の自動化システムを企画・開発・販売するファブレス企業であります。当社産業機器事業部門との人的交流や技術面の交流を一層進め、シナジー効果の発揮に努めてまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、収益性の指標として売上高経常利益率を、安定性の指標として自己資本比率を、効率性の指標として総資本回転率を重要な経営指標と位置づけており、バランスの取れた企業価値の拡大を目指してまいります。当連結会計年度の売上高経常利益率は3.0%、自己資本比率は32.2%、総資本回転率は1.1となりました。
(4)経営環境と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループでは、以下の項目を特に認識すべき課題として捉えております。
① 新型コロナウイルス感染症への対応
新型コロナウイルス感染症の拡大は社会活動全体に大きな影響を及ぼし、新しい生活様式をはじめ様々な場面で従来と異なる対応が求められております。当社グループでは、変えるべきは変え、元に戻すべきは戻すなど、ピンチをチャンスに変えるべく柔軟かつ迅速に対応しており、特にWEBを活用した「新しい営業方式」は、畳事業部門やインテリア事業部門の業績向上に大きく貢献いたしました。また、密集を避ける避難所用畳や非接触型の食品機器等、新たな商品も積極的に開発しており、同感染症の感染対策需要は、当社グループの事業拡大のチャンスになるものと捉えて、積極的に対応してまいる方針であります。
② コーポレートガバナンスコードへの対応
令和4年4月に東京証券取引所が新市場区分に移行するに際し、当社は上場市場をスタンダード市場に変更いたします。同市場の上場企業にはコーポレートガバナンスコード全項目への適切な対応が求められており、当社では社内プロジェクトを発足させて、各項目への対応を検討・実施してまいりました。経過的な対応状況の項目の更なる検討も含め、今後とも各項目への対応を一層充実させてまいります。
③ SDGsへの対応
平成27年9月に国際連合で採決されたSDGs(Sustainable Development Goals)について、企業としての対応を求める社会的要請が近年にわかに強まってきております。当社におきましては、経営理念の「豊かな生活空間の創造」がSDGsの基本理念にかなうものであるとの基本認識のもと、ISOに基づく各種の実施項目との関連を明確にしてSDGsへの理解を深めつつ、ソーラー・エネルギー等の各種事業やISOの推進を通じてSDGsを推進してまいる方針であります。なお、神岡工場新工場棟の建設資金調達にSDGsシンジケーションを活用いたしましたが、その際、当社のSDGsの取り組みについて大手コンサルティング会社のコンサルティングを受け、取り組みの現状把握と今後の推進の方向性を再確認したところであります。
④ 開発力の強化
畳製造装置やインテリア内装施工機器等の従来開発してきた機器の他、当社のコア技術を活かした顧客仕様による工場生産設備等の機器開発において、IoTやロボット技術等の新技術に対応した製品を開発することが求められております。この課題に対処するため、技術者の育成、自由度の高い研究開発体制の構築等の開発環境を整備し、「真似はされても真似するな」の信念に基づいた「オンリーワン製品」の開発を目指してまいります。
⑤ 子会社とのシナジー効果の発揮による事業拡大
令和2年10月に子会社化した株式会社ROSECCは、ウォータージェット技術、ロボット技術を活かした各種の自動化システムを企画・開発・販売するファブレス企業であります。子会社化後、研究開発部門を中心に、同社との技術面や人材面での交流を進めてまいりました。今後、そうした交流で得た知見を活かして、同社とのシナジー効果を発揮した引き合い対応と受注促進に努め、着実な事業拡大に結びつけてまいる方針であります。
⑥ マーケティング力の向上
新設住宅着工市場の拡大が見込み難い環境の中で、インテリア事業部門は近接市場への製商品の販売や新商品の開発を推進しており、畳事業部門では他社機器ユーザーの新規獲得による一層のシェア拡大を目指しております。また、コンシューマセグメントでは特殊機能畳等のユニークな商品開発とネット販売等の販売ルートの拡大を推進しております。そうした営業活動を進めるためには、顧客ニーズを的確に捉え迅速に対応するマーケティング力の向上と、上場企業としての知名度を活かした新規購買先の開拓が課題となってまいります。この課題に対処するため、営業部門での幅広い情報収集とともに、マーケティング担当部署、購買担当部署、担当人員の充実をはかっております。
⑦ 生産体制の強化
当社は、本社の所在する兵庫県たつの市の市内3カ所に生産工場を持ち、外注も活用しつつ自社製品の生産に対応してまいりました。しかしながら建物や設備の老朽化が進み、組立スペースの拡大による大型案件の受注獲得余力の確保、労働生産性の向上と労働環境の改善等が課題となっておりました。これらの課題に対処し、加えて近年急速に関心が高まっているSDGsに適切に対応すること等を目途として、令和4年4月完成予定にて、神岡工場敷地内に新工場棟及び生産本部棟を建築中であります。
⑧ 原価管理の充実
当社は、プロフェッショナルセグメントのインテリア内装施工機器・工具・コンピュータ式畳製造システム、コンシューマセグメントの特殊機能畳、インダストリーセグメントの顧客仕様の生産設備やディスペンサー等の厨房機器等の多様な製品を、見込生産又は受注生産により、ロット又は単品で生産しており、その製造工程に応じた適切な原価管理が必要であります。この課題に対処するため、それぞれの製品特性を踏まえた標準原価を設定し、毎月定期的に原価検討会議を開催して改善策を継続的に検討することで、原価管理の充実に努めております。
⑨ 経営体制の充実
取締役会においては、中途採用者の取締役への登用や複数の独立社外取締役の選任等により人材の多様化を進め、幅広い観点から充実した審議が可能となる体制整備をはかっております。今般、取締役の多様性マトリックスも作成いたしております。また、令和元年10月には執行役員制度を導入し、事業推進及び社内連携体制の強化とともに、経営層の人材育成に努めております。
⑩ コンプライアンスの徹底、内部監査、監査等委員会監査、ISOの充実
企業行動規範や内部統制システム基本方針を定めて、コンプライアンスの重要性を周知徹底するとともに、内部監査室による内部監査の実施と、常勤監査等委員の選定による監査等委員会監査の充実により、経営方針、経営計画の実現のための円滑な業務運営を徹底しております。また、ISO9001とISO14001のマネジメントシステムに基づき、メーカーの原点である品質向上と環境対応の向上に努めております。
⑪ 人材育成
社員一人ひとりの能力向上を通じた組織力の強化で、従来の市場でのシェア拡大とともに新市場を開発し、売上、利益の拡大をはかってまいる方針であります。この課題に対処するため人事制度の改革に取り組んでおり、当期設置した人事担当役員の下、教育研修制度の一層の充実、人事考課制度の改正や役位と部門に応じたあるべき人材像の提示等によって、人材の育成と更なる活力向上をはかってまいる方針であります。