有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2019/05/24 15:00
【資料】
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【項目】
78項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「インターネットを利用して、人々の生活に密着した手放せないサービスを提供し、世の中に必要不可欠な企業になる」を企業理念としております。
また、当社の社名の由来は、「暮らしに役立つサービスで社会の進歩を促すテクノロジーカンパニー」であり、人々の生活に密着した手放せないレベルのインターネットサービスを提供し、世の中に必要不可欠な企業になるという目的地へ到達するために、新規サービスの開発、優秀な人材の確保及び育成、内部管理体制の強化に継続的に注力し、強固な事業基盤を確立することが重要であると考えております。
(2)経営戦略等
当社が今後更なる成長と発展を遂げるためには、「(5)事業上及び財務上の対処すべき課題」に記載の課題に対応していくことが経営上重要であると認識しております。
このため当社は、不動産会社比較バーティカルメディア「リビンマッチ」において、エンドユーザーの利便性向上及び加盟企業向け取引サポートシステムの拡充に継続的に取り組むことで、「不動産売却」査定を中心とした各カテゴリにおけるエンドユーザー・加盟企業双方にとって必要不可欠なサイトとなることを目指す方針であります。
また、優秀な人材の採用・教育等を通じた営業力強化により、さらなる加盟企業の獲得を推進し、加盟企業のネットワークを活用して不動産取引に関連する周辺の新事業領域へ積極的に展開していく方針であります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、持続的な利益成長を目指して、継続的な事業拡大の観点から、各サービスにおける成長性や効率性の向上に取り組んでおり、「営業収益」及び「経常利益」を重要な経営指標として位置づけております。
(4)経営環境
政府が閣議決定した「住生活基本計画」(2016年3月)、「日本再興戦略2016」(2016年6月)ともに、既存住宅流通の市場規模を2013年の4兆円から2025年までに8兆円にすることを成果指標としており、既存住宅流通の拡大が後押しされている環境にあります。
また、エンドユーザーの購買行動は、インターネットサービスを前提としたものに変化してきており、不動産関連情報のインターネットによる入手拡大は、従来までの情報非対称性の解消をもたらし、中古住宅への抵抗感の希薄化につながるものと考えられます。さらに、スマートフォンの普及、不動産ビッグデータの集積・分析、AIの進化・実用化の加速により、誰でも気軽に不動産に関する情報を入手し、取引を行うことができる環境が整備されつつあると考えております。
当社としましては、上記の経営環境を適切に把握し、より一層のサービスの充実・拡大を推進してまいりたいと考えております。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
① 既存サービスにおける継続的な成長
当社は、「不動産プラットフォーム事業」として、不動産会社比較バーティカルメディア「リビンマッチ」を軸に不動産・住宅業界に特化したサービスを提供しております。当社が今後も継続的に成長していくためには、エンドユーザー及び加盟企業のニーズを把握し、「リビンマッチ」の魅力、認知度を向上させることで、多額の広告費を投入する必要のない集客方法であるオーガニック(注)経由の集客を強化し、広告の費用対効果と利益率を向上させることが重要であると認識しております。
この課題に対応するため、当社ではこれまでWebマーケティングの内製化によりノウハウを蓄積してまいりました。今後も「リビンマッチ」内のコンテンツ及びサービスメニューの拡充による利便性向上等、エンドユーザー及び加盟企業から選ばれるサービスを提供してまいります。
(注) オーガニックとは、検索結果ページに表示されるもののうち、検索連動型広告などの広告表示を除いた、いわゆる通常の検索結果や自社コンテンツからのサイト流入をいいます。
② 新規サービスの開発
当社は、不動産・住宅業界に特化したマッチングサービス及びブランディングサービスを提供しておりますが、当社のサービス提供領域以外においても、不動産テック(注)によるサービスは続々と実用化され、不動産業界全体に大きな変革をもたらしていくものと考えられます。
当社では、「インターネットを利用して、人々の生活に密着した手放せないサービスを提供し、世の中に必要不可欠な企業になる」という企業理念を実現し、企業価値及び株主価値の向上を目指すために、今後もエンドユーザー及び加盟企業から支持される新規サービスを開発してまいります。
(注) 不動産テックとは、テクノロジーの力によって、不動産の売買、賃貸、投資の新しい仕組みを生み出し、従来の商慣習を変えようという取り組みをいいます。
③ 内部管理体制の強化
当社は成長段階にあり、業務運営の効率化やリスクマネジメントのための内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。このため、業務改善を推進して効率化を図るとともに、事業等のリスクを適切に把握・対処し、コンプライアンスを重視した経営管理体制に重点をおくことで、経営の公平性や透明性を確保し、内部管理体制の強化に取り組んでまいります。
④ 優秀な人材の確保と組織体制の強化
当社は、今後の更なる事業拡大のためには、優秀な人材の確保及び当社の成長に応じた組織体制の強化が重要な課題であると認識しております。
人材の確保においては、新卒採用と中途採用を併せて実施しており、当社の求める資質を兼ね備えつつ、企業風土にあった人材を登用する方針であります。
また、個々の従業員・チームが最大限のパフォーマンスを発揮できるように、教育体制の整備を進め、人材の定着と能力の底上げを行っていくことで、組織体制の強化に取り組んでまいります。
⑤ システムの安定性の確保
当社の運営する不動産会社比較バーティカルメディア「リビンマッチ」は、インターネット上でサービスを提供しているため、システムの安定稼働の確保は必要不可欠であります。このため、人員の拡充や、サーバーの増設等の設備投資を継続的に行うことで、システムの安定性の確保に努めてまいります。