訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2022/02/28 15:24
【資料】
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【項目】
110項目

業績等の概要

(1)業績
第3期連結会計年度(自 平成28年10月1日 至 平成29年9月30日)
当連結会計年度における我が国経済は、企業業績や雇用情勢等の改善傾向が続き、緩やかな回復基調で推移いたしました。米国の新政権への移行や、英国のEU離脱に向けた動きなど不安定なヨーロッパ情勢、中国をはじめとしたアジア新興国の成長鈍化や資源安による資源国での経済混乱等の懸念により、日本国内景気も下振れリスクが懸念されましたが、世界経済は緩やかに拡大を継続しました。
当社グループが属する教育ビジネス市場は、社会の急速なグローバル化と新興国における中間層市場の拡大を背景に、幼児・子供向けサービスが好調に推移し、国内においては、英語教育の低年齢化と大学受験における外部試験の導入の進展を背景に、実用英語技能検定(英検)やTOEICを中心に英語試験の受験者数が増加するなど周辺市場も順調に拡大しました。今後、小学校の英語の必修化、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催や大学入試改革の進展に伴い、英語等の語学需要が高まり、教育ビジネス市場は堅調な成長を維持する見込みです。
こうした環境下において、当社グループは教育分野における能力測定技術・教育ツールの研究・開発に注力し、特に語学を中心として「CASEC」、「TEAP CBT」、「スタディギア」に代表される試験サービス、学習サービスを提供してまいりました。また、語学以外では国、地方公共団体、国際機関等の公的主体の実施する学力調査の受託をしてまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高2,871,030千円(前年同期比43.8%減)、営業損失46,938千円(前期は273,811千円の利益)、経常損失107,623千円(前期は195,043千円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失120,994千円(前期は5,269千円の利益)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
① e-Testing/e-Learning事業
e-Testing/e-Learning事業においては、英検協会と株式会社教育デジタルソリューションズと共同で提供する英ナビ・スタディギアにおいて、英検受験者数の拡大によりライセンス収入が拡大しました。また、企業・学校向け英語能力判定テストの「CASEC」の提供も順調に拡大しました。この他、英検協会及び上智大学と共同で開発し英検協会と共同で運用する「TEAP CBT」の商業提供及び英検4-5級スピーキングシステムや英検団体サポートシステム等のテストシステム提供等を開始いたしました。さらに、また海外において「CASEC」を中心としたライセンス等を提供しました。その結果、売上高は1,890,484千円(前年同期比8.2%増)、セグメント利益は438,092千円(前年同期比34.2%減)となりました。
② テスト運営・受託事業
テスト運営・受託事業においては、英検協会が提供する「TEAP CBT」、「英検Jr.」等のテスト及びコンテンツの開発を英検協会から引き続き受託した他、平成29年度OECD加盟国の学習到達度調査(PISA)、国際成人力調査(PIAAC)、国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)、IRTを活用した埼玉県学力調査等を受託いたしましたが、平成28年度に受託した全国学力・学習調査事業を平成29年度においては受託しなかった結果、売上高は980,545千円(前年同期比70.8%減)、セグメント利益は147,048千円(前年同期比10.9%増)となりました。
第4期第3四半期連結累計期間(自 平成29年10月1日 至 平成30年6月30日)
当第3四半期連結累計期間の当社グループの連結業績は、売上高2,473,030千円、営業利益102,309千円、経常利益29,559千円、親会社株主に帰属する四半期純損失152,604千円となりました。当第3四半期連結累計期間においてはe-Testing/e-Learning事業、テスト運営・受託事業ともに順調に売上が拡大し、また株式会社NTTドコモとの資本・業務提携に基づき同社が開発・運営する大学入試に向けた英語4技能学習サービス「English 4skills」に英語4技能学習コンテンツやAI自動採点技術を搭載したレベルチェックテスト等を提供するとともに、株式会社旺文社との共同事業である英語以外の教科も含めた動画学習アプリを「スタディギア」ブランドにて提供する多教科プラットフォームを開始しました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① e-Testing/e-Learning事業
e-Testing/e-Learning事業においては、英検協会と共同で運営する英語学習者向けサイトの「英ナビ!」の運営及び同サイト上で展開する学習ツールの「スタディギアfor EIKEN」の提供に伴うライセンス収入が順調に増加しました。また、企業・学校向け英語能力判定テストの「CASEC」の販売も引き続き順調に推移するとともに、英検協会向けの英検4‐5級スピーキングテストや英検団体サポートシステムの提供に伴うライセンス収入が拡大しました。一方、海外のソフトウエアラインセンス代理契約に基づくライセンス購入に伴う費用が発生しました。その結果、売上高は1,680,473千円、セグメント利益は438,008千円となりました。
② テスト運営・受託事業
テスト運営・受託事業においては、埼玉県学力・学習状況調査及び大学入試センターが実施しているセンター試験の願書受付業務・結果送付業務の受託が売上に貢献しました。また、平成30年1月にサービスリリースをおこなったAI文字認識エンジンを活用した新規案件のサービス提供が売上に貢献しました。その他、株式会社NTTドコモが開発・運営する英語4技能学習サービス「English 4skills」への英語4技能学習コンテンツやAI自動採点技術を搭載したレベルチェックテスト等の提供や株式会社旺文社との共同事業である多教科プラットフォーム提供開始に関連する開発受託も売上に貢献しました。その結果、売上高は792,556千円、セグメント利益は205,110千円となりました。
(2)キャッシュ・フロー
第3期連結会計年度(自 平成28年10月1日 至 平成29年9月30日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、2,722,212千円(前連結会計年度末比1,035,002千円増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは123,696千円の収入(前連結会計年度は5,375千円の支出)となりました。これは、前払費用の減少額199,304千円(前連結会計年度は増加額199,070千円)、減価償却費147,406千円(前連結会計年度は85,892千円)等の増加要因、税金等調整前当期純損失△107,623千円(前連結会計年度は税金等調整前当期純利益162,438千円)、売上債権の増加額6,678千円(前連結会計年度は増加額511,122千円)、仕入債務の減少額179,384千円(前連結会計年度は増加額121,649千円)、未払消費税等の減少額132,702千円(前連結会計年度は増加額103,794千円)等の減少要因の影響によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは549,783千円の支出(前連結会計年度は870,159千円の支出)となりました。これは、ソフトウエア開発による無形固定資産の取得による支出426,823千円(前連結会計年度は390,572千円)、投資有価証券の取得による支出39,152千円(前連結会計年度は169,640千円)などの影響によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは1,453,831千円の収入(前連結会計年度は1,364,908千円の収入)となりました。これは、社債の償還による支出590,000千円(前連結会計年度は30,000千円)があるものの、社債の発行による収入1,044,006千円(前連結会計年度は594,908千円)などの影響によります。