有価証券報告書-第4期(令和1年10月1日-令和2年9月30日)

【提出】
2020/12/28 17:08
【資料】
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【項目】
132項目

有報資料

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日時点において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
社名のアンビスは、AmbitiousとVision(大志ある未来像)の造語であります。そして、当社グループは「志とビジョンある医療・介護で社会を元気に幸せに」を企業理念(ミッション)に掲げています。
わが国では、これまで永らく病院に医療資源を集中させる構造をとってまいりました。従来の急性期患者を対象とした「病院完結型」から、高齢者や慢性疾患患者の機能維持・向上を対象とした「地域完結型」の社会保障体制(地域包括ケアシステム)への移行改革が行われようとする今、その構造による体制硬直が改革の障壁となっております。この現状を打破するべく推進される在宅医療は、医療を人々のくらしに還し、病院と地域を親和させるといった医療のパラダイムシフトをもたらすことを期待するものであります。
2013年の創業以来、当社グループは、住み慣れた地域で在宅療養を得られずに困っている高齢者ほかのニーズに応えるべく、医心館事業を提案し、実直に取り組むことを続けてまいりました。結果、医心館はこの展開地域で在宅療養を含めた地域包括ケアシステムや「地域医療」のプラットフォームとして受け入れられているものと認識しております。今後、医心館事業を拡大展開していくにあたり、当社グループとその事業に期待される役割はますます重要かつ大きなものになっていくと見通しております。
当社グループは、時流に即して行動することのみならず、時流を先読み、さらには自ら時流を生み、新市場を拓くことで成長する会社でありたいと考えております。これからも、既成概念にとらわれず、社会が直面する課題を解決していくことを通じて、企業理念(ミッション)「志とビジョンある医療・介護で社会を元気に幸せに」を実現してまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループでは、主な経営指標として、企業の事業活動の成果を示す営業利益やその推移のほか、収益性の判断指標では安定稼動した場合の施設ごとの営業利益率の推移を、財務の安定性判断の指標では自己資本比率を用い、これら指標の向上に意識をおき、バランスよく、かつ持続的に企業価値を拡大していくことを目指しております。また、企業価値を測る指標として、売上、営業利益及び親会社株主に帰属する当期純利益の前年比増による成長性及び営業利益率を重視しています。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループの中長期ビジョンは以下の3点であります。
a. ホスピス事業(医心館事業)を長期安定的な収益基盤とする
当社グループは、医療過疎地をはじめとした「地域」の医療を強化再生するプラットフォーマー(プラットフォームホルダー)として、またパイオニアとして、好循環を維持強化するための各種戦略を選択できる競争優位と先駆者の優位性をもっていると考えており、安定的かつ持続的な成長、そして長期的利益へと繋げてまいります。このために、既存の医心館事業を一層深耕し、業務効率を改善させ、人材の採用や教育に注力していくなど、積極的な事業展開を図ります。
b. 医療・看護介護のリーディングカンパニーになり、医療・福祉分野で新たな潮流を創生
さらに当社グループは、設立時の事業テーマ「新たな医療・介護の仕組みによる地域医療の活性化」を「新しい医療・看護介護のリーディングカンパニーになり、医療・福祉の分野で新たな潮流を背負う」に昇華させ、このテーマ、換言すれば目標を達成するために、医心館事業のみならず、必要とする周辺事業や新規事業を展開してまいります。
c. 医療財源の最適化を図り「地域医療の強化・再生」を推進し、未来医療の恩恵をひとりでも多くの人々に届ける
これらビジョンをふまえて、当社グループが設定した中長期戦略は以下の2点であります。
① 医心館事業規模(開設数)の拡大
② 地域医療(病院)強化再生事業への取組
① 医心館事業規模(開設数)の拡大
当社グループは、今後も医心館事業を積極的に展開します。
展開地域では、より厚い信頼(質)とより高いシェア(量)の両方を獲得し維持することを目指します。
具体的な行動方針はつぎのとおりであります。
a.入居者獲得方針
入居者は医療保険対象者、特にがん末期状態にある方、神経変性疾患など難治性の病の方、人工呼吸器を装着・気管切開されている方ほかを主とし、入居者獲得において他の介護事業者よりも競争優位な立場(競争回避の状態)を保持する方針です。
b.開発方針
当社グループでは、事業開始当初より、在宅療養において看護師をはじめ看護職員が果たす役割の重要性に着目してまいりました。国も訪問看護事業者を在宅医療における重要なプレーヤーとして位置づけ、訪問看護事業者に対して、規模の拡大による事業効率の向上と医療対応力の強化を求めています。現在、アンビスでは、訪問看護サービスの提供先が「医心館」内に留まっていますが、中長期的には自社の優れた医療対応力を「医心館」外や周辺事業で活かし、地域医療の強化再生にますます貢献できる企業となることを目指しております。
② 地域医療(病院)強化再生事業への取組
前述のとおり、医療過疎地では、病院の多くが医師の慢性的な不足と経営赤字という課題を抱え、病床の休廃止や廃院の危機に瀕しております。そこには、それらの病院に勤務する医師らは、病棟管理から救命対応までのすべてを少ない人員で行わざるを得ない結果としての過密な労働環境があります。医心館事業の本質は、病院の機能を大胆に切り分け、医師を外部化し、質の高い看護体制を施設に整え、慢性期・終末期を対象としたケアに特化して運営することにあります。これは医師の労働環境を、及び地域における病院(病床)の存在を危機から救う方策であります。当社グループの創業者である代表取締役の柴原慶一は、研究者から事業家へと転身した際には、この「本質」を地域医療再生へのアプローチのひとつとして構想し、当初はこれをそのまま事業目的化することになりました。地域の医療機関や医療従事者の専門性や役割を活かした連携によって地域医療を支える仕組みであり、それぞれが役割に特化することで一層の機能強化を促し、地域では医療資源が効果的かつ効率的に利用される姿を期待するものであります。
そして2020年3月、当社は地域医療が抱える経営赤字や医師の慢性的不足といった課題解決の一歩として、また既存の医心館事業とのシナジー効果を図りつつ地域医療再生事業に一層注力してまいりたく、医療機関及び介護施設の経営に関するコンサルティング等を目的とした連結子会社「株式会社明日の医療(あしたのいりょう)」を設立いたしました。株式会社明日の医療は、医療機関や介護施設の運営に関する総合的な支援を行います。診療報酬・介護報酬債権の早払いサービス(ファクタリング)等により、医療機関や介護施設の運営資金を確保し、その上で、長年の医心館事業で培った医療機関等とのネットワークにより、地域医療のプラットフォーム形成、病棟の転換、医療従事者の組織づくりといった病院の経営改善に必要な対策をアドバイスしています。また医心館との連携をはかることで入退院調整が有効に行われるようサポートしています。
中長期的には、医療機関との連携として、「医心館 名張」で病院(病床)を再活用したように、病院の空床スペースを有効活用した医心館もしくは訪問看護ステーションの開設や、同一敷地内での医心館開設による入退院調整の連携強化を視野に入れております。また、介護施設との連携として、医療依存度の程度に応じた入居者の相互紹介や、当社で育成をした経験豊かな看護職員・介護職員の人材支援、撤退を検討している介護施設の譲り受けもしくはM&Aなどを視野に入れております。地域医療の需要と供給に係る体制や質量の急激な変化を緩衝し、地域医療が安定的かつ持続的に運営存続できるよう当社グループが一丸となって対応していく方針であります。
(4) 会社の優先的に対処すべき課題
① 人材の確保、育成及び管理
当社グループが事業の規模、範囲並びに内容を安定的かつ持続的に、さらには発展的に拡大、開発するためには、それに見合った人材を確保、育成する必要があります。特に、医心館事業は看護職員の配置人数(体制)に強みをおく事業であり、適切な有資格者の確保と育成は事業の根幹であると言えます。また、経営資源としてのこれら人材を効果的かつ効率的に利用するために管理することも必要となります。医心館の展開が進むほどに人材の確保は有利となっている状況にありますが、医療・介護業界での慢性的な人材不足とこれに続く求人競争激化の環境は予断を許さない状況であります。当社グループでは、(他社と同様に)求人サイトやメディアを利用しておりますが、これを漫然と利用し続けることを避け、常に効果検証しながら積極的な採用活動を行い、必要とする質量の人材が確保できないリスクの低減に努めつつ、採用費も合理的な水準に抑えるよう取り組んでまいります。
② 財務健全性の確保
当社グループが今後も持続的に医心館事業を運営・展開していくためには、財務健全性の確保が不可欠であるため、着実な利益剰余金の積み上げとキャッシュフローの創出、有利子負債の管理を通じて財務基盤の強化に取り組んでまいります。
(5) 新型コロナウイルス感染症に関する対応
当社グループは、新型コロナウイルス感染症に対して、感染症対策に詳しい看護師からなる「新型コロナウイルス感染症対策本部」を設置し、従業員やご利用者、その他社内外のステークホルダーの安全・安心を第一に考えた対応を行っております。対策本部は厚生労働省の通達や感染対策情報に基づいた感染防止マニュアルを策定し、各拠点での実施を徹底しています。また、平常時よりも多くの従業員を採用するとともに、サージカルマスクやフェイスシールド、アルコール消毒液などの衛生材料の十分な確保に努めております。今後も更なる影響の長期化や再拡大の可能性に備え、新型コロナウイルス感染拡大に対する対策を適時適切に実行してまいります。

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