有価証券報告書-第11期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/03/25 15:14
【資料】
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【項目】
125項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営方針
a)経営理念
当社グループは、「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時にスポーツが持つ可能性を様々なフィールドで発揮し、個人、法人、地域社会そして日本の発展に貢献すること」という経営理念を掲げております。経営理念の一節にある「スポーツの可能性を様々なフィールドで発揮し」を社名の由来としており、当社がスポーツ自体の価値や可能性を高め、競技以外の様々なフィールドで発揮されている状態を作ることを経営方針としております。
主力事業であるスポーツ人財に特化した就職・採用支援事業では、求職者がスポーツを通じて培った素養を、競技以外のビジネスというフィールドで輝けるよう、最適な企業と結びつけることに取り組んでおります。当社から紹介したスポーツ人財一人ひとりが入社後の企業で活躍することで、スポーツの価値が発揮された事例を作っていくことが出来ています。
また、スポーツ人財の活躍によって雇用する企業も活性化されることにより、経営理念の一節にある「個人、法人、地域社会そして日本の発展に貢献」していると当社グループは考えております。
b)行動指針
当社グループに所属する役職員の9割以上がスポーツ人財であり、一人ひとりがスポーツの価値を体現する存在です。スポーツに対する価値観を共有する役職員一同が、当社グループの掲げる下記10の行動指針に沿って業務に取り組むことで、組織規模・社員規模が拡大し続けても同じ方向を向いて邁進しながら各々が持つ価値を発揮し、当社グループの長期的かつ持続的な成長を支えていくと考えております。
① カスタマーファースト
常にお客様の立場で誠実且つスピードある行動をし、満足ではなく、感動するサービスを提供する。
② プロ意識
目的、目標を達成する強烈な意志を持ち、結果・成果で応えられるよう、弛まぬ努力を行う。
③ ブレイクスルー
思考を止めず、考え抜く。考え抜けば必ず道はできる。飛び越えられない壁はない。
④ チームワーク
ONE FOR ALL, ALL FOR ONEの精神を持つ。
⑤ 信頼
人を信用しなければ、人から信用されることはない。まずは信用することから始めよう。
⑥ 感謝の念・感情移入
常に感謝の気持ちを持ち、相手以上に相手のことを考え、行動する。
⑦ 人間力
人に目指される存在であり、人に影響を与える人財になる。
⑧ 主体性
人生は自分が主役。自分が誇れる生き方をしよう。
⑨ 自己研鑽
チャンスは常に自己を磨き続けている人しか選んでくれない。
⑩ 挑戦
人生は一度。自分の可能性を信じ、常に夢、目標に向かい、情熱を持ち挑戦し続ける。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指し、事業規模の拡大と効率的な企業運営を重視しております。そのため当社は①売上高、②売上高営業利益率の2指標を、重要な経営指標と位置づけております。
(3)経営戦略
当社グループは、既存事業の質的・量的な成長に加え、スポーツに関わる新規事業の拡大により、「スポーツ人財会社」から「日本を代表するスポーツカンパニー」への飛躍を図るために、以下に記載された会社の対処すべき課題へ対応していくことが経営戦略上、重要であると認識しております。そのため、当社は求職者に対する深い理解と強力なグリップを今後も継続し強化していくため、優秀な従業員の採用と育成、自社サービスのサービス強化や認知度向上、組織管理体制の強化を行ってまいります。
(4)経営環境
2020年1月より世界に広がった新型コロナウイルス感染症の影響により、世界を取りまく環境は大きく変化しております。当社グループの主たる事業領域である人材サービス業界においても、国内外の景気動向、産業構造の変化、人々の働き方の変容・多様化等により、事業環境が大きく変動しております。
新卒採用市場においては、学生の就職活動・企業の採用活動の早期化・通年化・オンライン化の動きが加速、リファラル採用やジョブ型採用の拡大など新卒一括採用からの転換期を迎え、学生・企業のニーズに合わせたサービスの提供が求められる時代へと移行しております。
一方、少子高齢化による新卒人口の縮小を見据えた企業の若手獲得意欲に加え、当社における2020年12月期新卒者向け人財紹介事業の売上高が過去最高となったことが示すとおり、体育会学生に対する企業の採用ニーズは今後も高いものと考えております。
中途採用市場においては、2020年における転職者実数は、319万人と2019年から32万人減少し、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が顕在化しておりますが、終身雇用の崩壊や転職の一般化などによる雇用流動化の動きは今後も継続し、景気の持ち直しの動きが確認されるにつれて、加速していくものと思われます。様々な環境に適応し成果を発揮できる人財こそが企業から求められる中、スポーツに打ち込んだ経験がある人財は変化への適応力や環境が変わることへの耐性など、今後も高い価値を発揮し続けるものと考えております。
スポーツ界に目を向けると、コロナ禍において多くのスポーツイベントやスポーツに関わる活動が制限される事態となった一方で、改めてスポーツの価値が見直され、ポジティブな変化や新たなビジネスチャンスも生まれつつあります。スポーツへの関心は健康志向と相まって高まっている中、その価値は年々増しており、スポーツ関連市場は引き続き成長分野であると考えております。
(5)会社の対処すべき課題
a)当社並びに当社ブランド「スポナビ」の認知度向上
当社は、スポーツ人財領域に特化しているという強みを活かし、スポーツ人財領域において圧倒的なNo1となるためには、人財、採用企業、そして社会にむけたスポナビブランドの認知度向上が重要な課題と認識しております。当社は、マスに向けた企業広告を打ち出しておらず、また、営業手法としてOne to Oneのアプローチを重視しているため、当社の認知度は大手の同業他社と比較して大きく向上する余地があると考えております。具体的には、①既存事業の売り上げ規模の拡大、②オフィス出店エリアの拡大とオンラインの活用により47都道府県においてスポナビのサービスを拡充、③オンライン・オフラインを通じた広報・広告に対する人的・金銭的リソースの投下が挙げられます。③の広報・広告は、オウンドメディア上での記事の発信、SNS広告の最適化、「体育会学生の採用成功事例集を展開」によるサービス価値の訴求、大学との関係強化を目的とした学生向けキャリア講座の提供、官公庁や自治体の主導する各種スポーツ団体や制度への加盟や事業への参画や協力、大手スポーツ用品メーカーやプロアスリートと協働したCSR活動やスポーツ関係向けの各種セミナーの開催等とそれらの周知等を行っております。
b)体育会学生の登録数確保
当社の新卒者向け事業を継続及び拡大させていくためには、体育会学生の会員数を毎年確保、増加させていくことが重要です。そのために当社は、営業人員の増強と拠点の拡充を図ってまいります。そのうえで、①就職活動中の3~4年生だけでなく、同じ部活に所属する1~2年生にも同時にアプローチして将来の人財獲得への布石とすること、②当社が就職支援をしている体育会学生から同級生等を紹介してもらうこと、③サテライトオフィスの運営、オンライン面談の活用により未開発エリアに当社がカバーできる範囲を広げること、④LINE公式アカウント開設やビノベーションレポートを活用したアスリート応援キャンペーン等の活動による認知度向上と新規人財確保に取り組んでおります。
c)既卒のスポーツ人財の登録数確保
当社の既卒者向け事業を継続及び拡大させていくためには、既卒のスポーツ人財を継続的に確保することが重要です。スポジョバやデュアルキャリアといった人財の流入経路を拡大させるとともに、新卒採用向け人財ビジネスでつながりを持ったスポーツ人財に今度は転職者として再び登録いただく方法(※)と、インターネット広告・SNS広告等の広告媒体からサイトへ登録いただく方法により登録者数の増加を図っております。前者については、①新卒事業の営業社員と連携を取った、以前接点を持っていた元体育会学生へSNS・電話・対面等での現在の仕事状況の把握、②当社社員の業務外活動(社会人スポーツ団体等)を通じたスポーツ人財の発掘、③当社主催のセミナー等のイベントに参加してもらうこと等を通じて登録を促します。インターネット・SNS広告については、スポーツ人財が興味を持つ求人企業の案件やスポーツ人財を求めている求人企業の案件を掲載することで、登録人数の強化に取り組んでおります。
※現在の仕事状況を把握・確認し、すでに退職している方や退職について勤務先企業及び人財ともに合意している方に登録いただいております。また、人財の心身の健康に悪影響がある等のケースを除いて、当社から人財に対して退職・転職を促すことは行っておりません。
d)企画イベントにおける品質担保
当社は、イベント開催エリアの拡大とイベント開催回数の増加によって、全国の体育会学生とスポーツ人財の価値を評価する企業へのサービスの拡大を図ってまいりましたが、同時にイベントの品質担保・向上が重要課題と認識しております。具体的には①イベントに集客する学生数の担保、②イベントにおける参加学生の出展企業ブースへの着座人数の増加、③イベント運営オペレーションの改善が重要課題に挙げられます。
①について、イベントへの参加学生の少なさは、参加した顧客企業の満足度を引き下げます。そのため、当社の各種イベントにおいて、参加学生数の最大化は常に大きな課題です。現在は、イベント開催日の講演実施やビノベーションレポートの受講サービス等イベントにおける付加価値の提供、出展いただく企業の業界・業種バリエーションの最適化等の複数の施策に取り組んでおります。②については、面談や個別のやり取りを通じてイベント前に出展企業の情報提供、イベント当日においては、当社社員を会場内に配置し、学生個々人に合わせた出展企業紹介を行い、会場内でのマッチング促進に取り組んでいます。③については、事業企画部門が主導し各種オペレーションの改善・効率化を図っております。これらの施策の実効性を測るために、イベント参加企業の満足度調査を実施し、イベントの更なる品質向上を継続してまいります。
また、新型コロナウイルス感染拡大に伴いイベント開催が制限される状況においても、安定的に高品質のイベントサービスを提供できる体制が求められております。当社は、オンライン型イベントを開始、運営の充実を図り、また来場型イベントにおいては、新型コロナウイルス感染拡大予防策を徹底したうえで、開催規模やイベント内容を状況に応じて柔軟、適切に対応できる体制を構築しております。
e)従業員の採用・定着
当社グループは、2020年12月末時点での従業員数は233名となっております。当社提供の就職支援サービスに登録いただいた人財に対して、質の高いサービスを提供するためには、当社グループの従業員数の更なる増加が必要であると認識しております。当社は、スポーツ人財並びに企業との密な関係構築のために、営業社員一人当たりが担当する人財数・社数を極端に増加させないことから、特にスポーツ人財採用支援事業の売上拡大のためには、従業員の人数確保が重要であると考えております。そこで、①2020年1月に人財開発室を設置し、自社採用の業務や評価基準を設計・策定し、新卒・中途採の体系的な一元管理のもと積極的な新卒・中途採用活動を行うとともに、②スポーツ人財採用支援事業で接点をもったスポーツ人財のうち、適性がある方から当社グループへの入社を希望された場合には自社の選考も案内すること、③出産休暇・育児休暇・有給休暇の取得促進、④在宅勤務の導入、⑤各種従業員表彰等の評価制度の充実、⑥社内広報による従業員エンゲージメント向上活動等を実施し、定着への施策も取り組んでおります。
f)従業員の育成
当社グループの事業継続及び拡大には、従業員数の増加とともに、一人ひとりが提供するサービスの質を担保することが重要だと認識しております。2020年1月に人財開発室を設置し、各階層別のあるべき姿を設定したうえで具体的な要件を定義し、必要な研修を実施しております。具体的には、管理職の育成・研修(月次の管理職研修、予算策定・管理、新オフィスの立ち上げ等)、従業員レベルの育成・研修(入社時研修、代表取締役による理念研修、中堅社員研修、新卒社員年間研修等)等が挙げられます。また、営業人員の業務レベルを評価するためのスキルチェックを開始、定期的に行うことにより、営業人員の体系的・継続的な育成を図っております。
g)事業領域の拡大と新規事業の創出による事業ポートフォリオの多様化
当社は経営理念の一節に掲げるとおり、スポーツの価値や可能性を様々なフィールドを発揮することを目的としており、また、収益源の多様化のためにも、新規事業の創出に積極的に取り組んでまいります。2020年9月よりサークル・クラブ活動も含めた広義のスポーツ人財を対象とするスポチャレ事業を開始、「スポーツの経験は就活の力になる」という軸は変わらず、事業領域の拡大を図っております。また、2020年5月に事業譲受したスポジョバを新たな切り口として既存事業とのシナジーを高めスポーツ関連企業へサービスを拡充いたします。また、デュアルキャリア事業は契約スポーツチーム数及び支援アスリート数の増加を通じて売上拡大を図ります。
h)経営管理体制の強化
当社グループは、事業継続・拡大の基礎となる経営管理体制、コーポレート・ガバナンスをより強化し、事業・組織運営上の問題点の把握・集約、コンプライアンスの徹底、適切なディスクロージャーやIR活動に取り組むことが企業価値の向上に繋がるものと認識しております。そのために、当社グループでは①2020年6月コンプライアンス審査会を設置し、新サービス・新事業開発等に伴うコンプライアンスチェック(法令並びに倫理面)体制を強化、②管理本部・経営戦略本部の人員を増強し、③各種規程を整備し、全役員・従業員向けに研修や周知徹底することにより経営管理体制を強化しております。
i)情報管理体制の強化
当社グループは、スポーツ人財採用支援事業を通じて、多数のスポーツ人財の個人情報並びに企業の採用情報を有しているため、情報管理が重要課題であると認識しております。当社グループにおいては、社内規程(情報管理規程・情報セキュリティ規程・個人情報保護管理規程等)の制定及び運用、定期的な社内教育の実施、ICT開発本部を中心としたセキュリティシステムの整備等を実施し、情報管理体制の維持及び強化を図ってまいります。
j)基幹システムの強化
当社グループは、今後の事業規模拡大に向けて、取引案件及び人財情報の増加が見込まれるため、基幹システムのうち、特に営業管理システムの整備・改良・適切な運用を行うことで、人財・企業データ管理・分析力の向上による営業力強化と社内業務の効率化・省力化を図ってまいります。具体的には、①ICT開発本部並びに事業本部・管理本部との連携による改善箇所の洗い出しと改善の実施、②営業管理システムへの新しい機能の拡充、③ICT開発本部従業員への最新のIT技術の教育、④ICT開発本部での優秀な従業員確保に注力しております。

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