有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/02/06 15:00
【資料】
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【項目】
133項目
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
①コーポレート・ガバナンスに対する基本的な考え方
当社では、世界で勝てる成長産業・成長企業を日本から生み出すために、「for Startups」という経営ビジョンを掲げております。この経営理念に基づいて、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を図るとともに、ユーザー、クライアント、株主、従業員、取引先、社会等のステークホルダーに対する社会的責任を果たすため、経営のさらなる効率化と透明性の向上、業務執行の監督機能の強化等のコーポレート・ガバナンスを重視しております。このため、株主総会、取締役会及び監査役会並びに経営会議等の各機関の運営を徹底するほか、内部統制システムの整備・運用を充実させることによって、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組むとともに、株主、投資家の皆様に公正な経営情報の開示の適正性を確保してまいります。
(親会社からの独立性の確保について)
当社の親会社である株式会社ウィルグループは、当社の議決権の92.0%を有する支配株主であります。当社は、「for Startups」という経営ビジョンを掲げ、成長産業をより一層支援するために、当社自らが上場会社となるにあたり、より効率的かつ透明性のある経営システムを構築することとしております。
一方で、当社の親会社である株式会社ウィルグループは、上場子会社としての部分最適を認めながらも、グループ全体としての企業価値の最大化の観点から、当社の上場後も引き続き当社の株式の過半数を所有する方針であると伺っております。
このような状況の中、本書提出日現在、取締役6名のうち親会社出身者の取締役を1名のみ選任しております。また、当社の営業取引において親会社等のグループ会社との取引はありませんが、親会社と一般株主との間に利益相反リスクが存在していることに鑑み、親会社等のグループ会社との利益相反取引を含む関連当事者取引については、関連当事者取引管理規程に基づき、当該取引の経済合理性等を確認し、取締役会の承認を得ることとしており、取引の健全性及び適正性を確保する体制を構築しております。
以上により、一般株主の保護を果たしながら、グループ経営を効率的に行い、企業価値を高める体制として、当社は、現在の体制が適切であると考えております。
②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
イ)企業統治の体制の概要
当社は、取締役会、経営会議、監査役会を設置すると共に、内部監査担当者を選任しております。また、業務執行の効率化の実現を図ることを目的として、執行役員制度を導入しております。これら各機関の相互連携により、コーポレート・ガバナンスが有効に機能すると判断し、現状の企業統治体制を採用しております。
・取締役会
取締役会は、代表取締役社長志水雄一郎を議長に、取締役6名(取締役兼コーポレート本部長菊池烈、取締役兼タレントエージェンシー本部長恒田有希子、取締役兼アクセラレーション本部長清水和彦、取締役大原茂、社外取締役齋藤太郎)で構成されており、法令及び定款に定められた事項、経営の基本方針、業務の意思決定のほか、取締役間の相互牽制による業務執行の監督を行っております。また、当社では、経営陣による迅速な意思決定と業務執行を可能とするため、原則として月1回の定時取締役会の他、必要に応じて臨時取締役会を開催するとともに、取締役会規程において、取締役会に付議すべき事項を具体的に定めております。
・監査役会
監査役会は、常勤社外監査役志磨純子を議長に、監査役3名(社外監査役秋元芳央、監査役澤田静華)で構成されております。監査役会は、原則として月1回の定時監査役会の他、必要に応じて臨時監査役会を開催し、監査計画の策定、監査実施状況、監査役相互の情報共有を図っております。なお、各監査役は、取締役会及び必要に応じてその他の社内会議に出席し、取締役の職務遂行を監督するとともに、監査計画に基づいて会計監査及び業務監査を実施しております。また、監査役会は、内部監査担当者や会計監査人とも連携し、効率的かつ効果的な監査を実施しております。
・経営会議
経営会議は、代表取締役社長志水雄一郎を議長に、7名(取締役兼コーポレート本部長菊池烈、取締役兼タレントエージェンシー本部長恒田有希子、取締役兼アクセラレーション本部長清水和彦、常勤社外監査役志磨純子、執行役員六丸直樹、執行役員戸村憲史)で構成されております。経営会議は原則として月2回開催しており、各部門の業務執行状況の報告、取締役会決議事項の事前審議及び重要事項に関する協議、決定を行っております。
・執行役員制度
当社は、戦略的意思決定・監督機能を取締役の役割とする一方、日常的な業務執行の権限・責任を執行役員に与えることで、双方の機能を強化することを狙いとして、執行役員制度を導入しており、2名の執行役員がその職務を担っています。執行役員は取締役会により選任され、定められた分担に従い業務執行を行っております。執行役員の任期は1年となっております。
なお、当社のコーポレート・ガバナンス及び内部監査体制の概要は以下のとおりです。
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ロ)上記体制を採用する理由
当社は、自社の規模を勘案し、迅速な意思決定及び効果的な内部牽制の両立を図るのに有効であると判断し、当該体制を採用しております。
③企業統治に関するその他の事項
当社は、業務の適正性を確保するための体制として、2018年9月14日開催の取締役会にて「内部統制システムに関する基本方針」を定めており、当該基本方針に基づき内部統制システムの運用を行っております。
その概要は以下のとおりであります。
イ)内部統制システムの整備に関する基本方針
(a)取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
・取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するため、「コンプライアンス規程」を定め、法令遵守の推進を図っております。
・コンプライアンス責任者である代表取締役社長を委員長とし、取締役等で構成されるコンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンス体制の企画・運営等に関する重要事項を審議しております。
・内部通報窓口を設け、当社役職員等が内部統制や法令に違反する問題を発見した場合に、迅速に当社のコンプライアンス所管部署に情報伝達する体制を構築・運用しております。
・内部監査担当者を選任し、業務の有効性、財務報告等の信頼性、コンプライアンスの観点から、内部統制の整備・運用状況を検証するとともに、その改善に向けて助言・提言を行っております。
・インサイダー取引については、「インサイダー取引防止規程」を定め、防止しております。
・重要事実に係る情報管理については、「適時開示規程」を定め、情報の適時、公正かつ公平な開示を図っております。
・コンプライアンス意識を徹底・向上させるために、取締役及び使用人に対してコンプライアンスの教育・研修を継続的に実施しております。
(b)取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理体制
・取締役会その他の重要な会議における意思決定に係る情報、その他の重要な決裁に係る情報並びにコンプライアンスに関する情報等、取締役の職務執行に係る情報は、「文書管理規程」に従って、文書または電磁的媒体に記録、保存または廃棄しております。
・取締役または監査役から閲覧の要請があった場合に閲覧が可能である方法で保存しております。
(c)損失の危険の管理に関する体制
当社のリスク管理体制は、リスク要因を適時に捉え、迅速に経営に反映させることが必要との観点に基づき構築しております。取締役会のほか、その他の会議を必要に応じて開催し、リスクに関する重要事項を早期に発見し、リスク管理の進捗状況その他問題点等を速やかに把握する体制を整えております。なお、不測の事態が生じた場合には、代表取締役社長を中心とした対策委員会を設置し、監査役、顧問弁護士その他外部アドバイザー等と連携し、損失を最小限にすべく迅速に行動する方針であります。
(d)取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
・取締役会は、取締役の職務執行が効率的にかつ適正に行われているかを監督しております。また、取締役及び使用人は、決裁に関する基準等に基づき、重要性に応じた意思決定ルールに従うことで、意思決定の迅速化を図り、効率的に職務を執行しております。
・執行役員制度を導入し、日常的な業務執行の権限を執行役員に与えることで、取締役の役割を戦略的意思決定・監督機能に注力させ、業務執行の効率性と業務執行の監督機能の強化を図っております。
・当社の取締役が意思決定及び業務執行を効率的に行うことを目的として、経営会議等の会議体を設置し、運用しております。
(e)監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項ならびにその使用人の取締役からの独立性に関する事項
・監査役がその職務を補助する従業員を置くことを求めた場合には、当該従業員を配置するものとし、配置にあたっての具体的な内容(使用人の任命、異動、人事考課、賞罰等)については、監査役の意見を尊重した上で行うものとし、当該使用人の取締役からの独立性を確保する方針であります。
(f)監査役への報告に関する体制、及び当該報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
・監査役は、取締役会のほか、重要な意思決定の過程及び業務執行状況を把握するため、重要な会議または委員会に出席しております。
・監査役には主要な決裁書類その他の重要書類が回付され、また要請があれば直ちに関係書類・資料等が提供される体制となっております。
・監査役は、内部監査担当者よりその監査計画や監査結果の定期報告を受け、内部監査との連携を確保しております。また、監査役は、コンプライアンス委員会より内部通報制度の運用状況の定期報告を受けております。
・取締役及び使用人が、監査役への報告または内部通報窓口への通報により、人事評価において不利な取扱いを受けることはなく、また懲戒その他の不利益処分の対象としないことを、社内規程に明示的に定め、教育・研修の機会を通じて周知徹底しております。
(g)監査役の職務の執行について生ずる費用または債務の処理に係る方針、及びその他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
・監査費用については、各監査役からの申請に基づき法令に則り当社が負担しております。また、必要に応じて外部の専門家を起用するために要する費用についても、当社が負担しております。
・取締役は、監査役監査基準を理解するとともに、監査役監査の重要性・有用性を十分認識し、また、監査役監査の環境整備を行っております。
・監査役が代表取締役社長や会計監査人と定期的に情報・意見を交換する機会を設けております。
・監査役は、会計監査人と定期的に会合を持ち、積極的な意見交換・情報交換を行っております。
ロ)リスク管理体制の整備の状況
当社のリスク管理体制は、リスク要因を適時に捉え、迅速に経営に反映させることが必要との観点に基づき構築しております。取締役会のほか、経営会議を必要に応じて開催し、リスクに関する重要事項を早期に発見し、リスク管理の進捗状況その他問題点等を速やかに把握する体制を整えております。なお、不測の事態が生じた場合には、代表取締役社長を中心とした対策委員会を設置し、監査役、顧問弁護士その他外部アドバイザー等と連携し、損失を最小限にすべく迅速に行動する方針としております。
ハ)責任限定契約の内容の概要
当社と取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)及び監査役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、200万円以上であらかじめ定めた額と法令の定める最低責任限度額とのいずれか高い額としております。なお、当該責任限定が認められるのは、取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)または監査役が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失がないときに限られます。
ニ)取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。また、取締役の選任について、累積投票によらない旨定款に定めております。
ホ)監査役の選任の決議要件
当社は、監査役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。
ヘ)取締役の定数
当社の取締役は、9名以内とする旨定款に定めております。
ト)株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に規定する株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
チ)取締役会決議事項とした株主総会決議事項
(a)剰余金の配当等の決定機関
当社は剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法定に別段の定めのある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議によって定めることができる旨定款に定めております。これは、剰余金の配当等を取締役会の権限とすることにより、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものであります。
(b)取締役及び監査役の責任免除
当社は、職務の遂行にあたり期待される役割を十分に発揮することができる環境を整備することを目的として、取締役(取締役であった者を含む。)、監査役(監査役であった者を含む。)の会社法第423条第1項の損害賠償責任について、法令に定める要件に該当する場合には、会社法第425条第1項の規定により免除することができる額を限度として、取締役会の決議によって免除することができる旨定款に定めております。
(c)自己株式の取得
当社は、機動的な資本政策の遂行を確保するため、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって、自己株式を取得することができる旨定款に定めております。