訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/03/11 15:00
【資料】
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【項目】
150項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、社是として「信頼を高め 付加価値を創造し 人間を豊かにする」としており、以下に示す4つの役割を通して企業の社会的責任を果たし、すべてのステークホルダーに信頼され喜ばれ、広く社会に貢献する企業を目指しております。
1)私たちは、生活の基盤を支える都市インフラの防耐火にこだわり、高品質な耐火建材の普及促進、機能向上を通して、人命の保護と社会資本の保全に貢献する
2)私たちは、地球温暖化など世界規模で深刻化する環境問題への解決に向け、工業設備分野等の断熱技術の高度化を通して、産業施設の安全・安定運用に寄与し、より一層の省エネルギー、温室効果ガス排出削減の推進に貢献する
3)私たちは、近年、発展を続ける世界の国々や地域においても、防耐火や省エネルギーに対する要求が高まっていることに鑑み、企業活動のグローバル化を積極的に推し進め、全世界の持続可能な成長に貢献する
4)私たちは、これまで事業基盤としてきたゾノトライト系けい酸カルシウムの枠にとらわれず、多様化する顧客ニーズに応えるべく、オープン・イノベーションを通して、新しい事業分野に果敢に挑戦し、社会に対して新しい付加価値を提供する
これらの役割を果たすため、内部統制水準の向上、人材の育成に努めるとともに、製品の安定供給体制を維持向上させ、継続的な企業体質の改善強化に努めております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、企業の成長並びに生産性向上を測定するうえで、売上高、営業利益及び配当水準を重視しております。成長性と収益性の観点から、2020年3月期から2022年3月期までの中期経営計画を策定し、目標達成に向けての取り組みを行っております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、従来、1000℃に耐える耐熱性を有し、かつ高い断熱性等優れた特性を併せ持つ、ゾノトライト系けい酸カルシウム材の用途開発に努めてまいりました。今後も、様々な顧客ニーズに応じて、けい酸カルシウムは当然として、けい酸カルシウム以外の基材を用いた種々の派生品開発にも努め、品質保証力及び事業基盤の強化を継続しながら、国内外の市場拡大に努めてまいります。
(4) 対処すべき課題
当社グループが対処すべき当面の課題としては、主に下記の6点があります。
1.市場の拡大、収益の確保
① 国内事業の拡大
国内市場については、建設投資を確実に受注につなげられるよう営業力の強化を図ると共に、更なる工事管理強化による採算性の向上を図っております。
1)プラント事業においては、保温材のシェア拡大、建設案件の営業強化等を図っております。
2)建築事業においては、耐火被覆材のシェア拡大、既存製品の性能・機能の向上等を進めております。
3)商品技術研究所においては、将来の収益の一翼を担う新規商品を模索しております。
② 海外事業の推進
以下の対策等により海外事業の拡大を図っていくものであります。
1)ベトナム工場の安定稼働を維持すべく、全力で取り組んでおります。
2)ベトナム工場生産品の販路拡大のため、海外、とりわけ東南アジアにおける営業を、各国の販売代理店と協調しながら一層の強化を進めていくものであります。
3)ベトナム工場Ⅰ期工事に続く次のステップとして、その増設工事、Ⅱ期工事或いは他地域での生産拠点の整備などの選択肢より、投資のあり方や実施のタイミングについて検討しております。
4)建築事業においては、市場拡大に向けてアジア地区でのリサーチを開始しております。
2.コンプライアンスの徹底
コンプライアンスは経営の根幹をなすものであり、これまで以上に役職員に対するコンプライアンス教育を徹底する他、コンプライアンスを推進するために必要な体制の整備及びその確実な運用を図っております。
また、反社会的勢力とは関係を一切持たない経営を推進しております。
3.コーポレートガバナンス・コードへの対応
コーポレートガバナンス・コードへの適切な対応を推進しております。
4.危機管理への対応
当社を取り巻く様々なリスクを事前に認識し、リスクが顕在化しないよう、また、海外展開の推進に伴い増加するリスクに対し、適切な対策の実施に努めております。
特に、建設アスベスト損害賠償請求訴訟については、弁護士と協議し、適切な対応に努めております。
5.人材の確保・教育、働きやすい職場環境の整備
効率経営を目指し、社員の生産性向上、少数精鋭体制の確立のため、社員教育の強化、有能な人材の確保に努めております。
また、次世代経営者、次世代幹部候補者の育成及び女性社員を含めた多様な人材の育成を進めるとともに、社員にとって働きやすい職場となるよう、環境整備に努めております。
従前に引き続き、海外生産体制並びに海外営業の強化を進め、さらにグローバル人材の確保のため、英語教育の強化、外国人の登用等を通じ、海外業務に対応できる体制の強化に努めております。
6.品質維持への対応
労働災害、品質クレームゼロを目指し、日頃からの管理の徹底、発生時の原因追究及び対策実施を徹底しております。
上記課題に対処し、社会的責任を果たすため、コンプライアンス体制の強化を図り、事業環境の変化に対応したコーポレート・ガバナンスの一層の充実を推進し、取引先からの信頼の向上に努めております。また、技術力・開発力の強化、収益力の向上を図り、さらに企業価値を高めることにより株主からの支持を得られるよう全社を挙げ努めております。