有価証券報告書-第11期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は創業以来「学びを革新し、誰もが持っている無限の力を引き出す」というミッションのもと、人間が本来持っている能力を最大限に引き出す支援をするのが私たちの使命と考えております。
世の中の変化のスピードは早く、個人、組織に求められているのは、学習を通じて変化に適応し、変化をチャンスとしてとらえ、活かすことです。学習は、単なる「勉強」ではなく、人や組織が今までできなかったことをできるようにする手段であると考えております。そのために「学び」という人間にとって必要不可欠なことをテクノロジーによって革新し、人や組織の成長を支援してまいります。
また、「世界一『学びやすく、わかりやすく、続けやすい』学習手段を提供する」というビジョンのもと、これからの時代に求められる「学び」についての各種サービスを展開し、人材育成の新たなスタンダードになるべく事業展開をしていきます。
(2)目標とする経営指標等
当社は、持続的な成長と企業価値向上を目指しており、全社的な主要な経営指標として売上高、営業利益を重視しております。
個人向け資格取得事業(スタディング)では、資格取得に興味がある個人が主なターゲット顧客であり、無料講座をお試し頂いた上でコースを購入して頂く販売形態になっております。売上の計上方法については、コースを購入した際の受講料(現金ベース売上高)を、コースの受講期間で按分し、受講期間中に毎月均等額の売上を計上する形になっております。
そのため、事業運営上重視する経営指標としては、会員による受講料の支払い額の総額となる現金ベース売上高及び新規有料登録会員数(ユニーク数)をKPI(Key Performance Indicators)としております。
法人向け教育事業では、企業を取り巻く環境変化により、従来の集合研修を中心にした階層型の社員教育から、より実践的なスキルを効率的に身に着けるオンライン教育の必要性が高まっております。
法人向け事業で展開するエアコースでは「最も社員教育を効率化できるサービス」になるために、学習管理システム(LMS)やコンテンツを強化し、社員教育のデジタルトランスフォーメーションができるプロダクト力を高め、マーケティング、販売力を強化し、パートナーモデルを確立することを目標にしております。
そのため、事業運営上重視する経営指標としては、法人事業における売上高、エアコースの契約企業数及び平均解約率をKPIとしております。
(3)経営環境
当社をとりまく経営環境については、矢野経済研究所「教育産業白書2020年版」によれば、2019年度の教育産業全体の市場規模(15分野の合計)(注1)は前年度比0.3%増の2兆7,747億円(注2)となり、前年度の市場規模から大きな変更は見られませんでした。2020年度につきましては、緊急事態宣言の発出により、事業活動が制限された4月から5月にかけて多くの業界・企業は大きなマイナス影響を受けたものの、緊急事態宣言解除後、事業活動の本格稼働・再開に伴い、集客及び業績は回復基調にあります。しかしながら、前年と同水準までの回復は見込みにくく、市場規模は2兆6,978億円と2019年度比で2.8%程度の縮小が予測されております。なお、少子高齢化が進む我が国においても、生涯にわたる教育の重要性や企業向けの人材育成のニーズは高く、引き続き教育産業は堅調に推移する傾向が予想されています。
個人向け資格取得市場
当社の個人向け資格取得支援サービス(スタディング)が主な事業領域とするのは、教育産業のうち「資格取得学校市場」ですが、矢野経済研究所「教育産業白書2020年版」によれば、資格取得学校市場の2019年度の市場規模は、前年度比0.5%増の1,860億円と微増しております。2020年度の予測につきましては、新型コロナウイルスの影響により、緊急事態宣言発出後の都市部のスクールでは新規の問い合わせが前年比80%程度まで落ち込むケースも見られ、各社ではオンライン・映像授業にシフトする傾向となりました。市場全体としては、一部資格講座は前年を上回るまでになっているものの、前述したコロナ禍での事業活動へのマイナス影響等により、前年度比8.6%減の1,700億円と予測されています。このように、前年に引き続き教室型の大手資格スクールの売上が減少傾向にあり、より単価の安いWeb受講に受講者が流れている事が挙げられており、当社の提供するスタディングのような、従来の資格スクールよりも安価なWeb講座が存在感を増しています。
法人向け社員教育市場
当社の法人向けの社員教育クラウド(エアコース)が主な事業領域とするのは、教育産業のうち「eラーニング・映像教育市場(B2B向けネットワーク・ラーニング)」であり、2020年度の市場規模は2019年度比0.9%増の690億円となっています。増加の要因としては、新型コロナウイルス感染症の影響によって遠隔教育の需要が高まり、eラーニングのユーザー数を増加させることが想定され、企業の人材育成ニーズの活性化により、eラーニングや動画を使った教育関連サービスの投資増もあって好調に推移しております。
従来、社員教育の主軸とされてきた集合研修の市場は「企業向け研修サービス市場」に分類されますが、2020年度の市場規模は2019年度比1.3%減の5,200億円と、新型コロナウイルスの感染拡大によるマイナス影響を受ける形で企業業績が悪化、研修予算の削減圧力が高まるとの予想から、マイナス成長を予測しております。しかしながら、各企業のテレワークの推進等により、集合研修による社員教育が難しくなったため、集合研修の代替・補完手段としてeラーニングを活用する動きが見られています。このような状況を考慮すると、今後も企業向けの社員研修や集合研修は、よりeラーニングへシフトしていくことが予想されます。
注1 15分野とは学習塾・予備校、家庭教師派遣、幼児向け通信教育、学生向け通信教育、社会人向け通信教育、幼児向け英会話教材、資格取得学校、資格・検定試験、語学スクール・教室、幼児受験教育、知育主体型教育、幼児体育指導、企業向け研修サービス、eラーニング、学習参考書・問題集を指します。
注2 事業者の売上高ベース
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 安定的な収益基盤の強化
当社は、今後の持続的な成長を実現するためには、安定的な収益基盤の確保と強化が必須であると考えております。主力の個人向け資格取得事業については、既存講座の内容の改良や、学習システムの強化等を行い、継続的な収益を確保しつつ、販売効率の改善等による収益力の強化を進めてまいります。また長期的視点に基づき、収益性の高い新たな講座を開発するなど安定的な事業基盤の確立を目指します。② 収益源の多様化
当社の売上高は、個人向け資格取得事業が大半を占めております。個人向け資格取得事業は順調に伸長しており、また今後も資格取得市場がWeb講座にシフトする構造変化に伴い、当社サービスの優位性を明確にした差別化戦略を実行していくことで十分な成長余力があると考えております。一方で、中長期の経営戦略として考えると、個人向け資格取得事業における資格ごとの減衰や季節要因等のリスクを低減する必要があります。そのため、2018年7月に法人事業部を立ち上げ、法人向け教育事業を本格的に開始いたしました。法人事業部では、企業にニーズの高い社員教育クラウドサービスの販売を軸に、動画制作サービスや、資格講座など関連サービスの販売などを推進してまいります。さらに、社員教育クラウドサービスの競争力を高めた上で、将来的には日本国内だけではなく世界中に事業展開していきたいと考えております。エアコースでは海外現地法人を持つ企業向けに英語版のUI(ユーザーインターフェース)も提供を開始しており、現地法人の利用実績を基にした改善や競争力の強化をした上で、段階的に海外展開を進めてまいります。
③ 技術革新への投資
当社は「世界一『学びやすく、わかりやすく、続けやすい』学習方法を提供する」というビジョンの実現のため、IT技術を駆使した教育サービスを展開してまいります。そのため、最新の技術を取り込んだサービスの機能強化、機械学習を使い個別最適化した学習方法の提案など、人や組織がより効率的に学習できるようなサービスや機能の開発に投資を行い、競争優位性を高めることで長期的な成長を目指します。
④ 優秀な人材の確保及び育成
「学びを革新し、誰もが持っている無限の力を引き出す」というミッションに共鳴する優秀な人材を適時採用するとともに、持続的な成長を支える人材の育成を強化してまいります。また、当社の事業領域において市場リーダーシップを構築していくため、新しい顧客価値を創造できる次世代を担うリーダーの育成にも注力してまいります。
(1)経営方針
当社は創業以来「学びを革新し、誰もが持っている無限の力を引き出す」というミッションのもと、人間が本来持っている能力を最大限に引き出す支援をするのが私たちの使命と考えております。
世の中の変化のスピードは早く、個人、組織に求められているのは、学習を通じて変化に適応し、変化をチャンスとしてとらえ、活かすことです。学習は、単なる「勉強」ではなく、人や組織が今までできなかったことをできるようにする手段であると考えております。そのために「学び」という人間にとって必要不可欠なことをテクノロジーによって革新し、人や組織の成長を支援してまいります。
また、「世界一『学びやすく、わかりやすく、続けやすい』学習手段を提供する」というビジョンのもと、これからの時代に求められる「学び」についての各種サービスを展開し、人材育成の新たなスタンダードになるべく事業展開をしていきます。
(2)目標とする経営指標等
当社は、持続的な成長と企業価値向上を目指しており、全社的な主要な経営指標として売上高、営業利益を重視しております。
個人向け資格取得事業(スタディング)では、資格取得に興味がある個人が主なターゲット顧客であり、無料講座をお試し頂いた上でコースを購入して頂く販売形態になっております。売上の計上方法については、コースを購入した際の受講料(現金ベース売上高)を、コースの受講期間で按分し、受講期間中に毎月均等額の売上を計上する形になっております。
そのため、事業運営上重視する経営指標としては、会員による受講料の支払い額の総額となる現金ベース売上高及び新規有料登録会員数(ユニーク数)をKPI(Key Performance Indicators)としております。
法人向け教育事業では、企業を取り巻く環境変化により、従来の集合研修を中心にした階層型の社員教育から、より実践的なスキルを効率的に身に着けるオンライン教育の必要性が高まっております。
法人向け事業で展開するエアコースでは「最も社員教育を効率化できるサービス」になるために、学習管理システム(LMS)やコンテンツを強化し、社員教育のデジタルトランスフォーメーションができるプロダクト力を高め、マーケティング、販売力を強化し、パートナーモデルを確立することを目標にしております。
そのため、事業運営上重視する経営指標としては、法人事業における売上高、エアコースの契約企業数及び平均解約率をKPIとしております。
(3)経営環境
当社をとりまく経営環境については、矢野経済研究所「教育産業白書2020年版」によれば、2019年度の教育産業全体の市場規模(15分野の合計)(注1)は前年度比0.3%増の2兆7,747億円(注2)となり、前年度の市場規模から大きな変更は見られませんでした。2020年度につきましては、緊急事態宣言の発出により、事業活動が制限された4月から5月にかけて多くの業界・企業は大きなマイナス影響を受けたものの、緊急事態宣言解除後、事業活動の本格稼働・再開に伴い、集客及び業績は回復基調にあります。しかしながら、前年と同水準までの回復は見込みにくく、市場規模は2兆6,978億円と2019年度比で2.8%程度の縮小が予測されております。なお、少子高齢化が進む我が国においても、生涯にわたる教育の重要性や企業向けの人材育成のニーズは高く、引き続き教育産業は堅調に推移する傾向が予想されています。
個人向け資格取得市場
当社の個人向け資格取得支援サービス(スタディング)が主な事業領域とするのは、教育産業のうち「資格取得学校市場」ですが、矢野経済研究所「教育産業白書2020年版」によれば、資格取得学校市場の2019年度の市場規模は、前年度比0.5%増の1,860億円と微増しております。2020年度の予測につきましては、新型コロナウイルスの影響により、緊急事態宣言発出後の都市部のスクールでは新規の問い合わせが前年比80%程度まで落ち込むケースも見られ、各社ではオンライン・映像授業にシフトする傾向となりました。市場全体としては、一部資格講座は前年を上回るまでになっているものの、前述したコロナ禍での事業活動へのマイナス影響等により、前年度比8.6%減の1,700億円と予測されています。このように、前年に引き続き教室型の大手資格スクールの売上が減少傾向にあり、より単価の安いWeb受講に受講者が流れている事が挙げられており、当社の提供するスタディングのような、従来の資格スクールよりも安価なWeb講座が存在感を増しています。
法人向け社員教育市場
当社の法人向けの社員教育クラウド(エアコース)が主な事業領域とするのは、教育産業のうち「eラーニング・映像教育市場(B2B向けネットワーク・ラーニング)」であり、2020年度の市場規模は2019年度比0.9%増の690億円となっています。増加の要因としては、新型コロナウイルス感染症の影響によって遠隔教育の需要が高まり、eラーニングのユーザー数を増加させることが想定され、企業の人材育成ニーズの活性化により、eラーニングや動画を使った教育関連サービスの投資増もあって好調に推移しております。
従来、社員教育の主軸とされてきた集合研修の市場は「企業向け研修サービス市場」に分類されますが、2020年度の市場規模は2019年度比1.3%減の5,200億円と、新型コロナウイルスの感染拡大によるマイナス影響を受ける形で企業業績が悪化、研修予算の削減圧力が高まるとの予想から、マイナス成長を予測しております。しかしながら、各企業のテレワークの推進等により、集合研修による社員教育が難しくなったため、集合研修の代替・補完手段としてeラーニングを活用する動きが見られています。このような状況を考慮すると、今後も企業向けの社員研修や集合研修は、よりeラーニングへシフトしていくことが予想されます。
注1 15分野とは学習塾・予備校、家庭教師派遣、幼児向け通信教育、学生向け通信教育、社会人向け通信教育、幼児向け英会話教材、資格取得学校、資格・検定試験、語学スクール・教室、幼児受験教育、知育主体型教育、幼児体育指導、企業向け研修サービス、eラーニング、学習参考書・問題集を指します。
注2 事業者の売上高ベース
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 安定的な収益基盤の強化
当社は、今後の持続的な成長を実現するためには、安定的な収益基盤の確保と強化が必須であると考えております。主力の個人向け資格取得事業については、既存講座の内容の改良や、学習システムの強化等を行い、継続的な収益を確保しつつ、販売効率の改善等による収益力の強化を進めてまいります。また長期的視点に基づき、収益性の高い新たな講座を開発するなど安定的な事業基盤の確立を目指します。② 収益源の多様化
当社の売上高は、個人向け資格取得事業が大半を占めております。個人向け資格取得事業は順調に伸長しており、また今後も資格取得市場がWeb講座にシフトする構造変化に伴い、当社サービスの優位性を明確にした差別化戦略を実行していくことで十分な成長余力があると考えております。一方で、中長期の経営戦略として考えると、個人向け資格取得事業における資格ごとの減衰や季節要因等のリスクを低減する必要があります。そのため、2018年7月に法人事業部を立ち上げ、法人向け教育事業を本格的に開始いたしました。法人事業部では、企業にニーズの高い社員教育クラウドサービスの販売を軸に、動画制作サービスや、資格講座など関連サービスの販売などを推進してまいります。さらに、社員教育クラウドサービスの競争力を高めた上で、将来的には日本国内だけではなく世界中に事業展開していきたいと考えております。エアコースでは海外現地法人を持つ企業向けに英語版のUI(ユーザーインターフェース)も提供を開始しており、現地法人の利用実績を基にした改善や競争力の強化をした上で、段階的に海外展開を進めてまいります。
③ 技術革新への投資
当社は「世界一『学びやすく、わかりやすく、続けやすい』学習方法を提供する」というビジョンの実現のため、IT技術を駆使した教育サービスを展開してまいります。そのため、最新の技術を取り込んだサービスの機能強化、機械学習を使い個別最適化した学習方法の提案など、人や組織がより効率的に学習できるようなサービスや機能の開発に投資を行い、競争優位性を高めることで長期的な成長を目指します。
④ 優秀な人材の確保及び育成
「学びを革新し、誰もが持っている無限の力を引き出す」というミッションに共鳴する優秀な人材を適時採用するとともに、持続的な成長を支える人材の育成を強化してまいります。また、当社の事業領域において市場リーダーシップを構築していくため、新しい顧客価値を創造できる次世代を担うリーダーの育成にも注力してまいります。