有価証券報告書-第6期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、2020年10月1日に、広島銀行の単独株式移転により設立されました。
当社グループは、パーパス、経営理念及びブランドスローガンを以下のとおりとし、グループ一体経営及びグループ内連携を更に強化するとともに、グループ各社の特長・強みを活かすことで、グループシナジーの最大化を図り、「地域社会および地域のお客さまへの更なる貢献」と「当社グループの持続的成長および企業価値の向上」の実現を図ってまいります。
[当社グループの理念体系]

[ブランドスローガン]

(2) 中長期的な会社の経営戦略
地域経済、金融機関を取り巻く環境がより一層変容していく転換期に差し掛かっており、<地域総合サービスグループ>として、地域活性化につながる取組みを、従来以上に強化していく必要があると認識しております。
そのため、当社グループが経営基盤を置く地域の「10年後の求められる地域像」を考えるとともに、「10年後の当社グループの目指す姿」を定めました。この「目指す姿」の実現に向け、バックキャスティングの考え方のもと、前半の5年間(2024年4月から2029年3月まで)を計画期間とする「中期計画2024」を策定しました。
「中期計画2024」では、広島県を中心とした地元4県(岡山県、山口県、愛媛県)マーケットにおいて、地域社会・お客さまのあらゆる課題の解決に徹底的に取り組み、地域の発展に積極的にコミットすることで、グループの持続的成長を図ってまいります。


当社グループでは、「10年後の求められる地域像」(=活力ある地域)の実現に向け、取り組むべき事項を整理するにあたり、マテリアリティ(地域の優先取組課題)を明確化しております。

マテリアリティに対して、以下の戦略を展開することで、社会課題の解決(インパクト創出)・当社グループの持続的成長(企業価値向上)につなげてまいります。
具体的には、既存業務のクオリティ向上(業務軸の深化)に加え、地域・お客さまのニーズに対応すべく、ストラクチャーの見直し・新事業への積極的な投資(業務軸の拡大)等、新たなリスクテイクを行い、地域活性化に取り組んでまいります。これらの取組みを通じて当社グループとして「地力」をつけ、「成長投資」「健全性」「株主還元」をバランスさせる中、企業価値の向上を図ってまいります。

(3) 目標とする経営指標
「中期計画2024」では、マテリアリティのうち、特に注力すべき事項について、「地域活性化指標」を定め、行政・地域社会と連携し取り組むこととしております。
「地域活性化指標」の達成に向けた当社グループの取組みとして、5項目を掲げ取り組んでおりますが、当初計画を上回って進捗している「街づくり・地域開発への関与件数」「環境ファイナンス実行額」について、2025年5月に上方修正し、2026年5月には「人材紹介の件数」を上方修正いたしました。
また、継続的かつ着実な利益(内部留保)の積上げと株主還元のバランスの取れた経営を展開する中、2028年度における当社グループの「経営指標」を掲げております。
2025年5月には、「中期計画2024」策定時に比べ国内市場金利が大きく変化していることなどを踏まえ、「連結ROE」について上方修正いたしました。更に、2025年12月に実施した社債発行及び広島銀行への増資によるリスクテイク余力の拡大を背景にした貸出金残高の増加、有価証券ポートフォリオの入れ替えによる有価証券運用の収益力強化など、「中期計画2024」における各種取組みが順調に進捗していることに加え、今後の国内市場金利などの市場環境も勘案し、2026年5月に「連結ROE」について再度上方修正するとともに、「連結BPS」についても上方修正いたしました。


(参考)

「中期計画2024」における金利シナリオは、日本銀行政策金利1.00%としておりましたが、今後の市場環境を踏まえ、日本銀行の政策金利が段階的に1.50%へ上昇するシナリオに見直しました。


貸出金残高の増加、有価証券運用の収益力強化など、「中期計画2024」における各種取組みが順調に進捗していることに加え、上記マーケットシナリオの見直しも踏まえ、以下に記載の利益水準を目指してまいります。

(4) 経営環境
2025年度のわが国経済は、米国の関税政策等の影響を受けて、輸出や生産が横這い圏内の動きにとどまったものの、底堅い企業業績と人手不足を背景に設備投資が増加したほか、所得改善の中で個人消費が持ち直しつつあるなど、緩やかながら回復基調を辿りました。この間、日本銀行は利上げを実施するなど、金融政策の正常化に向けた動きが進展しました。
ただし、中東情勢の緊迫化に伴う物価上昇の再加速や景気の下振れ懸念、米国の通商政策や日中関係の行方、さらには為替動向など、先行きの不確実性は高まっています。
当地方の経済は、物価上昇の中で個人消費は足踏み感の強い展開が続いたものの、設備投資が高水準で推移し、主力の自動車産業を中心に輸出や生産が上向きつつあるなど、持ち直しに向けた動きがみられました。
(5) 対処すべき課題
国内では「金利のある世界」が定着する中、当社グループの収益環境にとって確かな追い風となっています。こうした環境を受け、2025年度は過去最高益を2年連続で更新するなど、収益力は着実に向上しています。
当社グループは、「地域の成長なくして、当社グループの成長なし」との考えのもと、「中期計画2024」において「活力ある地域の実現」を掲げ、地域とともに成長することで、持続的な企業価値の向上を目指しています。その実現に向け、<地域総合サービスグループ>として、金融分野にとどまらず、非金融分野も含め、お客さまの多様なニーズに応える態勢を構築してきました。
2026年度は、中期計画の折り返しとなる3年目にあたります。これまでの2年間で整備してきた態勢を最大限に活用し、地域社会やお客さまの課題解決を通じて、地域経済及び当社グループの成長に向けた確かな成果へとつなげてまいります。
①価値創造に向けた取組み
当社グループは、「お客さま本位の業務運営」を基本とし、「活力ある地域の実現」及び「お客さまの成長・発展」に向けて各種施策に取り組んでいます。
個人分野においては、お客さまの豊かな将来の実現に向けた資産形成を支援しています。ファンドラップや積立投資信託といった継続的な資産運用は広島銀行が担い、株式や投資信託を中心とした対面での高度なコンサルティングはひろぎん証券が提供するなど、より高度な資産運用サービスを提供してまいります。
法人分野においては、貸出金やエクイティによる資金供給に加え、広島銀行の強みである事業性評価を起点としたソリューション提案を強化し、M&Aや事業承継支援などの取組みを拡充しています。地元の基幹産業である造船業は、日本政府の「17の成長戦略分野」の一つとして、2035年までに国内の船舶建造量を2024年比の約2倍(約1,800万総トン)に引き上げる目標が掲げられています。今後官民による1兆円規模の投資が見込まれており、こうした事業機会の拡大を背景に、長年培ってきた実績と高度な専門性を活かし、地元企業の成長を積極的に支援してまいります。
また、不動産関連ファイナンスや行政・再開発事業者等へのコンサルティング等を軸とした「地域開発ビジネス」を注力分野と位置づけ、取組みを強化しています。企画・構想段階ではひろぎんエリアデザインが行政と連携のうえ、事業構想の具体化を支援しています。加えて、2026年4月に新設したひろぎんリージョナルアドバイザーズが資金調達設計等を担い、広島銀行、ひろぎんキャピタルパートナーズ、ひろぎんリートマネジメントがそれぞれ融資・エクイティ出資・REIT組入れを担うことで、ワンストップでの対応が可能となっています。さらに、2026年4月には当社内に「地域開発ビジネス統括グループ」を新設し、グループ横断での推進体制を強化しました。入口から出口まで一貫したサービス提供を強みとして、地域の持続的な発展への貢献とともに、収益成長を支える分野として取り組んでまいります。
②経営基盤強化に向けた取組み
企業価値の向上に向けて、資本を効果的に活用し収益性を高めていくことの重要性が一層高まる中、当社グループでは、リスク・アセット対比収益性(RORA)を重視した経営管理を徹底しています。
特に、「法人ソリューション」、「船舶ファイナンス」、「地域開発ビジネス」、「有価証券運用」といった注力分野に対し、ヒト・モノ・カネといった経営資源を重点的に配分しています。なかでも「人財」は、特に重要な経営資源の一つと位置づけ、現中期計画では人的資本投資額を従来比で約2倍に拡大する計画としています。各種研修の充実やリスキリング支援の強化、外部トレーニーへの派遣などを通じて、人財の成長を促進し、組織の持続的な成長につなげてまいります。
また、貸出金の持続的な伸びを支えるため、預金の安定的な積上げにも注力しています。
個人分野では、ひろぎんアプリを軸とした非対面取引の強化や、土日も営業している「〈ひろぎん〉ライフコンサルプラザ」を通じて、お客さまとの接点拡大を図っています。加えて、遺言信託や遺産整理業務などを通じて資産承継ニーズに対応し、相続預金の都市部への流出防止につなげています。
法人分野においては、「〈ひろぎん〉ビジネスポータル」などを活用し、各種取引のデジタル化による決済口座の利用拡大を図るとともに、お取引先企業の従業員の給与振込口座の獲得を通じて安定的な預金獲得に努めています。
③各種X(トランスフォーメーション:変革)への取組み
当社グループは、持続的な成長を実現するために3つのXへの取組みを強化しています。
SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)においては、自社のカーボンニュートラルへの取組みを加速するとともに、サステナブルファイナンスの提供に加え、お取引先企業とのエンゲージメントを通じて、脱炭素化に向けた取組みを後押ししています。
また、当社グループのDE&Iへの取組みとして、性別、年齢にとらわれない配置・登用を進めることで、2030年度に女性管理職比率25%程度の実現を目指しています。
加えて、広島県における転出超過という地域課題の解消に向け、当社グループが主体となって立ち上げた地元企業ネットワーク「HATAful(はたフル)」の活動を拡大しています。2026年4月に正式組織化し30社超が参画する中、各社との連携を強化し、多様な人財の活躍機会の創出や魅力ある働き方の実現に取り組んでいます。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)においては、生産性の高い組織の構築に向けて、DX・IT投資を進めています。広島銀行では、生成AIの活用により融資業務における稟議書作成を効率化し、年間約5,200時間の業務削減効果を見込んでいます。加えて、IT基盤の高度化としてMEJAR※基幹系システムへの移行(2031年1月稼働予定)に向けた取組みを進めています。
AX(アライアンス・トランスフォーメーション)においては、楽天グループとの連携をはじめとした他社との協業を通じて、事業領域の拡大とサービスの高度化を図っています。また、ちゅうぎんフィナンシャルグループとのパートナーシップ協定のもと、カーボンニュートラルやDE&Iなど、地域の共通課題への取組みを同社と連携して進めてまいります。
現状、「中期計画2024」における各種取組みが順調に進捗していることに加え、今後の国内市場金利などの市場環境も勘案し、収益性の経営指標である連結ROE目標を見直しました。中期計画の最終年度である2028年度においては、従来の9.5%以上から引き上げ、11.0%以上の達成を目指してまいります。リスク・アセット対比収益性(RORA)を意識した経営を進める中、2026年3月末のROEは8.2%を達成し、連結PBRは1倍近傍まで改善しております。
一方で、この水準は到達点ではなく、新たな成長ステージへの出発点と位置づけています。
今後も、収益力の向上と資本効率の改善を通じて、PBR1倍超水準の安定的な維持・向上と持続的な企業価値の向上を図るとともに、ステークホルダーの方々の未来をひろげることに注力してまいります。
(※)「MEJAR」とは
「Most Efficient Joint Advanced Regional banking-system(最も効率的な先進的地方銀行共同システム)」の略。2022年11月、クラウド化を志向した次世代基幹系システムの構築に向け、横浜銀行、北陸銀行、北海道銀行、七十七銀行、東日本銀行及びエヌ・ティ・ティ・データとの間で2010年1月から稼働を開始している共同利用システム(MEJAR)に参加し、6行によるシステム共同利用に向けた詳細検討を行うことで基本合意を実施。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、2020年10月1日に、広島銀行の単独株式移転により設立されました。
当社グループは、パーパス、経営理念及びブランドスローガンを以下のとおりとし、グループ一体経営及びグループ内連携を更に強化するとともに、グループ各社の特長・強みを活かすことで、グループシナジーの最大化を図り、「地域社会および地域のお客さまへの更なる貢献」と「当社グループの持続的成長および企業価値の向上」の実現を図ってまいります。
[当社グループの理念体系]

[ブランドスローガン]

(2) 中長期的な会社の経営戦略
地域経済、金融機関を取り巻く環境がより一層変容していく転換期に差し掛かっており、<地域総合サービスグループ>として、地域活性化につながる取組みを、従来以上に強化していく必要があると認識しております。
そのため、当社グループが経営基盤を置く地域の「10年後の求められる地域像」を考えるとともに、「10年後の当社グループの目指す姿」を定めました。この「目指す姿」の実現に向け、バックキャスティングの考え方のもと、前半の5年間(2024年4月から2029年3月まで)を計画期間とする「中期計画2024」を策定しました。
「中期計画2024」では、広島県を中心とした地元4県(岡山県、山口県、愛媛県)マーケットにおいて、地域社会・お客さまのあらゆる課題の解決に徹底的に取り組み、地域の発展に積極的にコミットすることで、グループの持続的成長を図ってまいります。


当社グループでは、「10年後の求められる地域像」(=活力ある地域)の実現に向け、取り組むべき事項を整理するにあたり、マテリアリティ(地域の優先取組課題)を明確化しております。

マテリアリティに対して、以下の戦略を展開することで、社会課題の解決(インパクト創出)・当社グループの持続的成長(企業価値向上)につなげてまいります。
具体的には、既存業務のクオリティ向上(業務軸の深化)に加え、地域・お客さまのニーズに対応すべく、ストラクチャーの見直し・新事業への積極的な投資(業務軸の拡大)等、新たなリスクテイクを行い、地域活性化に取り組んでまいります。これらの取組みを通じて当社グループとして「地力」をつけ、「成長投資」「健全性」「株主還元」をバランスさせる中、企業価値の向上を図ってまいります。

(3) 目標とする経営指標
「中期計画2024」では、マテリアリティのうち、特に注力すべき事項について、「地域活性化指標」を定め、行政・地域社会と連携し取り組むこととしております。
「地域活性化指標」の達成に向けた当社グループの取組みとして、5項目を掲げ取り組んでおりますが、当初計画を上回って進捗している「街づくり・地域開発への関与件数」「環境ファイナンス実行額」について、2025年5月に上方修正し、2026年5月には「人材紹介の件数」を上方修正いたしました。
また、継続的かつ着実な利益(内部留保)の積上げと株主還元のバランスの取れた経営を展開する中、2028年度における当社グループの「経営指標」を掲げております。
2025年5月には、「中期計画2024」策定時に比べ国内市場金利が大きく変化していることなどを踏まえ、「連結ROE」について上方修正いたしました。更に、2025年12月に実施した社債発行及び広島銀行への増資によるリスクテイク余力の拡大を背景にした貸出金残高の増加、有価証券ポートフォリオの入れ替えによる有価証券運用の収益力強化など、「中期計画2024」における各種取組みが順調に進捗していることに加え、今後の国内市場金利などの市場環境も勘案し、2026年5月に「連結ROE」について再度上方修正するとともに、「連結BPS」についても上方修正いたしました。


(参考)

「中期計画2024」における金利シナリオは、日本銀行政策金利1.00%としておりましたが、今後の市場環境を踏まえ、日本銀行の政策金利が段階的に1.50%へ上昇するシナリオに見直しました。


貸出金残高の増加、有価証券運用の収益力強化など、「中期計画2024」における各種取組みが順調に進捗していることに加え、上記マーケットシナリオの見直しも踏まえ、以下に記載の利益水準を目指してまいります。

(4) 経営環境
2025年度のわが国経済は、米国の関税政策等の影響を受けて、輸出や生産が横這い圏内の動きにとどまったものの、底堅い企業業績と人手不足を背景に設備投資が増加したほか、所得改善の中で個人消費が持ち直しつつあるなど、緩やかながら回復基調を辿りました。この間、日本銀行は利上げを実施するなど、金融政策の正常化に向けた動きが進展しました。
ただし、中東情勢の緊迫化に伴う物価上昇の再加速や景気の下振れ懸念、米国の通商政策や日中関係の行方、さらには為替動向など、先行きの不確実性は高まっています。
当地方の経済は、物価上昇の中で個人消費は足踏み感の強い展開が続いたものの、設備投資が高水準で推移し、主力の自動車産業を中心に輸出や生産が上向きつつあるなど、持ち直しに向けた動きがみられました。
(5) 対処すべき課題
国内では「金利のある世界」が定着する中、当社グループの収益環境にとって確かな追い風となっています。こうした環境を受け、2025年度は過去最高益を2年連続で更新するなど、収益力は着実に向上しています。
当社グループは、「地域の成長なくして、当社グループの成長なし」との考えのもと、「中期計画2024」において「活力ある地域の実現」を掲げ、地域とともに成長することで、持続的な企業価値の向上を目指しています。その実現に向け、<地域総合サービスグループ>として、金融分野にとどまらず、非金融分野も含め、お客さまの多様なニーズに応える態勢を構築してきました。
2026年度は、中期計画の折り返しとなる3年目にあたります。これまでの2年間で整備してきた態勢を最大限に活用し、地域社会やお客さまの課題解決を通じて、地域経済及び当社グループの成長に向けた確かな成果へとつなげてまいります。
①価値創造に向けた取組み
当社グループは、「お客さま本位の業務運営」を基本とし、「活力ある地域の実現」及び「お客さまの成長・発展」に向けて各種施策に取り組んでいます。
個人分野においては、お客さまの豊かな将来の実現に向けた資産形成を支援しています。ファンドラップや積立投資信託といった継続的な資産運用は広島銀行が担い、株式や投資信託を中心とした対面での高度なコンサルティングはひろぎん証券が提供するなど、より高度な資産運用サービスを提供してまいります。
法人分野においては、貸出金やエクイティによる資金供給に加え、広島銀行の強みである事業性評価を起点としたソリューション提案を強化し、M&Aや事業承継支援などの取組みを拡充しています。地元の基幹産業である造船業は、日本政府の「17の成長戦略分野」の一つとして、2035年までに国内の船舶建造量を2024年比の約2倍(約1,800万総トン)に引き上げる目標が掲げられています。今後官民による1兆円規模の投資が見込まれており、こうした事業機会の拡大を背景に、長年培ってきた実績と高度な専門性を活かし、地元企業の成長を積極的に支援してまいります。
また、不動産関連ファイナンスや行政・再開発事業者等へのコンサルティング等を軸とした「地域開発ビジネス」を注力分野と位置づけ、取組みを強化しています。企画・構想段階ではひろぎんエリアデザインが行政と連携のうえ、事業構想の具体化を支援しています。加えて、2026年4月に新設したひろぎんリージョナルアドバイザーズが資金調達設計等を担い、広島銀行、ひろぎんキャピタルパートナーズ、ひろぎんリートマネジメントがそれぞれ融資・エクイティ出資・REIT組入れを担うことで、ワンストップでの対応が可能となっています。さらに、2026年4月には当社内に「地域開発ビジネス統括グループ」を新設し、グループ横断での推進体制を強化しました。入口から出口まで一貫したサービス提供を強みとして、地域の持続的な発展への貢献とともに、収益成長を支える分野として取り組んでまいります。
②経営基盤強化に向けた取組み
企業価値の向上に向けて、資本を効果的に活用し収益性を高めていくことの重要性が一層高まる中、当社グループでは、リスク・アセット対比収益性(RORA)を重視した経営管理を徹底しています。
特に、「法人ソリューション」、「船舶ファイナンス」、「地域開発ビジネス」、「有価証券運用」といった注力分野に対し、ヒト・モノ・カネといった経営資源を重点的に配分しています。なかでも「人財」は、特に重要な経営資源の一つと位置づけ、現中期計画では人的資本投資額を従来比で約2倍に拡大する計画としています。各種研修の充実やリスキリング支援の強化、外部トレーニーへの派遣などを通じて、人財の成長を促進し、組織の持続的な成長につなげてまいります。
また、貸出金の持続的な伸びを支えるため、預金の安定的な積上げにも注力しています。
個人分野では、ひろぎんアプリを軸とした非対面取引の強化や、土日も営業している「〈ひろぎん〉ライフコンサルプラザ」を通じて、お客さまとの接点拡大を図っています。加えて、遺言信託や遺産整理業務などを通じて資産承継ニーズに対応し、相続預金の都市部への流出防止につなげています。
法人分野においては、「〈ひろぎん〉ビジネスポータル」などを活用し、各種取引のデジタル化による決済口座の利用拡大を図るとともに、お取引先企業の従業員の給与振込口座の獲得を通じて安定的な預金獲得に努めています。
③各種X(トランスフォーメーション:変革)への取組み
当社グループは、持続的な成長を実現するために3つのXへの取組みを強化しています。
SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)においては、自社のカーボンニュートラルへの取組みを加速するとともに、サステナブルファイナンスの提供に加え、お取引先企業とのエンゲージメントを通じて、脱炭素化に向けた取組みを後押ししています。
また、当社グループのDE&Iへの取組みとして、性別、年齢にとらわれない配置・登用を進めることで、2030年度に女性管理職比率25%程度の実現を目指しています。
加えて、広島県における転出超過という地域課題の解消に向け、当社グループが主体となって立ち上げた地元企業ネットワーク「HATAful(はたフル)」の活動を拡大しています。2026年4月に正式組織化し30社超が参画する中、各社との連携を強化し、多様な人財の活躍機会の創出や魅力ある働き方の実現に取り組んでいます。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)においては、生産性の高い組織の構築に向けて、DX・IT投資を進めています。広島銀行では、生成AIの活用により融資業務における稟議書作成を効率化し、年間約5,200時間の業務削減効果を見込んでいます。加えて、IT基盤の高度化としてMEJAR※基幹系システムへの移行(2031年1月稼働予定)に向けた取組みを進めています。
AX(アライアンス・トランスフォーメーション)においては、楽天グループとの連携をはじめとした他社との協業を通じて、事業領域の拡大とサービスの高度化を図っています。また、ちゅうぎんフィナンシャルグループとのパートナーシップ協定のもと、カーボンニュートラルやDE&Iなど、地域の共通課題への取組みを同社と連携して進めてまいります。
現状、「中期計画2024」における各種取組みが順調に進捗していることに加え、今後の国内市場金利などの市場環境も勘案し、収益性の経営指標である連結ROE目標を見直しました。中期計画の最終年度である2028年度においては、従来の9.5%以上から引き上げ、11.0%以上の達成を目指してまいります。リスク・アセット対比収益性(RORA)を意識した経営を進める中、2026年3月末のROEは8.2%を達成し、連結PBRは1倍近傍まで改善しております。
一方で、この水準は到達点ではなく、新たな成長ステージへの出発点と位置づけています。
今後も、収益力の向上と資本効率の改善を通じて、PBR1倍超水準の安定的な維持・向上と持続的な企業価値の向上を図るとともに、ステークホルダーの方々の未来をひろげることに注力してまいります。
(※)「MEJAR」とは
「Most Efficient Joint Advanced Regional banking-system(最も効率的な先進的地方銀行共同システム)」の略。2022年11月、クラウド化を志向した次世代基幹系システムの構築に向け、横浜銀行、北陸銀行、北海道銀行、七十七銀行、東日本銀行及びエヌ・ティ・ティ・データとの間で2010年1月から稼働を開始している共同利用システム(MEJAR)に参加し、6行によるシステム共同利用に向けた詳細検討を行うことで基本合意を実施。