有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/09/10 15:00
【資料】
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【項目】
126項目
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
当社は、コーポレート・ガバナンスを経営上の最重要事項のひとつととらえ、企業価値の最大化を目指して事業を展開しております。お客様、株主、取引先、社会、従業員等の多様なステークホルダーから信頼を得ることが大切であると考え、社内の論理だけで経営が行われないよう、取締役の1/3以上を社外取締役としており、客観的、大局的に企業価値の向上という観点から経営の監督並びに助言を積極的にいただいております。また、コンプライアンス遵守体制、迅速な意思決定・業務執行体制及び適正な監督・監視体制を構築することにより、コーポレート・ガバナンスの強化・充実を図り、これを推進してまいります。
当社は、2018年10月25日開催の第17期定時株主総会の決議に基づき、監査役協議会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行いたしました。取締役会の監督機能を一層強化し、コーポレート・ガバナンスのさらなる充実を図ってまいります。
① 企業統治の体制
イ 企業統治の体制の概要とその体制を採用する理由
当社は、取締役による迅速かつ的確な意思決定が行える体制と同時に業務執行の状況が監督できる体制が重要と考えており、取締役会は実質的な審議を行うことができる適切な規模とし、また、監査等委員会設置会社制により、経営監視機能の面で十分な透明性と適法性が確保されると判断しているため、当該体制を採用しております。
取締役会は、毎月1回開催することを原則とし、公正で透明性の高い経営を実現するために、「取締役会規則」に則し、業務執行に係る重要な意思決定は取締役会で十分な検討を加え審議することで、代表取締役並びに業務担当取締役の業務執行に関する監督、監視機能を有効に機能させております。
監査等委員会は、監査等委員3名(うち社外取締役3名)で構成されており、取締役の業務執行の状況を客観的な立場から監査するとともに、監査等委員会を原則毎月開催し、策定した監査計画に基づき、当社の内部統制システムの機能状況及び監査結果について審議しております。
監査等委員である取締役は取締役会に出席するほか、取締役の業務執行状況及び業務や財政状態等の調査を行い、また、監査等委員である社外取締役については、その知見及び社会的立場から、高い独立性を有すると判断しております。
内部監査は、代表取締役社長直轄の内部監査室(1名)を設置しております。監査等委員及び監査法人との連携のもと、内部監査計画書に基づき業務執行の適法かつ適正・合理的な遂行状況について監査を行い、内部監査結果については、代表取締役社長に報告するとともに、各部門に対して問題点の指摘・改善提案とそのフォローアップを行っております。また、重要事項については取締役会へ報告するものとしております。
会計監査人として、仰星監査法人と監査契約を締結しております。独立の立場から会計監査を受けており、定期的な監査のほか、会計上の論点については適宜連携して適切な会計処理に努めております。
当社は経営会議を設置しております。経営会議は、監査等委員を除く常勤取締役、監査等委員長、各部門長及び内部監査室長で構成され、原則毎月開催し、経営に関する重要事項の協議及び報告を行っております。
当社は、経営管理組織として「取締役会(毎月)」「監査等委員会(毎月)」「経営会議(毎月)」を設置しているほか、「営業会議(月に1回以上)」を行うなど、それぞれの決定や協議に基づき業務執行を行う体制を採っております。
内部統制に関する組織活動としては、社内でのコンプライアンス体制と密接な関係があると考えており企業倫理意識の向上及び法令遵守のためリスク・コンプライアンス・情報セキュリティ委員会を設置し、当該委員会を定期的(四半期に1回)に開催し、法令、社会ルールの遵守と企業倫理の確立を図っております。また、内部統制の確保及びリスクの低減に向けた全社横断的な活動を実施するほか、コンプライアンス規程、リスク管理規程、重要情報の管理及び株券等の内部者取引防止に関する規程等の社内規則・運用基準を整備・運用しております。さらに、これに反する行為等を早期に発見し是正するために公益通報者保護規程を定め、コンプライアンスに関する問題が生じた場合、相談窓口及び通報窓口に、電話・電子メール・FAX・書面・面会等により、匿名でも通報できる体制を整えるとともに、通報した者に対する不利益な取扱いを防止し、公正性の確保に努めております。
当社のリスク管理体制は、エネルギー事業及び電子機器事業に関するリスクについては営業部が、財務、人事及び災害等に関するリスクについては管理部が、社内外で発生した様々なリスクへの対応と再発防止に努めるとともに、担当取締役を通じて代表取締役社長に報告され、また経営に影響を与えるリスクについては、取締役会に報告される体制を整備しております。
以上のように、当社は、各会による業務執行の監督及び監査の体制、各会議体によるスピーディーな意思決定と業務実施状況をレビューする体制、内部統制に関する体制等を網羅的に整備・運用することで、より高いコーポレート・ガバナンスの確立をめざすことを目的としております。
会社の機関・内部統制に関する概略図
会社の業務執行・監査・内部統制の概要は以下のとおりであります。

ロ 内部統制システムの整備状況
会社法及び会社法施行規則に基づき、内部統制システム構築の基本方針に関し、下記のとおり取締役会において決議しております。
「内部統制システム基本方針」
ⅰ)当社の取締役・使用人の職務執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
企業倫理規程をはじめとするコンプライアンス体制に係る規程を当社の役員及び使用人が法令・定款及び会社規範を遵守した行動をとるための行動規範とする。リスク・コンプライアンス・情報セキュリティ委員会を設置し、必要に応じて当社における法令、定款、社内規則、企業倫理及び社会倫理の遵守状況の確認と問題の指摘及び改善の提案を行い、リスク・コンプライアンス・情報セキュリティ委員会に報告する。公益通報者保護規程に基づき通報者に不利益がおよばない内部通報体制を整え、リスク・コンプライアンス・情報セキュリティ委員会が掌握して運用する。市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に対しては毅然とした態度で立ち向かい、一切の関係を遮断する。
ⅱ)当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
社内管理規程に従い、取締役の職務執行に係る情報を文書または電磁的媒体(以下、文書等という)に記録する。その取扱いは社内管理規程により適切に保存管理し、取締役は、常時これらの文書等を閲覧できるものとする。
ⅲ)当社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
コンプライアンス、情報セキュリティ、品質、環境、災害等に係るリスクについては、リスク管理規程に基づき対処し、最高責任者は代表取締役社長とし、担当役員、部門の長が当社の危機管理の対応にあたるものとする。また、リスク・コンプライアンス・情報セキュリティ委員会を設置し、当社全体のリスクマネジメントに係る方針、施策、規程等の策定・整備、リスク管理状況の把握、リスクマネジメントに関する指導監督を実施する。部門で対応できない事項または重大性・緊急性のある事項についてはリスク・コンプライアンス・情報セキュリティ委員会に報告し、全社的・組織横断的なリスク状況の監視及び対応を行うよう努める。
ⅳ)当社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
取締役会は事業計画を定め、年度の経営方針を策定することで取締役、使用人が共有する全社的な目標を明確化する。また、取締役会では業務担当取締役は全社的な目標に対する月次の業績報告及びその内容についての要因分析とその改善策等を報告する。
リスク・コンプライアンス・情報セキュリティ委員会は必要に応じて随時開催し、階層に応じた進捗状況をレビューし、情報を共有化して協議し改善を促す。
日常の業務執行については、職務権限規程に基づく職務分掌による権限配分・委譲により意思決定の迅速化を図るものとする。
ⅴ)当社の監査等委員会がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項、その使用人の取締役(監査等委員である取締役を除く。)からの独立性に関する事項及びその使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
(1)当社の監査等委員会がその職務を補助すべき使用人をおくことを求めた場合には、その職務を補助すべき使用人を置く。補助使用人は兼務も可能とするが、当該職務を遂行する場合には取締役(監査等委員である取締役を除く。)からの指揮命令は受けないものとする。
(2)当社が監査等委員会補助者を設置した場合は、監査等委員会補助者の人事考課は監査等委員会の同意を要し、監査等委員会補助者の人事に関する事項等については監査等委員会の同意を得るものとする。また、監査等委員会補助者は、監査等委員会の指揮命令に従うことを要し、当該指揮命令に従わなかった場合には社内処分の対象とする。
ⅵ)当社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び使用人が当社の監査等委員会に報告するための体制
(1)当社の監査等委員は、意思決定の過程及び業務の執行状況を把握するため、当社の取締役会ほか重要な会議に出席するとともに、監査等委員会は、監査に必要な書類等を閲覧し、また、取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び使用人にその説明を求める。
(2)当社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び使用人は、当社の監査等委員会に対して、会社の業務や業績等に影響を及ぼす重要な事項を報告する。
ⅶ)その他当社監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査等委員会は、代表取締役社長との定期的な意見交換により相互の意思疎通を図るとともに内部監査部門や会計監査人とも情報交換を行う等の緊密な連携を図る。
ⅷ)財務報告に係る内部統制の強化
当社が継続的に成長可能な企業体質を確立するため、財務報告に係る内部統制の強化が重要な課題と認識している。
業務の有効性及び効率性を高めるべく、金融商品取引法に基づく内部統制報告制度への適切な対応を推進する。また、財務報告に係る内部統制が有効かつ適正に行われる体制の運用・評価を継続的に行うことで、経営の公正性・透明性の確保に努めるとともに、当社の業績管理体制を確立し、さらなる内部統制の強化に努める。
ⅸ)反社会的勢力の排除に関する体制
当社の役員及び従業員は、反社会的勢力及び団体とは毅然たる態度で対応する。
当社の役員及び従業員は、社会の秩序や企業の健全な活動に脅威を与える反社会的勢力に対しては毅然として対応し、違法行為や反社会的行為には一切関わらず、名目の如何を問わず反社会的勢力に対し経済的利益を含む一切の利益を供与しない。
これらを受け、当社の入社時研修やリスク・コンプライアンス・情報セキュリティ委員会などの機会を利用し、定期的に、その内容の周知徹底を図る。
また、大阪府暴力追放推進センターの賛助会員にも加入し、情報収集を行い、社内で情報を共有する。
当社における反社会的勢力排除体制として、「反社会的勢力排除規程」、「反社会的勢力排除マニュアル」及び「反社会的勢力対応の手引き」に制定し、所管部署は管理部として、運用を行う。具体的には、新規取引先については、外部調査機関等を用いて情報収集を行い、事前チェックを行う。継続的取引先についても、毎年7月には一定の条件を満たす取引先のみを抜粋し調査を行う。また、取引先との間で締結する契約書では、取引先が反社会的勢力であることが判明した場合には、契約を解除できる旨の暴力団排除条項を盛り込んでいる。
なお、所轄警察署や暴力追放推進センターとの関係を強化するべく、反社会的勢力統括責任者を選任・配置している。
② 責任限定契約の内容の概要
当社は、会社法第427条第1項の規定により、取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)との間に同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結することができる旨を定款に定めております。
③ 取締役の定数
当社の取締役は、監査等委員を除く取締役を10名以内、監査等委員を5名以内とする旨を定款に定めております。
④ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款に定めております。また、累積投票によらないものとする旨も定款に定めております。
⑤ 株主総会決議事項を取締役会で決議することができる事項
取締役の責任免除
当会社は、会社法第426条第1項の規定により、任務を怠ったことによる取締役(取締役であったものを含む。)の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨を定款に定めております。
自己株式の取得
当会社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款に定めております。
剰余金の配当
当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、取締役会の決議によって会社法第454条第5項の規定に基づく中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
⑥ 株主総会の特別決議の要件
当社は、株主総会の円滑な運営を図るため、会社法第309条第2項に定める決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。