訂正有価証券届出書(新規公開時)
沿革
「はじめに」に記載した通り、当社は、東芝メモリ株式会社(現キオクシア株式会社)からの単独株式移転により、2019年3月1日に設立されました。当社は2019年10月1日に東芝メモリホールディングス株式会社からキオクシアホールディングス株式会社に社名を変更しました。
東芝メモリ株式会社(以下「旧東芝メモリ株式会社」という。)は、2017年2月に株式会社東芝の100%子会社として設立後、株式会社東芝の社内カンパニーであるストレージ&デバイスソリューション社のメモリ事業(フラッシュメモリ及び関連製品(SSD事業を含み、イメージセンサ事業を除く。))を会社分割により承継しました。旧東芝メモリ株式会社は、2018年8月1日に親会社である株式会社Pangeaを合併存続会社とする吸収合併を実施するとともに、株式会社Pangeaは東芝メモリ株式会社に社名変更しました。更に、2019年10月1日の当社の社名変更に伴い、社名をキオクシア株式会社に変更しました。キオクシアとは、日本語の「記憶(KIOKU)」と、ギリシャ語の「価値(AXIA)」に由来します。メモリ事業を担う企業グループとして、デジタル社会の未来を加速し、世界に新たな価値を創造していきます。
以下では、旧東芝メモリ株式会社及びキオクシア株式会社の沿革についても記載しております。また、旧東芝メモリ株式会社設立前と設立以後に分けて記載し、設立前については株式会社東芝における旧東芝メモリ株式会社の事業に関係する事項について参考情報として記載しています。
当社の事業運営主体の変遷を図示すると、次のようになります。

(1)旧東芝メモリ株式会社設立前(参考情報)
年月 | 概要 |
1987年4月 | 世界初のNAND型フラッシュメモリを発明 |
1991年4月 | フラッシュメモリを量産 |
1992年1月 | 四日市工場を設立 |
2000年5月 | SanDisk Corporation(現在はWestern Digital Corporationの子会社であるSanDisk Limited Liability Company)(以下Western Digital Corporationとその関係会社を合わせて「Western Digitalグループ」という。)とフラッシュメモリについて協業を開始 |
2001年11月 | 多値技術を利用した160ナノメートル(以下「nm」という。)1ギガビットNAND(2ビット/セル(MLC))を製品化 |
2001年12月 | 汎用DRAM事業の撤退を決定 |
2002年4月 | 四日市工場でフラッシュメモリを生産するため、Western Digitalグループと共同出資でフラッシュビジョン㈲(注1)を設立 |
2005年2月 | 四日市工場で300mmクリーンルームである第3製造棟を稼動 |
2007年6月 | 3次元フラッシュメモリ技術(注2)を開発 |
2007年9月 | 四日市工場第4製造棟の竣工 |
2009年2月 | 4ビット/セル(QLC)をWestern Digitalグループと共同開発 |
2011年7月 | ㈱東芝の社内カンパニーとして、セミコンダクター&ストレージ社(メモリ・SSD事業含む)を設置 |
四日市工場第5製造棟の竣工 | |
2014年4月 | 15nmプロセスを用いた128ギガビットNAND型フラッシュメモリを量産 |
2015年3月 | 48層積層プロセスを用いたBiCS FLASH™のサンプル出荷開始 |
2016年4月 | 社内カンパニー名をストレージ&デバイスソリューション社に変更 |
年月 | 概要 |
2016年7月 | 四日市工場の新第2製造棟の竣工 |
64層積層プロセスを用いた第3世代BiCS FLASH™のサンプル出荷開始 | |
2017年1月 | メモリ事業分社化の方針決定 |
2017年2月 | 64層積層プロセスを用いた512ギガビットBiCS FLASH™のサンプル出荷開始 |
(注)1.同社は2013年2月に清算しております。
2.3次元フラッシュメモリ技術とは、垂直方向にフラッシュメモリ素子を積み上げる3次元積層構造を取り入れる技術をいい、それを取り入れたフラッシュメモリを3次元フラッシュメモリといいます。(以下同じです。)3次元フラッシュメモリは、従前の平面構造のフラッシュメモリと比べて大容量化、高速化、信頼性向上、省電力化を実現しております。
(2)旧東芝メモリ株式会社設立以後
年月 | 概要 |
2017年2月 | ㈱東芝のメモリ・SSD事業の承継を目的として、旧東芝メモリ㈱を設立 |
2017年4月 | ㈱東芝から、㈱東芝の社内カンパニーであるストレージ&デバイスソリューション社のメモリ事業(SSD事業を含み、イメージセンサ事業を除く)を会社分割により承継 |
2017年4月 | ㈱東芝からの株式譲受により、国内会社3社(注1)海外会社3社(注2)を関係会社化 |
2017年5月 | 64層積層プロセスを用いたBiCS FLASH™を搭載したNVMe™(注3)SSD(「XG5シリーズ」)の出荷を開始 |
香港地域でのメモリ製品拡販を目的として、東芝メモリアジア社(現キオクシアアジア社)を設立 | |
北米及び南米地域でのメモリ製品拡販を目的として、東芝メモリアメリカ社(現キオクシアアメリカ社)を設立 | |
2017年6月 | 4ビット/セル(QLC)技術を用いたBiCS FLASH™を開発、試作品の提供開始 |
96層積層プロセスを適用した第4世代BiCS FLASH™を試作 | |
シリコン貫通電極(TSV)技術を適用した3ビット/セル(TLC)のBiCS FLASH™の試作品の提供開始 | |
2017年7月 | 欧州地域でのメモリ製品拡販を目的として、東芝エレクトロニクス・ヨーロッパ社(注4)が東芝メモリヨーロッパ社(現キオクシアヨーロッパ社)を設立 |
連結子会社である東芝メモリアジア社は、東芝エレクトロニクス・アジア社(注4)よりメモリ関連事業を譲受 | |
ASEAN地域でのメモリ製品拡販を目的として、東芝メモリシンガポール社(現キオクシアシンガポール社)を設立 | |
韓国地域でのメモリ製品拡販を目的として、東芝メモリ韓国社(現キオクシア韓国社)を設立 | |
2017年8月 | 64層積層プロセスを用いたBiCS FLASH™を搭載した業界初のエンタープライズSSD(「PM5シリーズ」「CM5シリーズ」)のサンプル出荷開始 |
2017年9月 | 中国地域でのメモリ製品拡販を目的として、連結子会社の東芝エレクトロニクス(中国)社(現キオクシア中国社)が東芝電子部品(上海)社を設立 |
連結子会社である東芝メモリ韓国社(現キオクシア韓国社)は、東芝エレクトロニクス韓国社(注4)よりメモリ関連事業を譲受 | |
岩手県北上市の北上工業団地エリアに新規拠点の立ち上げを発表 | |
2017年10月 | 東芝エレクトロニクス・ヨーロッパ社(注4)から、東芝メモリヨーロッパ社(現キオクシアヨーロッパ社)の全持分を取得し連結子会社化 |
東芝メモリアメリカ社(現キオクシアアメリカ社)は、東芝アメリカ電子部品社(注4)よりメモリ関連事業を譲受 | |
東芝電子部品(上海)社が東芝エレクトロニクス(中国)社よりメモリ関連事業を譲受 | |
東芝メモリシンガポール社(現キオクシアシンガポール社)が東芝エレクトロニクス・アジア社(注4)よりメモリ関連事業を譲受 | |
東芝メモリアメリカ社(現キオクシアアメリカ社)による東芝アメリカ電子部品社からのメモリ関連事業の譲受及び東芝メモリヨーロッパ社(現キオクシアヨーロッパ社)の連結子会社化に伴い、SSD関連事業を目的とするOCZイスラエル(現キオクシアイスラエル社)、OCZストレージソリューションズ(現キオクシアテクノロジーUK社)を連結子会社化 | |
2017年11月 | 東芝メモリ台湾社(現キオクシア台湾社)の株式を東芝デバイス&ストレージ㈱(注4)より取得し連結子会社化 |
年月 | 概要 |
2017年12月 | 岩手県北上市における製造拠点の立ち上げに向けて、東芝メモリ岩手㈱(現キオクシア岩手㈱)を設立 |
2018年1月 | ㈱東芝からの株式譲受により、フラッシュアライアンス有限会社、フラッシュフォワード合同会社、フラッシュパートナーズ有限会社の3社(以下「製造合弁会社3社」という。)(注5)を関連会社化 |
旧東芝メモリ㈱グループの開発センター清掃業務及びヘルスキーパーを目的として、東芝メモリエトワール㈱(現キオクシアエトワール㈱)を設立 | |
2018年4月 | 64層積層プロセスを用いたBiCS FLASH™を搭載したデータセンター向けSSDのラインアップ拡充 |
2018年6月 | ㈱東芝は、旧東芝メモリ㈱の全株式をBain Capital Private Equity, L.P.(そのグループを含む)を軸とする企業コンソーシアムにより組成される買収目的会社である㈱Pangeaへ譲渡 |
2018年7月 | サーバー向けの新しいコンセプトのSAS SSDの発売 |
2018年8月 | ㈱Pangeaは、同社を存続会社として旧東芝メモリ㈱と合併し、同日に「東芝メモリ㈱」に社名変更(現キオクシア㈱) |
2018年9月 | 四日市工場の第6製造棟とメモリ開発センターの竣工 |
(注)1.東芝メモリアドバンスドパッケージ株式会社(2019年10月にキオクシアアドバンスドパッケージ株式会社に商号変更を実施、2021年4月にキオクシア株式会社に吸収合併)、東芝メモリシステムズ株式会社(現キオクシアシステムズ株式会社)(いずれも連結子会社)、ディー・ティー・ファインエレクトロニクス株式会社(持分法適用関連会社)の3社です。
2.東芝エレクトロニクス中国社(現キオクシア中国社)、東芝メモリ半導体台湾社(現キオクシア半導体台湾社)他1社の3社です。
3.NVMe™はNVM Express, Inc.の商標です。
4.株式会社東芝の関係会社です。
5.当社グループへの製造委託等を目的とする、キオクシア株式会社とWestern Digitalグループが共同出資する会社です。
(3)当社設立以後
年月 | 概要 |
2019年3月 | 東芝メモリ㈱(現キオクシア㈱)からの単独株式移転により、東芝メモリホールディングス㈱(現キオクシアホールディングス㈱)を設立 |
2019年5月 | 大容量データへの高速アクセスに対応した2テラバイトのクライアントSSDプレミアムモデル(XG6-P)の開発 |
2019年6月 | ㈱日本政策投資銀行に対する非転換社債型優先株式の発行及び金融機関からのシンジケートローンによる資金調達を実行 |
2019年8月 | ストレージクラスメモリ「XL-FLASH™」のサンプル出荷開始 |
新しいリムーバブルPCIe®(注1)/NVMe™メモリデバイス「XFMEXPRESS™」を開発 | |
台湾・LITE-ON社のSSD事業の買収計画を公表 | |
2019年10月 | ブランド名称をキオクシアに刷新したことに伴い、当社を含むグループ会社の社名変更(注2) |
キオクシア㈱北上工場第1製造棟の竣工 | |
2020年1月 | 112層積層プロセスを適用した第5世代BiCS FLASH™を試作 |
2020年3月 | キオクシア㈱は、東芝中国社(注3)より、キオクシア中国社の株式を譲受、完全子会社化 |
キオクシア㈱は、東芝電子部品(上海)社の保有株式を全て東芝デバイス&ストレージ㈱(注3)に売却 | |
2020年7月 | キオクシア㈱は、台湾・LITE-ONテクノロジー社の子会社であるSolid State Storage Technology Corporationとその関係会社の全株式を取得 |
2021年2月 | 162層積層プロセスを適用した第6世代BiCS FLASH™を試作 |
2021年4月 | キオクシア㈱は、キオクシアアドバンスドパッケージ㈱を吸収合併 |
2021年9月 | PCIe® 4.0対応ストレージクラスメモリ(SCM)搭載SSDをサンプル出荷 |
2022年1月 | 4ビット/セル(QLC)技術を用いたUFS Ver. 3.1準拠の組み込み式フラッシュメモリをサンプル出荷 |
年月 | 概要 |
2022年6月 | キオクシア㈱は、東芝デジタルソリューションズ㈱(注3)より、中部東芝エンジニアリング㈱の株式を譲受、完全子会社化、キオクシアエンジニアリング㈱に社名変更 |
2022年10月 | 四日市工場第7製造棟の竣工 |
2022年11月 | 大容量ストレージを活用した記憶検索型AIによる画像分類技術を開発 |
2023年3月 | 218層積層プロセスを適用した第8世代BiCS FLASH™を試作 |
2023年6月 | 横浜テクノロジーキャンパスFlagship棟と新子安テクノロジーフロントの稼働開始 |
2023年8月 | キオクシアエネルギー・マネジメント㈱をキオクシア㈱からの会社分割により設立 |
2023年8月 | エンタープライズ・データセンター向けPCIe® 5.0対応NVMe™ SSDのサンプルを出荷 |
2024年1月 | 車載機器向けUFS Ver.4.0準拠の組み込み式フラッシュメモリのサンプルを出荷 |
2024年4月 | メモリ技術研究所を再編し、先端技術研究所を新設 |
2024年7月 | 第8世代BiCS FLASH™ 2Tb QLC製品をサンプル出荷 |
2024年7月 | 北上工場第2製造棟の建屋完成 |
(注)1.PCIe®は、PCI-SIGの登録商標です。PCIe®とは、SSDのインターフェースの規格で、従来のSATAより、高速のデータ転送が可能です。
2.キオクシアテクノロジーUK社は2019年7月、キオクシアイスラエル社は2019年8月、キオクシア中国社は2020年2月にそれぞれ社名変更となっております。
3.株式会社東芝の関係会社です。