有価証券報告書-第17期(2025/03/01-2026/02/28)

【提出】
2026/05/22 15:30
【資料】
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【項目】
136項目

有報資料

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「まるくて大きな時代をつくろう」という企業理念のもと、クリエイターエンパワーメント事業を推進しています。日本及び中国語圏に展開するグローバルハンドメイドマーケットプレイス「Creema(クリーマ)」に加え、同サービスと連携可能な唯一のネットショップ開設サービス「InFRAME」の運営を行うマーケットプレイスサービス、外部広告や内部広告などのサービスを通してクリエイター・企業・地方公共団体のマーケティング支援を行うプラットフォームサービス、日本最大級のクリエイターの祭典「HandMade In Japan Fes’(東京ビッグサイト)」を始めとする大型イベントの企画・制作・運営を行うイベントサービス、さらに、クリエイター支援に特化したクラウドファンディング「Creema SPRINGS」、レッスン動画プラットフォーム「FANTIST」など、多角的にクリエイターの活動を支援するサービスを展開しています。
これらの取り組みを通じ、クリーマ経済圏の確立とクラフトカルチャーの発展に注力しています。
(2)経営戦略等
当社グループは、マーケットプレイスサービスを基盤とし、クリエイター数やユーザー数(アプリDL数・訪問数など)を安定的に拡大しながら、プラットフォームサービスやイベントサービス、クラウドファンディングサービスなどの周辺領域でも収益を拡大するモデルを構築しています。今後も、事業の基盤であるマーケットプレイスサービスの品質向上を最優先とし、ストック収益とプラットフォーム基盤の強化に注力します。さらに、そこで蓄積した有形・無形の資産を活用し、新サービス群にもリソースを投下することで、シナジーを生かした事業の多角化を推進していきます。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの事業においては、中心的なサービスである「Creema」のプラットフォーム価値を高めることが重要です。そのため、経営目標の達成状況を判断する客観的な指標として、登録作品数、アプリダウンロード数、流通総額を重視しています。
(4)当社グループの経営成績に影響を与える経営環境
日本のハンドメイドマーケット市場は、2010年に当社が日本初のハンドメイドマーケットプレイス「Creema」をリリースしたことを契機に誕生した比較的新しい市場です。現在の国内市場では、当社グループが運営する「Creema」と、GMOペパボ株式会社が運営する「minne」の二大サービスが市場を牽引しています。
近年では、スマートフォンの普及に伴い、個人間の電子商取引(CtoC)市場が拡大し、個人のECサイト開設や企業のECサイト提供が増加する傾向にあります。この流れと相まって、オンラインでのハンドメイド製品の流通も一般化し、市場は今後も一定の高成長率で拡大すると見込まれます。
また、当社グループのマーケットプレイスはプラットフォームとしての特性を持ち、流通規模が拡大するにつれ、クリエイター数、会員数、登録作品数などが増加し、それに伴いプラットフォームの価値も向上する構造となっています。このプラットフォーム価値の向上が、広告サービスやクリエイター・会員向け支援サービスの収益を押し上げ、当社グループが関わる市場規模をさらに拡大させます。そのため、当社グループが提供するサービスの潜在市場規模は、単なるハンドメイドマーケット市場の枠を超え、大きな成長ポテンシャルを有しています。
当社は「Creema」の立ち上げ以来、業界の先駆者として市場の成長を牽引してきました。2026年2月期にはマーケットプレイスサービスの流通総額は148億円となり、日本最大のハンドメイドマーケットプレイスとしての地位を強固なものとしています。加えて、クリエイター支援の多様なサービスも順調に成長しています。
今後も市場の動向やトレンド、ニーズを的確に捉えながら、「クリーマ経済圏」のさらなる拡大に取り組んでまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
2026年2月期においては、「Creema GIFT CATALOG」の販売開始や、ギフト探索に特化した「ギフトタブ」の新設、eギフトの搭載等ギフト市場への参入を進めました。さらに、購入者・出品者双方が住所や氏名を開示せずに取引できる「Creemaあんしん匿名便」や、クリエイターが自身のフォロワーに直接プッシュ通知を送信できるサブスクリプションサービス「クリエイタープッシュ」の提供開始等、中長期成長を企図した当期注力方針に則り、収益力およびテイクレートの拡大に向けた施策に注力しました。あわせて、「Creema」と「Creema SPRINGS」間のポイント連携の強化など、数々の戦略的施策を通じて「クリーマ経済圏」の拡充を推進いたしました。
こうした新たな成長施策及び収益基盤の強化に取り組む一方で、当社の主力事業であるマーケットプレイスサービスは、世界的なWeb広告単価の高騰による広告効率の悪化等の影響を受けました。加えて、2025年2月期に発生した当社ドメインを悪用したフィッシング詐欺目的の「なりすましメール」の残存影響、ならびに大手検索エンジンのコアアップデートに端を発した検索順位の下落等の流入面における影響から、売上高は前期比98%と微減いたしました。しかしながら、当該サービスにおける4Qの売上高は前期比103%と再成長フェーズに転換していることに加え、競合サービスとの流通総額や売上高の差は拡大を続けており、当社の国内ハンドメイドマーケットプレイス市場におけるNo.1のポジションはより一層強固なものとなりました。また、イベントサービスにおいても、イベント開催数の減少の影響を受け、売上高は前期比92%に留まりましたが、開催した「HandMade In Japan Fes’」は、夏の開催においてコロナ以降で最大の来場者数を記録。冬開催においては過去最大の来場者数を更新し、1イベントあたりでの売上は前年から大きく伸長しました。
それ以外の事業は堅調に成長いたしました。プラットフォームサービスでは、クリエイターが「Creema」上で自身の作品をプロモーションできる内部広告サービスの安定的な成長に加え、企業・地方公共団体向けのPR支援を行う外部広告サービスも大きく伸長したことにより、売上高は前期比104%となりました。また、新サービス群においては、「Creema SPRINGS」「FANTIST」ともに成長を継続し、全体として売上高は前期比137%と大きく伸長しました。
その結果、全社売上高は前期比101%となり、前年実績を僅かではありますが上回って着地いたしました。また、4Q単体で見れば、売上高は743,617千円(前期比107%)と明確な成長軌道への回帰が見られています。一方で、前述した注力施策ならびに新サービス投資を中心に、来期以降の成長に向けた開発投資を先行実施したことから、営業利益は42,706千円(前期比41%)となり、黒字は維持したものの、前年実績を下回る水準となりました。
このような状況を踏まえ、2027年2月期においては、2026年2月期に推進したギフト領域の強化や各種機能開発をはじめとした収益力及びテイクレート向上施策等により整備した成長基盤を活用し、主力であるマーケットプレイスサービスの中長期かつ本格成長に向けた施策を徹底して推進します。このため、2027年2月期は黒字を維持しつつ、成長に向けた先行投資を優先させ、2028年2月期以降、売上面及び利益面の双方において大きな成長を実現する事業基盤を構築することに全力を尽くします。
具体的には、まず、前提となる市場及びユーザー基盤を拡張し、当社サービスのポテンシャルを最大化するために、リブランディングや出品制度の改編等を含む「Creema」の大規模リニューアルを推進します。あわせて、ユーザー数の拡大施策として、2026年2月期に各種テストを進めてきたマーケティング施策の拡張と広告宣伝費の拡大により、効率を適正範囲に保ちながら流入を拡大すると同時に、外部ブランドとのコラボ推進、メルマガの大型改修によるリテンション向上等、当社起点のプロモーションを強化します。加えて、2026年2月期にリリースした「クリエイタープッシュ」の機能強化と利用率向上によるクリエイターを起点とした流入増を通じて、「Creema」のユーザー基盤の拡大を図ってまいります。これにより、当社起点の集客とクリエイター起点の集客の双方を拡大し、マーケットプレイス全体の流入拡大を実現いたします。その上で、増加した流入に対し、2026年2月期を通して整備してきたギフト機能や各種UI刷新による提供価値の向上に加え、検索やレコメンドの更なる高度化、取扱作品の拡充などを掛け合わせることで、流通総額の拡大を加速させてまいります。また、「InFRAME」についても継続的な投資を行い、サービス基盤の強化及び提供価値の向上を通じて、利用者の拡大と定着を図り、マーケットプレイスサービス全体の大幅な成長を目指します。その結果、当該サービスの売上高は、前期比120%の1,748,181千円(後述する売上区分変更の影響を除いた比較では前期比112%)への成長を目指します。
プラットフォームサービスについては、外部広告において、既存の取り組みを継続しつつ、新たな収益の柱の育成と再現性の高い広告モデルへの転換を進めるとともに、受注体制の強化を通じて事業の拡大を図ってまいります。内部広告においては、マーケットプレイス全体の流入増加に伴う利用拡大に加え、UIのアップデート等による利便性向上を通じて、利用率及び収益性の向上を図ってまいります。その結果、当該サービスにおける売上高は669,906千円、前期比94%となり前年水準を下回る見込みですが、これは、従来プラットフォームサービスに含まれていた一部機能の改修に伴い、2027年2月期より当該売上をマーケットプレイスサービスへ区分変更することによるものです。なお、2026年2月期の数値を2027年2月期と同一の売上区分に組み替えて比較した場合、前期比110%の成長を見込んでおります。
イベントサービスについては、売上高は111,754千円、前期比67%となる見込みです。これは、東京ビッグサイトで開催している「HandMade In Japan Fes’(HMJ)」が従来は年2回開催していたところ、会場都合により年1回開催となることに加え、引き続き「Creema YAMABIKO FES」の開催を見送るためです。一方で、来場者および出展者双方からニーズの高いHMJの地方展開を今期より開始することを計画しており、開催機会の拡大および新規顧客層の獲得を図ります。なお、当該取り組みは東京ビッグサイトでの開催と比較して規模が限定的であるため、全体としては前年水準を下回る計画としております。
新サービス群については、引き続き積極的な投資を継続してまいります。「Creema SPRINGS」においては、量的拡大に加え、企画力・提案力の強化を通じたヒット創出力の向上に取り組むと同時に、前提となるプロジェクト領域を拡張することで、より魅力的で競争力の高いプロジェクトの創出を推進してまいります。「FANTIST」においては、成長性の高い領域への集中投資と顧客基盤の強化を通じて、継続的な収益拡大を図るとともに、新たな収益機会の探索にも取り組み、日本最大級のレッスン動画プラットフォームとしての地位をさらに強固なものとしてまいります。その結果、当該サービスにおける売上高は、前期比128%の250,926千円となる見込みです。
さらに、中長期的な非連続的成長の実現に向け、既存の経営資源を活用した新たな収益基盤の確立を推進するとともに、その手段の一つとしてM&Aの有効活用を進めてまいります。クリエイターエンパワーメント事業のさらなる拡張、「Creema」とのシナジーが見込める新領域への進出を視野に入れながら、新たな成長機会を創出してまいります。
当社は、これらの成長戦略を通じて、既存事業における成長スピードを大きく向上させるとともに、新規サービスの拡大やM&Aを通じた事業ポートフォリオの強化により、持続可能かつ非連続的な成長基盤の確立を図り、事業成長を着実に推進してまいります。

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