訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2021/02/09 15:01
【資料】
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【項目】
123項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は「知を創集し道具にする」をミッションに掲げております。世界に遍在する知(データ)を創集し、その集合知を誰にでも使える道具(ツール)へと変え、顧客に届けることで顧客ビジネスの生産性向上および収益成長に貢献してまいります。
(2)経営戦略等
当社が今後更なる成長と発展を遂げるためには、主に「(5)事業上及び財務上の対処すべき課題」に記載の事項へ対応していくことが経営戦略上、重要と認識しております。
デジタル化の加速により、DXに取り組む企業は今後増加が見込まれます。そうした企業の課題に応えられるようサービスを強化し、販売チャネルを強化することで、それらの企業へ自社のサービスを届けます。それにより、顧客基盤の拡大と顧客ごとの収益性の向上を通じて、長期的な企業価値向上を実現します。
サービス強化のための対応策として、①新規商品投入と既存商品を絡めたクロスセルの強化、②Webサイトを中心としたマーケティングのバリューチェーンの前後(集客改善といった前工程や、Webサイトで獲得した見込み顧客の営業といった後工程)への拡張、③新規ソリューション開発のためのパートナー企業との連携の強化の3点を主に推進します。
具体的には以下のような成長戦略を実行します。
A.新ソリューションの投入とクロスセルの強化
当社は、顧客との継続的接点を活かし、顧客に新たに生まれた課題をいち早く捕捉し、その他のソリューションを提供する「クロスセル」を行うこと、またクロスセルを行えるソリューション群を増やすことでLTV(顧客生涯価値)の最大化を進めます。
マーケティング関連の新ソリューションの投入
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B.マーケティング周辺領域へのソリューションの拡張
当社は、「AIアナリスト」のアルゴリズムを軸として、インプットするデータの幅を広げることで、アウトプットする改善提案および付随するアクションの幅も広がります。分析ソリューションとして対応する領域を拡張し、「AIアナリスト」の付加価値を高めます。具体的な拡張領域として、SFA/CRM(*1)、MA(*2)ツール、販売管理・在庫管理システムなどが挙げられます。
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C.パートナー企業との連携による新規ソリューションの開発
当社は自社開発商品である「AIアナリスト」を顧客に直接提供するだけでなく、同時に保有ビッグデータおよび改善提案アルゴリズムなど、「AIアナリスト」の保有するコア・コンピタンスを切り出し、パートナー企業へ提供しています。それにより、当社のアルゴリズム等の提供を受けたパートナー企業は、自身のソリューションやサービスの中に当社アルゴリズム等を組み込むことが可能です。当社の支援を受けたパートナー企業は、顧客に対してソリューションやサービスの付加価値を高め、競合他社と差別化を行うことが可能となります。
このように当社は、自社のコア・コンピタンスをもとに様々な企業とコラボレーションすることで新たな事業をつくりやすいという特性をもちます。これまでの主な顧客として、広告代理店やWeb制作会社、Webコンサルティング会社、マーケティング・ソリューション提供会社などがあります。
また、提携の型として、ホリゾンタル型(*3)としてパートナー企業サービスへの組み込みによるパッケージ化(リコー株式会社との「BtoBマーケティングドライバー」)や、バーティカル型(*4)としてパートナー企業の業界特化型「AIアナリスト」としてのOEM提供(株式会社JTBコミュニケーションデザインとの「AIアナリスト forツーリズム」)など、自社ケイパビリティのレバレッジを行います。
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上記の実現のために、優秀な人材の確保、認知度の向上、新規事業の立ち上げ、開発体制の強化、ビッグデータの蓄積・解析体制の強化、事業パートナーとの提携の強化等により、事業拡大を図る方針です。
(*1)SFAはSales Force Automationの略で、問い合わせなどの接点を得たあとに営業担当が契約に結びつけるまでを担う営業支援システム。そして、CRMはCustomer Relationship Managementの略で、契約後の顧客の契約状況を管理する顧客管理システム。
(*2)マーケティングオートメーション(Marketing Automation)の略で、企業のマーケティング活動において、旧来は人手で繰り返し実施していた定型的な業務や、人手では膨大なコストと時間がかかってしまう複雑な処理や大量の作業を自動化し、効率を高める仕組みのこと。
(*3)ホリゾンタル(Horizontal)とは「水平」を意味する単語で、勤怠管理やMAツールのような業界・業種に関係なく「人事向け」や「マーケ向け」など特定の職種が使用するタイプのもの。
(*4)バーティカル(Vertical)とは「垂直」を意味する単語で、業種ごとに特化した機能を持つもの。その特性から「業界特化型」とも呼ばれる。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は事業進捗の客観的な指標として、売上高、売上高総利益率および営業利益に加え、顧客基盤の広さと当社保有データの量を示すサイト登録数、1顧客から得る売上高である1社あたり理論LTV(顧客生涯価値、1社あたり理論LTV=1社あたりの12ヶ月平均初期売上+1社あたり平均リカーリングレベニュー/社数ベース12ヶ月平均解約率)を重要な経営指標とし、成長性や収益性を向上させていきます。
(4)経営環境
当社が属する国内DX市場の規模は、株式会社富士キメラ総研が2020年9月に公表した「2020 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」によると、2019年に7,912億円となりました。また、当該市場は、企業のDXやそれに伴うアナリティクスおよびAI活用の取り組みの一層の広がりを受け、拡大を見せています。昨今、多くの企業において、データを収集するだけでなく、その利活用を可能とするDXやAIの活用を通じて、その企業活動の生産性を向上させ、競争力を増すことが重要な経営課題となってきているためです。当該市場は、2023年までの間に1兆7,848億円まで拡大し、その年間平均成長率は+22.6%という成長率が見込まれています。
また、当社の提供する「AIアナリスト」が属する国内AIシステム市場はさらに大きく成長しています。IDC Japan株式会社が2020年6月に公表した「国内AIシステム市場予測」によると、AIによる様々な効果測定の指標を設定したことや、これらの指標を用いてプロジェクトに経営層を巻き込むなどの取り組みが功を奏する事例が増えており、2019年の市場規模(エンドユーザー支出額ベース)は818億円と前年比成長率は+56.0%となりました。同社は2024年まで年平均成長率は+33.4%で推移し、2024年には3,459億円になると予想しています。
また、そういったDXを実現するソフトウェアの中でも、多くの企業はパッケージ型ではなく、SaaS型のソフトウェアを選択する割合が増えています。SaaSは、システムを短期間かつ低初期コストで導入できることや、APIにより他システムとの連携が容易であることなどにより導入が増えており、ソフトウェア市場の拡大をけん引しています。特に、業務自動化やコミュニケーション効率化などを目的とした製品需要が増えており、中でも、パッケージからSaaSへと移行が進むグループウェア、新たなコミュニケーションの手段として導入が進むビジネスチャットなどのコラボレーションソフトウェア、また、顧客接点を強化するCRM(営業系)、マーケティングオートメーションなどの伸長をベースとして、2019年度には5,646億円あったSaaS市場は、2023年度には8,174億円と年平均成長率9.7%(株式会社富士キメラ総研 「ソフトウェアビジネス新市場2019年版」2019年10月)の拡大が見込まれています。
当社は、アナリティクスソフトウェアをSaaSという形で提供することで、顧客と継続的な接点をもっています。これにより、当社は顧客ロイヤルティを高めつつ、顧客のデータを長く蓄積することで、他社に対して参入障壁を築いています。また同時に、先行して多くの企業の利用データを集めているため、その集合知によるソフトウェアの改善が可能であることが、提供価値の点においても先行優位性を活かした参入障壁の構築に活きています。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
①新規事業の立ち上げ・新規機能の開発
当社が提供する既存サービスは継続的な取引を行う顧客基盤を確立しており、安定的な月額利用料収益を得ております。
近年のAIやデータアナリティクス、SaaSに対する関心の高まりに象徴されるように、当社の提供するサービスが属する各市場は今後ますます市場成長が見込まれており、市場のニーズにあった機能およびサービスをいち早く投入し、新規事業を立ち上げ続けることが重要な課題と認識しております。
特に「AIアナリスト」をプラットフォームとしたストック型の収益を安定的に獲得することができるサービスの開発を継続的に行い、さらなるステップアップを視野に入れた事業の収益性向上を目指してまいります。
当社は、大企業を中心にWACULコンサルティングのサービス提供や、アカデミアおよびビジネスの先端をいく人材を顧問とする社内研究所である「WACUL テクノロジー&マーケティングラボ」を通じて、PoC(Proof of Concept:新規アイディアの検証・実証)を積極的に行い、そこで得られた知見をソリューションに落とし込む形で新規事業の立ち上げおよび「AIアナリスト」の新規機能開発をより一層推進し、社会に普及させていきます。
②優秀な人材の確保
当社は専門性の高い優秀な人材の確保及び在籍する人員の育成に注力し、少人数での効率的な事業運営を意識しつつ、事業規模に応じた組織体制の整備を進めてまいりました。
今後のDX市場の拡大に伴う事業拡大及び収益基盤の強化を図るにあたり、引き続き優秀な人材を確保・育成することは当社の事業展開を図る上で重要と認識しておりますが、優秀な能力を持つ人材獲得は、他社とも競合し、安定した人材確保が容易ではない状況が今後も継続すると考えております。これまで同様、効率的な事業運営を意識しつつ、事業規模に応じた優秀な人材の組織体制の整備を進めることが課題であると認識しております。
開発部門においては、サービスの利便性及び機能の向上ならびに新規サービス開発のため、優秀なエンジニアの継続的な採用を継続的に行ってまいります。また、営業・マーケティング部門においては、収益基盤の強化と合わせて適時に採用を行ってまいります。
③認知度の向上
当社は、これまで広告宣伝活動に頼らず、当社が持つWebマーケティング技術及び提供サービスの機能優位性に拠る形での顧客の獲得を図って参りました。その結果として、現在、幅広い業種の企業に当社サービスを導入頂き、継続的な取引による顧客基盤の構築を実現することができていると考えております。
しかしながら、事業の更なる拡大を図るにあたり、当社ブランド及びサービスのより一層の確立が重要となるため、広告宣伝及びプロモーション活動による認知度の向上が重要な課題であると認識しております。
④開発体制の強化
当社のサービスは高度な処理能力などが求められるため、専門性の高い優秀な開発部門の人材の確保及び育成をすることで、サービスの品質向上に取り組んでまいりました。
しかしながら先進的な技術開発力を継続して持ち続けることは容易ではなく、継続的な人材の確保及び開発プロセスの改善、社内におけるノウハウの共有や教育訓練等が重要な課題と認識しております。
⑤ビッグデータの蓄積・解析体制の強化
当社のサービスに連携された顧客のGoogleアナリティクスのデータは日々データベースに蓄積され、それらを解析することで顧客へ高品質なサービスを提供しております。
顧客へさらなる付加価値及び新たなサービスを提供するためには、それらのビッグデータに基づき、AI技術を駆使したより高度なデータ活用を行っていくことが重要な課題と認識しております。
引き続き、有識者と顧問契約を締結し、適宜情報交換を行うことでビックデータの蓄積・解析体制の強化に努めてまいります。
⑥事業上のパートナー企業との提携の強化
当社は、提供サービス「AIアナリスト」を自社の販売部門から直販することで顧客基盤を構築してまいりました。
今後「AIアナリスト」及びその周辺サービスをさらに拡販・成長するためには、事業パートナーとの提携の強化が重要な課題と認識しております。具体的には、当社がまだリーチできていない顧客層をすでに保有している販売パートナーや、「AIアナリスト」の機能で提案されるサイトの改善提案を元に実装・実行等を行うソリューションやサービスを持つパートナーとの提携強化に努めてまいります。

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