四半期報告書-第15期第2四半期(2023/10/01-2023/12/31)

【提出】
2024/02/14 15:03
【資料】
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【項目】
38項目

事業等のリスク

当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更があった事項は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」の項目番号に対応したものであります。
(4)エネルギーサプライ事業に関するリスク
④大型バイオマス発電事業に関する投資
当社グループは、2021年9月に株式会社伊万里グリーンパワーの全株式を取得し、当社の連結子会社としております。同社は、佐賀県伊万里市において発電出力約46.0MWの大型バイオマス発電の事業化に向けた開発を行っており、本書提出日現在、当社グループ単独にて事業化推進を図ることとし、総額320億円の設備投資を計画及び実施しております。
当社グループは、当該プロジェクトにおいて、発電所建設に際しては、綿密な設計計画を作成した上で外注事業者と工事請負契約を締結しており、プラント建設工事の一部を当社の連結子会社であるテス・エンジニアリング株式会社が担っております。なお、当該バイオマス発電に用いるPKS(パーム椰子殻)燃料の近年における調達価格の高騰に対しては、複数のサプライヤーからの購買に加え、インドネシアでPKS燃料販売を行う当社の連結子会社であるPT INTERNATIONAL GREEN ENERGY(本社:インドネシア)において構築したPKS燃料の調達・販売のためのサプライチェーンを利用した自社安定調達を推進することにより、当該開発プロジェクトの収益性確保を図る方針であります。また、開発にかかる資金調達については、2023年6月21日開催の取締役会において実施を決議した「一部コミットメント型ライツ・オファリング」による調達資金に加えて、金融機関からのシンジケートローンによる対応を進めております。
近年、国内におけるPKS燃料調達価格は、燃料価格の高騰、海上輸送運賃の上昇及び円安等により過去最高値水準で推移しております。燃料価格変動リスクを踏まえた当社グループの試算において、適用される固定価格買取期間(約19.5年)に亘り調達価格が現在の最高値水準で推移したと仮定し、一定の長期為替予約を想定した場合のプロジェクト損益については、期間前半は金利及び税負担等もあり赤字が継続、期間全体では黒字を確保するものの利益水準は低位に留まるものと予測されます。なお、当社グループは、外部調査会社の見解をも踏まえ、将来においてPKS燃料価格は需給バランス改善等により一定程度の落着きを取り戻してくるものと想定しているほか、現在開発中のEFB燃料利用によるコスト低減も視野に入れたプロジェクト運営を検討しておりますが、必ずしも当社グループの想定通りに推移する保証はありません。
なお、上記取組みにかかる長期為替予約については、2023年12月末時点において複数の金融機関と総額491百万米国ドルの為替予約を締結しております。引き続き、複数の金融機関と為替予約の対応を進めておりますが、予約実行時に設定される為替レートや予約金額の状況によりプロジェクト損益は変動する可能性があります。また、長期為替予約にかかる会計処理についてヘッジ会計の適用を検討しておりましたが、本長期為替予約については原則処理を適用することとなったことから、為替変動に伴うデリバティブ損益を通じて当社グループの各期の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このように当社グループは、バイオマス燃料調達やその他のプロジェクト推進に影響を与える各種要因を注視しつつ収益性確保及び資金調達等に努めていく方針でありますが、今後、建設工事におけるトラブルの発生、燃料調達における著しい価格高騰又は調達困難、開発資金にかかる資金調達の不調、金利の変動、その他の予期せぬ事態により、当該プロジェクトの大幅な遅延や中断、収益性の著しい低下等が生じた場合、収益面の悪化が生じるほか、当該投資や発電所設備等の資産にかかる減損損失の計上が必要となる等、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(バイオマス発電事業の概要)
発電事業者名:株式会社伊万里グリーンパワー
発電所名:佐賀伊万里バイオマス発電所(仮称)
発電容量:約46.0MW
想定年間売電電力量:約312,000,000kWh/年(初年度想定)
固定買取価格:24円/kWh(一般木質バイオマス)
運転開始:2025年5月(予定)
当社グループの出資状況:議決権所有割合100%
当社グループの関与状況:EPC、アセットマネジメント業務、オペレーション&メンテナンス業務、燃料供給業務