有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2021/05/07 15:00
【資料】
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【項目】
150項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1)経営方針・経営戦略等
当社は、「楽しいね!を、世界中の日常へ。」というミッションの実現に向け、国内市場及びグローバル市場をターゲットにしたスマートデバイス向けアプリ・ゲームの企画・開発・運営・販売を始めとするエンターテインメントサービス事業に今後も注力していく方針です。
このような方針に基づき、既存タイトルについては中長期にわたる安定運営による収益の維持、新規タイトル・サービスについては、世界中の人々へさまざまな楽しさや感動、新しい体験を届けるため、ユーザーニーズの的確な把握や、ニーズに合ったプロダクトの開発・提供、効果的なプロモーション、多種多様なパートナーとの協業による事業機会の拡大を積極的に推進するとともに、開発スケジュールや費用の管理を徹底します。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、成長フェーズにある企業であるため、短期的な経営指標の変動ではなく、中長期的な成長を図るため、既存タイトル・サービスの維持・拡大と、新規タイトル・サービスや成長領域への戦略的な投資を両立したうえで、売上・利益ともに拡大し企業価値の向上を図ることを重視しています。また、経営上の指標として、タイトル・サービス毎のユーザー数を重視しており、多くのユーザーに長期的に楽しんでいただける運営に努めています。
(3)経営環境
2020年のPCやコンソール、スマートフォンも含めたゲーム市場全体は全世界で1,593億ドル(約17兆円)、2023年には2,179億ドル(約23兆円)の市場に成長すると言われています。また、ゲーム市場のうち最も大きな割合を占めるモバイル向けゲーム市場は2020年には全世界で約7.7兆円、アジア全体では約4.2兆円、うち日本が約1.2兆円となり、今後もモバイル向けゲーム市場全体の成長に寄与することが予想されています。
(出典:newzoo「The World's 2.7 Billion Gamers Will Spend $159.3 Billion on Games in 2020; The Market Will Surpass $200 Billion by 2023」、角川アスキー総合研究所「ファミ通モバイルゲーム白書2021」をもとに1ドル=108円で当社算出)
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題
当社は、スマートデバイス向けのアプリ・ゲームの企画、開発、運営、販売を行うエンターテインメントサービス事業を推進しており、以下の主要課題に取り組んで参ります。
① 魅力的なプロダクト・サービスの提供
当社では、ミッションである「楽しいね!を、世界中の日常へ。」を念頭に、国・言語・文化・年齢・性別などあらゆる壁を越えて誰もが楽しめるプロダクト・サービスを提供し続け、コミュニケーションを通じた「笑顔」を世界の隅々まで広げることで、収益基盤の拡大と安定化を図ることが重要な課題だと考えております。
② ゲームの安全性及び健全性の強化
スマートデバイス向けアプリ・ゲームにおいては、ゲーム内アイテム等をオークションサイト等において売買するリアル・マネー・トレードや、不適切な水準での有料アイテム出現確率に関する問題、未成年による高額課金問題等が社会的な問題となっております。当社は、こうした状況を踏まえ、ソーシャルゲーム業界の健全性や成長性を損なうことのないように対応していくことが、重要な課題であると認識しており、各種法的規制や業界団体のガイドラインを遵守しております。
③ 海外市場展開の強化
当社は、国内だけでなく、今後より一層の成長が見込まれる海外市場に当社のプロダクト・サービスを提供していく必要があると考えております。具体的には、各地域の国民性や言語、デバイスの普及状況などに鑑みて、今後もプロダクト・サービスの企画、開発、運営に取り組んでいく方針です。また、当社単独での展開のみでなく、国内外の有力なパートナーとの協業による展開も積極的に推進し、リスクの低減を図ります。
④ ユーザー獲得及びエンゲージメントの強化
当社が提供するタイトル・サービスのユーザー数の増加及び維持が、業績拡大のための重要な要素であると考えております。そのため、既存プロダクト・サービスについてはユーザーからの継続的な愛着を醸成することを意識し、中長期にわたる安定運営による利益の維持を図っていく方針です。新規タイトル・サービスについては、ユーザーニーズの的確な把握や、ニーズに合った企画、開発、運営、並びに効果的なプロモーションを積極的に推進するとともに、開発スケジュールや費用の管理を徹底し、収益力の向上を図ります。
⑤ 組織体制の強化と内部統制及びコンプライアンス体制の強化
当社は、今後更なる事業拡大を推進するに当たって、継続的に幅広く優秀な人材を採用し続けることが必須であると考えております。開発部門を中心に極めて高度な専門性を有する人材が必要であることから、一定以上の水準を満たす優秀な人材を継続的に採用すると共に、成長ポテンシャルの高い人材の採用及び既存の人材の更なる育成・維持に積極的に努めていく必要性を強く認識しております。また、従業員のモチベーションを引き出す人事評価制度や福利厚生等の人事制度構築に努めながら、業務遂行能力、人格、当社の企業文化及び経営方針への共感を兼ね備え、様々な分野で活躍出来る優秀な人材の採用に取り組んで参ります。
さらには、公正で透明な事業推進のため、内部統制及びコンプライアンス体制の充実・強化を図って参ります。
⑥ システム基盤の強化
当社は、アプリ・ゲームをスマートデバイス向けに展開していることから、サービス提供に係るシステム稼働の安定性を確保することが経営上重要な課題であると認識しております。そのため、ユーザー数増加に伴うシステムの負荷分散や稼働状況の監視等の取り組みが必要となります。当社は、その重要性に鑑み、今後においてもシステム基盤の強化への取り組みを継続していく方針です。
⑦ 技術革新への対応
当社は、先端的なテクノロジーを基盤にした新たなサービスやデバイス等の普及に伴う技術革新に対して適時に対応を進めることが、事業展開上の重要な要素であると認識しており継続的な対応を図っていく方針です。
⑧ 財務基盤の強化
当社は、収益基盤の維持・拡大とともに、費用対効果を慎重に検討し、各種コストの見直しを継続的に行うことで財務基盤の強化を図ります。