有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2021/06/11 15:00
【資料】
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【項目】
156項目
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方
当社は、「The Human Based Company 私達は「人と共に成長し継続する企業」を目指します」という理念を掲げて、今後も社会問題の解決に貢献し、新たな技術の開発やサービスの拡大を推進するため、経営環境の変化に迅速かつ的確に対応するとともに、コーポレート・ガバナンスの強化による経営の健全性と透明性を確保し、コンプライアンスを重視した経営に努めております。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
a.企業統治の体制の概要
当社は、取締役会及び監査役会設置会社であります。当社の経営上の意思決定、執行及び監督に関する機関は、以下のとおりであります。
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(a)取締役会
取締役会は、法令・定款に定められた事項のほか、経営上の重要な事項に関する意思決定機関及び取締役の職務執行の監督機関として機能しており、当社の取締役会は、代表取締役社長である久保努が議長を務め、西村浩、平間恒浩、浅野勝己、川上嘉章、雄谷淳、横田浩(社外取締役)、岩野和生(社外取締役)の取締役8名で構成されております。取締役会は、原則として月1回の定時取締役会や四半期に1回の決算承認を主目的とする取締役会のほか、必要に応じて臨時取締役会を開催し、迅速な経営上の意思決定を行える体制としております。
(b)監査役及び監査役会
監査役は、取締役会以外にも重要な会議体へ出席し、必要に応じて意見を述べるほか、重要な決裁書類の閲覧等を通じて、取締役の職務執行を監査しております。監査役会は、常勤監査役である古川勝博が議長を務め、山下美穂(社外監査役)、加藤充彦(社外監査役)の監査役3名で構成されております。監査役会は、原則として月1回の定例監査役会を開催するほか、必要に応じて臨時監査役会を開催し、監査計画の策定、監査実施状況、監査結果等の検討等、監査役相互の情報共有を図っております。また、監査役は、内部監査責任者及び会計監査人と随時会合を開催して情報共有を行い、相互に連携を図っております。
(c)内部監査室
当社は、代表取締役社長直轄の内部監査室(1名)を設置し、監査役と連携を図り、内部監査を実施しております。また、内部監査計画に基づき、グループ全体の監査を実施し、監査結果を代表取締役社長に報告するとともに、被監査部門の改善指導・改善状況を確認し、内部監査の実効性の向上に努めております。
(d)経営委員会
当社グループの経営に関する重要な事項の審議及び決議、並びに報告を目的として設置しており、代表取締役社長が議長を務め、管掌役員、執行役員で構成されております。原則として月2回の開催のほか必要に応じて臨時で開催し、業務執行上の意思決定を迅速に行える体制としております。
(e)コンプライアンス委員会
企業倫理及び遵法精神に基づく企業行動の徹底を図るための重要事項を審議、決定することを目的として設置しており、代表取締役社長が委員長を務め、委員長が各部門から任命する委員で構成されており、必要に応じて随時開催しております。
(f)情報セキュリティ委員会
顧客から開示された秘密情報等の保護を目的として設置しており、川上取締役が委員長を務め、各部門から選任する委員で構成されており、必要に応じて随時開催しております。
(g)拡大経営委員会
経営委員会で審議及び決議、並びに報告された事項を従業員に指示・伝達することを目的として設置しており、平間取締役が委員長を務め、グループリーダー以上の役職者で構成され、原則として月1回開催しております。
(h)プロジェクト・レビュー委員会
案件(プロジェクト)のリスク低減を図る目的として設置しており、品質管理管掌役員が委員長を務め、主に取締役が担当する管理部門委員、営業部門委員及び開発部門委員で構成されております。原則として週2回の開催のほか必要に応じて臨時で開催し、受注前審査や受注案件の品質検証等を実施しております。
b.当該体制を採用する理由
当社では監査役会設置会社を採用しております。この体制により、経営の最高意思決定機関である取締役会に業務執行の権限・責任を集中させ、業務執行及び取締役会から独立した監査役及び監査役会に取締役会に対する監査機能を担わせることで、適切な経営の意思決定と業務執行を実現するとともに組織的に十分牽制の効く体制であると考えております。
なお、監査役3名のうち2名を社外監査役として選任しております。社外監査役は、取締役会及び経営陣に対して独立した立場で積極的に意見を述べており、実効性の高い取締役会を構築しております。
③ 企業統治に関するその他の事項
a.内部統制システムの整備状況
当社は業務の適正性を確保するための体制として、「内部統制システムの整備に関する基本方針」を定め、当該基本方針に基づいた運営を行っております。その内容は以下のとおりであります。
(a)職務執行の基本方針
当社は、次の企業理念を掲げ、すべての役員(取締役、監査役又はこれらに準ずる者を言う。)及び従業員(社員、契約社員、派遣社員その他当社の業務に従事するすべての者を言う。)が、職務を執行するにあたっての基本方針とします。
企業理念
当社は、「企業の継続性」を経営の最重要課題として捉え、企業活動を通じて「顧客への責任」、「社員への責任」、「株主への責任」の3つの責任を履行し、良き企業として社会に貢献いたします。
1.当社は、常に顧客満足度の向上を念頭に置き、顧客への奉仕の精神を忘れず「顧客から期待され信頼される企業」を目指します。
2.当社は、人材こそ財産という信念のもとチャレンジ精神を忘れず「社員から期待され愛される企業」を目指します。
3.当社は、株主への利益還元を実現することで「株主から期待され評価される企業」を目指します。

当社は、この企業理念の下、適正な業務執行のための体制を整備し運用していくことが重要な経営の責務であると認識し、以下の内部統制システムを整備すべく努めてまいります。
(b)取締役及び従業員の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
イ.企業価値の向上と社会の一員として信頼される企業となるため、法令・定款及び社会規範の遵守を経営の根幹に置き、その行動指針として「企業理念」及び「行動規範」を定め、役員及び従業員は、これに従って職務の執行にあたります。
ロ.代表取締役社長を委員長とする「コンプライアンス委員会」を設置し、コンプライアンスに関する重要な問題の審議とともにコンプライアンス体制の維持・向上を図り、啓発・教育を行います。
ハ.すべての役員及び従業員は、「企業理念」、「行動規範」の基本原則である「コンプライアンス・マニュアル」を通じてその精神を理解し、一層公正で透明な企業風土の構築に努めます。
ニ.コンプライアンスに関する相談や不正行為等の通報のために、社外を含めた複数の窓口を設置し、通報者の保護を徹底した内部通報制度を運用します。
ホ.当社は、社外取締役を選任することにより、取締役の職務執行について、その適法性に関する監督機能の維持・向上を図ります。
ヘ.社長直轄とする内部監査室に内部監査機能を置き、各部門の業務執行及びコンプライアンスの状況等について定期的に監査を実施し、その結果を社長及び監査役会に報告します。
(c)取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
取締役会は、取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理について、情報管理責任者にあたる取締役を選任し、その責任者の指揮のもと文書管理規程、その他社内規程に基づく情報管理体制を整備します。
情報管理責任者である取締役は、当該文書を文書管理規程に基づき保存・管理します。
イ.株主総会議事録及び関連資料
ロ.取締役会議事録及び関連資料
ハ.経営委員会その他重要な会議体の議事録及び関連資料
ニ.取締役が決裁した文章及び関連資料
ホ.その他、取締役の職務執行に関する文章
(d)損失の危険の管理に関する規程その他の体制
イ.「危機管理規程」により経営活動上のリスク管理に関する基本方針及び体制を定め、これに基づくリスク管理体制を整備、構築することによって適切なリスク対応を図ります。
ロ.経営活動上のリスクとして、市場関連リスク・信用リスク・品質リスク・コンプライアンスリスク・海外カントリーリスク等を認識し、そのリスクカテゴリー毎のリスクを把握するため、対応管理責任者の体制を整備します。
ハ.管理部門を全体のリスク統括管理担当とすることで、リスク情報を集約し、内部統制と一本化したリスク管理を推進します。また、重大な事態が生じた場合には、迅速な危機管理対策を実施できる体制を整備します。
(e)取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
イ.取締役が職務執行を効率的に行うため、取締役会を毎月1回定時開催する他、適宜臨時に開催します。
ロ.取締役の職務執行については、稟議規程、取締役会付議基準、組織規程、業務分掌規程、職務権限規程において、その責任の所在、執行手続を定め、効率的に職務の執行が行われる体制を構築します。
ハ.取締役会は経営理念の下、将来の事業環境を見据えた上で、中期経営計画及び年度経営計画を策定し、代表取締役以下の取締役は、その達成に向けて職務を遂行し、取締役会にて、その実績の報告を行います。
(f)当社企業グループにおける業務の適正を確保するための体制
イ.企業集団全体の企業価値の向上を図るべく親会社と子会社間での指揮・命令・意思疎通の連携を密にし、指導・助言・評価を行いながら企業集団全体としての業務適正化を図ります。
ロ.企業集団内で横断的な会合を開催することで、企業集団内での情報共有や意見交換等を行い、連携を図ります。
ハ.子会社については、当社の役職員が取締役又は監査役として就任し、子会社の業務執行状況を監視できる体制を構築します。
(g)監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する体制及び使用人の取締役からの独立性に関する体制
イ.監査役は、使用人に監査業務に必要な事項を命令することができるものとします。
ロ.監査役より監査業務に必要な命令を受けた使用人は当該命令に関して取締役等の指揮命令を受けないものとします。
ハ.当該使用人の任命・異動については、監査役の意見を聴取し、尊重するものとします。
(h)取締役及び従業員が監査役に報告するための体制その他の監査役への報告に関する体制
取締役及び従業員は、「監査役監査基準」に従い、各監査役の要請に応じて必要な報告及び情報提供を行うとともに、次のような緊急事態が発生した場合には、遅滞なく監査役会に報告するものとします。
イ.当社の経営上に重大な影響を及ぼすおそれのある法律上又は財務上に係る諸問題
ロ.その他当社に著しい損害を及ぼすおそれのある事象
(i)監査役の職務の執行について生ずる費用又は債務の処理にかかる方針に関する事項
監査役が、その職務の執行について生ずる費用の前払い又は償還等の請求をしたときは、当該監査役の職務の執行に必要でないと認められた場合を除き、速やかに当該費用又は債務を処理するものとします。
(j)その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
イ.監査役は、経営委員会その他重要な会議に出席するとともに、会社の重要情報を閲覧し、必要に応じ取締役又は従業員に対しその説明を求めることができるものとします。
ロ.監査役が効率的な監査を実施するため、会計監査人及び内部監査部門は監査役と定期的に協議又は意見交換を行い、監査に関する相互補完を行うものとします。
ハ.監査役は、当社及び子会社の代表取締役と定期的に会合を持ち、業務執行方針、会社が対処すべき課題、会社を取り巻くリスクについて聴取するとともに、監査環境の整備状況、監査上の重要課題について意見交換ができるものとします。
(k)財務報告の信頼性を確保するための体制
イ.経理規程に基づき、法令及び一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って適正な会計処理を行います。
ロ.金融商品取引法その他適用のある法令に基づく適切な内部統制システムの構築を行います。また、内部統制システムが適正に機能することを継続的に評価し、必要な是正を行います。
(l)反社会的勢力の排除に向けた体制
当社は、「反社会的勢力との関係遮断」の基本方針を定め、当該方針の下、反社会的勢力排除の実効性を確保する体制を構築します。
b.リスク管理体制の整備状況
当社では、内部統制システムの基本方針においてリスク管理の基本方針を定めて、以下の組織体制により、当社グループにおいて想定されるリスクに的確に対応できるよう努めております。
(a)リスク管理体制
経営活動上のリスクとして、市場関連リスク・信用リスク・品質リスク・コンプライアンスリスク・海外カントリーリスクの5つのリスクを認識し、これらリスクを把握するため、カテゴリー毎に1名以上のリスク管理担当役員を置いています。
(b)リスク情報の集約
リスク管理担当役員は、自らが担当するカテゴリーのリスク把握に努める一方で、管理管掌取締役がリスク統括管理担当となり、それぞれのリスク情報を集約します。日常的なリスク情報は、各担当役員間で連携されますが、重要なリスクを伴う事項については、決裁権限表に基づき経営委員会等で報告または審議されます。
(c)代表取締役
代表取締役は、経営委員会等で報告を受けた際には、外部専門家との連携やコンプライアンス委員会への付議を含め、必要な対応を指示します。これと同時に、リスクを低減するための内部統制システムの整備について、管掌取締役あるいは部門長等に必要な指示を行います。さらに、重大な事態が生じた際には、危機管理規程に基づき、迅速に必要な体制を構築します。
c.子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
当社の関係会社に対する管理は、以下を基本方針とし関係会社管理規程に基づいて行っております。
・グループ企業の経営成績、財政状態の把握のため、決算書類等の入手を求めるものとする
・経営上の重要事項等の決定への参画・承認を行い、その結果について報告を受けるものとする
・関係会社との取引においては、相互対等の取引関係を原則とし、取引の基本契約を締結し、相互の責任を明確にするものとする
d.取締役及び監査役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定に基づき、取締役会の決議をもって、取締役及び監査役(これらの者であった者を含む)の会社法第423条第1項の損害賠償責任を法令の定める限度において、免除することができる旨を定款に定めております。これは取締役及び監査役が期待される役割を十分に発揮できることを目的とするものであります。
e.責任限定契約の内容の概要
当社は、会社法第427条第1項の規定に基づき、社外取締役及び社外監査役との間において、会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任限度額は、法令が定める最低責任限度額としております。なお、当該責任限定が認められるのは、当該社外取締役または社外監査役が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失がないときに限られます。
f.取締役の定数
取締役の員数は10名以内とする旨を定款で定めております。
g.取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨及び選任決議は累積投票によらない旨を定款に定めております。
h.取締役会で決議できる株主総会決議事項
当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によって定めず、取締役会の決議によって定める旨を定款に定めております。これは、株主への機動的な利益還元を可能にするためであります。
i.株主総会の特別決議の要件
株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める特別決議について、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。
j.支配株主との取引を行う際における少数株主保護についての方策
支配株主との取引が生じる場合には、一般の取引条件と同様の適切な条件とすることを基本条件とし、取引内容及び条件の妥当性について、当社取締役会において審議の上、その取引金額の多寡に関わらず、取締役会決議をもって決定し、少数株主の保護に努めております。