有価証券報告書-第12期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/25 16:00
【資料】
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【項目】
138項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「わたしたちは、たゆみない努力で健康を願うすべての人々に新たな価値を創造し、豊かな社会づくりに貢献」することを経営理念に掲げ、自社のモノづくりの強みを生かし、世界に広がる販路を活用することで、グローバルヘルスケアトップ企業の一角として世界中の健康を願う皆さまのお役に立ち続ける企業を目指しております。
また、「精緻な技術でヘルスケアの未来を切り拓くリーダーとなる」をビジョンとして設定しており、高品質な医療を、誰もが身近に享受できる未来の実現に向けて、強みである精緻な技術を基盤に、医療従事者や研究者の皆さまと共創し、健康を願うすべての人々のために、ヘルスケアの未来を切り拓いてまいります。
(2)経営環境
世界的な物価高や金融引き締めによる金利上昇等の金融不安に加え、米中の通商問題やロシア・ウクライナ情勢による影響、米国政府による関税政策の動向等、世界経済の景気の不確実性は依然として残っておりますが、刻一刻と変化するこれらの状況に対し、柔軟かつ迅速な対応を図ってまいります。
当社グループを取り巻くグローバルなヘルスケアビジネスにおける環境は、先進国で進行する少子高齢化と世界的な生活習慣病の増加やがん患者の増加、それらに対する様々な技術革新が行われています。その一方で各種医療基準・規制の強化に加え行政の医療費削減の動きが見られます。糖尿病マネジメントに関して、血糖値測定システム(Blood Glucose Monitoring(以下、「BGM」))事業の市場規模は、先進国市場における保険償還額の見直しや持続血糖値測定器(Continuous Glucose Monitoring(以下、「CGM」))の普及拡大等により、今後3年間の年平均成長率は4~5%の縮小傾向と見込んでおります。一方、新興国市場では糖尿病患者数の増加等により市場規模は成長しております。ヘルスケアソリューションについては、日本の受託臨床検査市場では診療報酬改定を背景とした一部検査の受託価格の下落影響等がある一方で、遺伝子・ゲノム検査等の領域は今後の市場拡大が見込まれております。日本における電子カルテシステムの普及は未だ途上にあり、今後も新規開業時の導入や既存開業医においてもレセプトコンピュータ更新時に電子カルテシステムの導入が進むことが予想されます。政府は「医療DX令和ビジョン2030」等、医療DXの推進を図る方針を示しており、医療分野でのデジタル化の動きが加速しております。また、「導入コストの削減」「システム運用・管理費用・人員の削減」「災害時対策」等を訴求点にクラウド型電子カルテが注目されており、導入が進む可能性があります。診断・ライフサイエンスにおいては、病理市場は、がんの発病や検査の増加及び個別化医療の進展によるがんの診断数の増加傾向等を背景に、デジタルパソロジーや人工知能(AI)を駆使した先進的な技術の活用も進んでいます。ライフサイエンス機器市場は、COVID-19に関連した需要が落ち着く一方で、デジタル化やIoTをはじめとする技術革新もあり、機器の高度化と多様化が進み、継続的な需要増が見込まれています。また、細胞及び遺伝子治療(CGT)市場においては、製薬企業やバイオテック企業によってオンコロジー(腫瘍学)領域や新規抗菌薬等の研究開発・創製も積極的に進められており、今後も世界的な市場拡大が見込まれています。その様な環境の中、当社グループは、これまで培った高品質・高性能なモノづくりとデジタルソリューションによる顧客基点のイノベーションを強みとし、事業推進に取り組んでまいります。
(3)目標とする経営指標
当社グループは、「精緻な技術でヘルスケアの未来を切り拓くリーダーとなる」をビジョンとして掲げ、グローバルヘルスケアトップ企業の一角を目指しております。それらの到達を具現化するためには事業規模を拡大し収益性を向上させることが経営上重要であると認識し、売上収益、営業利益、(調整後)EBITDA及び親会社の所有者に帰属する当期利益を重要な経営指標として位置づけ、事業の進捗とそれらの充足状況を分析し経営課題に対処していく方針です。なお、(調整後)EBITDAについては、①営業利益をベースとした指標であり、事業の収益性を示す指標であること、②事業の収益性を評価する指標としてグローバルに活用されている指標であること、③キャッシュ創出力を示す指標の1つであり、成長に向けた投資余力を示す指標であることから、当社グループにおける重要な経営指標の1つとして位置付けております。(調整後)EBITDAの算定方法については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① グローバル規模での中長期の成長を支える社内体制の構築・強化
当社グループは、2016年のBayer AG社の糖尿病ケア事業の買収、2019年のThermo Fisher Scientific Inc.からの病理事業の買収及び株式会社生命科学インスティテュート(現三菱ケミカルグループ株式会社のグループ会社)からのLSIMの買収及び、2023年の富士フイルムヘルスケアシステムズ株式会社の電子カルテ・レセプト関連事業の取得を経て、事業基盤の強化、事業拡大を進めております。これに伴い、グローバルでのグループガバナンスの向上、内部統制に係る体制の強化、各国での法令順守の徹底に向けた社内体制の構築・強化に努めてまいります。
② 事業及び収益基盤の拡大
当社グループは、顧客ニーズや技術革新の変化・進展が目覚しいヘルスケア業界の中で、「精緻な技術でヘルスケアの未来を切り拓くリーダーとなる」ことを目指し、「糖尿病マネジメント」、「ヘルスケアソリューション」、「診断・ライフサイエンス」の3つの事業ドメインで事業を行っております。
当社グループは、2024年11月に「中期経営計画2027」を策定し、2030年を目標に当社グループが目指すべき姿として、「精緻な技術でヘルスケアの未来を切り拓くリーダーとなる」を新しいビジョンに定めました。このビジョンのもと、2030年までを2つのPhaseに分け、Phase1の「中期経営計画2027」を下記に位置づけました。
本中期経営計画を着実に実行し、企業価値の向上に努めてまいります。
<中期経営計画2027の位置づけ>・ビジョンの実現のため、「成長に向けた基盤構築」をPhase1、「診断・ライフサイエンス領域を核とした持続的な成長の実現」をPhase2として取り組んでまいります。
・Phase1の中期経営計画2027では、重点施策として、「収益基盤強化のための構造改革」「ポートフォリオ管理強化」、「診断・ライフサイエンス領域への注力」の3つの施策を実行してまいります。
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③ 借入金の返済について
当社の借入金は、過去に行ったM&A等により総資産の過半を占める水準となっておりますが、今後見込まれるフリー・キャッシュ・フローにより返済可能な水準であると考えております。当連結会計年度におきましては、手許資金を活用して事業投資や設備増強、及び借入金の返済等を実施しつつ、資金の状況を見ながら資産を活用した資金調達を行っております。引き続き事業における資金需要に鑑みつつ、早期の財務体質強化に努めてまいります。
④ PHCグループとしての認知度の向上
当社グループは、2014年にパナソニックグループよりカーブアウトし、2018年4月にはグループのコーポレートブランドを「PHC」に変更しております。各事業はそれぞれに長い歴史を持ち、長年お客様に親しまれてきた事業・製品ブランドを有しておりますが、2021年10月の東京証券取引所市場第一部(現在、東京証券取引所プライム市場)への上場を機に、今後はグループとしての認知度を更に高めるべく、各事業・製品ブランドの強化に努め、併せて様々な媒体を通じたIR・広報活動を行うことで、投資家をはじめとするあらゆるステークホルダーの皆様に対してPHCグループの認知度をグローバルに向上させるよう努めてまいります。

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