有価証券報告書-第14期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/25 15:01
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【項目】
124項目
① 戦略
当社グループは、Beyond Education Company「評価×教育×金融で世界中に教育を届ける」をコンセプトに、国際機関等と連携し、グローバルサウスと日本を繋ぐ評価×教育×金融の持続可能な次世代人財育成基盤を作る事業を、当社グループの3事業の連携により推進していきます。
市場拡大(グローバルサウス展開の実現・プラットフォーム/Web3事業におけるビジネスモデル拡張)、顧客基盤の拡充(クロスセリングとアップセリング戦略・パートナーシップと連携)、技術革新(DIDによる教育や職歴履歴の活用)を軸とした成長戦略を通じて、経営目標である売上収益成長率30%台、平均営業利益率25%以上の持続的な成長を実現していくためには多様かつ優秀な人財が不可欠です。人的資本の最大化を最優先課題とし、従業員一人ひとりの成長を支援することで、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
<人的資本戦略>当社グループは、優秀な人財の採用と育成を戦略的な投資と位置づけています。当社グループの事業は、社会全体の人的資本の成長に貢献するシステム構築を目指しており、全社一丸となって取り組んでいます。
具体的には、企業価値への貢献を「人的資本(能力)」と「人的資本の発揮度(環境)」の掛け合わせと捉え、効果的な人財戦略を推進しています。これはベッカー教授の人的資本理論に基づき、一橋大学大学院の研究会が提唱するモデルです。企業戦略に基づき、スキルの習得と活用を含む人的資本(能力)を定義し、ROIを意識した投資を行うことで企業価値の最大化を図っています。また、人的資本を効果的に発揮するための環境整備とリスク管理にも力を入れています。
■ 人的資本と企業価値のフレームワーク
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[人的資本(能力)への投資]
既存の従業員には、継続的なスキルアップとキャリア開発のため積極的な投資をしています。昨年度、学び支援制度として従業員に投資したトレーニング費用は前年比で4.7倍に増加し、従業員一人あたりの平均研修時間も53%増えました。これにより、従業員が最大限の能力を発揮できる環境を整え、長期的な企業価値の向上を目指しています。
戦略に沿った採用に関しては、昨年度は開発職とビジネス職で多くの新規採用を行い、必要採用数に対して100%達成、採用人数は前年度採用数に比較して15%増加しています。多様性と専門性を兼ね備えた人財の採用により、組織の競争力を高め、持続可能な成長を実現しています。
[人的資本の発揮度(環境)への投資]
また、ダイバーシティの推進も重視しています。現在、女性管理職の比率は42.9%と高水準を維持しており、さらに引き上げる計画です。持続的な成長のため、従業員の成長意識の向上や幸福度、目標に向けたコミットメントの向上にも積極的に取り組んでいます。
a.人的資本(能力)の最大化に向けた取り組み
当社グループでは、人的資本理論の実証化研究会のフレームワークに基づき、従業員のスキルを定量化して管理し、能力の最大化を目指しています。スキルマップを活用して、各従業員のスキルレベルを明確にし、必要なトレーニングやキャリア開発プランを提供しています。さらに、スキルと業績の関連性を分析し、人的資本(能力)のROIを最大化するための施策を講じています。このような体系的なアプローチにより、従業員の持つ潜在力を引き出し、企業の成長と持続可能な発展を支えています。
イ スキルマップに基づいた人的資本(能力)の測定
事業戦略をもとにグローバル基準(ESCO*)に従い、事業戦略達成に特に重要とされる10のコア職種(データアナリスト、プロダクトマネージャー、ソフトウエアエンジニアなど)について、8段階のスキルマップを作成し、社員のスキルレベルを評価しています。
*ESCO(European Skills, Competences, Qualifications and Occupations)とは、ヨーロッパ連合(EU)が推進する分類システム。スキル、能力、資格、職業を標準化し、EU加盟国内での労働市場の透明性を高めることを目的としています。ESCOは、教育、訓練、職業案内の分野での相互理解を促進し、労働市場と教育・訓練システム間の連携を強化するための共通言語を提供しています。
・社員のスキルレベルの測定: 定期的な評価を行い、社員の現在のスキルレベルを把握しています。これにより、各社員の強みと改善点を明確にし、個別のキャリアプランを策定します。
・業績とスキルレベルの関係性分析:スキルレベルと業績データを分析し、各スキルレベルが企業の成果にどのように寄与しているかを把握しています。
・必要なレベルの人財の確保: 分析結果を基に、企業戦略達成に必要なスキルレベルの人財を確保するためのトレーニングプログラムや採用戦略を策定しています。
0102010_002.jpgロ スキルレベルと業績の関係性分析
コア職種の現状の充足状況を可視化するために、コア職種に必要なハードスキルとソフトスキルをESCO基準に基づいて選定しています。次に、当社独自のアセスメント「GROW Flag」によって各従業員が持つハードスキルのレベルを定量化し、それぞれのコア職種におけるスキルレベルを明確にしています。スキルレベルは以下のように設定されています。
スキル
レベル
説 明
1上席者の指示や指導に従って、作業ができる
2上席者の指示に従い、計画的に業務遂行できる
3業務の基礎知識があり、一般的な業務の一部を担当できる
4業務の基礎知識があり、一般的な業務全体を担当できる。他者の一般的な業務をチェックできる
5広範な業務知識があり、イレギュラーな業務にも対応できる。他者の一般的な業務を指導できる
6イレギュラーな業務を監督・指導しながら、案件をハンドリングできる
7複雑な案件であっても、今後を見据え、戦略的に対応しつつ、成果に結びつけられる
8複数の複雑な案件について成果を生み出しつつ、長期視点でビジネスの発展や作業プロセス改善に貢献できる

この方法により、スキルレベルと業績の関係性を定量的に評価し、社員一人ひとりのパフォーマンスを正確に把握しています。これにより、各職種において必要なスキルセットを特定し、それに基づいたトレーニングや人財育成プログラムを設計しています。スキルマップの具体例として、セールス/コンサルタント職におけるスキルマップに基づく分析結果を以下に示します。この分析により、スキルレベルの向上が具体的な業績向上にどのように寄与しているかを明確にし、人財投資のROIを把握することができます。
例:スキルマップに基づくセールス/コンサルタントの分析結果~ROIの把握
社員のスキルレベルと業績データ(売上)の関係性を分析した結果、以下のような相関関係が確認されました。
・個人の売上額とスキルレベルには強い相関がある(相関係数0.68)。
・特に、スキルレベル3から4、5から6への移行は大きな売上増加に繋がる。スキルレベル4以上になると、売上が顕著に増加するため、特にレベル4以上を目指したトレーニングや教育プログラムが重要。
・現状、スキルレベル4以上の割合は53.85%(3年以内に80%を目指す)。
■ 他の職種における計画
エンジニアやデータ分析担当など他の重要職種についても、同様の方法でスキルレベルと業績の関係性を分析する計画です。具体的には以下のステップを予定しています。
・データ収集:各職種について業績評価データを収集する。
・相関分析: 各職種について分析を実施し、スキルレベルと業績指標(例:エンジニアの場合はプロジェクト完了率やバグ発生率、データ分析担当の場合は分析レポートの質やビジネスインサイトの発見数)との相関関係を明確にします。
・結果の評価:各分析結果をもとに、スキルレベルの向上が企業価値や収益にどのように寄与するかを評価し、トレーニングプログラムやキャリア開発プランに反映させます。
0102010_003.jpgハ 具体的な取り組みと投資額
測定と分析により可視化した職種レベルの引き上げを目標に、多様な研修・教育プログラムを実施します。また、特定スキルを持つ人財の採用を強化します。さらに、個人が活用できる学び支援の活用をサポートするキャリア開発を推進し、従業員一人ひとりの成長を支援します。これらの取り組みに2025年3月期において40百万円を投資し、長期的な企業価値の向上を目指しています。
■ 人的資本(能力)の最大化に向けた取り組みと投資額
戦略実施内容詳細人財戦略投資額
人的資本(能力)の向上研修・教育プログラム各職種のハードスキルとコンピテンシーのレベルアップのために、内部・外部研修を導入。例えばセールス/コンサルタントについては、コミュニケーション、タイムマネジメント、ビジネス分析、プロジェクト管理、リーダーシップ、問題解決、交渉、戦略思考の研修を予定。40百万円
採用戦略特定のスキルやジョブレベルを持つ人財をターゲットにした採用活動強化。
キャリアパスの構築全社員が半期ごとに成果目標・行動目標及び学び支援制度活用の方向性・及びそれに紐づくキャリアプランを設定、半期末に目標に対する達成度等を確認するサイクルを通じて継続的なキャリアパス構築を支援。

b.人的資本を発揮しやすい環境作りに向けた取り組み
当社グループでは、従業員が能力を最大限に発揮できる環境作りを重視しています。その一環として、多様性とインクルージョンを推進し、すべての従業員が安心して働ける職場環境を整えています。また、ハイブリッドワークモデルを導入し、柔軟な働き方を支援することで、ワークライフバランスの向上を図っています。マネージャーとの定期的な1on1やフィードバックセッションを通じて、従業員の意見を取り入れ、職場環境の改善に努めています。これにより、従業員のエンゲージメントと生産性を高め、企業の持続可能な成長を実現しています。
イ DEI(Diversity Equity & Inclusion)の推進
イノベーションにおいてDEIの推進は必須条件であり、特に男女のダイバーシティに関しては積極的に取り組んでいます。「第1 企業の状況 5 従業員の状況 (3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」において開示のとおり、ダイバーシティに関する指標において、当社は既に一定の基準に達しています。今後も高い水準(管理職に占める女性労働者の割合は40%超、労働者の男女の賃金の差は90%超)維持を目指します。
・正規雇用労働者の男女の賃金の差異:2024年3月期実績は90.1%。今後も90%超の高水準の維持を目指します。
・女性管理職比率: 2024年3月期実績は42.9%。今後も40%超の高水準の維持を目指します。
ロ 働き方の柔軟性、企業文化の醸成
オフィスとリモートのハイブリッドワークモデルを採用し、必要に応じて柔軟に働ける環境を提供することで、生産性とワークライフバランスの向上を図ります。
また、全従業員が会社のビジョンとバリューを理解し共感するため全社イベントを定期的に開催することで企業文化の醸成・エンゲージメントの向上、縦横ナナメの関係構築強化、帰属意識の醸成、セクションをまたいだ交流によるナレッジの共有を行います。
ハ エンゲージメントの向上
従業員のエンゲージメントは人的資本(能力)の発揮度を表す指標と位置付けており、上記の環境づくりに向けた取り組みを通じて従業員エンゲージメントスコアの向上を推進します。

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