有価証券報告書-第7期(2025/01/01-2025/12/31)
有報資料
文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは「Make Every Business Borderless」をミッションとし、国境や産業、オンラインやオフラインなどの制約に捉われず、テクノロジーの力で誰もが簡単にビジネスをできる世界を実現するビジネスインフラとなり、社会に貢献していくことを目指します。
(2)経営戦略等
当社グループはミッションである「Make Every Business Borderless」の実現のため、ブランドコマース(法人ブランド支援)及びパートナーグロース領域における様々なソリューションをグローバルに提供しております。インターネットの普及により、顧客である法人及びクリエイターの抱える課題は国境や業界を超えてより複雑になっております。それらの顧客のニーズに応えるべく以下の事項を中長期的な成長戦略としております。
① プラットフォーム開発を通じた既存事業の更なる成長
当社グループは東南アジア、日本、中華圏、インド等においてブランド、クリエイター、パブリッシャーへのサービス提供を行っております。成長が続く市場において、絶えず変化するクライアントのニーズに対応するために、既存サービスにおいて新規プロダクト開発やオペレーション改善を図り、プラットフォームを更に進化させ続けることで顧客基盤の拡大を目指します。
② ブランドコマース(法人ブランド支援)領域におけるワンストップソリューションの強化
当社グループはEC構築・運営を中心とした「AnyShop」、マーケティング支援を行う「AnyTag」「AnyDigital」、複数ECチャネルの一元管理・運営できるプラットフォーム「AnyX」、会話型コマースを支援する「AnyChat」、物流管理を行う「AnyLogi」、AI活用を前提とした自社データの統合分析基盤プラットフォーム「AnyAI」、生成AIを搭載したライブコマースプラットフォームである「AnyLive」等の提供を行っており、ブランドの企画・生産・販売・マーケティング・物流を通じた一気通貫でのソリューションを提供しております。国内におけるEC・D2Cブランドの支援だけでなく、海外クリエイターや法人クライアントに対するソリューションの提供やクライアントの海外展開のローカルパートナーとしての支援も行っており、グローバルにおけるブランドコマースプラットフォームとしての優位性を確立し同事業の成長を目指してまいります。また、複数のプラットフォームを顧客が同時利用(顧客が当社グループのプラットフォームを複数利用し、当社グループとして複数の収益機会を得ることを「クロスセル」と言います)することにより、顧客とより深く効率的に関係を強化することができております。
③ 海外展開地域の拡大
当社グループは創業以来アジアを中心としてグローバルに事業展開地域を拡大しており、現在は15ヵ国・地域での事業展開を行っております。新地域への展開については市場環境や競争環境を考慮して、自社での進出やM&Aによる人材・事業基盤の獲得、又はその双方の組み合わせ等、展開アプローチを柔軟に検討しております。過去の事業拡大や経営統合の中で培った経験やノウハウは更なる事業地域展開においても活用可能と考えており、今後も積極的に成長市場への進出を検討していく方針です。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、事業拡大及び企業価値向上を示す指標として、売上収益及び売上総利益を重要な経営指標と位置づけ、各経営課題に取り組んでおります。
(4)当社グループの強み
① 成長が見込まれるアジア市場における成長実績と事業基盤
当社グループは創業当初よりアジア市場に注力しており、2025年度における地域別売上収益比率(注)は日本が40.7%、東南アジアが49.3%、その他地域(インド・中華圏等)が10.0%となっております。当社グループが事業を行う各業界においてもアジア市場は中長期的な成長が期待されており、当社グループが各国に有する人材、インフラ、ノウハウを積極的に活用し継続的な成長の実現を目指します。当社グループは2017年以降の売上収益の推移は「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照下さい。
(注)地域別売上収益比率は、子会社の所在地における内部取引消去前の売上収益に基づいて算定しております。
② ローカライズされたパートナーネットワーク
当社グループの展開する事業において各国のクリエイターやパブリッシャーのネットワークが重要になります。特にアジアにおいては各国が異なる言語や文化を有しており、現地のクリエイターやパブリッシャーが強い影響力を有しております。当社グループは2025年12月末時点で、3,100,000人以上のインフルエンサー、1,237のクリエイター、1,771のパブリッシャー、267のEC/D2Cブランドを支援しております。当社グループの各国のローカルチームは継続的にネットワークの深耕を推進しており、当社グループがワンストッププラットフォームとしてソリューションを提供する上でローカライズされた各種ネットワークは重要な経営資産と考えております。
③ データ・オペレーション・営業の「三位一体」体制とAIによる最適化
当社グループは、「データ・プロダクト」「オペレーション」「営業」が融合した独自の事業基盤を構築しております。 SNSや購買データを基盤としたデータドリブンなアプローチにより、インフルエンサーマーケティングからEC運営、効果検証に至るまで、透明性と再現性の高い一気通貫の支援を実現しています。 また、年間1万件を超える膨大な案件実績に裏打ちされた強固なオペレーション体制が、戦略の確実な実行を担保。さらに、アジア15ヵ国・500名超のプロフェッショナルによる営業ネットワークを活かし、各地域に深く根ざした密なコミュニケーションと、国境を越えたクロスボーダー支援を両立させております。
④ ローカル市場への深い知見を有するグローバルなマネジメント
当社グループはアジア市場に焦点を置いて事業展開をしてきており、マネジメント体制も事業のグローバル展開に最適化された多国籍なチームとなっております。各経営陣がそれぞれの市場や事業領域において深い専門性を有しているだけでなく、自身で過去に事業を立上げて成長させてきた経営経験の豊富なメンバーが揃っております。
⑤ M&Aを通じた成長加速と確立された買収後の統合戦略
当社グループは創業以来、経営メンバーや事業リソースの獲得を目的として15件の企業買収を国内外で行っております。事業戦略や地域展開戦略に沿って、当社グループのソリューションや企業文化に沿うターゲットを特定し、事前に適切なデューディリジェンスや統合戦略の検討を行った上で買収を行ってきており、また買収後に対象企業の経営陣、組織、システム、ソリューションを当社グループに融合させ、統合後短期間でシナジーを実現してきた実績を有しております。今後も適切な機会があれば企業買収も選択肢として、柔軟に事業拡大を実現していきたいと考えております。
(5)経営環境
当社グループが事業運営を行う法人ブランド支援領域において、ソーシャルメディアマーケティング市場、ソーシャルコマース市場規模は日本及びアジア各国におけるスマートフォンやインターネットの普及、市場参加者の増加、SNSによる情報流通量の増加等を背景に安定成長が見込まれております。Grand View Researchが提供する「Asia Pacific Influencer Marketing Platform Market Size & Outlook,2025-2030」によると、アジアでのインフルエンサーマーケティング市場規模は2025年から2030年の間、27%の年平均成長率で成長すると推計されております。また、アジアにおけるソーシャルコマース市場規模についても、Grand View Researchが提供する「Asia Pacific Social Commerce Market Outlook,2026-2033」によると、2026年から2033年までの間、39%の年平均成長率で成長すると推計されております。
個別市場における需要の高まりに加えて、顧客企業の事業領域の拡大に伴いインバウンド需要も含めてクロスボーダーでのサービス(海外市場向けマーケティング、越境EC等)に対する需要が高まっております。当社グループはアジア各国に拠点と現地市場環境に精通したプロフェッショナルを有しているため、クロスボーダーでのサービス提供や海外市場でのローカライズした顧客支援が可能となっております。また、当社グループはプロダクト開発への投資を継続して行っており、アジア各国で活用できるプラットフォームを顧客に提供しております。特にアジア各国において多くのインフルエンサー、パブリッシャーのデータを有しており、当社プラットフォーム上でのデータ活用や創業以来支援してきた案件実績から得られるノウハウを活かし、先行優位性を有してグローバルで提供価値を向上できると考えております。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 新規サービス・事業の創出及び開発体制の強化
アジア市場ではテクノロジー活用が急速に進展する一方、各国・各業界における商習慣やオペレーション要件は依然として多様であり、顧客ニーズも高度化・複雑化しております。このような環境下において競争優位性を維持・強化するため、当社グループは、ソフトウェアとオペレーションを組み合わせたBPaaSモデルを基盤として、既存サービスの高度化及び新規サービス創出を継続的に推進する必要があります。特に、マーケティング支援、D2C/EC支援等の法人ブランド支援領域において、自社プロダクトの機能強化を進めるとともに、生成AIをプロダクト機能及び社内業務プロセスの双方へ活用することで、業務効率化と生産性向上を体系的に推進しております。また、AnyReach社、Vibula社等のM&Aを通じて獲得した技術・ノウハウを自社プラットフォームへ統合し、プロダクト開発と運用実装を一体的に推進できる体制を強化することで、市場環境の変化に迅速に対応可能な開発体制の構築を進めております。今後もテクノロジー人材の確保及び育成を通じ、継続的なイノベーション創出と事業開発体制の強化を図ってまいります。
② サービスの認知度及びブランド力の向上
当社グループが持続的成長を実現するためには、顧客基盤の拡大とともに、各国市場における認知度及び信頼の向上が重要であると認識しております。特に東南アジアを中心とした成長市場において、当社の強みである「クロスボーダー×バリューチェーン」による提供価値を、より広範な顧客層へ浸透させることが課題となっております。当社グループは、法人顧客向けにマーケティング及びD2C/EC支援をはじめとする各種ソリューションを提供しており、TikTok Shop等の主要プラットフォームとのパートナーシップ強化や、クロスボーダーEC支援実績の蓄積を通じて、リージョナルクライアントからの信頼獲得を進めております。加えて、中国RED(小紅書)との連携を活用したインバウンド・アウトバウンド支援等、独自のユースケースの発信を強化するとともに、地域特性に応じた営業戦略の高度化及び各事業のシナジーを活かした統合提案を推進し、アジアを代表するビジネスインフラとしてのポジション確立とブランド価値向上を図ってまいります。
③ 多様な人材の確保と組織文化の統一
事業拡大に伴い、各国拠点におけるローカルチームの強化と、多国籍な人材が連携し機動的に事業を推進できる組織体制の構築が重要な課題となっております。特に、プロダクト開発、データ活用、AI導入及びグローバルオペレーション構築等の専門領域における人材確保と育成が継続的に求められています。また、拠点・言語・文化の違いを越えた円滑なコミュニケーションと意思決定プロセスの整備、生成AIを活用した業務変革を現場へ定着させるための教育及びガイドライン整備も重要となります。今後も、多様性と包容性を重視しつつ、採用力強化、育成体制の整備及び評価・報酬制度の高度化を通じて、従業員のエンゲージメント向上と組織力強化を推進してまいります。
④ コーポレート・ガバナンスの強化
当社グループは、持続的成長及び企業価値向上の実現に向け、コーポレート・ガバナンスの強化を重要な経営課題と位置づけております。グローバル展開を進める中で、各国の法規制への対応、コンプライアンス徹底、リスクマネジメント高度化及び情報セキュリティ対策の継続的強化が求められております。さらに、事業領域拡大やM&A推進に伴い、グループ経営の透明性確保、意思決定プロセスの適正化及び内部統制の実効性向上が重要性を増しております。加えて、生成AI等の新技術活用に伴う情報管理及び運用ルール整備も重要な課題となります。今後も監督機能の強化及びグループ横断のリスク管理体制の高度化を通じ、透明性と公正性の高い企業運営を推進してまいります。
⑤ 運転資金の最適化
当社グループは複数の国・地域で事業を展開しているため、各国における資金需要や通貨建て債権債務の管理が必要となり、資金効率低下のリスクが存在します。特に、法人向けEC支援及びマーケティング事業における売掛金回収期間や在庫・物流オペレーションに伴う資金回転期間の変動がキャッシュ・フローへ影響を与える可能性があります。今後も与信管理の徹底、売掛金回収迅速化及び在庫・物流管理の高度化を進めるとともに、グループ全体の資金管理体制を強化することで、キャッシュ・フローの安定化と資金効率向上を図ってまいります。
⑥ 財務基盤の強化
当社グループは、成長投資を継続しつつ、収益性改善と財務健全性維持の両立を図ることが重要な課題であると認識しております。既存事業の成長に加え、M&A及び業務効率化を通じた収益力強化を推進することで、安定的な利益創出体制の構築を進めております。また、成長投資と財務健全性のバランスを確保しながら、自己株式取得及び配当等の株主還元を機動的に組み合わせ、資本効率向上と企業価値最大化を図ってまいります。今後も資本市場との対話を重視し、投資規律の徹底及び収益性改善を通じて財務基盤の強化を推進してまいります。
(1)経営方針
当社グループは「Make Every Business Borderless」をミッションとし、国境や産業、オンラインやオフラインなどの制約に捉われず、テクノロジーの力で誰もが簡単にビジネスをできる世界を実現するビジネスインフラとなり、社会に貢献していくことを目指します。
(2)経営戦略等
当社グループはミッションである「Make Every Business Borderless」の実現のため、ブランドコマース(法人ブランド支援)及びパートナーグロース領域における様々なソリューションをグローバルに提供しております。インターネットの普及により、顧客である法人及びクリエイターの抱える課題は国境や業界を超えてより複雑になっております。それらの顧客のニーズに応えるべく以下の事項を中長期的な成長戦略としております。
① プラットフォーム開発を通じた既存事業の更なる成長
当社グループは東南アジア、日本、中華圏、インド等においてブランド、クリエイター、パブリッシャーへのサービス提供を行っております。成長が続く市場において、絶えず変化するクライアントのニーズに対応するために、既存サービスにおいて新規プロダクト開発やオペレーション改善を図り、プラットフォームを更に進化させ続けることで顧客基盤の拡大を目指します。
② ブランドコマース(法人ブランド支援)領域におけるワンストップソリューションの強化
当社グループはEC構築・運営を中心とした「AnyShop」、マーケティング支援を行う「AnyTag」「AnyDigital」、複数ECチャネルの一元管理・運営できるプラットフォーム「AnyX」、会話型コマースを支援する「AnyChat」、物流管理を行う「AnyLogi」、AI活用を前提とした自社データの統合分析基盤プラットフォーム「AnyAI」、生成AIを搭載したライブコマースプラットフォームである「AnyLive」等の提供を行っており、ブランドの企画・生産・販売・マーケティング・物流を通じた一気通貫でのソリューションを提供しております。国内におけるEC・D2Cブランドの支援だけでなく、海外クリエイターや法人クライアントに対するソリューションの提供やクライアントの海外展開のローカルパートナーとしての支援も行っており、グローバルにおけるブランドコマースプラットフォームとしての優位性を確立し同事業の成長を目指してまいります。また、複数のプラットフォームを顧客が同時利用(顧客が当社グループのプラットフォームを複数利用し、当社グループとして複数の収益機会を得ることを「クロスセル」と言います)することにより、顧客とより深く効率的に関係を強化することができております。
③ 海外展開地域の拡大
当社グループは創業以来アジアを中心としてグローバルに事業展開地域を拡大しており、現在は15ヵ国・地域での事業展開を行っております。新地域への展開については市場環境や競争環境を考慮して、自社での進出やM&Aによる人材・事業基盤の獲得、又はその双方の組み合わせ等、展開アプローチを柔軟に検討しております。過去の事業拡大や経営統合の中で培った経験やノウハウは更なる事業地域展開においても活用可能と考えており、今後も積極的に成長市場への進出を検討していく方針です。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、事業拡大及び企業価値向上を示す指標として、売上収益及び売上総利益を重要な経営指標と位置づけ、各経営課題に取り組んでおります。
(4)当社グループの強み
① 成長が見込まれるアジア市場における成長実績と事業基盤
当社グループは創業当初よりアジア市場に注力しており、2025年度における地域別売上収益比率(注)は日本が40.7%、東南アジアが49.3%、その他地域(インド・中華圏等)が10.0%となっております。当社グループが事業を行う各業界においてもアジア市場は中長期的な成長が期待されており、当社グループが各国に有する人材、インフラ、ノウハウを積極的に活用し継続的な成長の実現を目指します。当社グループは2017年以降の売上収益の推移は「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照下さい。
(注)地域別売上収益比率は、子会社の所在地における内部取引消去前の売上収益に基づいて算定しております。
② ローカライズされたパートナーネットワーク
当社グループの展開する事業において各国のクリエイターやパブリッシャーのネットワークが重要になります。特にアジアにおいては各国が異なる言語や文化を有しており、現地のクリエイターやパブリッシャーが強い影響力を有しております。当社グループは2025年12月末時点で、3,100,000人以上のインフルエンサー、1,237のクリエイター、1,771のパブリッシャー、267のEC/D2Cブランドを支援しております。当社グループの各国のローカルチームは継続的にネットワークの深耕を推進しており、当社グループがワンストッププラットフォームとしてソリューションを提供する上でローカライズされた各種ネットワークは重要な経営資産と考えております。
③ データ・オペレーション・営業の「三位一体」体制とAIによる最適化
当社グループは、「データ・プロダクト」「オペレーション」「営業」が融合した独自の事業基盤を構築しております。 SNSや購買データを基盤としたデータドリブンなアプローチにより、インフルエンサーマーケティングからEC運営、効果検証に至るまで、透明性と再現性の高い一気通貫の支援を実現しています。 また、年間1万件を超える膨大な案件実績に裏打ちされた強固なオペレーション体制が、戦略の確実な実行を担保。さらに、アジア15ヵ国・500名超のプロフェッショナルによる営業ネットワークを活かし、各地域に深く根ざした密なコミュニケーションと、国境を越えたクロスボーダー支援を両立させております。
④ ローカル市場への深い知見を有するグローバルなマネジメント
当社グループはアジア市場に焦点を置いて事業展開をしてきており、マネジメント体制も事業のグローバル展開に最適化された多国籍なチームとなっております。各経営陣がそれぞれの市場や事業領域において深い専門性を有しているだけでなく、自身で過去に事業を立上げて成長させてきた経営経験の豊富なメンバーが揃っております。
⑤ M&Aを通じた成長加速と確立された買収後の統合戦略
当社グループは創業以来、経営メンバーや事業リソースの獲得を目的として15件の企業買収を国内外で行っております。事業戦略や地域展開戦略に沿って、当社グループのソリューションや企業文化に沿うターゲットを特定し、事前に適切なデューディリジェンスや統合戦略の検討を行った上で買収を行ってきており、また買収後に対象企業の経営陣、組織、システム、ソリューションを当社グループに融合させ、統合後短期間でシナジーを実現してきた実績を有しております。今後も適切な機会があれば企業買収も選択肢として、柔軟に事業拡大を実現していきたいと考えております。
(5)経営環境
当社グループが事業運営を行う法人ブランド支援領域において、ソーシャルメディアマーケティング市場、ソーシャルコマース市場規模は日本及びアジア各国におけるスマートフォンやインターネットの普及、市場参加者の増加、SNSによる情報流通量の増加等を背景に安定成長が見込まれております。Grand View Researchが提供する「Asia Pacific Influencer Marketing Platform Market Size & Outlook,2025-2030」によると、アジアでのインフルエンサーマーケティング市場規模は2025年から2030年の間、27%の年平均成長率で成長すると推計されております。また、アジアにおけるソーシャルコマース市場規模についても、Grand View Researchが提供する「Asia Pacific Social Commerce Market Outlook,2026-2033」によると、2026年から2033年までの間、39%の年平均成長率で成長すると推計されております。
個別市場における需要の高まりに加えて、顧客企業の事業領域の拡大に伴いインバウンド需要も含めてクロスボーダーでのサービス(海外市場向けマーケティング、越境EC等)に対する需要が高まっております。当社グループはアジア各国に拠点と現地市場環境に精通したプロフェッショナルを有しているため、クロスボーダーでのサービス提供や海外市場でのローカライズした顧客支援が可能となっております。また、当社グループはプロダクト開発への投資を継続して行っており、アジア各国で活用できるプラットフォームを顧客に提供しております。特にアジア各国において多くのインフルエンサー、パブリッシャーのデータを有しており、当社プラットフォーム上でのデータ活用や創業以来支援してきた案件実績から得られるノウハウを活かし、先行優位性を有してグローバルで提供価値を向上できると考えております。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 新規サービス・事業の創出及び開発体制の強化
アジア市場ではテクノロジー活用が急速に進展する一方、各国・各業界における商習慣やオペレーション要件は依然として多様であり、顧客ニーズも高度化・複雑化しております。このような環境下において競争優位性を維持・強化するため、当社グループは、ソフトウェアとオペレーションを組み合わせたBPaaSモデルを基盤として、既存サービスの高度化及び新規サービス創出を継続的に推進する必要があります。特に、マーケティング支援、D2C/EC支援等の法人ブランド支援領域において、自社プロダクトの機能強化を進めるとともに、生成AIをプロダクト機能及び社内業務プロセスの双方へ活用することで、業務効率化と生産性向上を体系的に推進しております。また、AnyReach社、Vibula社等のM&Aを通じて獲得した技術・ノウハウを自社プラットフォームへ統合し、プロダクト開発と運用実装を一体的に推進できる体制を強化することで、市場環境の変化に迅速に対応可能な開発体制の構築を進めております。今後もテクノロジー人材の確保及び育成を通じ、継続的なイノベーション創出と事業開発体制の強化を図ってまいります。
② サービスの認知度及びブランド力の向上
当社グループが持続的成長を実現するためには、顧客基盤の拡大とともに、各国市場における認知度及び信頼の向上が重要であると認識しております。特に東南アジアを中心とした成長市場において、当社の強みである「クロスボーダー×バリューチェーン」による提供価値を、より広範な顧客層へ浸透させることが課題となっております。当社グループは、法人顧客向けにマーケティング及びD2C/EC支援をはじめとする各種ソリューションを提供しており、TikTok Shop等の主要プラットフォームとのパートナーシップ強化や、クロスボーダーEC支援実績の蓄積を通じて、リージョナルクライアントからの信頼獲得を進めております。加えて、中国RED(小紅書)との連携を活用したインバウンド・アウトバウンド支援等、独自のユースケースの発信を強化するとともに、地域特性に応じた営業戦略の高度化及び各事業のシナジーを活かした統合提案を推進し、アジアを代表するビジネスインフラとしてのポジション確立とブランド価値向上を図ってまいります。
③ 多様な人材の確保と組織文化の統一
事業拡大に伴い、各国拠点におけるローカルチームの強化と、多国籍な人材が連携し機動的に事業を推進できる組織体制の構築が重要な課題となっております。特に、プロダクト開発、データ活用、AI導入及びグローバルオペレーション構築等の専門領域における人材確保と育成が継続的に求められています。また、拠点・言語・文化の違いを越えた円滑なコミュニケーションと意思決定プロセスの整備、生成AIを活用した業務変革を現場へ定着させるための教育及びガイドライン整備も重要となります。今後も、多様性と包容性を重視しつつ、採用力強化、育成体制の整備及び評価・報酬制度の高度化を通じて、従業員のエンゲージメント向上と組織力強化を推進してまいります。
④ コーポレート・ガバナンスの強化
当社グループは、持続的成長及び企業価値向上の実現に向け、コーポレート・ガバナンスの強化を重要な経営課題と位置づけております。グローバル展開を進める中で、各国の法規制への対応、コンプライアンス徹底、リスクマネジメント高度化及び情報セキュリティ対策の継続的強化が求められております。さらに、事業領域拡大やM&A推進に伴い、グループ経営の透明性確保、意思決定プロセスの適正化及び内部統制の実効性向上が重要性を増しております。加えて、生成AI等の新技術活用に伴う情報管理及び運用ルール整備も重要な課題となります。今後も監督機能の強化及びグループ横断のリスク管理体制の高度化を通じ、透明性と公正性の高い企業運営を推進してまいります。
⑤ 運転資金の最適化
当社グループは複数の国・地域で事業を展開しているため、各国における資金需要や通貨建て債権債務の管理が必要となり、資金効率低下のリスクが存在します。特に、法人向けEC支援及びマーケティング事業における売掛金回収期間や在庫・物流オペレーションに伴う資金回転期間の変動がキャッシュ・フローへ影響を与える可能性があります。今後も与信管理の徹底、売掛金回収迅速化及び在庫・物流管理の高度化を進めるとともに、グループ全体の資金管理体制を強化することで、キャッシュ・フローの安定化と資金効率向上を図ってまいります。
⑥ 財務基盤の強化
当社グループは、成長投資を継続しつつ、収益性改善と財務健全性維持の両立を図ることが重要な課題であると認識しております。既存事業の成長に加え、M&A及び業務効率化を通じた収益力強化を推進することで、安定的な利益創出体制の構築を進めております。また、成長投資と財務健全性のバランスを確保しながら、自己株式取得及び配当等の株主還元を機動的に組み合わせ、資本効率向上と企業価値最大化を図ってまいります。今後も資本市場との対話を重視し、投資規律の徹底及び収益性改善を通じて財務基盤の強化を推進してまいります。