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有価証券報告書-第14期(2025/07/01-2026/06/30)

【提出】
2026/09/25 15:39
【資料】
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【項目】
160項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、「あらゆる判断を、Data-Informedに。」をパーパス(企業の目的)として掲げ、「すべての人がデータという武器を有効に用いて論理的に考え、合理的に判断する社会」の実現を目指しています。
当社グループは、業界リーディングカンパニーに対し、データに基づく判断・意思決定(Data-Informed Decision-Making(以下「DIDM」という。))支援を行っています。データインフォームドにおいては、人間が思考する際に、一般的なデータ分析のアウトプットに加え、生成AIなどから得られた情報群を「考えるための材料」として適切に提供することにより、人間の思考が拡張されていくことが理想の姿です。
当社グループは、創業以来、長年にわたって培ってきたデータ分析にまつわるノウハウやアセット群を活用すると共に、昨今、注目されている生成AIなどの新たな情報処理技術を取り入れて、クライアント企業の「データ“も”用いた判断」を核とした業務変革を推進し、事業成長・業績改善および競争力強化を実現します。
加えて、近年急速に進化している生成AIをはじめとするAI技術を活用し、人間自身の知識や経験、価値観と組み合わせることで、これまで以上に速く、質の高い意思決定を行うことを目指した「クライアントを、AI-Informedに。」を取り組みのテーマにしています。
(2) 経営環境
IT専門調査会社 IDCは、従来のAI利用方法であった「仕事のアシスタント」から、AIエージェントの実利用・ワークフローへの組み込みによる「業務遂行のバディ(相棒)」への構造的変化により、国内AI市場支出額は2025年に2兆3,725億円から、2029年に2.9倍の6兆8,897億円に急成長し、2024年~2029年の年間平均成長率(CAGR)は36.0%に達すると予測されています(出典:2026年3月 IDC「Worldwide AI and Generative AI Spending Guide 2026V1」)。また、国内ビッグデータ/アナリティクス市場は、企業のビジネスの可視化需要によるビジネスインテリジェンス(BI)市場の継続的拡大、データ活用環境整備に即した構造化データウェアハウス/非構造化データストア等の成長を背景として、2027年までの年間平均成長率(CAGR)は14.3%で、2027年には支出額が3兆541億円に達すると予測されています。(出典:2024年3月21日IDC Japan 国内ビッグデータ/アナリティクス市場 ユーザー支出額予測:産業分野セクター別、2022年の実績と2023年~2027年の予測)
これらの予想から、当社グループは、国内における2030年のAI市場及びデータ利活用市場はそれぞれ9兆円、4.5兆円にのぼると推計しています。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、生産性(一人ひとりがより大きな価値を生むこと)と顧客深度(1社のお客様により深く価値を提供すること)を指標とし、以下2つの指標を開示することといたします。なお、前連結会計年度までKPIとしていたM&Aの各プロセス実施件数については数を追うことはいたしませんが、M&A自体は質を重視して継続してまいります。
1.生産性:1人当たり売上高・粗利(単体)
2.顧客深度:顧客単価・分布(単体)
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、パーパス「あらゆる判断を、Data-Informedに。」の実現に向け、「クライアントを、AI-Informedに。」を取り組みテーマとして掲げております。当社グループが目指すAI-Informedとは、AIに判断を委ねることではありません。データやAIから得られる情報、示唆及び仮説を、人間が「より良い意思決定」を行うための材料として活用する状態を意味しております。
当社グループは、「戦略コンサルティング」、「データ・サイエンス」、「データ・エンジニアリング」及び「プロダクト開発」の各ケイパビリティを組み合わせ、クライアント企業の経営・事業上の課題を捉えるところから、データ分析、業務変革、システムへの実装及び運用までを一気通貫で支援してまいりました。今後は、こうしたプロジェクトを通じて得られる判断の型、データ構造、業務フロー、分析手法及び機能等を、再利用可能なAI・データアセットとして蓄積し、他のプロジェクトやサービスへ展開することで、提供価値と生産性を継続的に高めてまいります。
また、「AIで強化された人」と「AIを組み込んだ仕組み」の両輪により、クライアント企業において意思決定と実行が継続的に高度化される状態を構築するとともに、当社グループにおいても、人員増加のみに依存せず、再現性のある成長と安定的な収益力を両立できる事業構造への転換を進めてまいります。
こうした方針のもと、当社グループは、以下の課題に優先的に取り組んでまいります。
1.再現性のある成長と収益力の向上
①AI-Informed領域における提供価値の拡大
生成AIをはじめとするAI技術の進化により、企業におけるAI活用の対象は、情報収集や文書作成等の個人業務から、経営・事業上の意思決定、業務プロセス及びシステムそのものへと広がっております。一方、実際の企業活動にAIを組み込み、その価値を享受するためには、AI技術を導入するだけでは十分ではありません。企業内に分散する数値データや文章情報等を、AIが参照できる状態に整備するとともに、データや指標の意味を統一し、業務や意思決定の文脈に沿ってAIを適用する必要があります。
当社グループは、企業のデータ基盤及び意思決定プロセスを高度化するAI-Informed Platform(AIP)、既存の業務システムに生成AIを組み込むAI wrapping、データとビジネスの意味を統一するセマンティックレイヤー構築等のサービスを提供しております。
また、当社の提供するゲーミフィケーション・プラットフォーム 「マイグル」におきましては、顧客の行動データをAIによって継続的に分析し、顧客一人ひとりに適したコンテンツ、ミッション、クーポン等を提示するロイヤリティ・マイグルとしての展開を進めております。
今後も、データ分析、業務理解及びシステム実装を一体的に提供できる当社グループの強みを活かし、AIエージェント等のAI技術及びAI・データアセットを、クライアント企業の経営判断、業務プロセス及びシステムに組み込むサービスを拡充するとともに、クライアント企業のAI-Informed化による具体的な成果の創出に取り組んでまいります。
②新規顧客の獲得及び重点顧客との取引拡大
当社グループが持続的に成長するためには、既存の重点顧客との関係を一層深めることに加え、新たなクライアント企業との接点を継続的に創出し、具体的な案件へとつなげていくことが重要です。
当社グループは、個別の商品やサービスを一方的に提案・販売するのではなく、データ及びAIによって解決可能な経営・事業上の課題をクライアント企業とともに見いだし、具体的な取り組みへと発展させる需要創造型の営業活動を強化してまいります。また、一つの部署やテーマで創出した価値を、同一企業内の他部門、同一業界の他企業及び他業界へと展開する「縦横展開」を推進してまいります。
重点顧客に対しては、データ分析やコンサルティングにとどまらず、業務変革、システム構築、プロダクト提供及び継続運用まで支援範囲を広げることで、複数テーマ・複数年にわたる継続的な関係を構築してまいります。さらに、資本業務提携、共同プロジェクト、人材交流及び外部パートナーとの協業等も活用し、顧客基盤と案件創出力の強化を図ってまいります。
③AI・データアセットの蓄積、再利用及びサービス化
当社グループは、クライアント企業の個別課題に深く入り込み、プロジェクトを通じて具体的な価値を創出することを、競争力の源泉としております。一方、個別プロジェクトごとに求められる課題解決を完遂するだけでは、事業規模の拡大に伴って必要な人員及びコストが増加することとなります。このため、クライアント企業との契約、知的財産権及び秘密保持義務に十分配慮しつつ、プロジェクトを通じて得られた汎用的な分析手法、判断ロジック、データ構造・業務フローの設計手法並びに当社グループが利用可能なプログラム及び機能モジュール等をAI・データアセットとして蓄積し、他のプロジェクトやサービスにおいて再利用できる状態を整備しており、また、今後も継続的に実施してまいります。
これらのAI・データアセットを活用することで、プロジェクトの提供速度及び品質を高めるとともに、一人当たりの生産性を向上させてまいります。また、市場性及び汎用性が認められるAI・データアセットについては、継続利用型のサービス、利用料型サービス、成果報酬型サービス又は外部パートナーとの共同事業等へ発展させてまいります。
④戦略的な投資、業務提携及びM&Aの推進
当社グループは、オーガニックな成長に加え、業務提携、資本業務提携及びM&Aを、中長期的な企業価値向上のための重要な手段として位置づけております。
今後のM&Aについては、単に売上規模や人員数を拡大することを目的とするのではなく、当社グループの価値創出サイクルを構成する「人材」「仕組み」「アセット」及び「顧客基盤」を強化し、当社グループとの相乗効果を創出できるかという観点を重視してまいります。対象企業の収益性及び自立的な経営力に加え、当社グループとのクロスセル、アセットの統合、技術・人材の相互活用及び買収後の収益貢献等を慎重に検討し、質を重視した投資判断を行ってまいります。また、買収後の企業価値向上を確実なものとするため、事業計画、管理体制、人材配置、営業連携及びサービス連携等を含むPMI(買収後の統合プロセス)を着実に実行し、グループ全体としてのシナジー創出を図ってまいります。
⑤安定的な利益の確保
当社グループは、持続的な成長のためには、売上高の拡大だけでなく、安定的な利益及びキャッシュ・フローを確保することが不可欠であると認識しております。案件単位での売上高、原価、投入工数、進捗及び採算性を適切に把握し、プロジェクトの開始前及び遂行中における収益管理を強化してまいります。また、固定費及び外部リソースを事業環境や案件状況に応じて適切に配分し、売上高の変動による利益への影響を抑制してまいります。
同時に、AI関連資産を含む社内アセットの活用、業務の標準化・自動化並びにグループ内リソースの有効活用を通じて、一人当たりの生産性及び付加価値の向上を図ります。これらの取り組みにより、成長投資を継続しながらも、利益の変動を抑制し、本業における安定的な収益力を構築してまいります。
2.サービス品質及び事業遂行力の向上
①プロジェクトマネジメントの高度化
当社グループが提供するサービスは、クライアント企業の経営・事業上の課題に深く関わり、データ分析、業務変革及びシステム実装等を横断するものです。そのため、個々の専門性だけでなく、プロジェクト全体を適切に設計し、品質、進捗、コスト及びリスクを管理する能力が重要となります。
当社グループは、案件受注前における要件、難易度、体制、採算性及びリスクの評価を強化するとともに、プロジェクト開始後においても、経営陣、事業部門、ミドルオフィス及びコーポレート部門が必要な情報を共有し、問題を早期に検知・是正できる管理体制を整備してまいります。また、見積り、契約、要件定義、設計、開発、テスト及び運用等の各プロセスにおける標準化を進め、プロジェクトごとの属人性を抑えながら、高い品質と適切な採算性を両立してまいります。
②ケイパビリティミックスによる提供価値の向上
当社グループの強みは、「戦略コンサルティング」「データ・サイエンス」「データ・エンジニアリング」「プロダクト開発」という複数のケイパビリティを保有し、クライアント企業の課題に応じて組み合わせられることにあります。
今後も、それぞれの専門性を高めるとともに、組織や部門の枠を越え、クライアント企業にとって最適な人材及びケイパビリティを組み合わせてプロジェクトを推進してまいります。分析のみ、コンサルティングのみ又はシステム構築のみといった分断された価値提供にとどまらず、経営・事業課題の把握から実装及び運用までをつなぎ、クライアント企業の成果に結びつけることにより、当社グループの差別性をさらに高めてまいります。
③技術力及びサービス開発力の強化
生成AIをはじめとする技術は急速に進化しており、当社グループには、最新技術を継続的に把握するとともに、その有用性、限界及びリスクを見極め、実際の企業活動に適用する力が求められております。
当社グループは、社内における技術検証、勉強会、研修及びプロジェクトでの実践を通じて、最新技術に関する知見を蓄積してまいります。また、必要に応じて外部専門家、研究機関、技術パートナー及び業務提携先との連携を進めてまいります。技術そのものを目的とするのではなく、クライアント企業の売上向上、コスト削減、業務効率化及び意思決定の高度化等の成果につなげることを重視し、継続的なサービス開発及び改善に取り組んでまいります。
3.人材及び組織力の強化
①専門人材及び経営・マネジメント人材の確保
当社グループの成長及び競争力の源泉は、人材にあります。今後も、戦略コンサルティング、データ・サイエンス、データ・エンジニアリング、プロダクト開発、AI技術・活用、営業及びプロジェクトマネジメント等の各領域において、高い専門性を有する人材の採用に取り組んでまいります。
また、事業規模及びグループの事業領域の拡大に対応するためには、複数の組織、サービス又は事業を率い、経営目標から逆算して事業を推進できる経営・マネジメント人材の確保及び育成も重要であると認識しております。社内人材の登用及び育成に加え、外部からの採用、グループ会社間の人材交流並びに外部プロフェッショナルとの協働等を通じて、経営及び事業を支える人材層を厚くしてまいります。
②AIを活用できる人材及び横断型人材の育成
AIの普及により、個々の従業員がAIを適切に活用し、自らの生産性と提供価値を高めることが重要になっております。当社グループにおいても、データ利活用コンサルティング、データ分析、システム設計・開発及びプロジェクトマネジメント等の各業務において、AIを活用して、従業員による思考、調査、分析、設計及び開発を支援する取り組みを進めております。こうした社内でのAI活用を通じて、業務の効率化だけでなく、アウトプットの品質及び一人当たりの提供価値を高めるとともに、そこで得られた知見や仕組みをAI・データアセットとして蓄積し、クライアント企業へのサービス提供にも還元してまいります。
当社グループは、AIの操作方法だけでなく、適切な問いを設定する力、出力内容を検証する力、データ及び業務の文脈を理解する力並びに最終的な判断を行う力を含めた人材育成を進めてまいります。また、ビジネス、アナリティクス及びITのいずれかの専門性を軸としながら、複数領域を横断してクライアント企業の課題を捉えられる人材を育成してまいります。プロジェクトを単に業務を遂行する場とするのではなく、各人が新たな知識、技術、方法論及び再利用可能なアセットを獲得する成長機会と位置づけ、教育、レビュー及びナレッジ共有の体制を整備してまいります。
③能力を最大限に発揮できる環境の整備
当社は、フルリモート及びフルフレックスを基本とした柔軟な勤務制度を活用し、居住地にとらわれず全国各地から優秀な人材を採用するとともに、それぞれが能力を最大限に発揮できる環境の整備に取り組んでおります。今後も、柔軟な働き方と高い成果創出を両立させるため、業務管理、コミュニケーション、評価・育成及び健康管理の仕組みを継続的に改善し、労働時間、業務負荷及び従業員の心身の状況を適切に把握してまいります。
また、公正な評価及び処遇、各人の成長速度に応じた育成・登用、専門性を高めるキャリアとマネジメントを担うキャリアの双方を選択できる仕組み等を整備し、従業員の成長と会社の成長を両立してまいります。
4.グループ経営基盤の強化
①コーポレート・ガバナンス及び内部統制の実効性向上
当社グループは、事業規模及びグループ会社数の拡大に応じて、経営管理、会計、財務、人事、法務及び内部統制等の基盤を継続的に強化する必要があると認識しております。取締役会及び監査役会を中心とする監督・監査体制に加え、経営会議その他の重要な会議体を適切に運用し、経営上の重要事項及び事業上のリスクについて、必要な情報が迅速かつ正確に共有される体制を整備してまいります。また、事業部門、ミドルオフィス及びコーポレート部門の役割を明確にし、事業の機動性を損なうことなく、実務に即した牽制及びモニタリングが機能する体制を構築してまいります。
グループ会社についても、各社の自立性及び強みを尊重しつつ、財務報告、予算管理、リスク管理及びコンプライアンス等に関する共通の管理基盤を整備し、グループ経営の実効性を高めてまいります。
②リスク管理及びコンプライアンスの強化
事業領域、顧客、プロジェクト及びグループ会社の拡大に伴い、当社グループが管理すべきリスクも多様化しております。グループ・リスクマネジメント委員会を中心に、事業運営、契約、プロジェクト、労務、財務、法令、知的財産、情報管理及び取引先等に関するリスクを継続的に把握し、重要性に応じた対応策を講じてまいります。
また、役員及び従業員に対する教育・研修、内部通報制度の適切な運用並びに各部門との継続的なコミュニケーションを通じて、法令及び社会的規範を遵守する意識と行動の定着を図ってまいります。
③情報セキュリティ、データガバナンス及びAIガバナンスの強化
当社グループは、クライアント企業の経営情報、機密情報、個人情報及び各種取引データ等を取り扱うことから、情報セキュリティを事業運営上の重要課題として位置づけております。社内規程及びガイドラインの整備、アクセス権限の適切な管理、従業員教育、外部専門家による点検並びに必要なセキュリティシステムの導入・改善を継続してまいります。
また、生成AIその他の外部サービスの利用に伴う情報流出、知的財産権侵害、不正確な出力及び不適切な意思決定等のリスクを踏まえ、AIの利用範囲、入力可能な情報、出力内容の検証及び最終的な責任の所在等に関するルールを整備してまいります。AIを積極的に活用しながらも、人間による確認及び判断を適切に組み込み、安全性、信頼性及び経済合理性を備えたAI活用を推進してまいります。
5.中長期的な企業価値の向上及び資本市場との対話
当社グループは、パーパスの実現に向けて事業を成長させることと、安定的な利益及び財務基盤を確保することを両立させ、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。株主及び投資家の皆様に、当社グループの事業内容、競争優位性、成長戦略、リスク及び財務状況を適切にご理解いただけるよう、決算説明資料、各種開示資料及び説明会等を通じた情報発信を充実させてまいります。
また、株主及び投資家の皆様との建設的な対話を継続し、そこで得られた意見を経営及び情報開示の改善に活用してまいります。資本政策については、成長投資、財務の健全性、株主還元、資本効率及び株式の流動性等を総合的に勘案し、中長期的な企業価値の向上に資する施策を継続的に検討してまいります。

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