有価証券報告書-第11期(2025/07/01-2026/06/30)
有報資料
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
スマートフォン等のデバイスが浸透し、ありとあらゆるものがIoT化された世界では、インターネット(オンライン)上の“デジタル行動”のみならず、実世界での“リアル行動”も含めた行動分析に基づき、自分の身の回りの環境が自分のことをもっとよく理解してくれる“環境知能”を前提としたマーケティングコミュニケーションから、新たなビジネス価値が生まれます。当社グループは、「心地よい未来を、データとつくる。」というミッションを掲げ、実社会のデータを解析し、リアルとデジタルが融合した「環境知能」を未来に実装します。さまざまな不便を解消するのはもちろん、地域や交通における社会課題までも改善させ、生活のUX(注1)を心地よくしていきます。
私たちは、未来のメガネで社会を見つめ、より多様な選択肢や出会いにあふれる時代の“うねり”をつくりだします。
(注) 1.UX(ユーザーエクスペリエンス)とは、ユーザがプロダクトやサービスを通して得られた体験を表す言葉です。
(2) 経営環境
① 市場規模、市場動向について
当社グループでは主にリテールDX、リテールメディア、スマートシティ領域にて生活者行動ビッグデータを活用し、マーケティングや街づくりに必要なサービスを提供しております。
リテールDX市場は、国内において2030年に2019年比で1.6倍となる8,737億円(注2)に、グローバルにおいて2030年に2025年比で5倍となる29.5兆円(注3)に成長することが見込まれております。リテールメディア市場は、国内において2028年に2025年比で1.8倍となる1.1兆円(注4)に、グローバルにおいて2030年に2025年比で1.8倍となる8.6兆円(注5)に成長することが見込まれております。スマートシティ市場は、国内において2030年に2026年比で6倍の6.5兆円(注6)に増加することが見込まれ、人流と親和性の高いスマートシティIoTの世界市場は2030年に2025年比で4.2倍となる691兆円(注7)に成長することが見込まれております。
(注) 2.株式会社富士経済「リテールテック関連機器・システム市場の将来展望 2019」の小売、外食、宿泊業向け機器、システム&サービスの2030年市場規模
3.Stratistics Market Research Consulting「Smart Retail Market, By Solution, By Technology, By Application, By Geography」
4.株式会社CARTA HOLDINGS「リテールメディア広告市場」(2026年1月)
5.Market Research Intellect「Retail Media Networks Market Size By Product, By Application, By Geography, Competitive Landscape And Forecast」September 2024
6.KPMG「2030年市場展望と人材要件:行政(行政DX‧スマートシティ(都市OS))」
7.market.us「Global Smart City Market Size, Share, Statistics Analysis Report By Application」
② 競争優位性について
当社グループは独自特許や独自AIによる技術優位性を活かし、ネットワーク効果を持つビーコンプラットフォームや業務効率性の高いプロダクトを開発しており、競争優位性の源泉はビーコンシェア・次世代IoTの技術特許や独自AIの開発による「位置情報に関する技術優位性」、強いネットワーク効果を有するビーコンプラットフォーム、ワンストップでの施策実行や業界を牽引するプライバシー対応による「プラットフォームの優位性」の2点に起因していると考えております。その結果として、当社グループは屋外・屋内のシームレスなデータから生活者の行動を予測し、リアルタイムに必要な情報をレコメンドできる各種サービス提供を可能としており、競合サービスとは異なる優位性を構築しております。今後長期的な成長を続けるべくさらなる競争優位性を確保するため、位置情報ビッグデータを徹底的に科学し、ユーザの状況推定(注8)やペルソナ推定(注9)、店舗の混雑状況や来店者予測等のAIアルゴリズムを開発してまいります。また、位置情報に関連する他データ(購買データ・オンラインデータ等)との掛け合せによる、広告効果測定、品揃え予測、キャッシュレスの推進等の先進的かつ高度な用途にも挑戦してまいります。
(注) 8.徒歩・自動車・電車などの移動手段、日常・非日常の活動状況等を推定。
9.サービス・商品の典型的なユーザ像のこと。

③ 主要製品・サービスの内容について
当社グループの主要なサービスの内容につきましては、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (2)サービスの内容」に記載しております。
④ 顧客基盤及び販売網について
当社グループは主に、小売事業者、商業施設運営事業者、消費財メーカー、自治体向けにサービスを提供しており、当社グループからの直接の営業アプローチに加えて、業務提携先からのご紹介等を通じて受注をおこなっております。
(3) 中期的な経営戦略
当社グループは、「電気・ガス・水道・unerry」をスローガンに掲げ、どんな店舗や街に行っても、どんな情報に触れていても、当社グループの行動データが活用された環境知能が実装されている状態を指す「unerry, everywhere」の実現を目指しています。 この実現にあたり、多くのメガプレイヤーが自社ユーザに対する垂直型のエコシステムを形成する一方、当社グループはこれらのメガプレイヤーと連携し、様々なデータやサービスなどリアルとデジタルを融合したあらゆる生活者行動を独自のIDで連携する横断型のデータエコシステムを確立することで差別化を図ります。

また、当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上に向け、以下の取り組みを推進してまいります。
1.顧客基盤の強化
新規顧客の獲得及び既存顧客との取引深化を通じて顧客基盤の拡大を図るとともに、顧客ごとの取引状況やニーズ等に応じたアプローチを強化してまいります。また、業界ごとの顧客課題や成功事例を蓄積し、他の顧客へ横展開することで成長の再現性を高めるとともに、データやサービスの活用を通じた顧客との関係深化を進め、幅広い業界・顧客への継続的な利用拡大を図ることで、成長と安定収益の両立を目指してまいります。
2.ブログウォッチャーとの合併検討
当社グループは、グループ全体の成長の最大化に向け、ブログウォッチャーとの合併に向けた検討を進めております。双方が有する顧客基盤、データ及びサービスを活かしながら、営業面での連携、サービス・データ連携及び組織・業務プロセスの一体化を進め、経営資源の有効活用及び経営効率の向上を図ってまいります。
3.AI・ワールドモデル
当社グループが保有する生活者行動データを基盤として、AIの活用を支えるデータ・提供基盤の構築を進めてまいります。AIが現実世界を理解するためのデータ整備や、データの統合・意味付け、予測基盤の強化を進めるとともに、顧客課題に応じた活用モデルの検証を行い、事業としての再現性及びスケーラビリティの確立を目指してまいります。
こうした取り組みを通じて、既存事業の成長及び収益基盤の強化と、新たな成長機会の創出を進め、持続的な成長と企業価値の向上に努めてまいります。

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社の顧客は、より高い効果を得るため、当社が展開する3つのサービス(分析・可視化サービス、行動変容サービス、One to Oneサービス)を横断的かつ継続的に活用していただいております。このように継続的に取引いただいている顧客について、当社では、①4四半期以上連続で取引のある顧客企業、及び②直近3ヶ月以上連続で取引のある新規顧客企業を「リカーリング顧客」と定義しております。
当社では、持続的な成長と企業価値向上を目指しており、直近では拡大する市場を積極的に取り込むべく売上高の成長率と、それを支えるリカーリング顧客に関する指標(リカーリング顧客売上高、リカーリング顧客売上高比率、リカーリング顧客数、リカーリング顧客平均売上高、NRR)を重視しております。直近における各サービス別の売上高成長率及びリカーリング顧客に関する指標は以下のとおりであります。
(千円、社)
※サービス別売上高の上段は売上高、下段は売上高成長率を記載しております。
※NRR(ネットレベニューリテンションレート)は、以下の式で算出しております。
NRR=(前期以前に獲得したリカーリング顧客の当期売上高)÷(当該顧客の前期売上高)
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 安定的売上の確保
安定的な収益基盤を確立するため、リアル行動分析・可視化ツールをSaaSとして導入する企業を拡大し、そこから出てきた顧客課題を積極的に提案することで、行動変容サービス及びOne to Oneサービスをクロスセルし、顧客に継続的にサービスを利用していただくことが重要であります。継続的に取引いただいている顧客について、4四半期以上連続で取引のある顧客企業、及び直近3ヶ月以上連続で取引のある新規顧客企業を「リカーリング顧客」と定義しており、このリカーリング顧客の数を積み上げていくと共に、クロスセルの推進により売上高に占めるリカーリング顧客の売上比率を90%程度に保つことで、安定的売上を確保してまいります。
② 新規事業の展開
「心地よい未来を、データとつくる。」というミッションの下、事業規模拡大と収益多様化を図るため、新規事業にも積極的な投資を行ってまいります。リテールDX事業に加えて、リテールメディア・スマートシティ事業・グローバル事業の各事業領域を拡大させることで、新規顧客の獲得と共に新たな収益源の確保を図ります。
③ 優秀な人材の確保と育成
今後の事業拡大や継続的な成長を目指す上で、優秀な人材の確保と育成が必要不可欠であると考えております。特に社員の半数以上を占めるデータ関連人材については当社の競争優位性を支える中核的な人材と捉えており、社内教育制度を充実させながら、スキル向上にも取り組んでおります。そのため、引き続き積極的な採用活動や社外ネットワークの強化を行うと共に、働きやすい環境の整備や育成機会の拡充など人材に対する投資を行ってまいります。
④ 内部管理体制の強化
a コーポレート・ガバナンスの強化
株主を含めたステークホルダーとの良好な関係の構築のためには、社会的信用を維持・向上させていく必要があると認識しております。取引先をはじめとした社外関係者との良好な取引関係を維持していくには、社会的信用を維持していく必要があります。また、世間に広く有効なビッグデータを提供していく社会的責任を果たす必要があると認識しております。
そのため、コーポレート・ガバナンス体制を構築し、内部管理体制及び人員増を含めた管理部門の強化を推進してまいります。また、内部監査室と監査役との連携強化等の施策により業務執行の適法性・妥当性を監視する機能を強化し、財務報告に係るリスクを最小化して、経営の健全化に努めてまいります。
b 経営管理体制
事業を継続的に拡大する上で、経営管理体制の強化は重要な課題と認識しております。組織が健全かつ有効、効率的に運営されるように、内部統制の整備、強化、見直しを行っていく方針です。
⑤ 資金調達・財務基盤の強化
人材の採用・育成及びその他事業活動に多額の資金が必要となってまいります。これらの資金を外部から調達する必要があり、中長期的な視点から、財務基盤の強化のためにも、株式市場からの必要な資金の獲得や銀行からの融資等を通して、事業の運営、プロダクトの開発に必要な資金調達の多様化を図ってまいります。
なお、当連結会計年度においては、子会社株式の取得資金として金融機関からの借入を実行いたしました。今後も、資金使途及び資本コストを勘案し、自己資金、エクイティ及びデットを適切に組み合わせた資金調達を行ってまいります。
⑥ 情報セキュリティーの強化
近年外部からのサイバー攻撃や不正アクセス、マルウェア等のコンピューターウイルス等によりシステム障害が発生する事例や、機密情報や個人情報等が漏洩する事例が増加しております。情報システム及び通信ネットワーク上の障害や外部からのサイバー攻撃等に備えるため、ファイアウォールシステムの構築や不正アクセスの監視、定期的なデータバックアップ等の対策を実施しておりますが、今後も必要に応じて適宜情報セキュリティーの強化を行ってまいります。
⑦ 子会社の統合(PMI)の推進
2026年5月1日付で株式会社ブログウォッチャーの全株式を取得し、完全子会社といたしました。今後の課題は、PMIを着実に進め、両社が有する技術、プロダクト及び人材の強みを相互に活かし、事業の成長に結び付けることにあります。
また、PMIの推進にあたっては、グループ経営管理体制を整備するとともに、連結ベースにおける決算・開示体制の構築を進め、グループ全体の企業価値向上に取り組んでまいります。
(1) 経営方針
スマートフォン等のデバイスが浸透し、ありとあらゆるものがIoT化された世界では、インターネット(オンライン)上の“デジタル行動”のみならず、実世界での“リアル行動”も含めた行動分析に基づき、自分の身の回りの環境が自分のことをもっとよく理解してくれる“環境知能”を前提としたマーケティングコミュニケーションから、新たなビジネス価値が生まれます。当社グループは、「心地よい未来を、データとつくる。」というミッションを掲げ、実社会のデータを解析し、リアルとデジタルが融合した「環境知能」を未来に実装します。さまざまな不便を解消するのはもちろん、地域や交通における社会課題までも改善させ、生活のUX(注1)を心地よくしていきます。
私たちは、未来のメガネで社会を見つめ、より多様な選択肢や出会いにあふれる時代の“うねり”をつくりだします。
(注) 1.UX(ユーザーエクスペリエンス)とは、ユーザがプロダクトやサービスを通して得られた体験を表す言葉です。
(2) 経営環境
① 市場規模、市場動向について
当社グループでは主にリテールDX、リテールメディア、スマートシティ領域にて生活者行動ビッグデータを活用し、マーケティングや街づくりに必要なサービスを提供しております。
リテールDX市場は、国内において2030年に2019年比で1.6倍となる8,737億円(注2)に、グローバルにおいて2030年に2025年比で5倍となる29.5兆円(注3)に成長することが見込まれております。リテールメディア市場は、国内において2028年に2025年比で1.8倍となる1.1兆円(注4)に、グローバルにおいて2030年に2025年比で1.8倍となる8.6兆円(注5)に成長することが見込まれております。スマートシティ市場は、国内において2030年に2026年比で6倍の6.5兆円(注6)に増加することが見込まれ、人流と親和性の高いスマートシティIoTの世界市場は2030年に2025年比で4.2倍となる691兆円(注7)に成長することが見込まれております。
(注) 2.株式会社富士経済「リテールテック関連機器・システム市場の将来展望 2019」の小売、外食、宿泊業向け機器、システム&サービスの2030年市場規模
3.Stratistics Market Research Consulting「Smart Retail Market, By Solution, By Technology, By Application, By Geography」
4.株式会社CARTA HOLDINGS「リテールメディア広告市場」(2026年1月)
5.Market Research Intellect「Retail Media Networks Market Size By Product, By Application, By Geography, Competitive Landscape And Forecast」September 2024
6.KPMG「2030年市場展望と人材要件:行政(行政DX‧スマートシティ(都市OS))」
7.market.us「Global Smart City Market Size, Share, Statistics Analysis Report By Application」
② 競争優位性について
当社グループは独自特許や独自AIによる技術優位性を活かし、ネットワーク効果を持つビーコンプラットフォームや業務効率性の高いプロダクトを開発しており、競争優位性の源泉はビーコンシェア・次世代IoTの技術特許や独自AIの開発による「位置情報に関する技術優位性」、強いネットワーク効果を有するビーコンプラットフォーム、ワンストップでの施策実行や業界を牽引するプライバシー対応による「プラットフォームの優位性」の2点に起因していると考えております。その結果として、当社グループは屋外・屋内のシームレスなデータから生活者の行動を予測し、リアルタイムに必要な情報をレコメンドできる各種サービス提供を可能としており、競合サービスとは異なる優位性を構築しております。今後長期的な成長を続けるべくさらなる競争優位性を確保するため、位置情報ビッグデータを徹底的に科学し、ユーザの状況推定(注8)やペルソナ推定(注9)、店舗の混雑状況や来店者予測等のAIアルゴリズムを開発してまいります。また、位置情報に関連する他データ(購買データ・オンラインデータ等)との掛け合せによる、広告効果測定、品揃え予測、キャッシュレスの推進等の先進的かつ高度な用途にも挑戦してまいります。
(注) 8.徒歩・自動車・電車などの移動手段、日常・非日常の活動状況等を推定。
9.サービス・商品の典型的なユーザ像のこと。

③ 主要製品・サービスの内容について
当社グループの主要なサービスの内容につきましては、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (2)サービスの内容」に記載しております。
④ 顧客基盤及び販売網について
当社グループは主に、小売事業者、商業施設運営事業者、消費財メーカー、自治体向けにサービスを提供しており、当社グループからの直接の営業アプローチに加えて、業務提携先からのご紹介等を通じて受注をおこなっております。
(3) 中期的な経営戦略
当社グループは、「電気・ガス・水道・unerry」をスローガンに掲げ、どんな店舗や街に行っても、どんな情報に触れていても、当社グループの行動データが活用された環境知能が実装されている状態を指す「unerry, everywhere」の実現を目指しています。 この実現にあたり、多くのメガプレイヤーが自社ユーザに対する垂直型のエコシステムを形成する一方、当社グループはこれらのメガプレイヤーと連携し、様々なデータやサービスなどリアルとデジタルを融合したあらゆる生活者行動を独自のIDで連携する横断型のデータエコシステムを確立することで差別化を図ります。

また、当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上に向け、以下の取り組みを推進してまいります。
1.顧客基盤の強化
新規顧客の獲得及び既存顧客との取引深化を通じて顧客基盤の拡大を図るとともに、顧客ごとの取引状況やニーズ等に応じたアプローチを強化してまいります。また、業界ごとの顧客課題や成功事例を蓄積し、他の顧客へ横展開することで成長の再現性を高めるとともに、データやサービスの活用を通じた顧客との関係深化を進め、幅広い業界・顧客への継続的な利用拡大を図ることで、成長と安定収益の両立を目指してまいります。
2.ブログウォッチャーとの合併検討
当社グループは、グループ全体の成長の最大化に向け、ブログウォッチャーとの合併に向けた検討を進めております。双方が有する顧客基盤、データ及びサービスを活かしながら、営業面での連携、サービス・データ連携及び組織・業務プロセスの一体化を進め、経営資源の有効活用及び経営効率の向上を図ってまいります。
3.AI・ワールドモデル
当社グループが保有する生活者行動データを基盤として、AIの活用を支えるデータ・提供基盤の構築を進めてまいります。AIが現実世界を理解するためのデータ整備や、データの統合・意味付け、予測基盤の強化を進めるとともに、顧客課題に応じた活用モデルの検証を行い、事業としての再現性及びスケーラビリティの確立を目指してまいります。
こうした取り組みを通じて、既存事業の成長及び収益基盤の強化と、新たな成長機会の創出を進め、持続的な成長と企業価値の向上に努めてまいります。

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社の顧客は、より高い効果を得るため、当社が展開する3つのサービス(分析・可視化サービス、行動変容サービス、One to Oneサービス)を横断的かつ継続的に活用していただいております。このように継続的に取引いただいている顧客について、当社では、①4四半期以上連続で取引のある顧客企業、及び②直近3ヶ月以上連続で取引のある新規顧客企業を「リカーリング顧客」と定義しております。
当社では、持続的な成長と企業価値向上を目指しており、直近では拡大する市場を積極的に取り込むべく売上高の成長率と、それを支えるリカーリング顧客に関する指標(リカーリング顧客売上高、リカーリング顧客売上高比率、リカーリング顧客数、リカーリング顧客平均売上高、NRR)を重視しております。直近における各サービス別の売上高成長率及びリカーリング顧客に関する指標は以下のとおりであります。
(千円、社)
| サービス名/リカーリング顧客関連指標 | 第7期事業年度 (自 2021年 7月1日 至 2022年 6月30日) | 第8期事業年度 (自 2022年 7月1日 至 2023年 6月30日) | 第9期事業年度 (自 2023年 7月1日 至 2024年 6月30日) | 第10期事業年度 (自 2024年 7月1日 至 2025年 6月30日) | 第11期事業年度 (自 2025年 7月1日 至 2026年 6月30日) |
| 分析・可視化 サービス | 503,614 164.2% | 598,387 18.8% | 870,572 45.5% | 1,188,977 36.6% | 1,514,110 27.3% |
| 行動変容 サービス | 576,608 48.5% | 873,534 51.5% | 1,190,765 36.3% | 1,771,799 48.8% | 2,460,181 38.9% |
| One to One サービス | 366,103 79.3% | 604,816 65.2% | 773,569 27.9% | 765,355 △1.1% | 905,251 18.3% |
| 売上高合計 | 1,446,325 84.7% | 2,076,737 43.6% | 2,834,907 36.5% | 3,726,133 31.4% | 4,879,542 31.0% |
| リカーリング顧客 売上高 | 1,247,950 | 1,869,435 | 2,539,517 | 3,255,884 | 4,415,940 |
| リカーリング顧客 売上高比率 | 86.3% | 90.0% | 89.6% | 87.4% | 90.5% |
| リカーリング顧客数 | 49 | 78 | 109 | 140 | 176 |
| リカーリング顧客 平均売上高 | 25,468 | 23,967 | 23,298 | 23,256 | 25,090 |
| NRR(※) | 160.1% | 123.9% | 124.2% | 116.2% | 120.0% |
※サービス別売上高の上段は売上高、下段は売上高成長率を記載しております。
※NRR(ネットレベニューリテンションレート)は、以下の式で算出しております。
NRR=(前期以前に獲得したリカーリング顧客の当期売上高)÷(当該顧客の前期売上高)
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 安定的売上の確保
安定的な収益基盤を確立するため、リアル行動分析・可視化ツールをSaaSとして導入する企業を拡大し、そこから出てきた顧客課題を積極的に提案することで、行動変容サービス及びOne to Oneサービスをクロスセルし、顧客に継続的にサービスを利用していただくことが重要であります。継続的に取引いただいている顧客について、4四半期以上連続で取引のある顧客企業、及び直近3ヶ月以上連続で取引のある新規顧客企業を「リカーリング顧客」と定義しており、このリカーリング顧客の数を積み上げていくと共に、クロスセルの推進により売上高に占めるリカーリング顧客の売上比率を90%程度に保つことで、安定的売上を確保してまいります。
② 新規事業の展開
「心地よい未来を、データとつくる。」というミッションの下、事業規模拡大と収益多様化を図るため、新規事業にも積極的な投資を行ってまいります。リテールDX事業に加えて、リテールメディア・スマートシティ事業・グローバル事業の各事業領域を拡大させることで、新規顧客の獲得と共に新たな収益源の確保を図ります。
③ 優秀な人材の確保と育成
今後の事業拡大や継続的な成長を目指す上で、優秀な人材の確保と育成が必要不可欠であると考えております。特に社員の半数以上を占めるデータ関連人材については当社の競争優位性を支える中核的な人材と捉えており、社内教育制度を充実させながら、スキル向上にも取り組んでおります。そのため、引き続き積極的な採用活動や社外ネットワークの強化を行うと共に、働きやすい環境の整備や育成機会の拡充など人材に対する投資を行ってまいります。
④ 内部管理体制の強化
a コーポレート・ガバナンスの強化
株主を含めたステークホルダーとの良好な関係の構築のためには、社会的信用を維持・向上させていく必要があると認識しております。取引先をはじめとした社外関係者との良好な取引関係を維持していくには、社会的信用を維持していく必要があります。また、世間に広く有効なビッグデータを提供していく社会的責任を果たす必要があると認識しております。
そのため、コーポレート・ガバナンス体制を構築し、内部管理体制及び人員増を含めた管理部門の強化を推進してまいります。また、内部監査室と監査役との連携強化等の施策により業務執行の適法性・妥当性を監視する機能を強化し、財務報告に係るリスクを最小化して、経営の健全化に努めてまいります。
b 経営管理体制
事業を継続的に拡大する上で、経営管理体制の強化は重要な課題と認識しております。組織が健全かつ有効、効率的に運営されるように、内部統制の整備、強化、見直しを行っていく方針です。
⑤ 資金調達・財務基盤の強化
人材の採用・育成及びその他事業活動に多額の資金が必要となってまいります。これらの資金を外部から調達する必要があり、中長期的な視点から、財務基盤の強化のためにも、株式市場からの必要な資金の獲得や銀行からの融資等を通して、事業の運営、プロダクトの開発に必要な資金調達の多様化を図ってまいります。
なお、当連結会計年度においては、子会社株式の取得資金として金融機関からの借入を実行いたしました。今後も、資金使途及び資本コストを勘案し、自己資金、エクイティ及びデットを適切に組み合わせた資金調達を行ってまいります。
⑥ 情報セキュリティーの強化
近年外部からのサイバー攻撃や不正アクセス、マルウェア等のコンピューターウイルス等によりシステム障害が発生する事例や、機密情報や個人情報等が漏洩する事例が増加しております。情報システム及び通信ネットワーク上の障害や外部からのサイバー攻撃等に備えるため、ファイアウォールシステムの構築や不正アクセスの監視、定期的なデータバックアップ等の対策を実施しておりますが、今後も必要に応じて適宜情報セキュリティーの強化を行ってまいります。
⑦ 子会社の統合(PMI)の推進
2026年5月1日付で株式会社ブログウォッチャーの全株式を取得し、完全子会社といたしました。今後の課題は、PMIを着実に進め、両社が有する技術、プロダクト及び人材の強みを相互に活かし、事業の成長に結び付けることにあります。
また、PMIの推進にあたっては、グループ経営管理体制を整備するとともに、連結ベースにおける決算・開示体制の構築を進め、グループ全体の企業価値向上に取り組んでまいります。