有価証券報告書-第16期(2024/12/01-2025/11/30)

【提出】
2026/02/26 14:06
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140項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社が判断したものであります。
(1)会社経営の基本方針
当社は、「私たちは『本来あるべき保険業』を追求し、本気で取り組み、お客さまの大切な人生を保険で守り続けます。」という経営理念に基づき、営業社員が顧客に寄り添い、一生涯を保障で守り、安心に満ちた豊かな人生の時間を実現することを目指してまいります。
(2)経営環境
近年、生命保険業界及び保険代理店業界を取り巻く環境は大きく変化しております。2025年に成立し、2026年6月に施行予定の「保険業法の一部を改正する法律」では、保険金不正請求事案等を背景として、特定大規模乗合代理店への体制整備義務の強化、兼業代理店の管理体制強化、過度な便宜供与に関する禁止の範囲拡大などが定められ、代理店・保険会社双方において一層のコンプライアンス対応が求められております。また、こうした規制強化に加え、後継者不足やオーナーの高齢化による代理店数の減少が進む一年となりました。
一方、消費者側では「貯蓄から投資」の流れが継続し、個人の資産形成に対する関心がさらに高まっております。また、AIやデータ基盤を活用したDX(Digital Transformation)が急速に進展し、保険商品の提供方法や顧客対応のあり方が大きく変化しております。このような環境変化の中で、時代とともに多様化するお客さまのニーズに幅広く対応し、お客さま本位で保険商品や金融商品の精査・選択を支援するためには、顧客情報や市場データを効果的に利活用できるDX環境の整備が、これまで以上に重要性を増しております。保険業界には、透明性・説明責任の強化とともに、デジタル技術を活用した業務効率化と高度な顧客対応力の確立が求められています。
このような環境の中、当社は、2025年8月6日に関東財務局より保険募集業務等に関して行政処分(業務改善命令)を受けました。これを受け、同年10月6日付で「業務改善計画書」を同局に提出し、現在、その計画に基づき全社を挙げて改善に取り組んでおります。今後も、業務運営体制の抜本的な見直しと継続的な改善を推進することで、お客さま及び社会からの信頼回復に全力を尽くしてまいります。
(3)経営戦略
当社は、全国規模で伴走型のファイナンシャルプランニングを提供するという独自の強みを持っています。そして、顧客からお金に関するあらゆる相談を承り、その解決策をご提案しております。従来の保険販売だけではなく、保険以外の金融商品やサービスをワンストップで提供することが、顧客利益の最大化につながると同時に、顧客の金融リテラシー向上にも貢献できると考えており、以下に掲げる具体的施策を遂行してまいります。
本業である保険代理業の「営業基盤の強化」と派生分野への進出を含めた「事業領域の拡大」の2つをメインテーマとしており、その達成に向けて、2026年11月期においては、これまで取り組んできた「営業社員の増強」「契約譲受ビジネスの拡大」「損害保険ビジネスの業績拡大」「DX+教育」を基盤とした事業成長に継続して取り組んでまいります。
① 営業社員の増強
上記の経営理念を実現するためには、「営業社員の増加」と「営業社員の質の向上」が重要であるという考えのもと、これまでも全国47都道府県でサービスを提供できる体制を築いてまいりました。
さらに、当社では全ての営業社員がスキル向上を目指せる環境を整備しており、生命保険における優績者の証であるMDRT会員資格基準達成を指標の一つとしております。
2026年11月期においても、人材開発部を中心として、既存営業社員からの紹介(リファラル採用)や各地域でのリクルートセミナー開催を引き続き推進してまいります。
また、後述の「④DX+教育を基盤とした事業成長」に記載のとおり、DXの推進と教育・研修を行うことで、営業社員のスキルアップと業務効率向上を目指します。
② 契約譲受ビジネスの拡大
契約譲受ビジネスは、廃業する保険代理店の顧客フォローを通じて、当社が顧客の利益を守りながら、新たなビジネスの機会を創出する取組と捉えております。2025年11月期には、契約譲受ビジネス開始以来で最大の成長(非連結子会社のプレステージ社分を含む)となりました。今後はこの経験を活かし、さらなる躍進を目指してまいります。
保有契約譲渡を希望される代理店からは、当社が整備を進めてきた募集体制や、全国に展開する営業拠点ネットワークを理由に、移管先として選定いただいております。また、東証プライム市場上場企業という社会的信用力も評価いただいております。
契約移管によって顧客を獲得することで、その契約から得られる継続手数料だけでなく、移管顧客からの新たな新規契約の獲得にもつながります。あわせて、当社の強みであるファイナンシャルプランニングの提供や、金融商品提案を行うことで、顧客満足度の向上も期待できると考えております。今後は同業の乗合代理店や損害保険代理店、マーケットホルダー企業とのM&Aによる事業拡大にも取り組んでまいります。これにより、本業の安定したオーガニック成長に加え、インオーガニックな成長が実現できると考えております。
③ 損害保険ビジネスの業績拡大
これまでの営業社員による顧客対応に加え、損害保険の非対面でも契約獲得や更新手続きが可能である点を活かし、営業活動の一部を本社部門が担うことで、より効率的な業績拡大を目指しております。2023年3月に設立した損保事業部ダイレクトセンター室と、2025年11月期に増員した損害保険専任営業社員との連携により、火災保険の非対面販売や契約後のフォロー体制強化に取り組んでおります。また、架電リストの見直し等を行い、生産性の向上を図ってまいります。
全国のお客さま対応を強化するため、2026年11月期も損害保険専任の営業社員をさらに増員し、「②契約譲受ビジネスの拡大」を通じて、損害保険契約譲受案件への対応力を高めます。これにより、契約の更新率向上と新規案件の創出に取り組みます。さらに、法人マーケットを持つ損害保険代理店から契約を譲り受ける際には、当社がそのマーケットを取り込むことで、事業領域の拡大にもつながると考えております。
④ DX+教育を基盤とした事業成長
2025年11月期より、新たな成長戦略として「DX+教育」を掲げ、2026年11月期も引き続き注力してまいります。具体的には、システムの刷新をはじめとするDXによる成長基盤の強化や業務の効率化を進めると同時に、教育・研修を通じて社員全体のスキル向上を図ってまいります。
システム面においては、保有顧客データを利活用するためのデータベース整備や、営業社員が使用する顧客・契約管理システム及び人事管理システムの刷新を行います。これらの新システムとCDP(Customer Data Platform)を連係させることで、より効率的に顧客へアプローチができるようになり、業績拡大への貢献が期待できます。また、CDPによる既存顧客の分析や、マネドクLINEといったコミュニケーションツールの機能強化を通じて、顧客との接点も一層強化してまいります。2025年11月期は、これらの取組に向けた準備段階として、社内データの整備を進めてまいりました。2026年4月には、新たな顧客・契約管理システム「hokan®」の導入を予定しております。これにより、CDPへのデータ集約の効率化が進み、顧客理解の高度化に向けたデータ基盤を構築してまいります。また今後は、強化されたデータ基盤を最大限に活用し、CDPの本格運用フェーズへと移行します。データドリブンな意思決定と迅速な価値提供を実現することで、顧客体験の向上と持続的な事業成長を推進してまいります。
教育面においては、2024年6月に営業現場で豊富な経験を持つ執行役員を全国に配置したことで、現場の実態に則した指導や経営方針の迅速な伝達が可能となりました。あわせて、次世代育成にも力を入れており、若手から中堅まで段階的に成長できる教育体制を整え、将来の組織づくりにつなげてまいります。
上記のほか、IFA(注)ビジネスによる投資信託販売や、住宅ローンの比較等、サービスの拡充を通じて、顧客のライフタイムバリューを最大化することに努めてまいります。
以上の取組によって、既存顧客と営業社員とのコミュニケーションが活発になり、既存顧客からの再販機会の創出や顧客満足度の向上が見込まれます。また、顧客一人ひとりへの、より適切なご案内やフォロー体制の構築も可能になると考えております。
2025年11月期以降の経営戦略でも、引き続きデータ活用は重要な役割を果たすと考え、デジタル分野への開発投資を進め、営業部門だけでなくバックオフィス機能の強化にも積極的に取り組んでまいります。
(注)IFA:Independent Financial Advisor「独立系ファイナンシャルアドバイザー」とも呼ばれる、金融アドバ
イザーの業態の一種。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等
当社は事業拡大と企業価値向上のために、売上高、営業利益、営業社員数、新規契約件数、新規顧客数、会社集客件数及び契約譲受移管合意件数を重要な指標にしております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 業務改善計画の推進
当社は、業務改善計画推進のための会議体として、2025年12月1日付で、「業務改善会議」及び「業務改善委員会」を発足いたしました。同年10月15日に掲げたコーポレートスローガン「NEXT」のもと、「会社の実務価値はお客さまのために発揮されるもの」との認識を全社員で共有し、より価値ある企業へと変革すべく、全社一丸となって業務改善に取り組んでまいります。
業務改善会議は、業務改善計画に基づく改善施策の実効性を検証するとともに、改善活動の推進や定期的な全社員アンケート等を通じて、現場社員の意見を積極的に採り入れる場として運営いたします。
業務改善委員会は、業務改善会議の運営及び事務局機能を担い、各部門と連携し、各業務改善策の検討や現場の課題抽出を担う「ワーキンググループ」の指導・監督を行います。現場社員が主体的に参画し、経営層と現場が一体となる仕組みづくりにより、迅速かつ実効性のある経営を実現してまいります。

業務改善命令受領後の当社の取組
2025年8月6日 関東財務局より業務改善命令(行政処分)受領
2025年10月6日 同局に業務改善計画書を提出
2025年10月15日 コーポレートスローガン「NEXT」公表
2025年12月1日 業務改善会議及び業務改善委員会の発足
具体的な対応は下記のとおりです。
■当社のビジネスモデルの特性に応じた保険募集管理態勢の確立
お客さま本位の業務運営を根底に据え、保険募集管理の透明性と健全性を確保するため、組織横断的な意思決定態勢を整備し、迅速かつ柔軟な経営対応を可能とします。従来の縦割りの経営態勢から脱却し、部門間の連携を強化した経営態勢へと転換を図るとともに、信頼性の高い保険募集管理態勢の構築に向け、組織力と人員配置の両面で強化を図ってまいります。
■顧客本位の業務運営
(情報提供義務・意向把握・確認義務を着実に実施するための実効的な態勢の確立)
当社はお客さまの利益を最優先に、丁寧で正確な情報提供と適切な意向把握・確認に努めます。お客さまにとって最適な商品選択のご支援、業務品質・サービス水準の向上、履行状況を確認できる態勢の整備等を通じて、顧客本位の業務運営を確実に実施することで、保険募集活動における信頼性の向上を図ってまいります。
■適切な保険募集を行うための法令等遵守態勢の確立
当社は、法令遵守と内部統制を経営の最重要課題と位置づけ、全社員への教育・研修を通じてコンプライアンス意識の向上を図るとともに、お客さま本位の業務運営を支える組織態勢の強化に努めます。制度改正への柔軟な対応や保険業務プロセスにおける適正な運営を通じて、企業としての社会的責任を果たし、お客さまからの信頼に応える募集管理態勢の強化に努めてまいります。
■経営管理(ガバナンス)態勢の抜本的な強化
健全で持続可能な企業活動の実現に向け、形式的な統治にとどまらない、実効性ある経営管理(ガバナンス)態勢の抜本的な強化を進めています。取締役会の機能強化や社外取締役の知見活用をはじめ、組織全体の透明性・健全性・信頼性の向上と、変化に強い経営基盤を構築してまいります。
■情報管理・開示における信頼性と誠実性の追求
当社は、適正な情報管理と透明性ある情報開示を通じて、ステークホルダーの皆様からの信頼にお応えします。情報セキュリティ態勢や個人情報保護の強化、顧客情報の管理・活用の質向上を通じて、リスクマネジメント意識の向上を図ります。情報開示においてもわかりやすさと適正性に留意し、より信頼性の高い発信を行ってまいります。
上記対応による業務改善計画の着実な推進に加え、2025年5月に成立した「保険業法の一部を改正する法律」への対応につきましても、確実に進めてまいります。今後も万全の準備を整え、円滑な業務運営を実現してまいります。
② 保険代理店事業の確実な成長
当社は、全国展開する営業網を最大の強みとし、これをさらに拡大することで事業の永続的な成長を目指します。お客さまサイドに立ち、共に解決策を考える伴走型ファイナンシャルプランニングを全国のあらゆる地域で提供し、顧客からさまざまなお金に関する相談を承ります。人生設計や資産形成のためのアドバイスを行うことで、顧客に安心を提供することは、当社の社会的な意義かつ使命であると考え、活動しております。
当社では、顧客へのフォロー体制を強化するとともに、営業社員の安定した訪問先を確保することを目的として、契約譲受ビジネスや全国規模の異業種企業との提携を積極的に推進し、企業としての集客力向上に取り組んでいます。また、「保険業法の一部を改正する法律」により、態勢整備の強化が求められています。当社はこの法改正をお客さま本位のサービスを強化するための成長機会と捉え、データ整備やDXを積極的に推進し、業務品質の向上を図ってまいります。さらに、これらの取組状況を開示することで、透明性の高い事業運営を行います。より良いサービスを提供することが業務品質と顧客満足度の向上につながり、確実な成長の基盤になると考えております。
③ 成長を加速させる新規ビジネスの開拓と推進
保険業界の国内市場が成熟化する中、持続的な成長を実現するための戦略として、新規ビジネスの開拓と推進が重要性を増しています。当社においては契約譲受の拡大に注力し、顧客基盤の強化や保険契約数の増加を実現することで、収益の安定性を高めます。これにより、特定市場への依存リスクを軽減し、より安定的な経営基盤を構築することが可能となります。また、IFAビジネスや金融教育事業など、近隣分野を通じた顧客接点の拡大や収益源の多様化を図ります。
同時に、当社の強みである全国展開の営業網と営業社員数を活かし、経営資源の最適配分を実現することで、全社的なコスト効率の向上も期待できます。
顧客価値の創造においては、ファイナンシャルプランニングや資産形成など、顧客の多様なニーズに応える総合的なサービスを提供します。これにより、顧客接点が拡大し、ブランド価値と顧客満足度の向上が実現します。さらに、競合他社との差別化が可能となり、市場シェアの拡大につながります。
これらの取組は相乗効果を生み出します。新規事業を通じて獲得した知見や顧客基盤は、既存事業の強化にも寄与し、総合的な企業価値の向上と持続的な成長の実現を可能にします。
④ 事業拡大を支えるデジタル技術への投資(DX)
近年、デジタル技術の急速な発展を背景に、保険業界においてもその影響はますます顕著になっております。当社におきましても、多様化する顧客ニーズやデジタル化の進化に的確に対応し、より高品質なサービスの提供を目指しております。その一環として、セキュリティ及び個人情報保護に十分配慮しつつ、CDPやCRM(Customer Relationship Management)などのデジタルツールを積極的に活用した業務推進に努めてまいります。
既に保有している顧客情報をはじめとする大量のデータを整備し、業務効率や生産性の向上を図るとともに、マーケティングへの応用など、デジタル技術への投資は企業価値の向上と顧客満足度の向上に寄与すると考え、継続的に推進してまいります。
⑤ 人的資本への投資
当社のさらなる成長のためには、優秀な人材の確保と育成が不可欠です。社員教育の強化と研修制度の充実により、社員の生産性向上と業務の効率化を図ります。また、社員が希望する職種への異動を表明しやすい環境を整備し、適正に合わせた配置の最適化を図ります。同時に、異動に伴うリスキリング機会の提供を通じて、組織力とバックオフィスの機能を強化します。これにより、社員一人ひとりの成長を促し、組織全体の活性化を目指します。さらに、健康経営への取組や社員のメンタルヘルスケアの強化にも継続的に取り組み、働きやすい環境を整備します。これらの総合的な取組により、当社は持続的な成長を実現してまいります。
⑥ 積極的情報開示とIR活動の強化
当社は、全てのステークホルダーの皆様と信頼関係を築くためには、正確かつ明確な情報発信が不可欠であると考えております。業務改善計画の進捗状況等、各種取組の内容については、随時、当社ホームページで開示いたします。また、株主及び投資家の皆様との建設的な対話を通じて企業価値の向上を目指し、IR活動を一層強化してまいります。さらに、より幅広いステークホルダーの皆様との接点を広げるため、保険業界や当社のビジネスモデルについて理解を深めていただける資料の整備及び海外投資家の方々に向けた英語版資料や情報発信の充実にも取り組んでおります。投資家の皆様と対話する中で寄せられたご意見は、積極的に経営に反映し、今後も透明性の高い企業経営を推進してまいります。適切で丁寧な情報開示を心がけ、皆様に安心してお選びいただける企業を目指してまいります。

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