有価証券報告書-第3期(2024/04/01-2025/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費の回復、インバウンド需要の高まり等を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。
また、長期化するロシアのウクライナ侵攻や中東情勢の緊迫化による地政学的リスクをはじめ、為替相場の急激な変動、原材料価格やエネルギーコストの高騰による物価の上昇等に加え、2025年1月に発足した米国トランプ政権の関税政策等による世界的な景気動向の不透明感から、景気の先行きは依然不透明な状況が続きました。
このような経済状況のもと、当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)は、今後益々進展するDX社会の基盤づくりにおいて、独自の先見力に富む合理的な最新技術動向の分析に基づき、新たなテクノロジー導入に果敢に挑戦し、独自の工夫によって市場から認知され、社会・お客様から信頼されるソリューションとサービスを絶えず創出、提供し続ける存在であり続けるため、「デジタル経営人材・事業を創出・育成する会社」として、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に取り組んでまいりました。
当連結会計年度における部門別の概要は、次のとおりであります。
(ネットワーク部門)
当部門では、テレワークや在宅勤務における安心・安全なネットワーク環境の構築のほか、DDoS攻撃からWebサイトやサーバを守るネットワークセキュリティ対策が注目を集めました。
当社グループが得意とするIPアドレス管理サーバ製品は、クラウドリフトの加速に伴うIPアドレス管理の課題から、国内製造業や情報サービス業向けDNS/DHCP案件の大型受注を獲得したほか、DNSに対する脅威を遮断し、より効果的なセキュリティ対策を実現するプロテクティブDNS(保護DNS)の提案活動が順調に推移したことで、既存顧客のリプレイス案件や追加導入案件、バージョンアップ作業等の受注に繋がっています。
また、国内では大規模なDDoSサイバー攻撃に対する警戒感が高まったことでDDoS対策を見直す企業が急増しました。
当部門では引き続き、Radware社DDoS対策製品及びWAFの拡販に注力するとともに、継続してウェビナーや展示会にて情報発信を行ったことで、DDoS攻撃対策ソリューションの引き合いは増加しました。
その他、安心・安全なネットワーク環境の構築に向けたクラウド型無線LANシステムは、柔軟なモビリティが求められる無線LANにおいて、オフィスフロアや倉庫、新規拠点開設に伴う追加案件のほか、不具合時のサポートまでを提供することで、長年利用されたアクセスポイントのリプレイス案件が増加する等、受注活動は堅調に推移しました。
この結果、売上高は1,657百万円(前期1,560百万円、前期比6.2%増)となりました。
(セキュリティ部門)
当部門では、社会生活や経済活動におけるインターネットやクラウドサービス等、ITへの依存度が高まるとともにサイバー攻撃等の脅威が増加するなか、当社グループが推進するOTセキュリティビジネスは堅調に推移しました。
社会インフラや製造業の制御ネットワークに対するセキュリティ意識の高まりから、現状把握・可視化・検知・防御の考えが広がり、特に、半導体業界・自動車関連業界をはじめとした製造業を中心に対策の導入が進み、電力会社をはじめとした社会インフラ事業者では横展開が広がったことで受注に繋がりました。
また、当社グループ独自のセキュリティサービスは、安全保障におけるサイバー及び認知戦の重要性が一層高まるなか、当部門が提供するサービスに対する官公庁からの需要は引き続き堅調に推移したことで、当該サービスは順調に推移しました。
その他、昨今、クラウドサービスの利用が加速するなか、既存のシステムやセキュリティ対策ツール、SaaS、PaaS等のログ情報から外部・内部の脅威をいち早く正確に捉えることができるログ管理・分析クラウドセキュリティサービスの引き合いが増加したことで、インターネット証券会社、暗号通貨取引所、情報サービス業等からの受注を獲得しています。
この結果、売上高は3,375百万円(前期3,005百万円、前期比12.3%増)となりました。
(ソリューションサービス部門)
当部門では、お客様の課題を解決するため、あらゆる技術とアイデアを融合したソフトウェアやサービス等の提供を行ってきました。
当部門の多言語リアルタイム映像通訳サービスは、好調なインバウンド需要の拡大により、百貨店、小売店、宿泊施設を中心に受注活動は堅調に推移しました。
Zoomライセンスを中心としたビジュアルコミュニケーション事業は、業務における必要不可欠な手段として安定的に推移したほか、中小企業のネットワークセキュリティを統合的に提供する「Zero-Con SASE」についても、引き続き多くの反響と共に堅調に伸長しています。
なお、当社グループ独自開発のRPAツールは、誰でも簡単に使える特徴と認知度の高まりから、業界、業種、規模を問わず利用が拡大したほか、展示会等の積極的なマーケティング活動を実施したことで、案件数も堅調に推移しました。
その他、訪日インバウンドメディアを活用したプロモーション事業を行うIGLOOO(イグルー)社は、訪日外国人観光客の増加に伴い、官公庁や自治体のほか、民間企業からも誘客するPR需要は増加し、受注は拡大しました。
情報システム業務支援及びシステム開発のクレシード社は、DX推進支援に関連するサーバのリプレイス、ネットワークの追加等の案件が増加し、ユーザエクスペリエンスを向上させるシステム開発案件も堅調に推移しました。
音声を中心に企業向けコンタクトセンターソリューションを提供するログイット社は、既存顧客向け保守ビジネスは堅調に推移し、新たに金融コンプライアンス向け通話録音ソリューションの受注、導入に向けたプロジェクトは順調に進みました。また、クラウドコンタクトセンターソリューションの案件数は増加基調にあり、感情解析ソリューションにおいては、コンタクセンター向けのみならず、新たにHR向けに、エンゲージメント向上の具体的な活用の推進、提案に努めました。
この結果、売上高は3,620百万円(前期2,314百万円、前期比56.4%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における受注高は10,021百万円(前期7,469百万円、前期比34.2%増)、売上高は8,653百万円(前期6,881百万円、前期比25.8%増)、受注残高は3,807百万円(前期2,439百万円、前期比56.1%増)となりました。
利益面では、地政学的リスクによる資材高騰及び円安の影響による輸入商品の仕入価格の上昇や、中長期的な経営戦略の実現に向けた人的資本への投資に伴う費用が増加したものの、売上高の増加や、全般的なコスト増の抑制並びに一部製品の価格改定により、営業利益273百万円(前期は272百万円の利益)となりました。
また主に、当社グループでは為替(円安)対策を講じて、輸入取引契約における為替変動リスクに備えた為替予約を使って決済をした際に発生した、為替相場の変動に伴う為替差益91百万円を営業外収益に計上し、デリバティブ評価損及び通貨スワップ評価損等50百万円を営業外費用に計上したことで経常利益327百万円(前期は396百万円の利益)となりました。
その他、オンデマンド動画配信サービスの事業撤退損7百万円を特別損失に計上したことで、親会社株主に帰属する当期純利益176百万円(前期は188百万円の利益)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、7,109百万円となり、前連結会計年度末に比べ210百万円増加いたしました。
当連結会計年度末における負債合計は、4,238百万円となり、前連結会計年度末に比べ95百万円減少いたしました。
当連結会計年度末における純資産合計は、2,870百万円となり、前連結会計年度末に比べ306百万円増加いたしました
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ234百万円減少し、1,681百万円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は54百万円(前年同期は324百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益319百万円を計上した一方で、前渡金の増加額286百万円、売上債権の増加額149百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は234百万円(前年同期は578百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出88百万円、無形固定資産の取得による支出61百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は46百万円(前年同期は134百万円の使用)となりました。これは主に自己株式処分による収入250百万円等によるものであります。
④仕入、受注及び販売の実績
当社グループは単一事業であるため、仕入、受注及び販売の実績については事業部門ごとに記載しております。
a . 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。
b . 受注実績
当連結会計年度の受注実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。
c . 販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営者成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容等
a.経営成績等
(売上高)
当社グループの当連結会計年度の売上高は、前期に比べ1,772百万円増加した8,653百万円となりました。
これは主に、社会生活や経済活動におけるインターネットやクラウドサービス等、ITへの依存度が高まるとともにサイバー攻撃等の脅威が増加するなか、社会インフラや製造業の制御ネットワークに対するセキュリティ意識の高まりから、現状把握・可視化・検知・防御の考えが広がり、特に、半導体業界・自動車関連業界をはじめとした製造業を中心に対策の導入が進み、電力会社をはじめとした社会インフラ事業者では対策強化で横展開が広がったことで受注に繋がりました。
また、当社グループ独自のサイバーセキュリティにおける脅威情報解析サービスは、安全保障におけるサイバー及び認知戦の重要性が一層高まるなか、当部門が提供するサービスに対する官公庁からの需要は引き続き堅調に推移いたしました。
なお、好調なインバウンド需要の拡大に伴い、ソリューションサービス部門の多言語リアルタイム映像通訳サービスでは、百貨店、小売店、宿泊施設を中心に受注活動は堅調に推移したほか、訪日インバウンドメディアを活用したプロモーション事業を行うIGLOOO(イグルー)社は、官公庁や自治体のほか、民間企業からも誘客するPR需要は増加し、受注が拡大したことによるものであります。
(売上総利益)
売上総利益は、前連結会計年度に比べ524百万円増加し、2,817百万円となりました。
これは主に、地政学的リスクによる資材高騰及び円安の影響による輸入商品の仕入価格の上昇したことによるものであります。
(営業利益)
販売管理費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ524百万円増加し、2,544百万円となりました。
これは主に、中長期的な経営戦略の実現に向けた人的資本への投資に伴う費用が増加したことによるものであります。
これらの結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ0百万円増加し、273百万円となりました。
(経常利益)
経常利益は、前連結会計年度に比べ69百万円減少し、327百万円となりました。
これは主に、為替(円安)対策を講じて、輸入取引契約における為替変動リスクに備えた為替予約を使って決済をした際に発生した、為替相場の変動に伴う為替差益91百万円を営業外収益に計上し、デリバティブ評価損及び通貨スワップ評価損等50百万円を営業外費用に計上したことによるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別損益は、オンデマンド動画配信サービスの事業撤退損7百万円が計上されております。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ12百万円減少し、176百万円となりました。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は5,536百万円となり、前連結会計年度末に比べ212百万円増加いたしました。これは主に前渡金が286百万円増加したこと等によるものであります。固定資産は1,572百万円となり、前連結会計年度末に比べ2百万円減少いたしました。これは主に投資その他の資産が74百万円増加一方で、無形固定資産が83百万円減少したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は4,002百万円となり、前連結会計年度末に比べ8百万円増加いたしました。これは主に未払法人税等が111百万減少した一方で、その他の流動負債が98百万円増加したこと等によるものであります。固定負債は235百万円となり、前連結会計年度末に比べ104百万減少しました。これは主に長期借入金が87百万円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は2,870百万円となり、前連結会計年度末に比べ306百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益176百万円を計上したこと等によるものであります。
この結果、自己資本比率は39.7%(前連結会計年度末は36.7%)となりました。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、社会生活や経済活動におけるインターネットやクラウドサービスなど、ITへの依存度が高まるとともにサイバー攻撃等の脅威が増加するなか、これらの脅威から社会インフラを守り、安定した運用を実現するためのサイバーセキュリティ対策や制御システム・OTセキュリティリスクアセスメントサービスなど、当社グループが推進するセキュリティ対策の需要は引き続き堅調に推移いたしました。
また、好調なインバウンド需要の拡大に伴い、百貨店、小売店、宿泊施設を中心にソリューションサービス部門の多言語リアルタイム映像通訳サービスの利用が増加し、官公庁や自治体、民間企業からも訪日外国人を誘客するためのPR需要は増加しております。
その他、企業のDX推進を支援する当社グループ独自開発のRPAツールや情報システム業務支援、システム開発などの案件も堅調に推移したことから、2024年度については、売上高8,653百万円/営業利益273百万円/経常利益327百万円/親会社株主に帰属する当期純利益176百万円/1株当たり当期純利益10.48円となりました。
当社グループは、デジタル社会の変化に自ら対応・進化し、お客様が欲する最適・的確なソリューションとサービスを提供し続けられるテクノロジーオーガナイズ企業グループを目指し、2022年11月1日に純粋持株会社として当社を設立いたしました。
中核事業会社である㈱テリロジーは、1989年の創業以来、政府・自治体、文教分野、そして各業界のグローバル企業において欠かすことのできないインターネット技術や今日のデジタル社会を支える世界の先進・先端技術トレンドを常に追い駆け、この国にとって必要・有益とされる新たなテクノロジーの発掘・開発・導入に数多く挑戦して参りました。また、各グループ会社においては、サイバーセキュリティ、ICTサービス、ITマネージドサービス、インバンドソリューションサービス等の国内展開や、アジアグルーバル分野において、当社グループならではのユニークな事業ポートフォリオを展開し、各社連携のもと業容の拡大に努めております。
当社グループでは、2022年11月の純粋持株会社体制への移行を経て、ポストコロナの新しい社会活動、企業活動を見据えた当社グループ事業構築の拡充、変革を行っていかなければならない時期に直面していると考えております。
デジタルの利活用が進み、旧来のビジネスモデルが変革され産業のDX化が急速に進む中、産業構造も大きく変化・進化していくことになると考えます。
当社グループは、このデジタル変革の期を大きなチャンスと捉え、「安心・安全なデジタルの活用を支えるサイバーセキュリティ技術の提供」、「簡単で負担を感じないクラウドサービスの提供」、「ログ解析・管理からデータマネージメント技術の提供」を挑戦領域の軸として、国内外の市場を問わずお客様のDX化推進に貢献してまいります。
現在進めております、お客様が抱える情報システムやセキュリティに関わる「現場課題」、我が国の国策である観光DX、環境DXに関わる「社会課題」解決に向けての事業の加速のみならず、今後の社会にとって「必要不可欠な新たな課題領域」に向けての意欲的な挑戦も続けてまいります。
このような環境のなか、当社グループは、外部環境の変化に対応しつつ、長期的にめざす姿を実現するために、ローリング方式にて連結数値目標の見直しを行い、新たに2025年度から2027年度までの3年間を対象とするテリロジーグループ新中期経営計画を策定いたしました。
2025年度は、「更なる成長とグループ事業価値の創造・実現」をスローガンに掲げ、次のステージに向けたコミットメントとして計画に掲げた目標を着実に達成し、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に取り組んでまいります。
なお、当社グループの経営戦略の基本的な方向性は以下の通りであります。
①事業戦略の基本
・経営資源の最適化、活用の最大化
・グループ事業価値の創造、拡大
・営業力の強化、ポートフォリオ事業強化
・ビジネス機会が多いことによる社員のモチベーションのアップ(挑戦意欲をかきたてる)
②財務戦略
・グループファイナンスによる効率的な資金運用
・収益向上による自己株式取得=株主還元策
・資金調達の多様化(クレジットライン/企業与信)、金融機関との取引多様化
③人事戦略
・社員のスキルアップ、育成への積極投資
・グループ人事交流の活発化(キャリア拡大)
・新卒採用からの組織構造の適正化
・経営層の強化(経営経験のシェア)
④投資戦略
・既存事業の成長強化策としての事業投資
・事業アライアンスを狙った戦略的互恵関係目的の投資、提携の推進
・将来期待できる新市場、新事業獲得目的の投資活動
⑤グローバル戦略
・ボーダーレス取引、事業機会の増大/対応力強化
・市場弾力度とリスクの検証に基づく海外進出
・海外取引先との交流強化、信頼関係の強化
また、当社グループでは、2024年度に公表した中期3カ年計画2年目となる2025年度は、売上高は維持する一方で、最近の経済動向の不透明感を踏まえて営業利益以下を保守的に予想したことで、売上高9,700百万円/営業利益450百万円/経常利益450百万円/親会社株主に帰属する当期純利益280百万円/1株当たり当期純利益16.39円を連結業績目標としております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資産の流動性
当社グループの事業活動における短期の運転資金については、基本的には自己資金および金融機関からの短期借入金を主な財源としており、設備投資や長期の運転資金に関しては、金融機関からの長期借入金によっております。
また、グループ内の資金効率向上のため、当社は子会社と金銭消費貸借契約を契約し、資金の集中管理をおこなっております。
当社グループの資金の流動性については、上記方策により十分な現金及び現金同等物を確保しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表を作成するに当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりでありますが、特に下記の会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断等に影響を及ぼすと考えております。
a.投資有価証券の減損
当社グループの連結財務諸表に計上されている投資有価証券については、従来より減損処理に関する基準を設けており、これに基づいて処理を実施しております。市場価格のある投資有価証券については、期末日における被投資会社の株価が取得価額に比べ50%以上下落している場合は原則として減損処理を行っております。市場価格のない投資有価証券については、被投資会社の純資産額を基にした1株当たりの実質価額を見積り、株価の代わりに用いて検討することで市場価格のある投資有価証券と同等の減損処理を行っております。
被投資会社の株価もしくは業績の著しい低迷があった場合には、投資有価証券の評価損を計上する可能性があります。
b.繰延税金資産
当社グループの連結財務諸表に計上されている資産及び負債の金額と課税所得計算上の資産及び負債の金額との間に生じる一時差異に係る税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して、繰延税金資産を計上しております。将来の税金の回収可能予想額は、当社グループの将来の課税所得の見込額に基づき算出しておりますが、将来の課税見込額の変動により、繰延税金資産が変動する可能性があります。
c.のれんの減損
のれんの償却方法については、投資効果の及ぶ期間にわたり、定額法により償却しております。なお、のれんの対象事業の収益性が低下し、減損の必要性を認識した場合には、のれんの減損処理を行う可能性があります。重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費の回復、インバウンド需要の高まり等を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。
また、長期化するロシアのウクライナ侵攻や中東情勢の緊迫化による地政学的リスクをはじめ、為替相場の急激な変動、原材料価格やエネルギーコストの高騰による物価の上昇等に加え、2025年1月に発足した米国トランプ政権の関税政策等による世界的な景気動向の不透明感から、景気の先行きは依然不透明な状況が続きました。
このような経済状況のもと、当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)は、今後益々進展するDX社会の基盤づくりにおいて、独自の先見力に富む合理的な最新技術動向の分析に基づき、新たなテクノロジー導入に果敢に挑戦し、独自の工夫によって市場から認知され、社会・お客様から信頼されるソリューションとサービスを絶えず創出、提供し続ける存在であり続けるため、「デジタル経営人材・事業を創出・育成する会社」として、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に取り組んでまいりました。
当連結会計年度における部門別の概要は、次のとおりであります。
(ネットワーク部門)
当部門では、テレワークや在宅勤務における安心・安全なネットワーク環境の構築のほか、DDoS攻撃からWebサイトやサーバを守るネットワークセキュリティ対策が注目を集めました。
当社グループが得意とするIPアドレス管理サーバ製品は、クラウドリフトの加速に伴うIPアドレス管理の課題から、国内製造業や情報サービス業向けDNS/DHCP案件の大型受注を獲得したほか、DNSに対する脅威を遮断し、より効果的なセキュリティ対策を実現するプロテクティブDNS(保護DNS)の提案活動が順調に推移したことで、既存顧客のリプレイス案件や追加導入案件、バージョンアップ作業等の受注に繋がっています。
また、国内では大規模なDDoSサイバー攻撃に対する警戒感が高まったことでDDoS対策を見直す企業が急増しました。
当部門では引き続き、Radware社DDoS対策製品及びWAFの拡販に注力するとともに、継続してウェビナーや展示会にて情報発信を行ったことで、DDoS攻撃対策ソリューションの引き合いは増加しました。
その他、安心・安全なネットワーク環境の構築に向けたクラウド型無線LANシステムは、柔軟なモビリティが求められる無線LANにおいて、オフィスフロアや倉庫、新規拠点開設に伴う追加案件のほか、不具合時のサポートまでを提供することで、長年利用されたアクセスポイントのリプレイス案件が増加する等、受注活動は堅調に推移しました。
この結果、売上高は1,657百万円(前期1,560百万円、前期比6.2%増)となりました。
(セキュリティ部門)
当部門では、社会生活や経済活動におけるインターネットやクラウドサービス等、ITへの依存度が高まるとともにサイバー攻撃等の脅威が増加するなか、当社グループが推進するOTセキュリティビジネスは堅調に推移しました。
社会インフラや製造業の制御ネットワークに対するセキュリティ意識の高まりから、現状把握・可視化・検知・防御の考えが広がり、特に、半導体業界・自動車関連業界をはじめとした製造業を中心に対策の導入が進み、電力会社をはじめとした社会インフラ事業者では横展開が広がったことで受注に繋がりました。
また、当社グループ独自のセキュリティサービスは、安全保障におけるサイバー及び認知戦の重要性が一層高まるなか、当部門が提供するサービスに対する官公庁からの需要は引き続き堅調に推移したことで、当該サービスは順調に推移しました。
その他、昨今、クラウドサービスの利用が加速するなか、既存のシステムやセキュリティ対策ツール、SaaS、PaaS等のログ情報から外部・内部の脅威をいち早く正確に捉えることができるログ管理・分析クラウドセキュリティサービスの引き合いが増加したことで、インターネット証券会社、暗号通貨取引所、情報サービス業等からの受注を獲得しています。
この結果、売上高は3,375百万円(前期3,005百万円、前期比12.3%増)となりました。
(ソリューションサービス部門)
当部門では、お客様の課題を解決するため、あらゆる技術とアイデアを融合したソフトウェアやサービス等の提供を行ってきました。
当部門の多言語リアルタイム映像通訳サービスは、好調なインバウンド需要の拡大により、百貨店、小売店、宿泊施設を中心に受注活動は堅調に推移しました。
Zoomライセンスを中心としたビジュアルコミュニケーション事業は、業務における必要不可欠な手段として安定的に推移したほか、中小企業のネットワークセキュリティを統合的に提供する「Zero-Con SASE」についても、引き続き多くの反響と共に堅調に伸長しています。
なお、当社グループ独自開発のRPAツールは、誰でも簡単に使える特徴と認知度の高まりから、業界、業種、規模を問わず利用が拡大したほか、展示会等の積極的なマーケティング活動を実施したことで、案件数も堅調に推移しました。
その他、訪日インバウンドメディアを活用したプロモーション事業を行うIGLOOO(イグルー)社は、訪日外国人観光客の増加に伴い、官公庁や自治体のほか、民間企業からも誘客するPR需要は増加し、受注は拡大しました。
情報システム業務支援及びシステム開発のクレシード社は、DX推進支援に関連するサーバのリプレイス、ネットワークの追加等の案件が増加し、ユーザエクスペリエンスを向上させるシステム開発案件も堅調に推移しました。
音声を中心に企業向けコンタクトセンターソリューションを提供するログイット社は、既存顧客向け保守ビジネスは堅調に推移し、新たに金融コンプライアンス向け通話録音ソリューションの受注、導入に向けたプロジェクトは順調に進みました。また、クラウドコンタクトセンターソリューションの案件数は増加基調にあり、感情解析ソリューションにおいては、コンタクセンター向けのみならず、新たにHR向けに、エンゲージメント向上の具体的な活用の推進、提案に努めました。
この結果、売上高は3,620百万円(前期2,314百万円、前期比56.4%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における受注高は10,021百万円(前期7,469百万円、前期比34.2%増)、売上高は8,653百万円(前期6,881百万円、前期比25.8%増)、受注残高は3,807百万円(前期2,439百万円、前期比56.1%増)となりました。
利益面では、地政学的リスクによる資材高騰及び円安の影響による輸入商品の仕入価格の上昇や、中長期的な経営戦略の実現に向けた人的資本への投資に伴う費用が増加したものの、売上高の増加や、全般的なコスト増の抑制並びに一部製品の価格改定により、営業利益273百万円(前期は272百万円の利益)となりました。
また主に、当社グループでは為替(円安)対策を講じて、輸入取引契約における為替変動リスクに備えた為替予約を使って決済をした際に発生した、為替相場の変動に伴う為替差益91百万円を営業外収益に計上し、デリバティブ評価損及び通貨スワップ評価損等50百万円を営業外費用に計上したことで経常利益327百万円(前期は396百万円の利益)となりました。
その他、オンデマンド動画配信サービスの事業撤退損7百万円を特別損失に計上したことで、親会社株主に帰属する当期純利益176百万円(前期は188百万円の利益)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、7,109百万円となり、前連結会計年度末に比べ210百万円増加いたしました。
当連結会計年度末における負債合計は、4,238百万円となり、前連結会計年度末に比べ95百万円減少いたしました。
当連結会計年度末における純資産合計は、2,870百万円となり、前連結会計年度末に比べ306百万円増加いたしました
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ234百万円減少し、1,681百万円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は54百万円(前年同期は324百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益319百万円を計上した一方で、前渡金の増加額286百万円、売上債権の増加額149百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は234百万円(前年同期は578百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出88百万円、無形固定資産の取得による支出61百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は46百万円(前年同期は134百万円の使用)となりました。これは主に自己株式処分による収入250百万円等によるものであります。
④仕入、受注及び販売の実績
当社グループは単一事業であるため、仕入、受注及び販売の実績については事業部門ごとに記載しております。
a . 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。
| 事業部門別 | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前年同期比(%) |
| ネットワーク部門(千円) | 693,092 | 6.3 |
| セキュリティ部門(千円) | 2,133,118 | 18.4 |
| ソリューションサービス部門(千円) | 1,451,654 | 113.4 |
| 合計(千円) | 4,277,865 | 36.5 |
b . 受注実績
当連結会計年度の受注実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。
| 事業部門別 | 受注高 | 前年同期比 (%) | 受注残高 | 前年同期比 (%) |
| ネットワーク部門(千円) | 1,651,033 | △6.7 | 639,831 | △1.0 |
| セキュリティ部門(千円) | 4,363,469 | 30.5 | 2,640,951 | 59.8 |
| ソリューションサービス部門(千円) | 4,007,083 | 70.1 | 526,942 | 275.1 |
| 合計(千円) | 10,021,586 | 34.2 | 3,807,725 | 56.1 |
c . 販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。
| 事業部門別 | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前年同期比(%) |
| ネットワーク部門(千円) | 1,657,454 | 6.2 |
| セキュリティ部門(千円) | 3,375,507 | 12.3 |
| ソリューションサービス部門(千円) | 3,620,605 | 56.4 |
| 合計(千円) | 8,653,567 | 25.8 |
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営者成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容等
a.経営成績等
(売上高)
当社グループの当連結会計年度の売上高は、前期に比べ1,772百万円増加した8,653百万円となりました。
これは主に、社会生活や経済活動におけるインターネットやクラウドサービス等、ITへの依存度が高まるとともにサイバー攻撃等の脅威が増加するなか、社会インフラや製造業の制御ネットワークに対するセキュリティ意識の高まりから、現状把握・可視化・検知・防御の考えが広がり、特に、半導体業界・自動車関連業界をはじめとした製造業を中心に対策の導入が進み、電力会社をはじめとした社会インフラ事業者では対策強化で横展開が広がったことで受注に繋がりました。
また、当社グループ独自のサイバーセキュリティにおける脅威情報解析サービスは、安全保障におけるサイバー及び認知戦の重要性が一層高まるなか、当部門が提供するサービスに対する官公庁からの需要は引き続き堅調に推移いたしました。
なお、好調なインバウンド需要の拡大に伴い、ソリューションサービス部門の多言語リアルタイム映像通訳サービスでは、百貨店、小売店、宿泊施設を中心に受注活動は堅調に推移したほか、訪日インバウンドメディアを活用したプロモーション事業を行うIGLOOO(イグルー)社は、官公庁や自治体のほか、民間企業からも誘客するPR需要は増加し、受注が拡大したことによるものであります。
(売上総利益)
売上総利益は、前連結会計年度に比べ524百万円増加し、2,817百万円となりました。
これは主に、地政学的リスクによる資材高騰及び円安の影響による輸入商品の仕入価格の上昇したことによるものであります。
(営業利益)
販売管理費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ524百万円増加し、2,544百万円となりました。
これは主に、中長期的な経営戦略の実現に向けた人的資本への投資に伴う費用が増加したことによるものであります。
これらの結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ0百万円増加し、273百万円となりました。
(経常利益)
経常利益は、前連結会計年度に比べ69百万円減少し、327百万円となりました。
これは主に、為替(円安)対策を講じて、輸入取引契約における為替変動リスクに備えた為替予約を使って決済をした際に発生した、為替相場の変動に伴う為替差益91百万円を営業外収益に計上し、デリバティブ評価損及び通貨スワップ評価損等50百万円を営業外費用に計上したことによるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別損益は、オンデマンド動画配信サービスの事業撤退損7百万円が計上されております。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ12百万円減少し、176百万円となりました。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は5,536百万円となり、前連結会計年度末に比べ212百万円増加いたしました。これは主に前渡金が286百万円増加したこと等によるものであります。固定資産は1,572百万円となり、前連結会計年度末に比べ2百万円減少いたしました。これは主に投資その他の資産が74百万円増加一方で、無形固定資産が83百万円減少したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は4,002百万円となり、前連結会計年度末に比べ8百万円増加いたしました。これは主に未払法人税等が111百万減少した一方で、その他の流動負債が98百万円増加したこと等によるものであります。固定負債は235百万円となり、前連結会計年度末に比べ104百万減少しました。これは主に長期借入金が87百万円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は2,870百万円となり、前連結会計年度末に比べ306百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益176百万円を計上したこと等によるものであります。
この結果、自己資本比率は39.7%(前連結会計年度末は36.7%)となりました。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、社会生活や経済活動におけるインターネットやクラウドサービスなど、ITへの依存度が高まるとともにサイバー攻撃等の脅威が増加するなか、これらの脅威から社会インフラを守り、安定した運用を実現するためのサイバーセキュリティ対策や制御システム・OTセキュリティリスクアセスメントサービスなど、当社グループが推進するセキュリティ対策の需要は引き続き堅調に推移いたしました。
また、好調なインバウンド需要の拡大に伴い、百貨店、小売店、宿泊施設を中心にソリューションサービス部門の多言語リアルタイム映像通訳サービスの利用が増加し、官公庁や自治体、民間企業からも訪日外国人を誘客するためのPR需要は増加しております。
その他、企業のDX推進を支援する当社グループ独自開発のRPAツールや情報システム業務支援、システム開発などの案件も堅調に推移したことから、2024年度については、売上高8,653百万円/営業利益273百万円/経常利益327百万円/親会社株主に帰属する当期純利益176百万円/1株当たり当期純利益10.48円となりました。
当社グループは、デジタル社会の変化に自ら対応・進化し、お客様が欲する最適・的確なソリューションとサービスを提供し続けられるテクノロジーオーガナイズ企業グループを目指し、2022年11月1日に純粋持株会社として当社を設立いたしました。
中核事業会社である㈱テリロジーは、1989年の創業以来、政府・自治体、文教分野、そして各業界のグローバル企業において欠かすことのできないインターネット技術や今日のデジタル社会を支える世界の先進・先端技術トレンドを常に追い駆け、この国にとって必要・有益とされる新たなテクノロジーの発掘・開発・導入に数多く挑戦して参りました。また、各グループ会社においては、サイバーセキュリティ、ICTサービス、ITマネージドサービス、インバンドソリューションサービス等の国内展開や、アジアグルーバル分野において、当社グループならではのユニークな事業ポートフォリオを展開し、各社連携のもと業容の拡大に努めております。
当社グループでは、2022年11月の純粋持株会社体制への移行を経て、ポストコロナの新しい社会活動、企業活動を見据えた当社グループ事業構築の拡充、変革を行っていかなければならない時期に直面していると考えております。
デジタルの利活用が進み、旧来のビジネスモデルが変革され産業のDX化が急速に進む中、産業構造も大きく変化・進化していくことになると考えます。
当社グループは、このデジタル変革の期を大きなチャンスと捉え、「安心・安全なデジタルの活用を支えるサイバーセキュリティ技術の提供」、「簡単で負担を感じないクラウドサービスの提供」、「ログ解析・管理からデータマネージメント技術の提供」を挑戦領域の軸として、国内外の市場を問わずお客様のDX化推進に貢献してまいります。
現在進めております、お客様が抱える情報システムやセキュリティに関わる「現場課題」、我が国の国策である観光DX、環境DXに関わる「社会課題」解決に向けての事業の加速のみならず、今後の社会にとって「必要不可欠な新たな課題領域」に向けての意欲的な挑戦も続けてまいります。
このような環境のなか、当社グループは、外部環境の変化に対応しつつ、長期的にめざす姿を実現するために、ローリング方式にて連結数値目標の見直しを行い、新たに2025年度から2027年度までの3年間を対象とするテリロジーグループ新中期経営計画を策定いたしました。
2025年度は、「更なる成長とグループ事業価値の創造・実現」をスローガンに掲げ、次のステージに向けたコミットメントとして計画に掲げた目標を着実に達成し、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に取り組んでまいります。
なお、当社グループの経営戦略の基本的な方向性は以下の通りであります。
①事業戦略の基本
・経営資源の最適化、活用の最大化
・グループ事業価値の創造、拡大
・営業力の強化、ポートフォリオ事業強化
・ビジネス機会が多いことによる社員のモチベーションのアップ(挑戦意欲をかきたてる)
②財務戦略
・グループファイナンスによる効率的な資金運用
・収益向上による自己株式取得=株主還元策
・資金調達の多様化(クレジットライン/企業与信)、金融機関との取引多様化
③人事戦略
・社員のスキルアップ、育成への積極投資
・グループ人事交流の活発化(キャリア拡大)
・新卒採用からの組織構造の適正化
・経営層の強化(経営経験のシェア)
④投資戦略
・既存事業の成長強化策としての事業投資
・事業アライアンスを狙った戦略的互恵関係目的の投資、提携の推進
・将来期待できる新市場、新事業獲得目的の投資活動
⑤グローバル戦略
・ボーダーレス取引、事業機会の増大/対応力強化
・市場弾力度とリスクの検証に基づく海外進出
・海外取引先との交流強化、信頼関係の強化
また、当社グループでは、2024年度に公表した中期3カ年計画2年目となる2025年度は、売上高は維持する一方で、最近の経済動向の不透明感を踏まえて営業利益以下を保守的に予想したことで、売上高9,700百万円/営業利益450百万円/経常利益450百万円/親会社株主に帰属する当期純利益280百万円/1株当たり当期純利益16.39円を連結業績目標としております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資産の流動性
当社グループの事業活動における短期の運転資金については、基本的には自己資金および金融機関からの短期借入金を主な財源としており、設備投資や長期の運転資金に関しては、金融機関からの長期借入金によっております。
また、グループ内の資金効率向上のため、当社は子会社と金銭消費貸借契約を契約し、資金の集中管理をおこなっております。
当社グループの資金の流動性については、上記方策により十分な現金及び現金同等物を確保しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表を作成するに当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりでありますが、特に下記の会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断等に影響を及ぼすと考えております。
a.投資有価証券の減損
当社グループの連結財務諸表に計上されている投資有価証券については、従来より減損処理に関する基準を設けており、これに基づいて処理を実施しております。市場価格のある投資有価証券については、期末日における被投資会社の株価が取得価額に比べ50%以上下落している場合は原則として減損処理を行っております。市場価格のない投資有価証券については、被投資会社の純資産額を基にした1株当たりの実質価額を見積り、株価の代わりに用いて検討することで市場価格のある投資有価証券と同等の減損処理を行っております。
被投資会社の株価もしくは業績の著しい低迷があった場合には、投資有価証券の評価損を計上する可能性があります。
b.繰延税金資産
当社グループの連結財務諸表に計上されている資産及び負債の金額と課税所得計算上の資産及び負債の金額との間に生じる一時差異に係る税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して、繰延税金資産を計上しております。将来の税金の回収可能予想額は、当社グループの将来の課税所得の見込額に基づき算出しておりますが、将来の課税見込額の変動により、繰延税金資産が変動する可能性があります。
c.のれんの減損
のれんの償却方法については、投資効果の及ぶ期間にわたり、定額法により償却しております。なお、のれんの対象事業の収益性が低下し、減損の必要性を認識した場合には、のれんの減損処理を行う可能性があります。重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。