有価証券報告書-第11期(2024/11/01-2025/10/31)
有報資料
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「『教える』をなめらかに~みんなの“かわる”に寄り添う~」をミッションとして掲げております。このミッションに基づき、学習塾を中心とする教育事業者等の講師等が煩雑なバックオフィス業務に追われることなく本来の目的である「教える」に専念できるプラットフォーム「Comiru」を主軸として開発・運営を行っております。なお、当社は「『教える』をなめらかに~みんなの“かわる”に寄り添う~」というミッションの実現に向けて、人員を増強して組織体制を整備するとともに、情報管理体制を強化し、「Comiru」及び「BIT CAMPUS」の安全性を担保する仕組みの改善、業界他社との連携等を通じて、同分野におけるサービス強化、新規事業の開発等に取り組んでいく方針であります。
(2)経営環境と経営戦略
① 経営環境
教育業界においては、少子化と慢性的な労働力不足に加え、市場環境の変化に対応するため、ICT活用による生産性向上とサービス差別化が喫緊の経営課題となっております。また、政府の「GIGAスクール構想」による端末普及が一巡し、教育現場のDXは「導入」から「利活用・定着」の実践フェーズへと移行しました。AIやIoTを活用した個別最適化された学習環境の提供や、業務効率化による労働生産性の改善は、教育事業者等が安定的な教室運営と持続的な成長を実現するための不可欠な要素として、その重要性が増しております。
国立教育政策研究所が2019年12月に発表した調査によると、日本の学校教育の授業におけるICT(注1)の活用率はOECD諸国の中で最下位と極めて活用率が低い実態が明らかになりました。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行により、パソコンやタブレットを利用したオンライン学習が普及し、政府のGIGAスクール構想によりICT教材の導入が進んでいます。このような変化の中、株式会社船井総合研究所が2021年10月に行った調査では、民間教育の業務管理市場のポテンシャル(ユーザーがICTを使用した場合の最大市場規模。以下同じ。)が500億円程度、2026年以降の民間教育におけるICT市場のポテンシャルが2,000億円程度、民間教育及び学校教育におけるICT市場全体の市場のポテンシャルが3,500億円を超えると算出されています。特に、生徒数1,000名以下の中小塾等では、バックオフィス業務の多くがエクセルを用いたアナログ作業に依存しており、システム導入による効率化の余地が大きく、今後の普及率上昇に伴い、高い成長が見込まれます。
なお、学習塾以外の教育業界においても、同様の傾向がみられるため、当社は、クラウド型学習塾向け業務管理システムの市場におけるリーディングカンパニー(注2)として、市場を引き続き牽引する役割を果たすことが重要であると認識しております。
このような事業環境の中、当社は、中核サービスである「Comiru」を成長の牽引役として位置づけ、既存のサービスラインナップを含めた教育業界全体のDXを推進しております。
当事業年度における「Comiru」の売上高は総売上高の約90%を占めており、当社の収益基盤を支えております。販売網については、「Comiru」売上高の97%を自社による直販で展開しており、特定の販売パートナーに依存しない安定した直接販売体制を構築しております。この体制により、顧客ニーズを迅速かつ正確に製品開発へ反映できることが、当社の強力な競争優位性の源泉となっております。
顧客基盤については、学習塾が最大の収益源となっております。主力サービス「Comiru」及び既存サービス等を含めた学習塾を対象とする売上高は、総売上高の約90%を占めており、強固な事業基盤を形成しております。一方で、学習塾市場で培った高い利便性と汎用性を武器に、英会話教室、プログラミング教室、スポーツスクール等の習い事市場や、学校法人向けへの展開も着実に進めており、収益基盤の多様化を図っております。
今後の成長に向けて、さらなる機能拡充に加え、業務提携や新サービスの開発等、新領域への積極的な展開を行っていくことで、教育業界における不可欠なインフラとしての地位を確立し、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
② 経営戦略
a. 顧客基盤の更なる拡大
当社は、主力サービス「Comiru」を中心に、教育事業者等のDX支援を通じた強固な顧客基盤の構築を推進しております。当事業年度末における有料契約企業数は1,939社(前事業年度比14.8%)であり、創業以来、拡大トレンドを継続しました。顧客獲得施策においては、デジタルマーケティングやインサイドセールスの高度化に加え、当期は自社初となる大規模カンファレンス「ComiruDay」を開催しました。こうした取り組みは、ユーザー間の成功事例共有を促すコミュニティの形成に繋がり、既存顧客のロイヤリティ向上と、紹介案件の増加による顧客獲得コスト(CAC)の抑制を両立させております。また、中核の学習塾市場に加え、英会話・音楽教室等の習い事全般への展開が加速しております。
今後は、教育業界における多角的なタッチポイントを活かし、潜在的なTAM(獲得可能な最大市場規模)へのアクセスを深めることで、ネットワーク外部性を伴った非連続な成長を目指してまいります。
(有料契約企業数の当社分類別内訳) (単位:社)
(注)1.当社は、生徒規模に応じて、学習塾を大手塾、中堅塾、個人塾と分類しております。
2.上記内訳の2024年10月期第3四半期より、吸収分割により承継した「BIT CAMPUS」サービスの有料契約企業が含まれております。
3.上記大手塾の数値には、有料課金が開始されていない基幹システム等の開発工程の段階の顧客(2社)は含まれておりません。
b. 顧客価値の最大化
当社は、顧客のライフタイム価値(LTV)の最大化を重要戦略と位置づけ、プロダクトの多機能化と周辺領域へのサービス拡張を推進しております。当事業年度においては、新規顧客獲得の加速に伴う顧客構成の変化(小規模・中規模層の拡大)により、ARPU(1顧客当たり平均売上高)は一時的に軟化いたしましたが、高単価領域である大手教育事業者等向け「ComiruPRO」や「ComiruERP(注3)」の導入、及び基幹システム連携等のソリューション提案が奏功し、エンタープライズ領域でのシェアを拡大させました。また、当期より本格始動した「ComiruPay」は、教育現場の基幹オペレーションである決済・請求業務を垂直統合することで、顧客の利便性を高めると同時に、高いスイッチング・コストを構築し、将来的なARPUの底上げに寄与するクロスセル基盤の確立を目指しております。
今後は、バックオフィス支援や保護者コミュニケーション領域での利便性をさらに追求し、システムパートナーの領域を超えて、顧客企業の経営課題を解決する総合プラットフォーマーとしての価値を高め、さらに、拡張性の高いプロダクト主導の収益モデルへと段階的にシフトしていくことで、開発および運用の効率性を高め、持続的な成長と安定的な収益構造の両立を実現してまいります。
(注)1.「ICT」とは、「Information and Communication Technology」の略称で、情報・通信に関する技術の総称です。
2.デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社が発行した「ミックITリポート2021年2月号 高成長続くクラウド型学習塾向け業務管理システムの市場動向」において、当社「Comiru」が、クラウド型学習塾向け業務管理システムにおける導入教室数No.1を獲得しました。
3.「ERP」とは、「Enterprise Resource Planning」(企業資源計画)の略で、「ComiruERP」は教育事業者等向けの基幹業務システムであり、請求・会計、人事、販売などの業務を統合し、効率化、情報の一元化を図るためのシステムです。当社のSaaS版「Comiru」と連携し、顧客のサーバーに個別にカスタマイズしたシステムを導入することで、教育事業者等のDX化を支援しております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、より多くの教育事業者等のバックオフィスの業務効率化に寄与し、講師等の「教える時間」を捻出することで、生徒の学習効果向上及び満足度向上、ひいては教育事業者等の企業価値最大化に貢献する思いであります。そのため、有料契約企業数、課金生徒ID数、ARPU、ARRを重要な経営指標として設定し、企業規模の拡大、企業価値の向上を目指しております。
また、当社の持続的な成長と安定的な収益を実現するために、投資効率を計る指標として広告宣伝費/売上高比率、顧客の解約率、及び売上総利益と営業利益率を重要な経営指標として確認しております。
(注)1.「課金生徒ID単価」は、当事業年度より営業戦略上の観点から非公開としております。
2.上記経営指標の2024年10月期第3四半期より、吸収分割により承継した「BIT CAMPUS」サービスの実績が含まれております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 組織体制の整備
当社の継続的な事業成長の実現に向けて、多様なバックグラウンドをもった優秀な人材を採用し、強い組織体制を整備することが重要であると認識しております。積極的な採用活動を推進していく一方で、従業員が中長期にわたって活躍しやすい環境の整備、人事制度の構築やカルチャーの推進等を進めてまいります。
② 情報管理体制の強化
当社は、提供するサービスに関連して多数の顧客企業の機密情報や生徒情報、保護者情報等の個人情報を取り扱っております。これらの情報資産を保護するため、情報セキュリティ基本方針を定め、この方針に従って情報資産を適切に管理、保護しております。今後も社内教育・研修の実施のほか、システムの強化・整備を実施してまいります。
③ サービスラインナップの拡充及び事業提携による領域拡大
現在、当社の収益基盤は「Comiru」サービスが中核をなしておりますが、更なる顧客単価の向上と収益機会の拡大を実現するため、重点領域への展開を加速いたします。既存の学習塾領域においては、大手事業者向けに「ComiruPRO」とカスタマイズ開発を組み合わせたパッケージ提案を強化し、高付加価値サービスの提供を推進します。加えて、「ComiruERP」の導入促進や、「ComiruPay」による請求・決済機能の強化を通じて、顧客の業務フローにおける当社サービスの占有率を高めてまいります。また、周辺領域への展開にあたっては、自社開発に留まらず、学習塾・スクール運営を支援するシステム事業者や、人材採用・集客支援等の周辺ソリューションを展開する事業者との業務提携やM&A等の活用も視野に入れ、非連続的なスピードで市場開拓を推し進めてまいります。
④ 中長期的な企業価値最大化に向けた投資方針
当社は、新規上場した2022年11月以降、安定的な黒字経営により構築した財務基盤を背景に、更なる事業拡大を目指しております。市場シェアの拡大及びストック収益の積み上げこそが企業価値向上の源泉であると考え、規律ある先行投資を継続する方針です。具体的には、来期(2026年10月期)においても、サービス競争力の強化及びシステム基盤の堅牢化に向けた開発投資、認知拡大及び顧客獲得のためのマーケティング投資を積極的に実施いたします。これにより、短期的には利益水準が変動する可能性がありますが、投資対効果を慎重に見極めた上での判断であり、将来にわたるフリー・キャッシュ・フローの最大化に資するものと考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「『教える』をなめらかに~みんなの“かわる”に寄り添う~」をミッションとして掲げております。このミッションに基づき、学習塾を中心とする教育事業者等の講師等が煩雑なバックオフィス業務に追われることなく本来の目的である「教える」に専念できるプラットフォーム「Comiru」を主軸として開発・運営を行っております。なお、当社は「『教える』をなめらかに~みんなの“かわる”に寄り添う~」というミッションの実現に向けて、人員を増強して組織体制を整備するとともに、情報管理体制を強化し、「Comiru」及び「BIT CAMPUS」の安全性を担保する仕組みの改善、業界他社との連携等を通じて、同分野におけるサービス強化、新規事業の開発等に取り組んでいく方針であります。
(2)経営環境と経営戦略
① 経営環境
教育業界においては、少子化と慢性的な労働力不足に加え、市場環境の変化に対応するため、ICT活用による生産性向上とサービス差別化が喫緊の経営課題となっております。また、政府の「GIGAスクール構想」による端末普及が一巡し、教育現場のDXは「導入」から「利活用・定着」の実践フェーズへと移行しました。AIやIoTを活用した個別最適化された学習環境の提供や、業務効率化による労働生産性の改善は、教育事業者等が安定的な教室運営と持続的な成長を実現するための不可欠な要素として、その重要性が増しております。
国立教育政策研究所が2019年12月に発表した調査によると、日本の学校教育の授業におけるICT(注1)の活用率はOECD諸国の中で最下位と極めて活用率が低い実態が明らかになりました。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行により、パソコンやタブレットを利用したオンライン学習が普及し、政府のGIGAスクール構想によりICT教材の導入が進んでいます。このような変化の中、株式会社船井総合研究所が2021年10月に行った調査では、民間教育の業務管理市場のポテンシャル(ユーザーがICTを使用した場合の最大市場規模。以下同じ。)が500億円程度、2026年以降の民間教育におけるICT市場のポテンシャルが2,000億円程度、民間教育及び学校教育におけるICT市場全体の市場のポテンシャルが3,500億円を超えると算出されています。特に、生徒数1,000名以下の中小塾等では、バックオフィス業務の多くがエクセルを用いたアナログ作業に依存しており、システム導入による効率化の余地が大きく、今後の普及率上昇に伴い、高い成長が見込まれます。
なお、学習塾以外の教育業界においても、同様の傾向がみられるため、当社は、クラウド型学習塾向け業務管理システムの市場におけるリーディングカンパニー(注2)として、市場を引き続き牽引する役割を果たすことが重要であると認識しております。
このような事業環境の中、当社は、中核サービスである「Comiru」を成長の牽引役として位置づけ、既存のサービスラインナップを含めた教育業界全体のDXを推進しております。
当事業年度における「Comiru」の売上高は総売上高の約90%を占めており、当社の収益基盤を支えております。販売網については、「Comiru」売上高の97%を自社による直販で展開しており、特定の販売パートナーに依存しない安定した直接販売体制を構築しております。この体制により、顧客ニーズを迅速かつ正確に製品開発へ反映できることが、当社の強力な競争優位性の源泉となっております。
顧客基盤については、学習塾が最大の収益源となっております。主力サービス「Comiru」及び既存サービス等を含めた学習塾を対象とする売上高は、総売上高の約90%を占めており、強固な事業基盤を形成しております。一方で、学習塾市場で培った高い利便性と汎用性を武器に、英会話教室、プログラミング教室、スポーツスクール等の習い事市場や、学校法人向けへの展開も着実に進めており、収益基盤の多様化を図っております。
今後の成長に向けて、さらなる機能拡充に加え、業務提携や新サービスの開発等、新領域への積極的な展開を行っていくことで、教育業界における不可欠なインフラとしての地位を確立し、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
② 経営戦略
a. 顧客基盤の更なる拡大
当社は、主力サービス「Comiru」を中心に、教育事業者等のDX支援を通じた強固な顧客基盤の構築を推進しております。当事業年度末における有料契約企業数は1,939社(前事業年度比14.8%)であり、創業以来、拡大トレンドを継続しました。顧客獲得施策においては、デジタルマーケティングやインサイドセールスの高度化に加え、当期は自社初となる大規模カンファレンス「ComiruDay」を開催しました。こうした取り組みは、ユーザー間の成功事例共有を促すコミュニティの形成に繋がり、既存顧客のロイヤリティ向上と、紹介案件の増加による顧客獲得コスト(CAC)の抑制を両立させております。また、中核の学習塾市場に加え、英会話・音楽教室等の習い事全般への展開が加速しております。
今後は、教育業界における多角的なタッチポイントを活かし、潜在的なTAM(獲得可能な最大市場規模)へのアクセスを深めることで、ネットワーク外部性を伴った非連続な成長を目指してまいります。
(有料契約企業数の当社分類別内訳) (単位:社)
| 分類名 | 生徒規模数 (注1) | 事業年度 | 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 |
| 大手塾 | 5,000人 以上 | 2024年10月期 | 12 | 14 | 17 | 17 |
| 2025年10月期 | 17 | 19 | 19 | 19 | ||
| 中堅塾 | 300~ 5,000人 | 2024年10月期 | 78 | 82 | 107 | 109 |
| 2025年10月期 | 110 | 113 | 113 | 119 | ||
| 個人塾 | 300人 未満 | 2024年10月期 | 1,177 | 1,221 | 1,367 | 1,404 |
| 2025年10月期 | 1,421 | 1,453 | 1,503 | 1,515 | ||
| その他 習い事 | - | 2024年10月期 | 82 | 106 | 143 | 159 |
| 2025年10月期 | 183 | 221 | 255 | 286 | ||
| 合計 | 2024年10月期 | 1,349 | 1,423 | 1,634 | 1,689 | |
| 2025年10月期 | 1,731 | 1,806 | 1,890 | 1,939 | ||
(注)1.当社は、生徒規模に応じて、学習塾を大手塾、中堅塾、個人塾と分類しております。
2.上記内訳の2024年10月期第3四半期より、吸収分割により承継した「BIT CAMPUS」サービスの有料契約企業が含まれております。
3.上記大手塾の数値には、有料課金が開始されていない基幹システム等の開発工程の段階の顧客(2社)は含まれておりません。
b. 顧客価値の最大化
当社は、顧客のライフタイム価値(LTV)の最大化を重要戦略と位置づけ、プロダクトの多機能化と周辺領域へのサービス拡張を推進しております。当事業年度においては、新規顧客獲得の加速に伴う顧客構成の変化(小規模・中規模層の拡大)により、ARPU(1顧客当たり平均売上高)は一時的に軟化いたしましたが、高単価領域である大手教育事業者等向け「ComiruPRO」や「ComiruERP(注3)」の導入、及び基幹システム連携等のソリューション提案が奏功し、エンタープライズ領域でのシェアを拡大させました。また、当期より本格始動した「ComiruPay」は、教育現場の基幹オペレーションである決済・請求業務を垂直統合することで、顧客の利便性を高めると同時に、高いスイッチング・コストを構築し、将来的なARPUの底上げに寄与するクロスセル基盤の確立を目指しております。
今後は、バックオフィス支援や保護者コミュニケーション領域での利便性をさらに追求し、システムパートナーの領域を超えて、顧客企業の経営課題を解決する総合プラットフォーマーとしての価値を高め、さらに、拡張性の高いプロダクト主導の収益モデルへと段階的にシフトしていくことで、開発および運用の効率性を高め、持続的な成長と安定的な収益構造の両立を実現してまいります。
(注)1.「ICT」とは、「Information and Communication Technology」の略称で、情報・通信に関する技術の総称です。
2.デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社が発行した「ミックITリポート2021年2月号 高成長続くクラウド型学習塾向け業務管理システムの市場動向」において、当社「Comiru」が、クラウド型学習塾向け業務管理システムにおける導入教室数No.1を獲得しました。
3.「ERP」とは、「Enterprise Resource Planning」(企業資源計画)の略で、「ComiruERP」は教育事業者等向けの基幹業務システムであり、請求・会計、人事、販売などの業務を統合し、効率化、情報の一元化を図るためのシステムです。当社のSaaS版「Comiru」と連携し、顧客のサーバーに個別にカスタマイズしたシステムを導入することで、教育事業者等のDX化を支援しております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、より多くの教育事業者等のバックオフィスの業務効率化に寄与し、講師等の「教える時間」を捻出することで、生徒の学習効果向上及び満足度向上、ひいては教育事業者等の企業価値最大化に貢献する思いであります。そのため、有料契約企業数、課金生徒ID数、ARPU、ARRを重要な経営指標として設定し、企業規模の拡大、企業価値の向上を目指しております。
また、当社の持続的な成長と安定的な収益を実現するために、投資効率を計る指標として広告宣伝費/売上高比率、顧客の解約率、及び売上総利益と営業利益率を重要な経営指標として確認しております。
| 項目 | 事業年度 | 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 |
| 有料契約企業数(社) | 2024年10月期 | 1,349 | 1,423 | 1,634 | 1,689 |
| 2025年10月期 | 1,731 | 1,806 | 1,890 | 1,939 | |
| 課金生徒ID数(千ID) | 2024年10月期 | 354 | 360 | 426 | 444 |
| 2025年10月期 | 459 | 453 | 485 | 505 | |
| ARPU(円) | 2024年10月期 | 51,516 | 49,615 | 54,476 | 54,365 |
| 2025年10月期 | 55,160 | 50,858 | 52,061 | 51,816 | |
| ARR(千円) | 2024年10月期 | 833,954 | 847,228 | 1,068,173 | 1,101,862 |
| 2025年10月期 | 1,145,780 | 1,102,202 | 1,180,738 | 1,205,649 | |
| 広告宣伝費/売上高比率(%) | 2024年10月期 | 4.2 | 4.2 | 5.0 | 4.5 |
| 2025年10月期 | 3.2 | 3.9 | 3.8 | 4.9 | |
| 顧客の解約率(%) | 2024年10月期 | 0.4 | 0.5 | 0.4 | 0.4 |
| 2025年10月期 | 0.4 | 0.5 | 0.6 | 0.6 | |
| 売上総利益(千円) | 2024年10月期 | 171,835 | 352,306 | 559,409 | 797,592 |
| 2025年10月期 | 263,010 | 527,416 | 781,207 | 1,044,392 | |
| 営業利益率(%) | 2024年10月期 | 5.3 | 5.0 | 3.9 | 6.8 |
| 2025年10月期 | 18.4 | 17.2 | 15.9 | 12.6 |
(注)1.「課金生徒ID単価」は、当事業年度より営業戦略上の観点から非公開としております。
2.上記経営指標の2024年10月期第3四半期より、吸収分割により承継した「BIT CAMPUS」サービスの実績が含まれております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 組織体制の整備
当社の継続的な事業成長の実現に向けて、多様なバックグラウンドをもった優秀な人材を採用し、強い組織体制を整備することが重要であると認識しております。積極的な採用活動を推進していく一方で、従業員が中長期にわたって活躍しやすい環境の整備、人事制度の構築やカルチャーの推進等を進めてまいります。
② 情報管理体制の強化
当社は、提供するサービスに関連して多数の顧客企業の機密情報や生徒情報、保護者情報等の個人情報を取り扱っております。これらの情報資産を保護するため、情報セキュリティ基本方針を定め、この方針に従って情報資産を適切に管理、保護しております。今後も社内教育・研修の実施のほか、システムの強化・整備を実施してまいります。
③ サービスラインナップの拡充及び事業提携による領域拡大
現在、当社の収益基盤は「Comiru」サービスが中核をなしておりますが、更なる顧客単価の向上と収益機会の拡大を実現するため、重点領域への展開を加速いたします。既存の学習塾領域においては、大手事業者向けに「ComiruPRO」とカスタマイズ開発を組み合わせたパッケージ提案を強化し、高付加価値サービスの提供を推進します。加えて、「ComiruERP」の導入促進や、「ComiruPay」による請求・決済機能の強化を通じて、顧客の業務フローにおける当社サービスの占有率を高めてまいります。また、周辺領域への展開にあたっては、自社開発に留まらず、学習塾・スクール運営を支援するシステム事業者や、人材採用・集客支援等の周辺ソリューションを展開する事業者との業務提携やM&A等の活用も視野に入れ、非連続的なスピードで市場開拓を推し進めてまいります。
④ 中長期的な企業価値最大化に向けた投資方針
当社は、新規上場した2022年11月以降、安定的な黒字経営により構築した財務基盤を背景に、更なる事業拡大を目指しております。市場シェアの拡大及びストック収益の積み上げこそが企業価値向上の源泉であると考え、規律ある先行投資を継続する方針です。具体的には、来期(2026年10月期)においても、サービス競争力の強化及びシステム基盤の堅牢化に向けた開発投資、認知拡大及び顧客獲得のためのマーケティング投資を積極的に実施いたします。これにより、短期的には利益水準が変動する可能性がありますが、投資対効果を慎重に見極めた上での判断であり、将来にわたるフリー・キャッシュ・フローの最大化に資するものと考えております。