有価証券報告書-第26期(2024/01/01-2024/12/31)

【提出】
2025/03/28 15:30
【資料】
PDFをみる
【項目】
109項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、企業業績や雇用・所得環境は回復基調にあったものの、エネルギーや原材料価格の高騰による物価の上昇が続きました。一方で、ロシア・ウクライナ問題の長期化や中東情勢の緊迫化など、国際情勢には不安定さが増しており、景気の先行きは依然として不透明な状況にあります。
このような環境のもと、当社は、高成長事業であるモバイルペイントアプリ「ibisPaint(アイビスペイント)」シリーズの開発/運営を主軸としたモバイル事業と、安定成長事業であるスマートフォンやタブレットなどのインターネット端末でのアプリケーション開発支援を行うソリューション事業の2本柱で積極的な事業展開を行ってまいりました。世界200以上の国と地域にユーザーを持つ「ibisPaint」においては、デジタルイラストユーザーのトレンドを常に意識した魅力的な新機能や新サービスの更なる拡充に注力し、サブスクリプション課金などのマネタイズ策の強化に取り組んでまいりました。ソリューション事業においては、急速な技術革新を背景にした企業のDX化における生産性向上や競争力強化のためのIT需要を的確に捉え、長年にわたり培ってきた高い技術力と柔軟な対応力を強みに、法人顧客に高度なソリューション提供を更に推進いたしました。
以上の結果、当事業年度の経営成績は、売上高4,625,427千円(前年同期比13.2%増)、営業利益1,155,358千円(前年同期比166.1%増)、経常利益1,170,367千円(前年同期比173.4%増)、当期純利益839,294千円(前年同期比190.8%増)となりました。
事業セグメント別の状況は、以下のとおりであります。
<モバイル事業>当事業年度におきましては、主力製品の「ibisPaint」についてはシリーズ累計のダウンロード数を積み重ね、2024年5月2日に大台の4億ダウンロードを達成し、2024年12月末日時点では4億4,967万ダウンロード(前年同期比20.8%増)となりました。モバイル事業では、新機能の追加やサービス拡充、ユーザーの声をもとにしたアプリの改善や仕様変更への対応(Ver.11.2.0からVer.12.2.12までリリース)をはじめ、YouTubeでの継続的なお絵描き講座の動画投稿、季節やトレンドに合わせた素材コンテストの開催(第37~44回)及び豊富な無料素材の追加など、常にユーザーフレンドリーを意識した製品の提供に注力してまいりました。2024年3月には、イラストの拡大・縮小を繰り返しても描画した線が劣化しないという「ベクターレイヤー機能」などを実装したVer.12.0.0をリリースしたほか、PC版の「ibisPaint for Windows」においても、モバイル版と同様のサブスクリプションによるプレミアム会員サービス(月額480円、年額2,950円)を開始いたしました。2024年5月には、画像生成AIによる追加学習を妨げるノイズをイラストに付与し、ユーザー独自の作風が模倣されることを防ぐ「AI学習妨害機能」などを実装したVer.12.1.0を、2024年9月には、作成したイラストをフォルダに分けて整理することを可能にする「作品フォルダ機能」などを実装したVer.12.2.0を、それぞれリリースいたしました。いずれの新機能・新サービスもユーザーから好評を博しておりますが、中でも「AI学習妨害機能」及び「作品フォルダ機能」はプレミアム会員(サブスクリプション)のみが利用できる機能として実装したため、サブスクリプション契約数の増加にも大きく貢献いたしました。
以上の結果、売上高は2,611,002千円(前年同期比6.3%増)となりました。売上区分別の国内売上高及び海外売上高は以下のとおりであります。
前事業年度
(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
当事業年度
(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
金額
(千円)
構成比
(%)
金額
(千円)
構成比
(%)
増減率
(%)
アプリ広告国内売上高448,00624.3393,83723.7△12.1
海外売上高1,397,57075.71,265,84176.3△9.4
1,845,576100.01,659,678100.0△10.1
アプリ課金
(サブスクリプション
+ 売切型アプリ)
国内売上高203,22433.8281,74729.938.6
海外売上高398,76466.2661,42870.165.9
601,988100.0943,175100.056.7
その他国内売上高6,39978.96,45079.20.8
海外売上高1,71021.11,69820.8△0.7
8,110100.08,148100.00.5
合計国内売上高657,63026.8682,03526.13.7
海外売上高1,798,04573.21,928,96773.97.3
2,455,675100.02,611,002100.06.3

当事業において主な収入源となっているアプリ広告につきましては、DAU(日次アクティブユーザー)は概ね高い水準を維持し、また、為替は2024年8月以降円高に振れた時期もあったものの、期を通しては円安傾向にありました。しかしながら、より収益性の高いサブスクリプションへのシフトを志向したこと、アプリ広告事業の一部施策において実装段階で予期せぬ不具合が生じたことなどから、売上高は1,659,678千円(前年同期比10.1%減)となりました。アプリ課金につきましては、サブスクリプションは前述した各種新機能の追加やPC版サブスクリプションの開始などのほか、既存ユーザーに対するプレミアム会員サービスへの契約促進施策が奏功し、売上高は687,181千円(前年同期比108.2%増)、会員数は232,053人(前年同期比94.4%増)と大きく増加いたしました。一方、売切型アプリにつきましては、モバイル版・PC(Windows)版ともにサブスクリプションへの誘導が想定以上に進んだため、売上高は255,994千円(前年同期比5.9%減)となりました。
また、当事業年度よりオーガニック成長へ転換し効果的な広告投資を行ったことにより、セグメント利益は1,342,323千円(前年同期比76.7%増)となりました。
<ソリューション事業>当事業年度におきましては、クラウドコンピューティング技術やモバイルアプリ開発のニーズが拡大を続ける中、特にエンタープライズ企業との直取引による拡大と深耕を推進したことにより、受託開発が大きく成長いたしました。従来のBtoC向け開発からBtoB向け開発への移行が緩やかに進む一方、幅広い分野の法人や地方自治体からのシステム開発受注が増加し、クラウドサーバの構築・移行支援(サーバレス環境の構築を含む)では安定的な収益を生む運用保守案件も順調に増加しております。本サービスにおいては、最新の技術をマスターするためのeラーニングによる多彩な教育カリキュラムや豊富な開発経験を活かした社内勉強会、AIを活用した開発生産性の抜本的向上策、顧客ニーズに合致した様々なアプリケーション開発手法など、高付加価値なSI体制の構築に向けて諸施策の検討及び導入を積極的に推進しております。IT技術者派遣では、大手SIerやソフトウェア開発企業などを中心に、最新の技術を習得したハイスキルなITエンジニアを提供し、派遣先企業のIT・DX関連における課題解決を力強く支援いたしました。一方で、主に前事業年度に大量に採用したITエンジニアとの開発案件におけるミスマッチ等により、特に下期において多くの離職が顕在化したため、期末のITエンジニア数が240人(前年同期比で増減なし)となりました。こちらは、会社側とのコミュニケーションを質・量共に充実させる形で既に対策を実行いたしております。当事業は、引き続き、最新の技術を駆使したモバイルアプリ開発支援を強みに、売上高・利益を着実に増加させる安定成長事業として、より一層の事業拡大を目指してまいります。
以上の結果、売上高は2,014,424千円(前年同期比23.5%増)となり、内訳としては、受託開発が526,919千円(前年同期比89.5%増)、IT技術者派遣が1,487,505千円(前年同期比9.9%増)となりました。増収に加え、エンジニアの採用が一服したこともあり、セグメント利益は275,514千円(前年同期比204.2%増)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末の資産合計は3,200,964千円となり、前事業年度末に比べ1,091,639千円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が998,081千円、ソフトウェアが32,355千円、前払費用が26,630千円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当事業年度末の負債合計は1,071,135千円となり、前事業年度末に比べ251,446千円の増加となりました。これは主に、長期借入金が20,454千円減少した一方で、未払法人税等が159,491千円、契約負債が96,770千円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当事業年度末の純資産合計は2,129,829千円となり、前事業年度末に比べ840,193千円の増加となりました。これは、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ9,888千円増加するとともに、当期純利益839,294千円の計上による増加と剰余金の配当50,890千円の支払い等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は2,227,851千円となり、前事業年度末と比較して998,081千円増加となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動による資金の増加は1,202,621千円(前事業年度は307,591千円の増加)となりました。これは主に、税引前当期純利益1,170,367千円の計上及び法人税等の支払額192,570千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動による資金の減少は144,877千円(前事業年度は192,833千円の減少)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出119,154千円、差入保証金の差入による支出20,287千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動による資金の減少は62,434千円(前事業年度は520,292千円の増加)となりました。これは主に、株式の発行による収入19,776千円、長期借入金の返済による支出31,090千円、配当金の支払額50,845千円等があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社が提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b 受注実績
当事業年度におけるソリューション事業の受託開発に係る受注実績は次のとおりです。なお、モバイル事業及びソリューション事業のIT技術者派遣は提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
セグメントの名称受注高
(千円)
前期比
(%)
受注残高
(千円)
前期比
(%)
ソリューション事業516,679151.791,22789.9
合計516,679151.791,22789.9

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.当事業年度において、受注実績に著しい変動がありました。これは、受注件数が増加したこと等によるものです。
c 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称販売高(千円)前期比(%)
モバイル事業2,611,002106.3
ソリューション事業2,014,424123.5
合計4,625,427113.2

(注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
相手先前事業年度
(自 2023年1月1日
至 2023年12月31日)
当事業年度
(自 2024年1月1日
至 2024年12月31日)
販売高
(千円)
割合
(%)
販売高
(千円)
割合
(%)
Google LLC1,849,58145.31,878,15540.6

(注) Google LLCはプラットフォーム提供会社であり、同社に対する販売実績は、当社の提供するアプリの利用者(ユーザー)にかかる広告売上高等であります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 財政状態の分析
財政状態の分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりです。
b 経営成績の状況の分析
(売上高)
当事業年度における売上高は4,625,427千円(前年同期比13.2%増)となり、前事業年度と比較して538,562千円の増収となりました。これは主にモバイル事業の主製品であるモバイルペイントアプリ「ibisPaint」シリーズの累計ダウンロード数が2024年12月末に4億4,967万件(前年同期比20.8%増)となり、プレミアム会員サービスのサブスクリプション売上が順調に推移したこと、ソリューション事業の受託開発が大きく成長したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度における売上原価は1,833,158千円(前年同期比22.8%増)となりました。これは主にモバイル事業の開発人員採用に伴う人件費の増加、アプリダウンロード数が伸びたことによるサーバ利用料等の通信費の増加、ソリューション事業における受託開発増加に伴う人件費の増加等によるものであります。この結果、売上総利益は2,792,269千円(前年同期比7.6%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費は1,636,910千円(前年同期比24.2%減)となりました。これは主にモバイル事業の売上増加に伴う販売手数料が増加した一方、エンジニアの採用が一服したことによる採用費の減少や、効率的な広告投資により広告宣伝費が減少したことによるものであります。この結果、営業利益は1,155,358千円(前年同期比166.1%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当事業年度における営業外収益は主に受取報奨金や為替差益の計上により16,000千円(前年同期比66.6%増)となりました。営業外費用は主に支払利息の計上により991千円(前年同期比93.7%減)となりました。この結果、経常利益は1,170,367千円(前年同期比173.4%増)となりました。
(当期純利益)
当事業年度における当期純利益は839,294千円(前年同期比190.8%増)となりました。これは法人税等調整額を含む法人税等合計331,073千円を計上したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b 資金の財源及び資金の流動性
当社の主な資金需要はモバイル事業の「ibisPaint」アップデート及び新規アプリ開発投資に係る人件費であります。運転資金は主に自己資金及び金融機関からの借入により調達しております。設備投資の必要性が生じた際には投資金額、手元資金、資本コスト等を総合的に考慮して最適な手段により調達することとしております。
現金及び現金同等物の当事業年度末残高は2,227,851千円であり、資金の流動性は十分に確保できております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。経営者は債権、繰延税金資産、引当金等に関する見積り及び判断について、継続して評価を行っており、過去の実績や状況に応じて合理的と思われる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。また、その結果は資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これら見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
なお、当社の財務諸表で採用した重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。