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有価証券報告書-第23期(2025/07/01-2026/06/30)

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2026/09/24 16:00
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当社グループは、当社(株式会社Fusic)及び持分法非適用関連会社(株式会社天郷醸造所、事業内容:その他の醸造酒製造及び販売)により構成されております。当社の事業内容は、以下の通りであります。
(1)ビジネスモデルの概要
当社は、テクノロジーカンパニーとして、クラウドやAI、IoT等の様々な技術を活用し、クライアントの課題解決を支援する事業を展開しております。当社の事業の特徴は、プロジェクトに必要なすべての機能を持つコンパクトで自律的なチームで運営される少数精鋭の開発体制と、クラウドやAI、IoTをはじめとする多様な技術を組み合わせて提供する技術結合力を活かし、クライアントの課題設定の精度、投資対効果の適正性、及び課題解決の継続性を高めることにあります(図1)。少数精鋭の開発体制については、プロジェクトに必要な機能をチーム内で完結させることにより、強いオーナーシップに基づく自律的な判断を可能にするとともに、他部門・他社との調整に要するコストを軽減しております。技術結合力については、クラウド、AI・機械学習、IoT、Webシステム、ネイティブアプリ、UI/UXデザインといった技術領域に加え、宇宙・量子等の先端技術領域についても知見を有しており、特定の技術・分野に限定せず、クライアントの課題に応じて必要な技術を組み合わせて提供する体制を構築しております。

図1:当社がクライアントに提供する価値のイメージ
当社は、大学・研究機関、大学発スタートアップ・ディープテック、宇宙関連機関等の研究・先端技術領域から、新規事業や業務高度化に取り組む民間企業を対象に、クライアントの事業・経営の課題に深く関与するフロー型のビジネスと、運用の課題を継続的に解いて接点を広げるストック型の両輪でビジネスを展開しております(図2)。課題解決を軸とするフロー型のビジネスは、クライアントの事業・経営上の課題に深く関与し、構想・課題の定義から技術結合による設計、実装・運用までを一貫して手掛けており、ストック型のビジネスでは、クライアントの運用上の課題の継続的な解決に取り組んでおります。これらは、それぞれ独立した事業ではなく、同一の顧客に対する2つの関わり方と位置付けており、両者が相互に顧客を送客し合う構造が、当社の収益の質及び安定性の向上に貢献すると考えております。

図2:当社ビジネスモデルの全体像
当社の事業は「DX事業」の単一セグメントですが、サービス別の分類は以下の通りです。
①「クロステクノロジーサービス」
クラウド環境の構築やシステム開発、IoTを活用したデータ収集、AIによるデータ分析など、多様なデジタルテクノロジーを横断的に組み合わせて提供するサービスです。特定の技術領域にとらわれることなく、クライアントの業種・規模・課題に応じて最適な技術を選定・適用することで、経営課題の解決や業務効率化、新規ビジネスの創出に貢献しています。
契約形態は準委任契約及び請負契約を中心とし、課題の設定から構想の策定、概念実証・設計、開発・実装、検証、運用・内製化支援までのすべての工程を内製化し、ワンストップ型で提供することにより、迅速かつ柔軟な支援を実現しています。
②「MSP(注1)サービス」
システム及びクラウド環境の安定稼働を支える保守・運用業務等のメンテナンスサービスを提供するとともに、パブリッククラウド(AWS)のリセールサービスでは、AWSに関する技術支援及びAWS利用料金の支払代行を行っております。監視・障害対応・セキュリティ対策・コスト最適化支援など、クラウド活用に伴う運用課題を幅広くカバーし、クライアントが安心して本業に注力できる環境を提供しています。IoTプラットフォーム(SORACOM)や生成AI(Anthropic)についても、顧客の要件に応じて取り扱い商材を拡大しております。
ストック型のビジネスモデルであり、継続的な契約に基づき安定的な収益基盤を形成しています。契約形態は、メンテナンスサービスでは準委任契約、リセールサービスでは従量課金が中心であり、システムの特性やクライアントのニーズに応じて柔軟に対応しています。クラウドの普及が進む中で、専門知識を持たない企業にとっては運用負荷が大きな課題となる中、当社はMSPサービスを通じて顧客の運用負担を軽減し、安心してクラウド活用を継続できる環境を提供しています。
③「その他サービス」
a. 360(さんろくまる)
多面評価(360度評価)に特化し、その煩雑な業務を効率化するサービスを提供しています。業種や規模を問わず1,000社以上の企業や官公庁、学校法人等の団体に利用いただいています。設問のカスタマイズやスマホ対応、結果資料の自動作成が可能なほか、評価時のみ利用量が発生する料金体系のため、柔軟かつ効率的に運用できる点が特徴です。また、AI気付きサポート機能の搭載やアクセシビリティ向上等をはじめとする機能の改善に継続的に取り組んでいます。多面評価を通じて、次世代リーダーや管理職層の育成を加速するとともに、組織全体に相互フィードバックの文化を根付かせることを支援しています。
b. sigfy
「学校連絡をもっと楽にシンプルに」をコンセプトに、学校と保護者を繋ぐ連絡サービスを提供しています。メールやLINE、スマートフォンアプリといった複数の方法で通知が可能であり、高校・中学校・小学校・幼稚園・保育園など全国の教育機関で幅広く利用されています。メッセージ送信機能や欠席遅刻連絡機能、アンケート機能等に加え、集金機能、保護者面談等の日程調整機能、添付PDFの多言語翻訳機能等を備えており、学校運営の効率化や教職員の業務負担の軽減に貢献しています。また、すべての利用者が、安心安全に、使いやすいサービスを目指し、継続的な機能改善を行っております。
(2)当社の強みについて
九州・福岡でシステム開発会社として創業した当社は、小さな案件や、課題が明確化されていない多種多様な案件を受注してきました。首都圏は案件規模が大きく、複数企業が明確な役割分担のもとでプロジェクトが遂行されるため、各企業に求められる技術や役割が明確である一方、当社はこうした環境の中で、構想の整理から実装・運用までを一気通貫に手がけ、必要に応じて様々な技術を習得し、特定技術に依存しない立場から投資対効果の高い解決策を選び抜く「コンサルティング会社とシステム開発会社の強みを併せ持つ第三の型」を築いてきました(図3)。

図3:当社ポジショニング(コンサルティング会社×システム開発会社)
当社の競争力の源泉は、大きく3点に整理されます。
第一に、制約が生んだオールラウンドな体制と新技術への適応力です。首都圏と比べてプロジェクトを束ねる存在が少ない九州・福岡においては、顧客とベンダーを束ねる存在が身近になく、当社自らがその役割を担ってきました。構想の整理、技術の選定、実装、運用までのすべてを自分たちで担う体制を構築するとともに、OSS、クラウド・SaaS、IoT・AI/機械学習、そして生成AIへと続くソフトウェア開発技術の変化の波に対応し、少ない人数で大きな開発を可能とする学習・適応力を培ってきました(図4)。

図4:競争力の源泉①
第二に、技術の専門家が構想段階から顧客に直接相対する体制です。顧客と「技術を判断する人」の距離が、課題解決の質とスピードを左右するという考えのもと、当社は創業以来一貫してその距離をゼロにする努力を重ねてきました。「ビジネス課題を理解するエンジニアの採用・育成」、「構想段階からエンジニアが顧客に同席する体制」、「一次情報(AI・クラウド・宇宙等)への継続的な投資」、という3つの仕組みにより、課題を理解する人・技術を選ぶ人・作る人が同一であるという体制を成立させています。これにより、事業目的と技術選定が同じ担当者の中で接続され、要件の翻訳ロスによる手戻りが生じにくく、課題が変わっても同じ専門家に継続的に相談できるという価値を顧客に提供しています(図5)。

図5:競争力の源泉②
第三に、事業を牽引するエンジニアリング力です。当社は従業員の約65%をエンジニアが占めており、AWSの表彰プログラムにおいてもエンジニア規模に対する選出比率が高い水準にあります(図6)。また、クラウド、ネイティブアプリ、AI・機械学習、IoTシステム、Webシステム、UI・UXデザインといった既存技術と新技術を幅広く保有し、これらを融合させて提供できる技術結合力は、専業ベンダーにはない当社ならではの強みです(図7)。この技術結合力により、開発の機動力・スピード、柔軟性、開発コストの適正性といった価値を顧客に提供しています。さらに、属人化しやすい知見を組織知として共有する仕組みを整備しており、類似案件の経験、技術検証の知見、過去の設計資産、社内エキスパートといった組織内に存在する知見を、社内勉強会等を通じて個人レベルから組織レベルへと落とし込んでいます。これにより、課題に対して知見が即座に集まり、経験の浅いエンジニアであっても組織知を活用して顧客の前に立てる体制を実現しています(図8)。

図6:競争力の源泉③-1

図7:競争力の源泉③-2

図8:競争力の源泉③-3
(3)事業系統図
事業の系統図は、次の通りであります。

(注1)MSP
Managed Service Providerの略で、クライアントが利用するコンピュータやシステムの運用や監視、保守を行うことです。

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