有価証券報告書-第7期(2023/01/01-2023/12/31)

【提出】
2024/03/28 15:00
【資料】
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【項目】
110項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産は3,308,968千円となり、前事業年度末と比較して1,938,040千円増加いたしました。主な要因は、現金及び預金が新株発行等により1,929,560千円増加、前払費用も8,967千円増加したことによるものであります。
固定資産は4,934千円となり、前事業年度末と比較して1,296千円増加いたしました。これは保証金が1,296千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は3,313,902千円となり、前事業年度末と比較して1,939,336千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は178,480千円となり、前事業年度末と比較して144,796千円増加いたしました。
主な要因は、未払費用が8,569千円増加、未払金が7,271千円増加、未払法人税等が67,683千円増加およびその他が59,714千円増加したことによるものであります。
固定負債は30,654千円であり、前事業年度末と比較して26,035千円増加いたしました。これは資産除去債務が26,035千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は209,134千円となり、前事業年度末と比較して170,831千円増加いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は3,104,768千円となり、前事業年度末と比較して1,768,504千円増加いたしました。これは、当期純利益を260,330千円計上したことにより利益剰余金が260,330千円増加、新株発行により資本金および資本剰余金がそれぞれ754,087千円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は93.7%(前事業年度末は97.2%)となりました。
② 経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、長引くロシア・ウクライナ問題に加え、中東並びに中国・台湾においても地政学リスクが顕在化すると共に、エネルギー価格の高止まり、各国の金融引き締めに伴う景気の減速見通し、不安定な為替相場および中国経済の減速懸念等が重なり、依然として先行きが不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当社は慶應義塾大学医学部発ベンチャー企業として、iPS細胞を活用した創薬事業、iPS細胞を活用した再生医療事業の研究・開発とその収益化を推進し、2023年3月1日にアルフレッサ ファーマ株式会社との間で、日本市場を対象とした「ロピニロール塩酸塩を活用したALS治療薬の開発権・製造販売権許諾契約」を締結すると共に、ALS治療薬の海外市場やALSに関する開発パイプライン以外の開発パイプラインにおいても国内外の製薬会社等のパートナーとの提携に向けた事業開発活動を鋭意進めております。
研究開発活動につきましては、iPS創薬事業では6つの開発パイプラインの研究を行っており、その内のALSに関する開発パイプラインでは、一刻も早く患者様に治療薬を届けるために、アルフレッサ ファーマ株式会社と共に検証的治験(第Ⅲ相試験)に向けて準備を進めております。
なお、ロピニロール塩酸塩がALSの病態に有効であることをiPS細胞を用いる方法により見出されておりますが、これはiPS細胞創薬によって、既存薬以上の臨床的疾患進行抑制効果をもたらしうる薬剤の同定に世界で初めて成功した事例であり、iPS細胞等幹細胞を用いた研究に関する著明な国際科学雑誌である「Cell Stem Cell 誌(Cell Press)」に、2023年6月2日(日本時間)に掲載されております。
また、難聴に関する開発パイプラインにおいては、学校法人北里研究所との共同研究を2023年6月に開始し、前頭側頭型認知症に関する開発パイプラインにおいては、最終的に絞り込んだ1化合物について必要なデータの取得にも目途がつき、2023年11月2日に特許出願を行う等の成果が出ており、iPS創薬事業のその他の開発パイプラインにおいても、ハンチントン病に関する開発パイプラインで最終的な化合物の絞り込みを完了する等、今後の治験に向けた取り組みを進めております。
再生医療事業では5つの開発パイプラインの研究を行っておりますが、その内の亜急性期脊髄損傷に関する開発パイプラインでは、2023年2月に慶應義塾大学信濃町キャンパス内総合医科学研究棟に「ケイファーマ・慶應 脊髄再生ラボ」を開室し、2021年6月に開始した慶應義塾大学による医師主導臨床研究の解析結果が判明した後、速やかに当社による企業治験を始められるよう当事業年度PCT出願済の移植用神経前駆細胞への新たな分化誘導法に基づく大量培養法の確立やGMP対応試薬への切替、製品規格の元となるデータの取得等、治験薬製造に向けた検討を進めると共に臨床用iPS細胞の製品製造における医薬品受託製造事業会社(CDMO)の選定も並行し、臨床用iPS細胞の選定後、遅滞なく製造に移行できるよう準備を進めております。
亜急性期脊髄損傷以外の開発パイプラインに関しても、慢性期脊髄損傷に関する開発パイプラインにおいて、外部有識者とのアドバイザー契約を2023年6月に締結し、慢性期脳梗塞、慢性期脳出血および慢性期外傷性脳損傷に関する開発パイプラインにおいても独立行政法人国立病院機構大阪医療センターとの共同研究を2023年8月に開始しており、再生医療の実現に向け、研究および開発を進めております。
この結果、当事業年度におきましては、売上高を1,000,000千円(前年同期は-千円)、売上総利益を910,000千円(前年同期は-千円)計上したものの、研究開発費を255,417千円(前年同期は163,971千円)計上した結果、営業利益は366,057千円(前年同期は353,772千円の営業損失)、経常利益は344,184千円(前年同期は359,233千円の経常損失)、当期純利益は260,330千円(前年同期は392,427千円の当期純損失)となりました。
なお、当社は、医薬品等の研究・開発・製造・販売の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動による資金の増加454,425千円、投資活動による資金の減少11,099千円、財務活動による資金の増加1,486,235千円により前事業年度末と比較して、1,929,560千円増加し、3,266,408千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動による資金の増加は、454,425千円(前事業年度は363,482千円の減少)となりました。
主な要因は、税引前当期純利益301,076千円、その他の流動負債の増加96,930千円および減損損失43,107千円の非資金費用による資金の増加要因があった為になります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動による資金の減少は、11,099千円(前事業年度は32,737千円千円の減少)となりました。
これは有形固定資産の取得による支出9,803千円、敷金及び保証金の差入による支出1,296千円による資金の減少要因があった為になります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動による資金の増加は、1,486,235千円(前事業年度は1,544,285千円の増加)となりました。
主な要因は、株式の発行による収入1,496,325千円による資金の増加要因があった為になります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、記載を省略しております。
b 受注実績
当社は受注生産を行っておりませんので、記載を省略しております。
c 販売実績
販売実績は、次のとおりであります。なお、当社は、医薬品等の研究・開発・製造・販売の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
セグメントの名称金額(千円)前期比
医薬品等の研究・開発・製造・販売事業1,000,000-
合計1,000,000-

(注)主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次の通りであります。
なお、前事業年度のアルフレッサ ファーマ株式会社に対する販売実績はありません。
相手先前事業年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
当事業年度
(自 2023年1月1日
至 2023年12月31日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
アルフレッサ ファーマ株式会社--1,000,000100.0

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要とされております。経営者は、これらの見積を行うにあたり、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。しかしながら実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表を作成するにあたって採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当事業年度の売上高は、1,000,000千円(前年同期は-千円)となりました。これは、開発権・製造販売権許諾契約を締結したことに伴い、契約一時金およびマイルストン収入を計上したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は、90,000千円(前年同期は-千円)となりました。これは、契約一時金およびマイルストン収入獲得に伴う特許権に対する再実施許諾金を計上したことによるものであります。この結果、売上総利益は910,000千円(前年同期は-千円)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、543,942千円(前年同期は353,772千円)となりました。
主な要因は、研究開発強化による研究開発費255,417千円(前年同期は163,971千円)、東京証券取引所グロース市場上場に関連する支払手数料65,361千円(前年同期は41,104千円)および事業開発部門・管理部門増強を目的とした人員増加等による給料及び手当52,487千円(前年同期は23,874千円)の計上によるものであります。この結果、営業利益は、366,057千円(前年同期は353,772千円の営業損失)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
当事業年度において、営業外収益は66千円、営業外費用は21,939千円発生しました。
営業外費用発生の主な要因は、公募増資等による株式発行に伴う株式交付費11,849千円、東京証券取引所グロース市場上場に伴う株式公開費用10,000千円が発生したことによるものです。
この結果、経常利益は、344,184千円(前年同期は359,233千円の経常損失)となりました。
(特別損失、当期純利益)
当事業年度において、減損損失による特別損失が43,107千円発生しました。また、法人税、住民税及び事業税を40,746千円計上した結果、当期純利益は260,330千円(前年同期は392,427千円の当期純損失)となりました。
なお、財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に、キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の資金需要の主なものは、研究開発費および事業運営費等であり、研究開発費には、継続的な候補物質の探索や候補物質の製品化に向けた開発費用、研究人員にかかる人件費、研究設備費用、共同研究費用並びに外部委託費用等が含まれます。
当社は、これらの資金需要を手元資金で賄う方針としておりますが、必要に応じて株式市場からの資金獲得や補助金の獲得等を行うことにより、安定的な財源の確保を図ってまいります。
また、手元資金に関しましては、流動性の高い現預金で保有することとし、流動性リスクを管理しております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

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