有価証券報告書-第26期(2024/01/01-2024/12/31)

【提出】
2025/03/31 11:23
【資料】
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【項目】
111項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産は1,235,658千円となり、前事業年度末に比べ442,118千円減少いたしました。これは主に現金及び預金が553,566千円減少、売掛金及び契約資産が75,150千円増加、商品及び製品が21,535千円増加したことによるものであります。
固定資産は107,160千円となり、前事業年度末に比べ143千円減少いたしました。
この結果、総資産は、1,342,818千円となり、前事業年度末に比べ442,261千円減少いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は250,929千円となり、前事業年度末に比べ30,801千円減少いたしました。これは主に未払消費税等が30,215千円減少、前受金が8,064千円減少、買掛金が13,269千円増加したことによるものであります。
固定負債は458,543千円となり、前事業年度末に比べ16,740千円減少いたしました。これは長期借入金が16,740千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は、709,472千円となり、前事業年度末に比べ47,541千円減少いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は633,346千円となり、前事業年度末に比べ394,719千円減少いたしました。これは当期純損失の計上に伴い利益剰余金が394,719千円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は47.2%(前事業年度末は57.6%)となりました。
② 経営成績の状況
当社は、複数の自律移動ロボット(ドローンやAGVなどを指す)を遠隔で制御し、統合管理するためのソフトウェアプラットフォームである Blue Earth Platform®(BEP)を基軸に、人が実施していた設備の点検、物流等の業務を、ドローンやAGVで代替して実施することにより効率化や安全化、省力化を図ることを目的としたソリューションの提供を行っております。
BEPとは、センサモジュールとソフトウェア(アプリ、クラウド)で構成された当社開発の統合的なシステム上のプラットフォームのサービス総称です。顧客の課題に対応して、ドローンの機体とセンサ、並びにソフトウェア開発の適切な組み合わせを、BEPの環境下で開発した上でソリューションとして提供していることから、各ソリューション名に「BEP」の名称を冠しております。BEPの環境下で、顧客の要望に合わせて、ドローン等の自律移動ロボットの移動・遠隔制御・デバイスとの連携等の「動かす」こと、ドローン等の取得した情報の保存・連携・監視等の「集める」こと、ドローン等の運行管理・挙動の解析等の「管理する」ことを実現しております。
現在の当社は、点検、教育、物流及びネクスト(新規ソリューション創造)の4つのソリューションを提供しております。特に足元では、社会課題として、インフラ高経年化による点検需要の増加が著しく、当社としてもドローン等による点検ソリューションが主要事業かつ成長事業との位置づけになっております。点検業界においては、人件費高騰に伴う点検コストの増加、一方で危険作業におけるノウハウの属人化や労働力不足が発生しているものと当社は認識しており、それに対して、当社はドローン等導入のソリューションを提供することで、業務の安全化、効率化、低コスト化の実現という価値を提供しております。
このような状況の中、当事業年度の経営成績は、売上高1,223,237千円(前期比3.3%減)、営業損失398,416千円(前期は営業損失289,759千円)、経常損失392,019千円(前期は経常損失295,670千円)、当期純損失394,719千円(前期は当期純損失299,270千円)となりました。
なお、当社はドローン関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。当社の販売実績を4つのソリューション別「点検、教育、物流、ネクスト」に区分した売上高の状況は次のとおりであります。

(単位:千円)

ソリューション区分前事業年度
(自 2023年1月1日
至 2023年12月31日)
当事業年度
(自 2024年1月1日
至 2024年12月31日)
点検617,254568,398
教育308,741280,084
物流263,823312,446
ネクスト74,75562,307
合計1,264,5741,223,237

・点検ソリューション
電力・製鉄関連の施設等へのプラント点検(BEPインスペクション)、自動巡回点検(BEPサーベイランス)の受注件数の増加及び受注単価の向上によりサービスは増収。一方、前期に続く電力会社への送電線点検用ドローン自動飛行システム(BEPライン)の大型導入、ゼネコンへのハードウェア導入(BEPインスペクション)が伸びず、下期よりサブスクを強化して導入は前進したものの販売単価は減少し、点検ソリューションの売上高は568,398千円(前期比7.9%減)と前事業年度に比べ48,855千円の下振れとなりました。
・教育ソリューション
ドローン飛行日誌作成・情報管理サービス「BLUE SKY」(BEPベーシック)等のパイロット向けサービスは拡大したものの、実務に繋がる教育プログラム構築の遅れ等が影響し、教育ソリューションの売上高は280,084千円(前期比9.3%減)と前事業年度に比べ28,656千円の下振れとなりました。
・物流ソリューション
中長期の事業成長の観点で戦略的に受託した、「政府研究開発(SBIR※1)のドローンポートシステム開発」、「デジタルライフラインの先行実装に資する基盤に関する研究開発事業(ドローン航路)」等の国プロ案件により、物流ソリューションの売上高は312,446千円(前期比18.4%増)と前事業年度に比べ48,622千円の上振れとなりました。なお、津波避難広報ドローンシステム(BEPポート)が、仙台市に続き、全国で2か所目となる千葉県一宮町(東京2020オリンピックのサーフィン会場)に導入されることが決定しました。
・ネクストソリューション
継続プロジェクトの社会実装フェーズへの移行に伴い、ソリューション開発の選別と集中を実施したこと、及びアイロボット社の清掃ロボット「ルンバ」のAPI提供の終了に伴い、「ルンバ」を活用したオフィス清掃サービス(BEPクリーン)のサービス提供が当事業年度第2四半期で終了した影響等により、ネクストソリューションの売上高は62,307千円(前期比16.7%減)と前事業年度に比べ12,447千円の下振れとなりました。
当社は、安定した売上成長の観点では年間取引企業数、及びストック型売上(ドローン等のハードウェアのリースやBEPを軸としたソフトウェア、保守メンテナンス等)の比率を意識し、また、収益性を高めるためには、売上総利益率の高いソフトウェアサービスの売上(=BEPユーザーの利用料)及びBEPユーザー数(法人・個人)を伸ばしていくことが重要であると考えております。
当事業年度末における2021年以降の累計取引企業数は、建設・土木、製鉄、鉄道業界等における取引企業の拡大が進んだことにより、572社(前期末比150社増)となりました。
ストック型売上は318,509千円(前期比3.7%増)、売上比率は26.0%(前期比1.7ポイント増)となりました。BEPインスペクション、BEPポートの機体のサブスクや保守メンテナンス、継続的なソフトウェアライセンス利用料の拡大がストック型売上の増加に繋がりました。
ソフトウェア売上高は248,021千円(前期比5.3%増)、売上比率は20.3%(前期比1.6ポイント増)、BEPユーザーの累計数は法人が173社(前期比32社増)、個人が106,867人(前期比6,828人増)となりました。点検ソリューション(BEPインスペクション、BEPライン)、BEPポートにおけるソフトウェアの販売、ライセンス利用料の拡大等がソフトウェア売上とBEPユーザー数(法人)の増加に貢献しました。また、「SORAPASS」や「BLUE SKY」(BEPベーシック)への加入者増加等がBEPユーザー数(個人)の増加に寄与しました。
(※1)Small Business Innovation Researchの略称。SBIR制度は、スタートアップ等による研究開発を促進し、その成果を円滑に社会実装し、それによって我が国のイノベーション創出を促進するための制度。今回のプロジェクトは、経済産業省が管理、執行するSBIR事業。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ553,566千円減少し、668,505千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は494,231千円(前年同期は320,202千円の使用)となりました。これは主に、税引前当期純損失392,019千円、売上債権の増加額71,850千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は37,469千円(前年同期は30,673千円の使用)となりました。これは有形固定資産の取得による支出37,469千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は21,865千円(前年同期は1,045,643千円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出17,580千円等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社の事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社の事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績は、次のとおりです。なお、当社はドローン関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載は省略しております。
セグメントの名称当事業年度
(自 2024年1月1日
至 2024年12月31日)
販売高(千円)前年同期比(%)
ドローン関連事業1,223,23796.7

(注) 最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 2023年1月1日
至 2023年12月31日)
当事業年度
(自 2024年1月1日
至 2024年12月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
一般社団法人日本UAS産業振興協議会228,83518.1228,43818.7
VFR株式会社20,3381.6173,18314.2
株式会社レスター226,80817.941,2663.4

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたり、決算日における財政状態及び会計期間における経営成績に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、この見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。
また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、重要なものについて、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高、売上原価、売上総利益)
売上高は、戦略的に受託した国プロ案件により物流ソリューションが増加したものの、その他のソリューションが減少したため1,223,237千円(前事業年度比3.3%減)となりました。売上原価は、712,605千円(前事業年度比2.1%増)となりました。
この結果、当事業年度の売上総利益は510,631千円(前事業年度比9.9%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損失)
販売費及び一般管理費は、販売及びサービス提供体制強化による人件費の増加などにより909,047千円(前事業年度比6.2%増)となりました。
この結果、当事業年度の営業損失は398,416千円(前事業年度は営業損失289,759千円)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常損失)
営業外収益は、前事業年度とほぼ同水準の10,797千円(前事業年度比5.7%増)となりました。営業外費用は、前事業年度に比べ11,729千円減少し、4,400千円(前事業年度比72.7%減)となりました。これは主に上場関連費用が減少したことによるものであります。
この結果、当事業年度の経常損失は392,019千円(前事業年度は経常損失295,670千円)となりました。
(特別利益、特別損失、税引前当期純損失)
特別利益は、当事業年度、前事業年度ともに発生しておりません。特別損失は、当事業年度は発生しておりません。
この結果、当事業年度の税引前当期純損失は392,019千円(前事業年度は税引前当期純損失296,570千円)となりました。
(法人税等、当期純損失)
法人税等については、前事業年度と同額の2,700千円となりました。
以上により、当事業年度の当期純損失は394,719千円(前事業年度は当期純損失299,270千円)となりました。
③ 財政状態に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度の財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
④ キャッシュ・フローの状況の分析
当事業年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当社における主な資金需要は、継続的なサービス提供及び新規サービス開発のための販売・研究開発に関する費用や人件費、人員獲得のための採用費、当社の認知度向上及び潜在顧客獲得のためのPRマーケティング費などであります。これらの資金需要に対しては、自己資金、エクイティファイナンス、及び金融機関からの借入などで調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等については特段方針などはなく、資金需要の額や使途に応じて柔軟に検討を行う予定であります。
⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑦ 経営者の問題意識と今後の方針に関して
経営者の問題意識と今後の方針に関しては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑧ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社は、実証実験等のフロー型売上の積上から、ドローン等のハードウェアのリースやBEPを軸としたソフトウェア、保守メンテナンス等のストック型売上を継続的に拡大することで、収益性を高めつつ、安定した売上成長を重視した経営を行っております。なお、安定した売上成長の観点では年間取引企業数及びストック型売上比率を意識し、また収益性を高めるためには、売上総利益率の高いソフトウェアサービスの売上(=BEPユーザーの利用料)及びBEPユーザー数(法人・個人)を伸ばしていくことが、客観的で重要な経営指標(KPI)であると考えております。
当該指標について、当事業年度における年間取引企業数は150社、ストック型売上比率は26.0%、BEPユーザーの累計数は173社(法人)、106,867人(個人)となり、ソフトウェア売上高は248,021千円となっております。また、売上総利益率は、当事業年度で41.7%となっております。
KPI2023年実績2024年実績
①年間取引企業数152社150社
②ストック型売上比率24.3%26.0%
③BEPユーザー数(法人)141社173社
③BEPユーザー数(個人)100,039人106,867人
④BEPユーザー利用料
(ソフトウェア売上高)
235,569千円248,021千円

なお、当社の売上はフロー型売上(新規顧客/既存顧客)とストック型売上によって構成されており、最近3事業年度の売上の内訳は以下のとおりとなっております。
(単位:百万円)2022年実績2023年実績2024年実績
フロー型売上(新規)183150140
フロー型売上(既存)479806763
ストック型売上245307318

また、当社はソフトウェア(BEP利用のためのソフトウェアライセンス)、サービス(人的な運用サービス)、ハードウェア(ハードウェアの販売、リース、保守)を提供しており、最近3事業年度の売上の内訳は以下のとおりとなっております。
(単位:百万円)2022年実績2023年実績2024年実績
ソフトウェア売上高109235248
サービス売上高654580676
ハードウェア売上高145448298

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