有価証券報告書-第27期(2025/01/01-2025/12/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産は1,388,806千円となり、前事業年度末に比べ153,147千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が319,710千円増加、商品及び製品が65,060千円増加、売掛金及び契約資産が207,826千円減少したことによるものであります。
固定資産は13,916千円となり、前事業年度末に比べ93,243千円減少いたしました。これは主に減損損失の計上により航空機等が71,489千円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、1,402,723千円となり、前事業年度末に比べ59,904千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は264,490千円となり、前事業年度末に比べ13,561千円増加いたしました。これは主に買掛金が12,273千円増加したことによるものであります。
固定負債は932,971千円となり、前事業年度末に比べ474,428千円増加いたしました。これは社債が500,000千円増加、長期借入金が25,572千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は、1,197,461千円となり、前事業年度末に比べ487,989千円増加いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は205,261千円となり、前事業年度末に比べ428,084千円減少いたしました。これは主に当期純損失の計上に伴い利益剰余金が635,461千円減少、第三者割当増資と新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ101,742千円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は14.4%(前事業年度末は47.2%)となりました。
② 経営成績の状況
当社は、複数の自律移動ロボット(ドローンやAGVなどを指す)を遠隔で制御し、統合管理するためのソフトウェアプラットフォームである Blue Earth Platform®(BEP)を基軸に、人が実施していた社会インフラ設備の点検などの業務を、ドローンやAGVで代替して実施することにより効率化や安全化、省力化を図ることを目的としたソリューションの提供を行っております。
BEPとは、センサモジュールとソフトウェア(アプリ、クラウド)で構成された当社開発の統合的なシステム上のプラットフォームのサービス総称です。顧客の課題に対応して、ドローンの機体とセンサ、並びにソフトウェア開発の適切な組み合わせを、BEPの環境下で開発した上でソリューションとして提供していることから、各ソリューション名に「BEP」の名称を冠しております。BEPの環境下で、顧客の要望に合わせて、ドローン等の自律移動ロボットの移動・遠隔制御・デバイスとの連携等の「動かす」こと、ドローン等の取得した情報の保存・連携・監視等の「集める」こと、ドローン等の運行管理・挙動の解析等の「管理する」ことを実現しております。
当社の提供するソリューションは、点検、ポート、教育、ネクストの4分野で構成されており、特に「点検ソリューション」と「ポートソリューション(防災・監視向け)」を成長の二本柱として位置づけています。近年、社会課題としてインフラ老朽化や自然災害の増加が顕在化する中、下水道・電力などの社会インフラにおけるドローン点検需要が堅調に拡大しております。また、津波避難広報等に活用可能な防災ドローンポートシステム(BEPポート|防災システム)についても、国や自治体による導入・検証が進んでおり、当社はこれらの社会実装を推進する役割を果たしております。
当事業年度においては、社会インフラ点検及び防災分野を中心に社会実装が着実に進展し、案件創出は継続しました。一方で、案件ごとの個別対応を前提とした提供モデルが先行したことにより、供給能力及び売上計上のタイミングに制約が生じ、売上の積み上がりは限定的となりました。これらは、単発案件中心のフロー型収益構造や人手依存の供給体制といった事業構造上の課題が顕在化したものであります。当社はこれを今後の成長に向けて解決すべき構造的課題と認識しており、標準化・パッケージ化の推進及びストック型収益モデルへの転換を進めてまいります。
このような状況の中、当事業年度の経営成績は、売上高1,051,466千円(前期比14.0%減)、営業損失548,051千円(前期は営業損失398,416千円)、経常損失561,271千円(前期は経常損失392,019千円)、当期純損失635,461千円(前期は当期純損失394,719千円)となりました。なお、当期純損失の拡大については、保有する有形固定資産について将来の回収可能性を慎重に検討した結果、固定資産の減損損失を計上した影響が含まれております。
なお、当社はドローン関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。当社の販売実績を4つのソリューション別「点検、ポート、教育、ネクスト」に区分した売上高の状況は次のとおりであります。
・点検ソリューション
下水道分野を中心に公共インフラ分野における案件数は増加した一方で、個別要件への対応や供給体制の制約により、一部案件で売上計上の期ズレが発生しました。この結果、売上高は576,522千円(前年同期比1.4%増)となりましたが、売上計上タイミングの影響により、売上の積み上がりは限定的となりました。
当社では、こうした状況を踏まえ、標準化・パッケージ化を進めることで、既存顧客における取引拡大と再現性のある成長モデルの構築に取り組んでまいります。
・ポートソリューション
実災害対応を含む運用実績を通じて社会実装フェーズに到達しました。当事業年度においては、短期的な収益拡大よりも、導入後の運用安定性や自動化の高度化を優先した結果、収益化は段階的な進展となりました。この結果、売上高は252,143千円(前年同期比19.3%減)となりました。
今後は、導入・運用プロセスの標準化を進め、継続利用を前提とした収益モデルへの転換を図ってまいります。
・教育ソリューション
教育ソリューション単体での売上拡大を目的とせず、点検・防災分野を支える基盤としての役割を明確化しました。その一環として、利益率や運用効率の観点から提供内容の見直しを行った結果、売上は抑制的な推移となりましたが、収益性は改善傾向にあります。この結果、売上高は203,067千円(前年同期比27.5%減)となりました。
今後は、講習を起点とした顧客接点を活かし、他ソリューションの受注確度向上に貢献してまいります。
・ネクストソリューション
機械・化学メーカー等に向けた新規ソリューションの検証案件を一部受託した一方で、主力の点検及びポートソリューションへのリソース集中を優先したことにより、新規受注は限定的となりました。この結果、売上高は19,733千円(前年同期比68.3%減)となりました。
研究開発面では、BEPを基盤としたセンシング技術や自動運航機能の開発を継続しており、顧客との共同検証を通じた実用化可能性の検討を進めています。今後は、点検・防災分野との技術連携を強化し、将来的な事業化と収益化に向けた基盤構築を進めてまいります。
当社は、安定した売上成長の観点では累計取引企業数及びストック型売上(ドローン等のハードウェアのリースやBEPを軸としたソフトウェア、保守メンテナンス、運用サービスの継続利用等)の比率を高めることが重要であると考えております。
当事業年度末における累計取引企業数は、点検ソリューションを中心に、下水道・電力などのインフラ分野をはじめ、建設業界においても着実に拡大し、700社(前期末比128社増)となりました。
ストック型売上は、231,716千円(前年同期比27.2%減)、ストック型売上比率は22.0%(前年同期は26.0%)となりました。採算性を重視した提供内容の見直しにより一時的に減少しましたが、これは収益性改善を優先した提供内容の見直しによる構成変更によるものです。現在は、運用・保守・ライセンス契約を中心とした高付加価値型の継続サービスへの再構築を進めており、今後は、点検ソリューションを中心に継続契約の積み上げを進め、ストック収益の安定化及び拡大を目指してまいります。当社は引き続き、利益率の高い継続利用モデルの拡大と収益基盤の健全化に取り組んでまいります。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ319,710千円増加し、当事業年度末には988,216千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は327,710千円(前期は494,231千円の使用)となりました。これは主に、税引前当期純損失632,761千円、減損損失71,489千円、売上債権の減少額206,487千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は27,896千円(前期は37,469千円の使用)となりました。これは有形固定資産の取得による支出27,896千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は675,318千円(前期は21,865千円の使用)となりました。これは主に、社債の発行による収入500,000千円、株式の発行による収入203,484千円、長期借入金の返済による支出17,580千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社の事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社の事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績は、次のとおりです。なお、当社はドローン関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載は省略しております。
(注) 最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたり、決算日における財政状態及び会計期間における経営成績に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、この見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。
また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、重要なものについて、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高、売上原価、売上総利益)
売上高は、社会実装案件の増加に伴い個別対応が拡大した影響で、売上計上のタイミングが分散したことにより1,051,466千円(前事業年度比14.0%減)となりました。
売上原価は、640,972千円(前事業年度比10.1%減)となりました。
この結果、当事業年度の売上総利益は410,494千円(前事業年度比19.6%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損失)
販売費及び一般管理費は、社会実装対応を前倒しで進めたことにより、人的リソース及び外注費を一時的に厚く配置した結果、958,545千円(前事業年度比5.4%増)となりました。
この結果、当事業年度の営業損失は548,051千円(前事業年度は営業損失398,416千円)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常損失)
営業外収益は、前事業年度に比べ3,922千円減少し、6,874千円(前事業年度比36.3%減)となりました。
営業外費用は、前事業年度に比べ15,693千円増加し、20,094千円(前事業年度比356.6%増)となりました。これは主に資金調達費用が増加したことによるものであります。
この結果、当事業年度の経常損失は561,271千円(前事業年度は経常損失392,019千円)となりました。
(特別利益、特別損失、税引前当期純損失)
特別利益は、当事業年度、前事業年度ともに発生しておりません。
特別損失は、当事業年度において減損損失を計上したため71,489千円となりました。
この結果、当事業年度の税引前当期純損失は632,761千円(前事業年度は税引前当期純損失392,019千円)となりました。
(法人税等、当期純損失)
法人税等については、前事業年度と同額の2,700千円となりました。
以上により、当事業年度の当期純損失は635,461千円(前事業年度は当期純損失394,719千円)となりました。
③ 財政状態に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度の財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
④ キャッシュ・フローの状況の分析
当事業年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当社における主な資金需要は、継続的なサービス提供及び新規サービス開発のための販売・研究開発に関する費用や人件費、人員獲得のための採用費、当社の認知度向上及び潜在顧客獲得のためのPRマーケティング費などであります。これらの資金需要に対しては、自己資金、エクイティファイナンス、及び金融機関からの借入などで調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等については特段方針などはなく、資金需要の額や使途に応じて柔軟に検討を行う予定であります。
⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑦ 経営者の問題意識と今後の方針に関して
経営者の問題意識と今後の方針に関しては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑧ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社は、安定した売上成長の観点では累計取引企業数及びストック型売上(ドローン等のハードウェアのリースやBEPを軸としたソフトウェア、保守メンテナンス、運用サービスの継続利用等)の比率を高めることが、客観的で重要な経営指標(KPI)であると考えております。
当該指標について、当事業年度における年間取引企業数は128社、ストック型売上比率は22.0%となっております。また、売上総利益率は、当事業年度で39.0%となっております。なお、採算性を重視した提供内容の見直しによりストック型売上は一時的に減少し、ストック型売上比率も低下しましたが、これは収益性改善を優先した提供内容の見直しによる構成変更によるものです。現在は、運用・保守・ライセンス契約を中心とした高付加価値型の継続サービスへの再構築を進めており、今後は、点検ソリューションを中心に継続契約の積み上げを進め、ストック収益の安定化及び拡大を目指してまいります。
なお、当社の売上はフロー型売上(新規顧客/既存顧客)とストック型売上によって構成されており、最近3事業年度の売上の内訳は以下のとおりとなっております。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産は1,388,806千円となり、前事業年度末に比べ153,147千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が319,710千円増加、商品及び製品が65,060千円増加、売掛金及び契約資産が207,826千円減少したことによるものであります。
固定資産は13,916千円となり、前事業年度末に比べ93,243千円減少いたしました。これは主に減損損失の計上により航空機等が71,489千円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、1,402,723千円となり、前事業年度末に比べ59,904千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は264,490千円となり、前事業年度末に比べ13,561千円増加いたしました。これは主に買掛金が12,273千円増加したことによるものであります。
固定負債は932,971千円となり、前事業年度末に比べ474,428千円増加いたしました。これは社債が500,000千円増加、長期借入金が25,572千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は、1,197,461千円となり、前事業年度末に比べ487,989千円増加いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は205,261千円となり、前事業年度末に比べ428,084千円減少いたしました。これは主に当期純損失の計上に伴い利益剰余金が635,461千円減少、第三者割当増資と新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ101,742千円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は14.4%(前事業年度末は47.2%)となりました。
② 経営成績の状況
当社は、複数の自律移動ロボット(ドローンやAGVなどを指す)を遠隔で制御し、統合管理するためのソフトウェアプラットフォームである Blue Earth Platform®(BEP)を基軸に、人が実施していた社会インフラ設備の点検などの業務を、ドローンやAGVで代替して実施することにより効率化や安全化、省力化を図ることを目的としたソリューションの提供を行っております。
BEPとは、センサモジュールとソフトウェア(アプリ、クラウド)で構成された当社開発の統合的なシステム上のプラットフォームのサービス総称です。顧客の課題に対応して、ドローンの機体とセンサ、並びにソフトウェア開発の適切な組み合わせを、BEPの環境下で開発した上でソリューションとして提供していることから、各ソリューション名に「BEP」の名称を冠しております。BEPの環境下で、顧客の要望に合わせて、ドローン等の自律移動ロボットの移動・遠隔制御・デバイスとの連携等の「動かす」こと、ドローン等の取得した情報の保存・連携・監視等の「集める」こと、ドローン等の運行管理・挙動の解析等の「管理する」ことを実現しております。
当社の提供するソリューションは、点検、ポート、教育、ネクストの4分野で構成されており、特に「点検ソリューション」と「ポートソリューション(防災・監視向け)」を成長の二本柱として位置づけています。近年、社会課題としてインフラ老朽化や自然災害の増加が顕在化する中、下水道・電力などの社会インフラにおけるドローン点検需要が堅調に拡大しております。また、津波避難広報等に活用可能な防災ドローンポートシステム(BEPポート|防災システム)についても、国や自治体による導入・検証が進んでおり、当社はこれらの社会実装を推進する役割を果たしております。
当事業年度においては、社会インフラ点検及び防災分野を中心に社会実装が着実に進展し、案件創出は継続しました。一方で、案件ごとの個別対応を前提とした提供モデルが先行したことにより、供給能力及び売上計上のタイミングに制約が生じ、売上の積み上がりは限定的となりました。これらは、単発案件中心のフロー型収益構造や人手依存の供給体制といった事業構造上の課題が顕在化したものであります。当社はこれを今後の成長に向けて解決すべき構造的課題と認識しており、標準化・パッケージ化の推進及びストック型収益モデルへの転換を進めてまいります。
このような状況の中、当事業年度の経営成績は、売上高1,051,466千円(前期比14.0%減)、営業損失548,051千円(前期は営業損失398,416千円)、経常損失561,271千円(前期は経常損失392,019千円)、当期純損失635,461千円(前期は当期純損失394,719千円)となりました。なお、当期純損失の拡大については、保有する有形固定資産について将来の回収可能性を慎重に検討した結果、固定資産の減損損失を計上した影響が含まれております。
なお、当社はドローン関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。当社の販売実績を4つのソリューション別「点検、ポート、教育、ネクスト」に区分した売上高の状況は次のとおりであります。
| (単位:千円) |
| ソリューション区分 | 前事業年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | 当事業年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) |
| 点検 | 568,398 | 576,522 |
| ポート | 312,446 | 252,143 |
| 教育 | 280,084 | 203,067 |
| ネクスト | 62,307 | 19,733 |
| 合計 | 1,223,237 | 1,051,466 |
・点検ソリューション
下水道分野を中心に公共インフラ分野における案件数は増加した一方で、個別要件への対応や供給体制の制約により、一部案件で売上計上の期ズレが発生しました。この結果、売上高は576,522千円(前年同期比1.4%増)となりましたが、売上計上タイミングの影響により、売上の積み上がりは限定的となりました。
当社では、こうした状況を踏まえ、標準化・パッケージ化を進めることで、既存顧客における取引拡大と再現性のある成長モデルの構築に取り組んでまいります。
・ポートソリューション
実災害対応を含む運用実績を通じて社会実装フェーズに到達しました。当事業年度においては、短期的な収益拡大よりも、導入後の運用安定性や自動化の高度化を優先した結果、収益化は段階的な進展となりました。この結果、売上高は252,143千円(前年同期比19.3%減)となりました。
今後は、導入・運用プロセスの標準化を進め、継続利用を前提とした収益モデルへの転換を図ってまいります。
・教育ソリューション
教育ソリューション単体での売上拡大を目的とせず、点検・防災分野を支える基盤としての役割を明確化しました。その一環として、利益率や運用効率の観点から提供内容の見直しを行った結果、売上は抑制的な推移となりましたが、収益性は改善傾向にあります。この結果、売上高は203,067千円(前年同期比27.5%減)となりました。
今後は、講習を起点とした顧客接点を活かし、他ソリューションの受注確度向上に貢献してまいります。
・ネクストソリューション
機械・化学メーカー等に向けた新規ソリューションの検証案件を一部受託した一方で、主力の点検及びポートソリューションへのリソース集中を優先したことにより、新規受注は限定的となりました。この結果、売上高は19,733千円(前年同期比68.3%減)となりました。
研究開発面では、BEPを基盤としたセンシング技術や自動運航機能の開発を継続しており、顧客との共同検証を通じた実用化可能性の検討を進めています。今後は、点検・防災分野との技術連携を強化し、将来的な事業化と収益化に向けた基盤構築を進めてまいります。
当社は、安定した売上成長の観点では累計取引企業数及びストック型売上(ドローン等のハードウェアのリースやBEPを軸としたソフトウェア、保守メンテナンス、運用サービスの継続利用等)の比率を高めることが重要であると考えております。
当事業年度末における累計取引企業数は、点検ソリューションを中心に、下水道・電力などのインフラ分野をはじめ、建設業界においても着実に拡大し、700社(前期末比128社増)となりました。
ストック型売上は、231,716千円(前年同期比27.2%減)、ストック型売上比率は22.0%(前年同期は26.0%)となりました。採算性を重視した提供内容の見直しにより一時的に減少しましたが、これは収益性改善を優先した提供内容の見直しによる構成変更によるものです。現在は、運用・保守・ライセンス契約を中心とした高付加価値型の継続サービスへの再構築を進めており、今後は、点検ソリューションを中心に継続契約の積み上げを進め、ストック収益の安定化及び拡大を目指してまいります。当社は引き続き、利益率の高い継続利用モデルの拡大と収益基盤の健全化に取り組んでまいります。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ319,710千円増加し、当事業年度末には988,216千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は327,710千円(前期は494,231千円の使用)となりました。これは主に、税引前当期純損失632,761千円、減損損失71,489千円、売上債権の減少額206,487千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は27,896千円(前期は37,469千円の使用)となりました。これは有形固定資産の取得による支出27,896千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は675,318千円(前期は21,865千円の使用)となりました。これは主に、社債の発行による収入500,000千円、株式の発行による収入203,484千円、長期借入金の返済による支出17,580千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社の事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社の事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績は、次のとおりです。なお、当社はドローン関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載は省略しております。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) | |
| 販売高(千円) | 前年同期比(%) | |
| ドローン関連事業 | 1,051,466 | 86.0 |
(注) 最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | 当事業年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 一般社団法人日本UAS産業振興協議会 | 228,438 | 18.7 | 138,062 | 13.1 |
| VFR株式会社 | 173,183 | 14.2 | 113,816 | 10.8 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたり、決算日における財政状態及び会計期間における経営成績に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、この見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。
また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、重要なものについて、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高、売上原価、売上総利益)
売上高は、社会実装案件の増加に伴い個別対応が拡大した影響で、売上計上のタイミングが分散したことにより1,051,466千円(前事業年度比14.0%減)となりました。
売上原価は、640,972千円(前事業年度比10.1%減)となりました。
この結果、当事業年度の売上総利益は410,494千円(前事業年度比19.6%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損失)
販売費及び一般管理費は、社会実装対応を前倒しで進めたことにより、人的リソース及び外注費を一時的に厚く配置した結果、958,545千円(前事業年度比5.4%増)となりました。
この結果、当事業年度の営業損失は548,051千円(前事業年度は営業損失398,416千円)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常損失)
営業外収益は、前事業年度に比べ3,922千円減少し、6,874千円(前事業年度比36.3%減)となりました。
営業外費用は、前事業年度に比べ15,693千円増加し、20,094千円(前事業年度比356.6%増)となりました。これは主に資金調達費用が増加したことによるものであります。
この結果、当事業年度の経常損失は561,271千円(前事業年度は経常損失392,019千円)となりました。
(特別利益、特別損失、税引前当期純損失)
特別利益は、当事業年度、前事業年度ともに発生しておりません。
特別損失は、当事業年度において減損損失を計上したため71,489千円となりました。
この結果、当事業年度の税引前当期純損失は632,761千円(前事業年度は税引前当期純損失392,019千円)となりました。
(法人税等、当期純損失)
法人税等については、前事業年度と同額の2,700千円となりました。
以上により、当事業年度の当期純損失は635,461千円(前事業年度は当期純損失394,719千円)となりました。
③ 財政状態に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度の財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
④ キャッシュ・フローの状況の分析
当事業年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当社における主な資金需要は、継続的なサービス提供及び新規サービス開発のための販売・研究開発に関する費用や人件費、人員獲得のための採用費、当社の認知度向上及び潜在顧客獲得のためのPRマーケティング費などであります。これらの資金需要に対しては、自己資金、エクイティファイナンス、及び金融機関からの借入などで調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等については特段方針などはなく、資金需要の額や使途に応じて柔軟に検討を行う予定であります。
⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑦ 経営者の問題意識と今後の方針に関して
経営者の問題意識と今後の方針に関しては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑧ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社は、安定した売上成長の観点では累計取引企業数及びストック型売上(ドローン等のハードウェアのリースやBEPを軸としたソフトウェア、保守メンテナンス、運用サービスの継続利用等)の比率を高めることが、客観的で重要な経営指標(KPI)であると考えております。
当該指標について、当事業年度における年間取引企業数は128社、ストック型売上比率は22.0%となっております。また、売上総利益率は、当事業年度で39.0%となっております。なお、採算性を重視した提供内容の見直しによりストック型売上は一時的に減少し、ストック型売上比率も低下しましたが、これは収益性改善を優先した提供内容の見直しによる構成変更によるものです。現在は、運用・保守・ライセンス契約を中心とした高付加価値型の継続サービスへの再構築を進めており、今後は、点検ソリューションを中心に継続契約の積み上げを進め、ストック収益の安定化及び拡大を目指してまいります。
| KPI | 2024年実績 | 2025年実績 |
| ①年間取引企業数 | 150社 | 128社 |
| ②ストック型売上比率 | 26.0% | 22.0% |
なお、当社の売上はフロー型売上(新規顧客/既存顧客)とストック型売上によって構成されており、最近3事業年度の売上の内訳は以下のとおりとなっております。
| (単位:百万円) | 2023年実績 | 2024年実績 | 2025年実績 |
| フロー型売上(新規) | 150 | 140 | 249 |
| フロー型売上(既存) | 806 | 763 | 570 |
| ストック型売上 | 307 | 318 | 231 |