有価証券報告書-第10期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。
① 財政状態の状況
(資産の状況)
当連結会計年度末における流動資産は、1,695,050千円となり、前連結会計年度末に比べ245,482千円増加いたしました。これは主に、売上の増加等により売掛金及び契約資産が156,351千円、新規借入等により現金及び預金が73,785千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における固定資産は、2,095,341千円となり、前連結会計年度末に比べ562,307千円増加いたしました。これは主に、熊本新築農園の完成により建設仮勘定が352,000千円減少したものの、熊本新築農園の完成等により建物及び構築物(純額)が673,070千円、新規農園の設備導入等により工具、器具及び備品(純額)が101,294千円、リース車両の取得等によりリース資産(純額)が72,279千円増加したことによるものであります。
(負債の状況)
当連結会計年度末における流動負債は、787,977千円となり、前連結会計年度末に比べ130,659千円増加いたしました。これは主に、短期借入金を長期借入金に借り換えたこと等により短期借入金が76,000千円減少したものの、新規借入等により1年内返済予定の長期借入金が163,640千円、従業員増加に伴う給料及び手当の増加等により未払費用が32,207千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における固定負債は、1,057,824千円となり、前連結会計年度末に比べ771,053千円増加いたしました。これは主に、新規借入等により長期借入金が699,568千円増加したことによるものであります。
(純資産の状況)
当連結会計年度末における純資産は、1,944,590千円となり、前連結会計年度末に比べ93,923千円減少いたしました。これは主に、ストック・オプションの権利行使により資本金が8,925千円、ストック・オプションの権利行使等により資本剰余金が11,730千円増加したものの、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が121,388千円減少したことによるものであります。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境が改善するなかで経済活動の正常化が進み、景気は緩やかに回復しました。一方で、国際情勢の緊迫化や米国通商政策の動向、物価高騰の影響など、先行きの不透明感は依然として高い水準で推移しております。
このような状況のなか、当社は「人を通じて、喜びを作り、幸せを作る」を企業理念に掲げ、「地域を問わず全ての人が、心豊かに、能力や個性を発揮できる社会の実現」を目指すゴールとし、地域課題の解決や社会に対する有益な価値の創出に向け、「地方創生事業」および「在宅医療事業」を柱とした事業を展開しております。
「地方創生事業」では、「障がいの特性や職業能力等に関わらず、住み慣れた地域で仕事を通じて自己実現ができる社会の実現」に向け、地域における雇用創出および障がい者の雇用促進、職業能力の開発・向上支援に取り組む「障がい者雇用支援事業」に注力してまいりました。
「在宅医療事業」では、「持続可能な医療体制のもと、住み慣れた地域で社会的な生活を家族と共に営むことができる社会の実現」に向け、訪問看護サービスの提供による訪問診療支援を通じて医療機関等との連携を図り、在宅医療の拡大を推進してまいりました。
また、連結子会社であるショウタイム24株式会社では、テクノロジーを活用したソリューション提供を通じて、不動産業界の持続的成長と価値創出に寄与すべく、無人内見システムの提供を進めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は4,740,202千円(前期比19.5%増)、営業損失は105,980千円(前連結会計年度は営業利益176,278千円)、経常損失は108,335千円(前連結会計年度は経常利益185,154千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は121,388千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益144,153千円)となりました。
報告セグメント別の業績の概況は、以下のとおりであります。
<地方創生事業>わが国におきましては、少子高齢化による人口減少や東京一極集中等に伴う地方の過疎化が喫緊の課題であることから、当社は、地方創生への取り組みを推進し、地域を活性化させることで、全ての人が安心して生活できる環境を創出することが不可欠であると考えております。また、当社の主要事業である障がい者雇用支援事業を取り巻く環境につきましては、2023年3月の障害者雇用促進法施行令の改正により、民間企業における障がい者の法定雇用率が2024年4月に2.3%から2.5%へ引き上げられ、更に2026年7月には2.7%へ引き上げられます。また、企業におきましては、新たな価値向上策の一環として、全従業員が尊重され個々の能力を発揮できる環境整備が進められております。これらを踏まえ、当社は、地域との連携を深め、障がい者の雇用促進と職業能力の開発・向上を通じた共生社会の実現、および就労機会の拡充を図っております。
当連結会計年度の具体的な取り組みとしましては、農園利用企業に対し、障がい者の能力開発をサポートする体制を強化しました。ここでは在宅医療事業で培った専門的知見やノウハウを活用し、利用企業の多様なニーズに対応できる体制構築を進めております。また、九州における地域共生の旗艦拠点として、熊本市北区植木町に新築農園を建設し、2025年7月に「コルディアーレ熊本第一農園」および「コルディアーレ熊本第二農園」を開園いたしました。さらに、福岡県中間市、岡山市南区、東京都青梅市および足立区にも順次農園を開園した結果、当連結会計年度末時点の運営拠点は、9都道府県(北海道、東京都、岡山県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県)計26拠点となりました。このほか、地域活性化の新たな施策として「Re:Local(リロカル)」ブランドを立ち上げ、地域に根差した観光物産事業の展開も進めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は3,205,411千円(前期比27.8%増)、セグメント利益は776,106千円(前期比39.8%増)となりました。
<在宅医療事業>わが国の医療環境につきましては、中長期的な人口構造の変化や医療ニーズの変容を見据え、医療機関の機能分化・連携を進める「地域医療構想」が推進されております。当社は、質の高い在宅医療・訪問看護サービスの提供体制を確保し、地域全体での連携を推進することが重要であると認識しております。
このような状況のなか、当社は、訪問診療の支援を通じた医療機関等との連携により、質の高い在宅医療・訪問看護サービスを提供し、地域共生社会の実現に取り組んでおります。
当連結会計年度は、中長期的な収益基盤の確立を見据えた積極的な出店戦略に基づき、新たに12事業所および14営業所の開設、10営業所の事業所化を行いました。この結果、当連結会計年度末における運営拠点は、14都道府県(北海道、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県、岡山県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県)にて訪問看護ステーション39事業所および8営業所の計47拠点となりました。また、地方創生事業とのセグメント間連携を深めるため、既存の地域ネットワークを活用した医療機関等とのリレーション強化を図ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は1,445,202千円(前期比0.6%減)、セグメント損失は196,087千円(前連結会計年度はセグメント利益164,516千円)となりました。
<その他>その他におきましては、主にスマートロック等のIoTを活用した無人内見システムサービスを提供する連結子会社であるショウタイム24株式会社のIoTソリューションサービス事業で構成されております。同社では、事業拡大に向けた広告宣伝活動による新規顧客の獲得や人材採用等の先行投資を積極的に実施し、中期事業戦略の推進および組織体制の強化を図ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は112,506千円(前連結会計年度は売上高5,000千円)、セグメント損失は62,940千円(前連結会計年度はセグメント利益1,868千円)となりました。
なお、ショウタイム24株式会社につきましては、当連結会計年度から損益計算書を連結しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度末に比べ73,785千円増加し、884,610千円となりました。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果、使用した資金は39,292千円(前連結会計年度は137,604千円の獲得)となりました。これは主に、減価償却費が235,783千円(前連結会計年度は減価償却費が149,212千円)であったものの、売上の増加等により売上債権の増加額が156,351千円(前連結会計年度は売上債権の増加額が27,038千円)、税金等調整前当期純損失が126,012千円(前連結会計年度は税金等調整前当期純利益が179,559千円)であったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果、使用した資金は653,077千円(前連結会計年度は691,273千円の使用)となりました。これは主に、熊本新築農園の完成等により有形固定資産の取得による支出579,993千円(前連結会計年度は有形固定資産の取得による支出645,049千円)、農園開園及び訪問看護ステーション開設に伴う敷金等の支払により差入保証金の差入による支出51,900千円(前連結会計年度は差入保証金の差入による支出52,677千円)があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果、獲得した資金は766,155千円(前連結会計年度は167,650千円の獲得)となりました。これは主に、銀行への借入返済により長期借入金の返済による支出141,091千円(前連結会計年度は長期借入金の返済による支出12,756千円)及び短期借入金の減少額が76,000千円(前連結会計年度は短期借入金の増加額176,000千円)であったものの、熊本農園の新築取得および新規農園の開園にかかる設備投資等資金として長期借入れによる収入1,004,300千円(前連結会計年度はなし)があったことによるものであります。
(2) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当社では生産活動等を行う事業は行っておりませんので、該当事項はありません。
② 受注実績
当社では受注生産等を行う事業は行っておりませんので、該当事項はありません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、コンサルティング事業及びIoTソリューションサービス事業であります。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(注)当連結会計年度における総販売実績に占める東京都国民健康保険団体連合会の割合は10%未満であるため、記載を省略しております。
(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産については、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異を計上しております。繰延税金資産の回収可能性に用いられる将来の課税所得の見積りは、事業計画を基礎としており、外部環境や収益動向等を考慮の上で設定した売上予測をその主要な仮定としております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に影響を及ぼす可能性があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、4,740,202千円(前連結会計年度比19.5%増)となりました。これは主に地方創生事業の障がい者雇用支援事業における新規契約獲得及びストック収入増によるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、3,318,548千円(前連結会計年度比31.8%増)となりました。これは主に事業規模拡大により原価部門の人員数が増加したことに伴う人件費等の増加及び地方創生事業の障がい者雇用支援事業における新規農園開園、在宅医療事業における新規事業所開設に伴う地代家賃の増加によるものであります。
この結果、売上総利益は、1,421,654千円(前連結会計年度比1.9%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損失)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、1,527,635千円(前連結会計年度比20.0%増)となりました。これは主に事業規模拡大により管理部門の人員数が増加したことに伴う人件費等の増加及び在宅医療事業の拡大に伴う看護師採用手数料の増加によるものであります。
この結果、営業損失は、105,980千円(前連結会計年度は営業利益176,278千円)となりました。
(営業外損益、経常損失)
当連結会計年度における営業外収益は、15,694千円(前連結会計年度比9.1%増)となりました。これは主に受取利息の増加によるものであります。また、営業外費用は、18,048千円(前連結会計年度比227.7%増)となりました。これは主にリース及び銀行借入に伴う支払利息の増加によるものであります。
この結果、経常損失は、108,335千円(前連結会計年度は経常利益185,154千円)となりました。
(特別損益、親会社株主に帰属する当期純損失)
当連結会計年度における特別利益は、発生しておりません。(前連結会計年度も発生しておりません。)また、特別損失は、17,676千円(前連結会計年度比215.9%増)となりました。これは主に減損損失の増加によるものであります。また、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)は、20,429千円(前連結会計年度比42.3%減)となりました。これは主に課税所得が減少したことにより、法人税、住民税及び事業税が減少したことによるものであります。また、非支配株主に帰属する当期純損失△25,053千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は、121,388千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益は、144,153千円)となりました。
(b) 地方創生事業における経営成績
わが国におきましては、少子高齢化による人口減少や東京一極集中等に伴う地方の過疎化が喫緊の課題であることから、当社は、地方創生への取り組みを推進し、地域を活性化させることで、全ての人が安心して生活できる環境を創出することが不可欠であると考えております。また、当社の主要事業である障がい者雇用支援事業を取り巻く環境につきましては、2023年3月の障害者雇用促進法施行令の改正により、民間企業における障がい者の法定雇用率が2024年4月に2.3%から2.5%へ引き上げられ、更に2026年7月には2.7%へ引き上げられます。また、企業におきましては、新たな価値向上策の一環として、全従業員が尊重され個々の能力を発揮できる環境整備が進められております。これらを踏まえ、当社は、地域との連携を深め、障がい者の雇用促進と職業能力の開発・向上を通じた共生社会の実現、および就労機会の拡充を図っております。
当連結会計年度の具体的な取り組みとしましては、農園利用企業に対し、障がい者の能力開発をサポートする体制を強化しました。ここでは在宅医療事業で培った専門的知見やノウハウを活用し、利用企業の多様なニーズに対応できる体制構築を進めております。また、九州における地域共生の旗艦拠点として、熊本市北区植木町に新築農園を建設し、2025年7月に「コルディアーレ熊本第一農園」および「コルディアーレ熊本第二農園」を開園いたしました。さらに、福岡県中間市、岡山市南区、東京都青梅市および足立区にも順次農園を開園した結果、当連結会計年度末時点の運営拠点は、9都道府県(北海道、東京都、岡山県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県)計26拠点となりました。このほか、地域活性化の新たな施策として「Re:Local(リロカル)」ブランドを立ち上げ、地域に根差した観光物産事業の展開も進めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は3,205,411千円(前期比27.8%増)、セグメント利益は776,106千円(前期比39.8%増)となりました。
(c) 地方創生事業における収益構造上の特徴と主な経営指標
地方創生事業では、下表の経営指標に着眼した業績管理を実施しております。
地方創生事業における障がい者雇用支援事業の売上高では、企業に当社から紹介した障がい者及びその管理者が当該企業に採用された際の人材紹介料のほか、当該障がい者が当社の設置しているコルディアーレ農園で就労する際に発生する農園利用料、水耕栽培設備レンタル料、当社スタッフによる障がい者の就労支援に際しての定着支援サポート料等を月額で課金しております。従いまして、下記の障がい者サポート数を安定的に増やし、且つそれに応じた新たな農園の開設を計画的に進めていくことができれば、変動費の増加は抑制されるため、利益率の上昇も見込むことが出来ます。
また、観光物産事業に関しては、旅行代理店業務にとどまることなく、2019年6月からは五島市から民泊事業を受託し、旅行会社や五島市で活動する体験交流協議会とともに個人旅行としてだけではなく、教育旅行(修学旅行)として全国から多くの若者を受け入れてまいりました。
なお、地方創生事業における主たる経営指標の定義と当連結会計年度におけるその推移は下表のとおりです。
下表のとおり、障がい者受入数合計は着実に増加しており、今後、障がい者雇用支援事業においては、企業が抱える課題やニーズに対するソリューション営業を強化してまいります。また、在宅医療事業における知見を農園利用企業の障がい者の定着支援に対して活用を図るとともに、障がい者の能力開発への取り組みをサポートできる体制の整備に注力し、サポート体制の品質向上に努めることにより、着実な業績の向上に努めてまいります。
(d) 在宅医療事業における経営成績
わが国の医療環境につきましては、中長期的な人口構造の変化や医療ニーズの変容を見据え、医療機関の機能分化・連携を進める「地域医療構想」が推進されております。当社は、質の高い在宅医療・訪問看護サービスの提供体制を確保し、地域全体での連携を推進することが重要であると認識しております。
このような状況のなか、当社は、訪問診療の支援を通じた医療機関等との連携により、質の高い在宅医療・訪問看護サービスを提供し、地域共生社会の実現に取り組んでおります。
当連結会計年度は、中長期的な収益基盤の確立を見据えた積極的な出店戦略に基づき、新たに12事業所および14営業所の開設、10営業所の事業所化を行いました。この結果、当連結会計年度末における運営拠点は、14都道府県(北海道、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県、岡山県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県)にて訪問看護ステーション39事業所および8営業所の計47拠点となりました。また、地方創生事業とのセグメント間連携を深めるため、既存の地域ネットワークを活用した医療機関等とのリレーション強化を図ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は1,445,202千円(前期比0.6%減)、セグメント損失は196,087千円(前連結会計年度はセグメント利益164,516千円)となりました。
(e) 在宅医療事業における収益構造上の特徴と主な経営指標
在宅医療事業では、下表の経営指標に着眼した業績管理を実施しております。
在宅医療事業における売上高の9割以上は国民健康保険団体連合会や社会保険診療報酬支払基金等からの診療報酬と利用者から自己負担していただく診療報酬により構成されており、当連結会計年度におけるこれら診療報酬単価(平均)は1回の訪問看護あたり約9千円となっております。在宅医療事業における売上高のうち診療報酬に相当する売上高は、当該診療報酬単価に訪問件数を乗じることで、その概算額が算出されます。つまり、診療報酬単価が一定であれば、訪問件数を着実に伸ばしていくことで、在宅医療事業における売上高も着実に伸ばしていくことができる収益構造上の特徴があります。
訪問件数を伸ばしていくための取組みとしては、利用者数を増やしていくことに加え、利用者数や訪問看護ステーションの面展開の状況に応じた看護師職員を着実に増やしていくこと、効率の良い訪問行程に基づく利用者向けの訪問看護サービスを提供すること等によって、全体の訪問件数を伸ばしていくことが可能となります。また、看護師1人当たりの訪問件数を伸ばしていくことで、全体の労務費やその他諸経費の削減にもつながる収益構造上の特徴も有しております。
なお、在宅医療事業における主たる経営指標の定義と当連結会計年度におけるその推移は下表のとおりです。
下表のとおり、当連結会計年度における各経営指標については安定的に推移しており、今後も地域の医療機関と連携し、精神疾患者に対する医師による訪問診療をサポートする形での訪問看護サービスに注力するとともに、更なる看護師の定着率の向上及び効率の良い訪問行程の策定等により、利用者数、常勤換算看護師数及び1常勤換算看護師あたり訪問件数を伸ばし、着実な業績の向上に努めてまいります。
※所長も常勤1と換算した場合
(f)財政状態の分析
前述の「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」をご参照ください。
(g)キャッシュ・フローの分析
前述の「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因
当社は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク 」に記載のとおり、経営環境、事業内容、法的規制等様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材の確保育成に努め、サービスの質の向上を図ることにより、当該リスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
④ 資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、当社のサービスを拡大していくための労務費及び組織強化のための管理部門の人件費等であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。これらの資金需要につきましては、原則として自己資金及び金融機関からの借入による資金調達にて対応していくこととしております。当社は、健全な財務バランスを保ちつつ、効率的な資金調達を図り、流動性の維持に努めております。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。
① 財政状態の状況
(資産の状況)
当連結会計年度末における流動資産は、1,695,050千円となり、前連結会計年度末に比べ245,482千円増加いたしました。これは主に、売上の増加等により売掛金及び契約資産が156,351千円、新規借入等により現金及び預金が73,785千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における固定資産は、2,095,341千円となり、前連結会計年度末に比べ562,307千円増加いたしました。これは主に、熊本新築農園の完成により建設仮勘定が352,000千円減少したものの、熊本新築農園の完成等により建物及び構築物(純額)が673,070千円、新規農園の設備導入等により工具、器具及び備品(純額)が101,294千円、リース車両の取得等によりリース資産(純額)が72,279千円増加したことによるものであります。
(負債の状況)
当連結会計年度末における流動負債は、787,977千円となり、前連結会計年度末に比べ130,659千円増加いたしました。これは主に、短期借入金を長期借入金に借り換えたこと等により短期借入金が76,000千円減少したものの、新規借入等により1年内返済予定の長期借入金が163,640千円、従業員増加に伴う給料及び手当の増加等により未払費用が32,207千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における固定負債は、1,057,824千円となり、前連結会計年度末に比べ771,053千円増加いたしました。これは主に、新規借入等により長期借入金が699,568千円増加したことによるものであります。
(純資産の状況)
当連結会計年度末における純資産は、1,944,590千円となり、前連結会計年度末に比べ93,923千円減少いたしました。これは主に、ストック・オプションの権利行使により資本金が8,925千円、ストック・オプションの権利行使等により資本剰余金が11,730千円増加したものの、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が121,388千円減少したことによるものであります。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境が改善するなかで経済活動の正常化が進み、景気は緩やかに回復しました。一方で、国際情勢の緊迫化や米国通商政策の動向、物価高騰の影響など、先行きの不透明感は依然として高い水準で推移しております。
このような状況のなか、当社は「人を通じて、喜びを作り、幸せを作る」を企業理念に掲げ、「地域を問わず全ての人が、心豊かに、能力や個性を発揮できる社会の実現」を目指すゴールとし、地域課題の解決や社会に対する有益な価値の創出に向け、「地方創生事業」および「在宅医療事業」を柱とした事業を展開しております。
「地方創生事業」では、「障がいの特性や職業能力等に関わらず、住み慣れた地域で仕事を通じて自己実現ができる社会の実現」に向け、地域における雇用創出および障がい者の雇用促進、職業能力の開発・向上支援に取り組む「障がい者雇用支援事業」に注力してまいりました。
「在宅医療事業」では、「持続可能な医療体制のもと、住み慣れた地域で社会的な生活を家族と共に営むことができる社会の実現」に向け、訪問看護サービスの提供による訪問診療支援を通じて医療機関等との連携を図り、在宅医療の拡大を推進してまいりました。
また、連結子会社であるショウタイム24株式会社では、テクノロジーを活用したソリューション提供を通じて、不動産業界の持続的成長と価値創出に寄与すべく、無人内見システムの提供を進めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は4,740,202千円(前期比19.5%増)、営業損失は105,980千円(前連結会計年度は営業利益176,278千円)、経常損失は108,335千円(前連結会計年度は経常利益185,154千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は121,388千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益144,153千円)となりました。
報告セグメント別の業績の概況は、以下のとおりであります。
<地方創生事業>わが国におきましては、少子高齢化による人口減少や東京一極集中等に伴う地方の過疎化が喫緊の課題であることから、当社は、地方創生への取り組みを推進し、地域を活性化させることで、全ての人が安心して生活できる環境を創出することが不可欠であると考えております。また、当社の主要事業である障がい者雇用支援事業を取り巻く環境につきましては、2023年3月の障害者雇用促進法施行令の改正により、民間企業における障がい者の法定雇用率が2024年4月に2.3%から2.5%へ引き上げられ、更に2026年7月には2.7%へ引き上げられます。また、企業におきましては、新たな価値向上策の一環として、全従業員が尊重され個々の能力を発揮できる環境整備が進められております。これらを踏まえ、当社は、地域との連携を深め、障がい者の雇用促進と職業能力の開発・向上を通じた共生社会の実現、および就労機会の拡充を図っております。
当連結会計年度の具体的な取り組みとしましては、農園利用企業に対し、障がい者の能力開発をサポートする体制を強化しました。ここでは在宅医療事業で培った専門的知見やノウハウを活用し、利用企業の多様なニーズに対応できる体制構築を進めております。また、九州における地域共生の旗艦拠点として、熊本市北区植木町に新築農園を建設し、2025年7月に「コルディアーレ熊本第一農園」および「コルディアーレ熊本第二農園」を開園いたしました。さらに、福岡県中間市、岡山市南区、東京都青梅市および足立区にも順次農園を開園した結果、当連結会計年度末時点の運営拠点は、9都道府県(北海道、東京都、岡山県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県)計26拠点となりました。このほか、地域活性化の新たな施策として「Re:Local(リロカル)」ブランドを立ち上げ、地域に根差した観光物産事業の展開も進めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は3,205,411千円(前期比27.8%増)、セグメント利益は776,106千円(前期比39.8%増)となりました。
<在宅医療事業>わが国の医療環境につきましては、中長期的な人口構造の変化や医療ニーズの変容を見据え、医療機関の機能分化・連携を進める「地域医療構想」が推進されております。当社は、質の高い在宅医療・訪問看護サービスの提供体制を確保し、地域全体での連携を推進することが重要であると認識しております。
このような状況のなか、当社は、訪問診療の支援を通じた医療機関等との連携により、質の高い在宅医療・訪問看護サービスを提供し、地域共生社会の実現に取り組んでおります。
当連結会計年度は、中長期的な収益基盤の確立を見据えた積極的な出店戦略に基づき、新たに12事業所および14営業所の開設、10営業所の事業所化を行いました。この結果、当連結会計年度末における運営拠点は、14都道府県(北海道、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県、岡山県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県)にて訪問看護ステーション39事業所および8営業所の計47拠点となりました。また、地方創生事業とのセグメント間連携を深めるため、既存の地域ネットワークを活用した医療機関等とのリレーション強化を図ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は1,445,202千円(前期比0.6%減)、セグメント損失は196,087千円(前連結会計年度はセグメント利益164,516千円)となりました。
<その他>その他におきましては、主にスマートロック等のIoTを活用した無人内見システムサービスを提供する連結子会社であるショウタイム24株式会社のIoTソリューションサービス事業で構成されております。同社では、事業拡大に向けた広告宣伝活動による新規顧客の獲得や人材採用等の先行投資を積極的に実施し、中期事業戦略の推進および組織体制の強化を図ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は112,506千円(前連結会計年度は売上高5,000千円)、セグメント損失は62,940千円(前連結会計年度はセグメント利益1,868千円)となりました。
なお、ショウタイム24株式会社につきましては、当連結会計年度から損益計算書を連結しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度末に比べ73,785千円増加し、884,610千円となりました。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果、使用した資金は39,292千円(前連結会計年度は137,604千円の獲得)となりました。これは主に、減価償却費が235,783千円(前連結会計年度は減価償却費が149,212千円)であったものの、売上の増加等により売上債権の増加額が156,351千円(前連結会計年度は売上債権の増加額が27,038千円)、税金等調整前当期純損失が126,012千円(前連結会計年度は税金等調整前当期純利益が179,559千円)であったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果、使用した資金は653,077千円(前連結会計年度は691,273千円の使用)となりました。これは主に、熊本新築農園の完成等により有形固定資産の取得による支出579,993千円(前連結会計年度は有形固定資産の取得による支出645,049千円)、農園開園及び訪問看護ステーション開設に伴う敷金等の支払により差入保証金の差入による支出51,900千円(前連結会計年度は差入保証金の差入による支出52,677千円)があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果、獲得した資金は766,155千円(前連結会計年度は167,650千円の獲得)となりました。これは主に、銀行への借入返済により長期借入金の返済による支出141,091千円(前連結会計年度は長期借入金の返済による支出12,756千円)及び短期借入金の減少額が76,000千円(前連結会計年度は短期借入金の増加額176,000千円)であったものの、熊本農園の新築取得および新規農園の開園にかかる設備投資等資金として長期借入れによる収入1,004,300千円(前連結会計年度はなし)があったことによるものであります。
(2) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当社では生産活動等を行う事業は行っておりませんので、該当事項はありません。
② 受注実績
当社では受注生産等を行う事業は行っておりませんので、該当事項はありません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前期比(%) |
| 地方創生事業 | 3,205,411 | 127.8 |
| 在宅医療事業 | 1,440,338 | 99.0 |
| その他 | 94,451 | 2,361.3 |
| 合計 | 4,740,202 | 119.5 |
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、コンサルティング事業及びIoTソリューションサービス事業であります。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 (自2024年4月1日 至2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自2025年4月1日 至2026年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 社会保険診療報酬支払基金 東京支部 | 579,763 | 14.6 | 511,841 | 10.8 |
| 東京都国民健康保険団体連合会 | 446,676 | 11.3 | - | - |
(注)当連結会計年度における総販売実績に占める東京都国民健康保険団体連合会の割合は10%未満であるため、記載を省略しております。
(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産については、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異を計上しております。繰延税金資産の回収可能性に用いられる将来の課税所得の見積りは、事業計画を基礎としており、外部環境や収益動向等を考慮の上で設定した売上予測をその主要な仮定としております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に影響を及ぼす可能性があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、4,740,202千円(前連結会計年度比19.5%増)となりました。これは主に地方創生事業の障がい者雇用支援事業における新規契約獲得及びストック収入増によるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、3,318,548千円(前連結会計年度比31.8%増)となりました。これは主に事業規模拡大により原価部門の人員数が増加したことに伴う人件費等の増加及び地方創生事業の障がい者雇用支援事業における新規農園開園、在宅医療事業における新規事業所開設に伴う地代家賃の増加によるものであります。
この結果、売上総利益は、1,421,654千円(前連結会計年度比1.9%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損失)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、1,527,635千円(前連結会計年度比20.0%増)となりました。これは主に事業規模拡大により管理部門の人員数が増加したことに伴う人件費等の増加及び在宅医療事業の拡大に伴う看護師採用手数料の増加によるものであります。
この結果、営業損失は、105,980千円(前連結会計年度は営業利益176,278千円)となりました。
(営業外損益、経常損失)
当連結会計年度における営業外収益は、15,694千円(前連結会計年度比9.1%増)となりました。これは主に受取利息の増加によるものであります。また、営業外費用は、18,048千円(前連結会計年度比227.7%増)となりました。これは主にリース及び銀行借入に伴う支払利息の増加によるものであります。
この結果、経常損失は、108,335千円(前連結会計年度は経常利益185,154千円)となりました。
(特別損益、親会社株主に帰属する当期純損失)
当連結会計年度における特別利益は、発生しておりません。(前連結会計年度も発生しておりません。)また、特別損失は、17,676千円(前連結会計年度比215.9%増)となりました。これは主に減損損失の増加によるものであります。また、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)は、20,429千円(前連結会計年度比42.3%減)となりました。これは主に課税所得が減少したことにより、法人税、住民税及び事業税が減少したことによるものであります。また、非支配株主に帰属する当期純損失△25,053千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は、121,388千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益は、144,153千円)となりました。
(b) 地方創生事業における経営成績
わが国におきましては、少子高齢化による人口減少や東京一極集中等に伴う地方の過疎化が喫緊の課題であることから、当社は、地方創生への取り組みを推進し、地域を活性化させることで、全ての人が安心して生活できる環境を創出することが不可欠であると考えております。また、当社の主要事業である障がい者雇用支援事業を取り巻く環境につきましては、2023年3月の障害者雇用促進法施行令の改正により、民間企業における障がい者の法定雇用率が2024年4月に2.3%から2.5%へ引き上げられ、更に2026年7月には2.7%へ引き上げられます。また、企業におきましては、新たな価値向上策の一環として、全従業員が尊重され個々の能力を発揮できる環境整備が進められております。これらを踏まえ、当社は、地域との連携を深め、障がい者の雇用促進と職業能力の開発・向上を通じた共生社会の実現、および就労機会の拡充を図っております。
当連結会計年度の具体的な取り組みとしましては、農園利用企業に対し、障がい者の能力開発をサポートする体制を強化しました。ここでは在宅医療事業で培った専門的知見やノウハウを活用し、利用企業の多様なニーズに対応できる体制構築を進めております。また、九州における地域共生の旗艦拠点として、熊本市北区植木町に新築農園を建設し、2025年7月に「コルディアーレ熊本第一農園」および「コルディアーレ熊本第二農園」を開園いたしました。さらに、福岡県中間市、岡山市南区、東京都青梅市および足立区にも順次農園を開園した結果、当連結会計年度末時点の運営拠点は、9都道府県(北海道、東京都、岡山県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県)計26拠点となりました。このほか、地域活性化の新たな施策として「Re:Local(リロカル)」ブランドを立ち上げ、地域に根差した観光物産事業の展開も進めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は3,205,411千円(前期比27.8%増)、セグメント利益は776,106千円(前期比39.8%増)となりました。
(c) 地方創生事業における収益構造上の特徴と主な経営指標
地方創生事業では、下表の経営指標に着眼した業績管理を実施しております。
地方創生事業における障がい者雇用支援事業の売上高では、企業に当社から紹介した障がい者及びその管理者が当該企業に採用された際の人材紹介料のほか、当該障がい者が当社の設置しているコルディアーレ農園で就労する際に発生する農園利用料、水耕栽培設備レンタル料、当社スタッフによる障がい者の就労支援に際しての定着支援サポート料等を月額で課金しております。従いまして、下記の障がい者サポート数を安定的に増やし、且つそれに応じた新たな農園の開設を計画的に進めていくことができれば、変動費の増加は抑制されるため、利益率の上昇も見込むことが出来ます。
また、観光物産事業に関しては、旅行代理店業務にとどまることなく、2019年6月からは五島市から民泊事業を受託し、旅行会社や五島市で活動する体験交流協議会とともに個人旅行としてだけではなく、教育旅行(修学旅行)として全国から多くの若者を受け入れてまいりました。
なお、地方創生事業における主たる経営指標の定義と当連結会計年度におけるその推移は下表のとおりです。
下表のとおり、障がい者受入数合計は着実に増加しており、今後、障がい者雇用支援事業においては、企業が抱える課題やニーズに対するソリューション営業を強化してまいります。また、在宅医療事業における知見を農園利用企業の障がい者の定着支援に対して活用を図るとともに、障がい者の能力開発への取り組みをサポートできる体制の整備に注力し、サポート体制の品質向上に努めることにより、着実な業績の向上に努めてまいります。
| 経営指標 | 内容 |
| 障がい者受入純増数 | 企業等に新たに採用され、当社が設置しているコルディアーレ農園で就労を開始した障がい者人数から、企業との契約解除等により当社のサポートを終了した障がい者人数を控除した、コルディアーレ農園で就労している障がい者の純増数を指します。 |
| 障がい者受入数合計 | 当社が設置しているコルディアーレ農園で就労している障がい者の累計人数を指します。 |
| 旅行及び民泊取扱人数 | 受注した旅行及び民泊の参加人数を指します。 |
| 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | ||||||||||||
| 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | |
| 障がい者受入純増数(人) | 8 | 50 | 23 | 19 | 14 | 16 | 9 | 27 | 18 | 25 | 40 | 107 |
| 障がい者受入数合計(人) | 1,440 | 1,490 | 1,513 | 1,532 | 1,546 | 1,562 | 1,571 | 1,598 | 1,616 | 1,641 | 1,681 | 1,788 |
| 旅行及び民泊取扱人数(人) | 70 | 376 | 74 | 432 | 144 | 287 | 550 | 311 | 136 | 53 | 71 | 81 |
(d) 在宅医療事業における経営成績
わが国の医療環境につきましては、中長期的な人口構造の変化や医療ニーズの変容を見据え、医療機関の機能分化・連携を進める「地域医療構想」が推進されております。当社は、質の高い在宅医療・訪問看護サービスの提供体制を確保し、地域全体での連携を推進することが重要であると認識しております。
このような状況のなか、当社は、訪問診療の支援を通じた医療機関等との連携により、質の高い在宅医療・訪問看護サービスを提供し、地域共生社会の実現に取り組んでおります。
当連結会計年度は、中長期的な収益基盤の確立を見据えた積極的な出店戦略に基づき、新たに12事業所および14営業所の開設、10営業所の事業所化を行いました。この結果、当連結会計年度末における運営拠点は、14都道府県(北海道、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県、岡山県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県)にて訪問看護ステーション39事業所および8営業所の計47拠点となりました。また、地方創生事業とのセグメント間連携を深めるため、既存の地域ネットワークを活用した医療機関等とのリレーション強化を図ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は1,445,202千円(前期比0.6%減)、セグメント損失は196,087千円(前連結会計年度はセグメント利益164,516千円)となりました。
(e) 在宅医療事業における収益構造上の特徴と主な経営指標
在宅医療事業では、下表の経営指標に着眼した業績管理を実施しております。
在宅医療事業における売上高の9割以上は国民健康保険団体連合会や社会保険診療報酬支払基金等からの診療報酬と利用者から自己負担していただく診療報酬により構成されており、当連結会計年度におけるこれら診療報酬単価(平均)は1回の訪問看護あたり約9千円となっております。在宅医療事業における売上高のうち診療報酬に相当する売上高は、当該診療報酬単価に訪問件数を乗じることで、その概算額が算出されます。つまり、診療報酬単価が一定であれば、訪問件数を着実に伸ばしていくことで、在宅医療事業における売上高も着実に伸ばしていくことができる収益構造上の特徴があります。
訪問件数を伸ばしていくための取組みとしては、利用者数を増やしていくことに加え、利用者数や訪問看護ステーションの面展開の状況に応じた看護師職員を着実に増やしていくこと、効率の良い訪問行程に基づく利用者向けの訪問看護サービスを提供すること等によって、全体の訪問件数を伸ばしていくことが可能となります。また、看護師1人当たりの訪問件数を伸ばしていくことで、全体の労務費やその他諸経費の削減にもつながる収益構造上の特徴も有しております。
なお、在宅医療事業における主たる経営指標の定義と当連結会計年度におけるその推移は下表のとおりです。
下表のとおり、当連結会計年度における各経営指標については安定的に推移しており、今後も地域の医療機関と連携し、精神疾患者に対する医師による訪問診療をサポートする形での訪問看護サービスに注力するとともに、更なる看護師の定着率の向上及び効率の良い訪問行程の策定等により、利用者数、常勤換算看護師数及び1常勤換算看護師あたり訪問件数を伸ばし、着実な業績の向上に努めてまいります。
| 経営指標 | 内容 |
| 利用者数 | 利用者(患者)の数を指します。 |
| 訪問件数 | 利用者向けの訪問看護サービスを提供した件数を指します。 |
| 常勤換算看護師数 | 所定労働時間週40時間以上の勤務をしている在籍看護師職員数を指します。なお、小数点は所定労働時間週40時間未満の勤務をしている在籍看護師職員数を按分換算したものとなります。 |
| 1利用者あたり訪問件数 | 利用者一人あたりの訪問件数に関する指標。訪問件数÷利用者でその概算が算出されます。 |
| 1常勤換算看護師あたり訪問件数 | 看護師の訪問効率に関する指標。訪問件数÷常勤換算看護師数でその概算が算出されます。 |
| 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | ||||||||||||
| 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | |
| 利用者数(人) | 2,010 | 2,020 | 2,039 | 2,069 | 2,093 | 2,100 | 2,118 | 2,108 | 2,160 | 2,216 | 2,250 | 2,297 |
| 訪問件数(件) | 12,037 | 12,665 | 12,145 | 13,091 | 12,364 | 12,607 | 13,042 | 12,323 | 13,799 | 13,521 | 12,944 | 14,555 |
| 常勤換算 看護師数(人)※ | 122.2 | 127.5 | 127.1 | 127.3 | 128.2 | 131.4 | 138.1 | 147.9 | 157.3 | 164.8 | 165.6 | 163.8 |
| 1利用者あたり訪問件数(件) | 6.0 | 6.3 | 6.0 | 6.3 | 5.9 | 6.0 | 6.2 | 5.8 | 6.4 | 6.1 | 5.8 | 6.3 |
| 1常勤換算看護師あたり訪問件数(件) | 98.5 | 99.3 | 95.6 | 102.8 | 96.5 | 96.0 | 94.4 | 83.3 | 87.7 | 82.0 | 78.2 | 88.9 |
※所長も常勤1と換算した場合
(f)財政状態の分析
前述の「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」をご参照ください。
(g)キャッシュ・フローの分析
前述の「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因
当社は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク 」に記載のとおり、経営環境、事業内容、法的規制等様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材の確保育成に努め、サービスの質の向上を図ることにより、当該リスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
④ 資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、当社のサービスを拡大していくための労務費及び組織強化のための管理部門の人件費等であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。これらの資金需要につきましては、原則として自己資金及び金融機関からの借入による資金調達にて対応していくこととしております。当社は、健全な財務バランスを保ちつつ、効率的な資金調達を図り、流動性の維持に努めております。