有価証券報告書-第3期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)当期の経営成績の概況
(全般の概況)
当連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日)は、米国の関税政策の動向や各地域における地政学的緊張の高まりなど、不確実性の高い状況が継続した一方、デジタル化の進展やAI関連投資の拡大を背景に半導体需要は堅調に推移しました。電子材料事業では、生成AIの用途拡大を背景に、データセンターやAIサーバー向けの先端ロジック半導体およびHBM DRAMなどの分野で需要が拡大しました。また、後工程における実装材の需要も拡大しました。ディスプレイ市場は、パネル市況の一時的な調整が見られたものの、2025年度を通じては堅調に推移しました。また、スマートフォン向け等で搭載比率が上がっているOLEDパネル市場も成長しました。合成樹脂事業については、世界の自動車生産台数は対前年で減少しました。ライフサイエンス事業につきましては、バイオ医薬品業界は、中長期的に高い成長性が見込まれる中、当社グループとしては、事業構造改革に加え、オペレーションの安定化と収益性の改善に注力いたしました。
このような状況のもと当社グループにおいては、2025年度以降の新中期経営方針として利益重視の経営やグローバル経営基盤の構築等を柱に経営基盤の強化を掲げ、売上収益の拡大と収益性の改善、電子材料分野への積極的な投資、事業構造改革を実行してまいりました。ライフサイエンス事業につきましては、体外診断用医薬品事業及び体外診断用医薬品材料事業、バイオプロセス材料事業を事業譲渡いたしました。
以上の結果、当期の業績といたしましては、売上収益4,407億18百万円(前期比13.4%増)となりました。営業利益は、前期2,044億34百万円の赤字から405億28百万円の黒字となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期2,175億13百万円の赤字から593億29百万円の黒字となりました。
なお、当連結会計年度より体外診断用医薬品事業及び体外診断用医薬品材料事業、バイオプロセス材料事業を非継続事業に分類しており、前連結会計年度の売上収益、営業利益を組み替えて比較分析しております。
(部門別の概況と分析)
当社グループは、「デジタルソリューション事業」、「合成樹脂事業」、「ライフサイエンス事業」の3事業を報告セグメントとしております。報告セグメントの位置づけは下図のとおりです。

<デジタルソリューション事業部門>電子材料事業では、主にアジア地域における拡販が奏功し、売上収益、営業利益は大幅な伸長を遂げました。成長をけん引したのはLogicおよびDRAM向けの先端材料に加え、幅広い製品群による多様なデバイス向けビジネスの拡大です。電子材料事業が推進するポートフォリオ拡大は、台湾、韓国、中国、日本といった複数市場において順調に進展しています。台湾には新たな製造拠点およびCMP開発拠点を開設し、韓国にもEUVメタルオキサイドレジストの新拠点の稼働を予定しています。今後も、当社の中核事業としてさらなる成長を図ってまいります。
ディスプレイ材料事業は、LCD材料については、主力の中国市場において、配向膜・絶縁膜などの競争力のある製品を中心に拡販を進めました。また、成長市場であるフレキシブルOLED用材料については、LCD材料で培った事業インフラと低温硬化等のコア技術を活かし、中国・韓国市場で拡販を進めました。この結果、営業利益は前期を上回りました。オプティカルソリューション事業は、TV大画面化に伴う位相差フィルム向けアートン樹脂の需要拡大に加え、スマートフォンカメラ用近赤外線(NIR)カットフィルター向け販売が拡大し、対前年で収益性が改善しました。
以上の結果、当期のデジタルソリューション事業部門の売上収益は2,521億42百万円(前期比16.9%増)、営業利益は前期の178億14百万円から557億3百万円(同212.7%増)となりました。
<合成樹脂事業部門>合成樹脂事業は、主に国内自動車生産の減少により需要量が減少し減収も、付加価値エリアへの展開を推進し、利益は増加し黒字化しました。
以上の結果、当期の合成樹脂事業部門の売上収益は928億23百万円(前期比0.5%減)、営業利益は前期の13億81百万円の損失から32億18百万円となりました。
<ライフサイエンス事業部門>ライフサイエンス事業は、オペレーションの安定化と収益性の改善に注力したことに加え、事業構造改革として体外診断用医薬品事業及び体外診断用医薬品材料事業、バイオプロセス材料事業の事業譲渡により、売上収益は増加し、営業損失についても前期から大幅に改善しました。
以上の結果、当期のライフサイエンス事業部門の売上収益は884億14百万円(前期比36.8%増)、営業利益は前期の損失1,851億57百万円から損失175億71百万円となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
①生産実績
当社グループの生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の生産品目であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様でなく、セグメントごとに生産規模を金額あるいは数量で示すことは行っておりません。
このため、生産実績につきましては、(1)当期の経営成績の概況 における各セグメント業績に関連付けて記載しております。
②受注実績
当社グループは受注生産を行っておりません。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示しますと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)当期の財政状態の概況と分析
①資産
総資産は、主に営業債権及びその他の債権の増加により前期比290億28百万円増加し、1兆1,710億88百万円となりました。
②負債
負債は、主に社債及び借入金の減少により前期比402億80百万円減少し、7,321億円となりました。
③資本
資本は、主に利益剰余金の増加により前期比693億8百万円増加し、4,389億88百万円となりました。
(3)当期のキャッシュ・フローの概況と分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期比300億65百万円増加し、829億73百万円となりました。
営業活動による資金収支は、618億57百万円の収入(前期は61億71百万円の支出)となりました。主な内訳は、非継続事業からの税引前利益873億65百万円であります。
投資活動による資金収支は、722億39百万円の収入(前期は8,345億72百万円の支出)となりました。主な内訳は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入850億21百万円であります。
財務活動による資金収支は、1,088億18百万円の支出(前期は8,947億10百万円の収入)となりました。主な内訳は、長期借入金の返済による支出810億71百万円であります。
なお、当社グループでは、年間事業計画に基づく資金計画を作成し、直接調達と間接調達そして短期と長期の適切なバランスなどを考慮し、流動性リスクを管理しております。
資金調達及び資金の流動性
当社グループの資金需要は、製造販売にかかる原材料費、経費、販売費及び一般管理費等の運転資金、設備投資、M&Aを含む事業投資、有利子負債の返済になります。これら資金需要に対しては主に営業キャッシュ・フロー、金融機関からの借入、社債の発行により対応しております。
当社グループは年間事業計画に基づく資金計画を作成し、事業拡大と財務体質強化に配慮しつつ、短期と長期の適切なバランスなどを考慮し、流動性リスクを管理しております。
また、資金の効率的な活用を目的としてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)の導入、グループ内の資金調達・管理の一元化を進めております。
(重要性がある会計方針及び見積り)
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要となる事項につきましては合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っています。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要性がある会計方針、5.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しています。
(全般の概況)
当連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日)は、米国の関税政策の動向や各地域における地政学的緊張の高まりなど、不確実性の高い状況が継続した一方、デジタル化の進展やAI関連投資の拡大を背景に半導体需要は堅調に推移しました。電子材料事業では、生成AIの用途拡大を背景に、データセンターやAIサーバー向けの先端ロジック半導体およびHBM DRAMなどの分野で需要が拡大しました。また、後工程における実装材の需要も拡大しました。ディスプレイ市場は、パネル市況の一時的な調整が見られたものの、2025年度を通じては堅調に推移しました。また、スマートフォン向け等で搭載比率が上がっているOLEDパネル市場も成長しました。合成樹脂事業については、世界の自動車生産台数は対前年で減少しました。ライフサイエンス事業につきましては、バイオ医薬品業界は、中長期的に高い成長性が見込まれる中、当社グループとしては、事業構造改革に加え、オペレーションの安定化と収益性の改善に注力いたしました。
このような状況のもと当社グループにおいては、2025年度以降の新中期経営方針として利益重視の経営やグローバル経営基盤の構築等を柱に経営基盤の強化を掲げ、売上収益の拡大と収益性の改善、電子材料分野への積極的な投資、事業構造改革を実行してまいりました。ライフサイエンス事業につきましては、体外診断用医薬品事業及び体外診断用医薬品材料事業、バイオプロセス材料事業を事業譲渡いたしました。
以上の結果、当期の業績といたしましては、売上収益4,407億18百万円(前期比13.4%増)となりました。営業利益は、前期2,044億34百万円の赤字から405億28百万円の黒字となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期2,175億13百万円の赤字から593億29百万円の黒字となりました。
なお、当連結会計年度より体外診断用医薬品事業及び体外診断用医薬品材料事業、バイオプロセス材料事業を非継続事業に分類しており、前連結会計年度の売上収益、営業利益を組み替えて比較分析しております。
| (単位:百万円) | ||||||
| 区 分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | |||
| 金 額 | 構成比 | 金 額 | 構成比 | 金 額 | 比 率 | |
| 売上収益 | ||||||
| デジタルソリューション事業 | 215,744 | 55.5% | 252,142 | 57.2% | 36,397 | 16.9% |
| 合成樹脂事業 | 93,332 | 24.0% | 92,823 | 21.1% | △509 | △0.5% |
| ライフサイエンス事業 | 64,648 | 16.6% | 88,414 | 20.1% | 23,767 | 36.8% |
| その他事業 | 15,050 | 3.9% | 7,339 | 1.7% | △7,711 | △51.2% |
| 合計 | 388,774 | 100.0% | 440,718 | 100.0% | 51,945 | 13.4% |
| 国内売上収益 | 111,900 | 28.8% | 128,017 | 29.0% | 16,117 | 14.4% |
| 海外売上収益 | 276,874 | 71.2% | 312,701 | 71.0% | 35,828 | 12.9% |
| 区 分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | |||
| 金 額 | 売上収益比 | 金 額 | 売上収益比 | 金 額 | 比 率 | |
| 親会社の所有者に帰属する 当期利益(△損失) | △217,513 | △55.9% | 59,329 | 13.5% | 276,842 | -% |
(部門別の概況と分析)
当社グループは、「デジタルソリューション事業」、「合成樹脂事業」、「ライフサイエンス事業」の3事業を報告セグメントとしております。報告セグメントの位置づけは下図のとおりです。

<デジタルソリューション事業部門>電子材料事業では、主にアジア地域における拡販が奏功し、売上収益、営業利益は大幅な伸長を遂げました。成長をけん引したのはLogicおよびDRAM向けの先端材料に加え、幅広い製品群による多様なデバイス向けビジネスの拡大です。電子材料事業が推進するポートフォリオ拡大は、台湾、韓国、中国、日本といった複数市場において順調に進展しています。台湾には新たな製造拠点およびCMP開発拠点を開設し、韓国にもEUVメタルオキサイドレジストの新拠点の稼働を予定しています。今後も、当社の中核事業としてさらなる成長を図ってまいります。
ディスプレイ材料事業は、LCD材料については、主力の中国市場において、配向膜・絶縁膜などの競争力のある製品を中心に拡販を進めました。また、成長市場であるフレキシブルOLED用材料については、LCD材料で培った事業インフラと低温硬化等のコア技術を活かし、中国・韓国市場で拡販を進めました。この結果、営業利益は前期を上回りました。オプティカルソリューション事業は、TV大画面化に伴う位相差フィルム向けアートン樹脂の需要拡大に加え、スマートフォンカメラ用近赤外線(NIR)カットフィルター向け販売が拡大し、対前年で収益性が改善しました。
以上の結果、当期のデジタルソリューション事業部門の売上収益は2,521億42百万円(前期比16.9%増)、営業利益は前期の178億14百万円から557億3百万円(同212.7%増)となりました。
<合成樹脂事業部門>合成樹脂事業は、主に国内自動車生産の減少により需要量が減少し減収も、付加価値エリアへの展開を推進し、利益は増加し黒字化しました。
以上の結果、当期の合成樹脂事業部門の売上収益は928億23百万円(前期比0.5%減)、営業利益は前期の13億81百万円の損失から32億18百万円となりました。
<ライフサイエンス事業部門>ライフサイエンス事業は、オペレーションの安定化と収益性の改善に注力したことに加え、事業構造改革として体外診断用医薬品事業及び体外診断用医薬品材料事業、バイオプロセス材料事業の事業譲渡により、売上収益は増加し、営業損失についても前期から大幅に改善しました。
以上の結果、当期のライフサイエンス事業部門の売上収益は884億14百万円(前期比36.8%増)、営業利益は前期の損失1,851億57百万円から損失175億71百万円となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
①生産実績
当社グループの生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の生産品目であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様でなく、セグメントごとに生産規模を金額あるいは数量で示すことは行っておりません。
このため、生産実績につきましては、(1)当期の経営成績の概況 における各セグメント業績に関連付けて記載しております。
②受注実績
当社グループは受注生産を行っておりません。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示しますと、次のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||
| セグメントの名称 | 金額 | 前期比(%) |
| デジタルソリューション事業 | 252,142 | 16.9 |
| 合成樹脂事業 | 92,823 | △0.5 |
| ライフサイエンス事業 | 88,414 | 36.8 |
| その他事業 | 7,339 | △51.2 |
| 合計 | 440,718 | 13.4 |
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)当期の財政状態の概況と分析
①資産
総資産は、主に営業債権及びその他の債権の増加により前期比290億28百万円増加し、1兆1,710億88百万円となりました。
②負債
負債は、主に社債及び借入金の減少により前期比402億80百万円減少し、7,321億円となりました。
③資本
資本は、主に利益剰余金の増加により前期比693億8百万円増加し、4,389億88百万円となりました。
(3)当期のキャッシュ・フローの概況と分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期比300億65百万円増加し、829億73百万円となりました。
営業活動による資金収支は、618億57百万円の収入(前期は61億71百万円の支出)となりました。主な内訳は、非継続事業からの税引前利益873億65百万円であります。
投資活動による資金収支は、722億39百万円の収入(前期は8,345億72百万円の支出)となりました。主な内訳は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入850億21百万円であります。
財務活動による資金収支は、1,088億18百万円の支出(前期は8,947億10百万円の収入)となりました。主な内訳は、長期借入金の返済による支出810億71百万円であります。
なお、当社グループでは、年間事業計画に基づく資金計画を作成し、直接調達と間接調達そして短期と長期の適切なバランスなどを考慮し、流動性リスクを管理しております。
資金調達及び資金の流動性
当社グループの資金需要は、製造販売にかかる原材料費、経費、販売費及び一般管理費等の運転資金、設備投資、M&Aを含む事業投資、有利子負債の返済になります。これら資金需要に対しては主に営業キャッシュ・フロー、金融機関からの借入、社債の発行により対応しております。
当社グループは年間事業計画に基づく資金計画を作成し、事業拡大と財務体質強化に配慮しつつ、短期と長期の適切なバランスなどを考慮し、流動性リスクを管理しております。
また、資金の効率的な活用を目的としてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)の導入、グループ内の資金調達・管理の一元化を進めております。
(重要性がある会計方針及び見積り)
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要となる事項につきましては合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っています。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要性がある会計方針、5.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しています。