有価証券報告書-第22期(2025/04/01-2026/03/31)
(2)人的資本・多様性に関する考え方
Ⅰ 人的資本経営の方針と戦略フレーム
当社の人的資本経営戦略において、当社は、人材育成を最重要課題と位置付けており、その方針として「提案人材」の育成を掲げております。2026年3月期からは「提案人材」を「チャレンジや変化を楽しみ、自らの役割を超えて積極的に経営に参加し、組織の成長と発展に貢献する人材」へと定義しております。
この定義には、変化を自らの成長機会と捉えることと、そのような一人ひとりのチャレンジが自らの属する組織のレジリエンス(強靱性)につながっているという考え方を込めております。すなわち、社員一人ひとりが変化を前向きに捉えるとともに、そのような個人のチャレンジを組織の取組みとして全体で支えることで、個人の成長と組織のレジリエンスが両輪となって、当社の持続的な成長、長期的な企業価値の向上をもたらすものと考えております。
さらに、当社は、当社の「企業価値」を、売上高、利益、キャッシュ・フローといった財務指標で測られる「経済的価値」と、社員を含むステークホルダーや環境資源を含む社会一般に対して当社が還元する価値としての「社会的価値」の総和と捉えており、両方の価値を長期的に向上させることを目指しております。すなわち、当社の財務指標の成長を目指しながら、それを実現するための前提として経営資源提供者(ステークホルダー)へ価値を還元していくことを目指しております。とりわけ後者については、「社会インパクトの創出」として充実させる取組みを行っております。社会インパクトとは、当社のシニア事業において、「EGAO link」の導入や科学的介護で培った業務効率化や生産性向上といったこれまでの当社の事業を通じて培った質の高いサービスを提供できるノウハウを介護業界全体に展開し、現場の質的改善や人材不足といった業界に広がる構造的課題に寄与すること、そしてその変革を支える資質を備えた人材を育成・輩出していくことを指しております。また、不動産事業においては、新耐震基準施行前の老朽化不動産の再生と屋上庭園付きの介護付きホームの取組みを通じて、地域の安全性向上や環境改善に寄与しております。これらの取組みにより、地域社会の活性化や持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献することを指しております。
これらの取組みは、当社の経済的価値を向上させるためのシニア事業及び不動産事業の経営戦略と直結しており、人的資本の強化を通じて事業の成長と社会課題の解決とを両立させるものです。すなわち、当社は人的資本への投資を単なる人材育成にとどめず、持続可能な社会を構築するための経営資源と捉え、その成果を業界全体に波及させる(還元する)ことで中長期的な企業価値の向上と経営戦略の実現を図っております。
Ⅱ 人材マネジメントと処遇方針
当社は、安定的かつ質の高いサービス提供を実現するため、従業員一人ひとりの能力を最大限に引き出す人材マネジメントを重視しております。
従業員給与等の決定にあたっては、役割、業務遂行能力ならびに成果を総合的に評価し、適切な処遇を行うことを基本方針としております。評価制度においては、目標設定面談およびフィードバック面談を通じて、業務目標の明確化と達成状況の振り返りを行い、従業員の育成および能力開発につなげる仕組みとしております。
評価結果については、半年に一度の評価を賞与に反映するとともに、年に一度の評価結果に基づき昇給額を決定しております。
これにより、短期的な成果と中長期的な成長の双方を処遇に反映し、従業員のモチベーション向上およびサービス品質の継続的な向上を図っております。
以上のⅠ及びⅡの取組みを通じて、当社のプロミスである「7つの行動規範」(PROMISE)の実践をより確かなものとし、従業員のやりがいや成長機会の創出、並びに質の高い人材獲得につなげてまいります。
これにより「あらゆる方々の良きパートナーとして…」という当社の思い(VISION)、「世代を超えた暮らし提案型企業」という私たちの使命(MISSION)を実現し、ステークホルダーの皆さまに長く選ばれ続ける企業を目指して取り組んでまいります。
<アズパートナーズのVISION/MISSION/PROMISE>
<人的資本経営の戦略>
<人的資本経営の戦略>の図に示すとおり、当社の人的資本経営は、VISION/MISSION/PROMISEを起点として、「採用戦略の強化」「従業員育成とキャリアパス」「心身の健康管理の充実」「ダイバーシティの推進」「ウェルビーイングの向上」の5つの構成要素を通じて「提案人材」を育成し、その提案人材による変革行動が当社の3つの提案(少子高齢社会の持続可能性/多様な人の幸せ/サステナブルな街づくり)の実現につながり、社会インパクトおよび財務インパクトの創出を通じて、より高いレベルの企業文化へ昇華する循環構造として推進しております。これらの構成要素の運用にあたり、当社は以下のポイントを重要視しております。
■育成プロセスの全体最適化
当社は、提案人材の輩出から文化形成に至るまでのプロセスを一連の流れとして捉え、企業理念・戦略・取組み・行動・成果のつながりを重視しております。これにより、提案人材育成がどのように企業価値と社会価値に結びつくかを明確に示すとともに、その実効性向上に取り組んでまいります。
■企業価値・社会価値への循環的還元
当社の人的資本経営フレームにおいては、育成した「提案人材」が当社のVISION/MISSION/PROMISEの実現を支え、さらに中長期的な企業価値や財務インパクト・社会インパクト創出へとつながる循環構造を重視しております。これは、当社の人事戦略と経営戦略との連動を示すものです。
■成果指標としての「エンゲージメントの向上」
「エンゲージメントの向上」については、従来の育成要素の一つとしてではなく、各構成要素が機能した結果として現れる重要な成果指標として位置付け、継続的な向上を図ってまいります。
■育成基盤としての「ウェルビーイングの向上」
「ウェルビーイングの向上」については、提案人材育成の基盤を形成する重要な構成要素として位置付けております。当社では、これを「社員一人ひとりが自己の状態に向き合い、安心・活力・挑戦のバランスを保ちながら行動できる力」と捉え、今後の人的資本経営において継続的にその向上に向けた取り組みを推進してまいります。
以上のように、当社は人的資本経営における戦略を「人材育成」だけにとどめず、組織文化形成や社会課題の解決と結びつけるものと捉えております。これらの戦略を通じて、「世代を超えた暮らし提案型企業」という当社のMISSIONの実現と企業価値の向上を目指してまいります。
①人材確保と採用戦略の強化
当社は、新卒採用を重視しております。新卒者は、新たな視点とエネルギーをもたらし、当社の成長と革新に対する重要な推進力になっており、持続的な競争力を維持し、中長期的に企業価値を向上させることが可能となっております。
そのため、新卒採用は、当社の長期的な人材開発戦略の中心的な要素であり、2021年3月期以降、毎年100人以上の新卒採用を実施しております。
新卒採用では非福祉系専攻の学生が90%以上であり、異なる学問分野、地域、文化から来る多様な視点を持ち込むことで、創造性と革新性を高めております。新卒者は、特に当社のビジョンとミッションに共感して入社していることから、ベンダーと共同開発したICT・IoTプラットフォーム「EGAO link」等により最先端の取組みを継続・発展していくためには、新卒者の柔軟な思考や発想が不可欠です。
また、2025年3月期より、当社は特定技能の外国人材の採用を開始しております。新卒者、中途採用者、特定技能の外国人材と、異なるバックグラウンドと経験を尊重し、相互に学び合う文化を醸成します。これにより、多様な視点が取り入れられ、イノベーションが促進します。
(新卒者・特定技能の外国人材採用実績)
②従業員育成とキャリアチャレンジ制度
従業員の専門的な知識やスキルを持続的に向上させるために、研修プログラムの充実やキャリアチャレンジ制度の機会提供を行っております。
・研修プログラム
専門スキルの取得・管理者育成向けの研修プログラムを実施しております。また、2025年3月期より、介護DXの促進のため、介護DX人材育成制度を新設し、選抜者向けの研修プログラムを実施しております。2026年3月期には、介護DX人材6名が外部のお客様先へコンサルタントとして従事いたしました。
また、新卒者を対象に、入社後5年目まで行われるフォローアップ研修を実施し、サービス向上に必要な知識・スキルの習得に加え、従業員の成長および企業文化の醸成につながるスタンス向上を図っております。これに加え、毎月開催されるハイスタンダード研修では、法定項目内容に加えて、当社が強みとしている個別アクティビティの提案に役立てるための能力開発を行っております。
・ワークショップ「Designing the Future Summit」の開催
当社が2026年3月期より重視する「提案人材」の育成および「エンゲージメントの向上」「ウェルビーイングの向上」の実現に向けた取組みの一環として、若手・次世代人材を対象とした選抜型ワークショップ「Designing the Future Summit」を開催いたしました。本ワークショップでは、事業所見学を通じた視野の拡大や他事業所への理解促進に加え、経営層との対話を通じて、会社の未来や経営層の想いを共有する場を設けております。
また、「10年後のアズパートナーズ」をテーマとした未来デザインワークを通して、中長期視点での組織づくりやキャリア形成について議論を実施いたしました。さらに、懇親会の場を通じた参加者の状態把握やキャリア提案も行い、継続的な選抜育成・タレントマネジメントの強化を推進しております。
今後も、本ワークショップを継続的に実施することで、次世代を担う人材の育成と、組織の持続的な成長基盤の構築を進めてまいります。
・キャリアチャレンジ制度とキャリア相談窓口の設置
従業員に成長とキャリア発展の機会を提供し、スキルや能力を向上させることを目的として、キャリアチャレンジ制度を設けております。社内の人材を適切な役割や責任に配置することで、従業員のモチベーションの向上、組織全体のパフォーマンスの向上へつなげております。
また、キャリア相談窓口を設置し、従業員が自身のキャリア目標や成長を相談し、適切なアドバイスやガイダンスを受ける機会を提供しております。従業員は自身のキャリアパスを考え、組織がそれを支援することで、従業員の成長や満足度の向上につなげております。
これに加え、年1回、キャリア意向調査を実施し、従業員の希望と適正を踏まえた人事異動を行っております。
③心身の健康管理の充実
従業員の健康管理とメンタルヘルスケアを重視しております。定期的な健康チェックやインフルエンザワクチン接種の機会の提供に加えて、チャット型で医療相談ができる福利厚生制度も整備しております。
特に健康診断は各事業所へ健診カーや健診従事者を手配し、従業員が健康診断を受けやすい環境を提供しております。二次健康診断については、担当部署より積極的に受診の働きかけを行っております。
各事業所では腰痛予防として、毎日の体操プログラムを推進すると共に、2026年3月期の研修プログラムより、ノーリフトケア研修を取り入れ、従業員の健康の維持をサポートすることで、従業員が安全かつ健康的に業務を遂行できる環境を整えております。
・「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」認定の取得
こうした健康管理の取組みが外部からも評価され、2026年3月期において、当社は経済産業省・日本健康会議が認定する「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」を取得いたしました。これは、従業員の心身の健康増進に対する継続的な投資、ならびにDE&Iを踏まえた柔軟な勤務体制の整備等が評価されたものであります。
今後も、健康経営の取組みを更に推進し、従業員一人ひとりのウェルビーイング向上と、企業価値の持続的な向上の両立を図ってまいります。
④ダイバーシティの推進
当社では、社会的な不平等を解消し、機会均等を実現すべく、ダイバーシティを推進しています。
・女性管理職比率と男女の賃金格差
当社のケアチーフ以上の女性管理職比率は35.6%(係長相当職:15.8%)、会社全体の男女の賃金格差は79.0%(76.6%)(「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出)です。当社は、性別に関係なく、個人の能力とポテンシャルを評価し、適正な報酬とキャリアパスを提供することを大切にしております。また、同じ役割であれば、男女で賃金の差はなく、男女の賃金格差は、主に勤続年数の長い社員に男性比率が高いこと、管理職に男性比率が高いことが要因です。
※( )内は「出典:令和6年度雇用均等基本調査(厚生労働省)」
※1 ケアチーフ以上
※2 育休復帰後1年間以上勤務している社員
・特定技能外国人材のオンボーディングと受け入れ促進
当社では、多様な人材が安心して能力を発揮できる環境整備の一環として、特定技能外国人材の受け入れおよびオンボーディングを推進しております。インドネシア、ミャンマー、バングラデシュ、フィリピン等から特定技能外国人材を受け入れ、多様な価値観や文化的背景を持つ人材が活躍できる組織づくりを進めております。
また、入国・入社後には、特定技能外国人材を対象とした入社セレモニーや研修を実施し、日本語や企業理念への理解促進に加え、日本で安心して働くための基盤づくりを行っております。これにより、当社への理解を深め、働く意欲や職場への適応力向上につなげております。
さらに、受入事業所に対しては、文化的背景や価値観の違い、受け入れ時の留意点等に関する事前研修を実施し、円滑な受け入れ体制の整備と相互理解の促進に取り組んでいます。今後も、特定技能外国人材の受け入れおよび定着支援を継続的に推進し、多様な人材が安心して活躍できる環境づくりを進めることで、サービス品質の向上および持続的な組織成長につなげてまいります。
⑤ウェルビーイングの向上
当社は従業員のウェルビーイングを向上し、満足度を向上させることに注力しております。
全社や部署・事業所ごとの状態を把握するため、定期的な調査と相関分析を行い、各部署に対してフィードバックを行っております。
・従業員コンディション調査(1on1、毎年2回実施)
従業員コンディション調査では、従業員一人ひとりの仕事満足度・健康状態・人間関係の3つの項目について、従業員のコンディションを確認することに加え、従業員が部署内に相談できないことを直接、人事担当者へ相談できる仕組みを整えております。面談では、従業員の仕事満足度等に対する声を傾聴すると共に、従業員の目標達成のために、面談者がフォローする役割も担っております。従業員は自身の成長や仕事満足度等について話し合うことができ、個別のニーズに対応するための具体的なアクションを共有することも可能です。これにより、従業員は自身の価値を認められ、自己成長の意欲や組織への貢献意識向上を図っております。
・ウェルビーイング調査(匿名式アンケート、原則毎月1回実施)
当社では、従業員の主観的ウェルビーイングを定量的に評価するための調査を実施しております。この調査では、従業員一人一人が毎月、自分自身の状態を振り返り、「今の自分はいい状態か?」という問いに答えることで、社内のウェルビーイング度を明らかにしております。
・ES(従業員満足度)調査 (匿名式アンケート、年1回実施)
当社では、従業員の満足度を把握し、働きやすい職場環境を整えるために、年1回、匿名式の従業員満足度(ES)調査を実施しております。
調査結果は、従業員の満足度や課題を明確にし、改善策を講じるための貴重なデータとして活用しております。
・全社方針発表
当社では、毎年4月に全社方針発表をオンライン形式で実施しております。この場は、前期の成果を振り返り、各部署の課題を共有するとともに、当期の目標を明確化するための重要な機会と位置付けております。全社員が共通の理解と方向性を持つことで、組織全体として一体感を強化し、目標達成に向けた活動を円滑に進めることを目的としております。
・全社総会
毎年1回社員が一堂に会し、共通の目標や価値観を共有します。総会では、優れた業績や貢献を称える機会となっており、成果についてお互いを讃え合う組織文化が醸成され、社員のチームワークを深める場となっております。
・サークル活動
当社では、社員同士の交流を促進し、働きやすい職場環境を構築するために、サークル活動を積極的に支援しております。部門や職位の垣根を越えたコミュニケーションの場として、サークル活動は社員同士の親睦を深める場として促進しております。
2026年3月期末時点では、新たに3つのサークルが発足し、多様な趣味や関心を反映した11のサークルが活動中です。スポーツや文化活動をはじめ、趣味の合う仲間が集まるこの取組みには多くの社員が参加しております。各サークルは定期的な活動やイベントを通じて、社員一人ひとりが日々の業務のリフレッシュができる場を提供しております。また、本社・事業所を含めて、社内の新しい人間関係を築くきっかけとしても重要な役割を果たしております。
今後も、社員の声を取り入れ、新たなサークルの設立や支援体制の強化を行いながら、より多くの社員が参加できる環境を整えていく予定です。
Ⅰ 人的資本経営の方針と戦略フレーム
当社の人的資本経営戦略において、当社は、人材育成を最重要課題と位置付けており、その方針として「提案人材」の育成を掲げております。2026年3月期からは「提案人材」を「チャレンジや変化を楽しみ、自らの役割を超えて積極的に経営に参加し、組織の成長と発展に貢献する人材」へと定義しております。
この定義には、変化を自らの成長機会と捉えることと、そのような一人ひとりのチャレンジが自らの属する組織のレジリエンス(強靱性)につながっているという考え方を込めております。すなわち、社員一人ひとりが変化を前向きに捉えるとともに、そのような個人のチャレンジを組織の取組みとして全体で支えることで、個人の成長と組織のレジリエンスが両輪となって、当社の持続的な成長、長期的な企業価値の向上をもたらすものと考えております。
さらに、当社は、当社の「企業価値」を、売上高、利益、キャッシュ・フローといった財務指標で測られる「経済的価値」と、社員を含むステークホルダーや環境資源を含む社会一般に対して当社が還元する価値としての「社会的価値」の総和と捉えており、両方の価値を長期的に向上させることを目指しております。すなわち、当社の財務指標の成長を目指しながら、それを実現するための前提として経営資源提供者(ステークホルダー)へ価値を還元していくことを目指しております。とりわけ後者については、「社会インパクトの創出」として充実させる取組みを行っております。社会インパクトとは、当社のシニア事業において、「EGAO link」の導入や科学的介護で培った業務効率化や生産性向上といったこれまでの当社の事業を通じて培った質の高いサービスを提供できるノウハウを介護業界全体に展開し、現場の質的改善や人材不足といった業界に広がる構造的課題に寄与すること、そしてその変革を支える資質を備えた人材を育成・輩出していくことを指しております。また、不動産事業においては、新耐震基準施行前の老朽化不動産の再生と屋上庭園付きの介護付きホームの取組みを通じて、地域の安全性向上や環境改善に寄与しております。これらの取組みにより、地域社会の活性化や持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献することを指しております。
これらの取組みは、当社の経済的価値を向上させるためのシニア事業及び不動産事業の経営戦略と直結しており、人的資本の強化を通じて事業の成長と社会課題の解決とを両立させるものです。すなわち、当社は人的資本への投資を単なる人材育成にとどめず、持続可能な社会を構築するための経営資源と捉え、その成果を業界全体に波及させる(還元する)ことで中長期的な企業価値の向上と経営戦略の実現を図っております。
Ⅱ 人材マネジメントと処遇方針
当社は、安定的かつ質の高いサービス提供を実現するため、従業員一人ひとりの能力を最大限に引き出す人材マネジメントを重視しております。
従業員給与等の決定にあたっては、役割、業務遂行能力ならびに成果を総合的に評価し、適切な処遇を行うことを基本方針としております。評価制度においては、目標設定面談およびフィードバック面談を通じて、業務目標の明確化と達成状況の振り返りを行い、従業員の育成および能力開発につなげる仕組みとしております。
評価結果については、半年に一度の評価を賞与に反映するとともに、年に一度の評価結果に基づき昇給額を決定しております。
これにより、短期的な成果と中長期的な成長の双方を処遇に反映し、従業員のモチベーション向上およびサービス品質の継続的な向上を図っております。
以上のⅠ及びⅡの取組みを通じて、当社のプロミスである「7つの行動規範」(PROMISE)の実践をより確かなものとし、従業員のやりがいや成長機会の創出、並びに質の高い人材獲得につなげてまいります。
これにより「あらゆる方々の良きパートナーとして…」という当社の思い(VISION)、「世代を超えた暮らし提案型企業」という私たちの使命(MISSION)を実現し、ステークホルダーの皆さまに長く選ばれ続ける企業を目指して取り組んでまいります。
<アズパートナーズのVISION/MISSION/PROMISE>

<人的資本経営の戦略>

<人的資本経営の戦略>の図に示すとおり、当社の人的資本経営は、VISION/MISSION/PROMISEを起点として、「採用戦略の強化」「従業員育成とキャリアパス」「心身の健康管理の充実」「ダイバーシティの推進」「ウェルビーイングの向上」の5つの構成要素を通じて「提案人材」を育成し、その提案人材による変革行動が当社の3つの提案(少子高齢社会の持続可能性/多様な人の幸せ/サステナブルな街づくり)の実現につながり、社会インパクトおよび財務インパクトの創出を通じて、より高いレベルの企業文化へ昇華する循環構造として推進しております。これらの構成要素の運用にあたり、当社は以下のポイントを重要視しております。
■育成プロセスの全体最適化
当社は、提案人材の輩出から文化形成に至るまでのプロセスを一連の流れとして捉え、企業理念・戦略・取組み・行動・成果のつながりを重視しております。これにより、提案人材育成がどのように企業価値と社会価値に結びつくかを明確に示すとともに、その実効性向上に取り組んでまいります。
■企業価値・社会価値への循環的還元
当社の人的資本経営フレームにおいては、育成した「提案人材」が当社のVISION/MISSION/PROMISEの実現を支え、さらに中長期的な企業価値や財務インパクト・社会インパクト創出へとつながる循環構造を重視しております。これは、当社の人事戦略と経営戦略との連動を示すものです。
■成果指標としての「エンゲージメントの向上」
「エンゲージメントの向上」については、従来の育成要素の一つとしてではなく、各構成要素が機能した結果として現れる重要な成果指標として位置付け、継続的な向上を図ってまいります。
■育成基盤としての「ウェルビーイングの向上」
「ウェルビーイングの向上」については、提案人材育成の基盤を形成する重要な構成要素として位置付けております。当社では、これを「社員一人ひとりが自己の状態に向き合い、安心・活力・挑戦のバランスを保ちながら行動できる力」と捉え、今後の人的資本経営において継続的にその向上に向けた取り組みを推進してまいります。
以上のように、当社は人的資本経営における戦略を「人材育成」だけにとどめず、組織文化形成や社会課題の解決と結びつけるものと捉えております。これらの戦略を通じて、「世代を超えた暮らし提案型企業」という当社のMISSIONの実現と企業価値の向上を目指してまいります。
①人材確保と採用戦略の強化
当社は、新卒採用を重視しております。新卒者は、新たな視点とエネルギーをもたらし、当社の成長と革新に対する重要な推進力になっており、持続的な競争力を維持し、中長期的に企業価値を向上させることが可能となっております。
そのため、新卒採用は、当社の長期的な人材開発戦略の中心的な要素であり、2021年3月期以降、毎年100人以上の新卒採用を実施しております。
新卒採用では非福祉系専攻の学生が90%以上であり、異なる学問分野、地域、文化から来る多様な視点を持ち込むことで、創造性と革新性を高めております。新卒者は、特に当社のビジョンとミッションに共感して入社していることから、ベンダーと共同開発したICT・IoTプラットフォーム「EGAO link」等により最先端の取組みを継続・発展していくためには、新卒者の柔軟な思考や発想が不可欠です。
また、2025年3月期より、当社は特定技能の外国人材の採用を開始しております。新卒者、中途採用者、特定技能の外国人材と、異なるバックグラウンドと経験を尊重し、相互に学び合う文化を醸成します。これにより、多様な視点が取り入れられ、イノベーションが促進します。
(新卒者・特定技能の外国人材採用実績)
| 指標 | 2023年3月期 (2022年4月入社) | 2024年3月期 (2023年4月入社) | 2025年3月期 (2024年4月入社) | 2026年3月期 (2025年4月入社) |
| 新卒者 | 174人 | 178人 | 190人 | 171人 |
| 特定技能の 外国人材 | - | - | 11人 | 82人 |
②従業員育成とキャリアチャレンジ制度
従業員の専門的な知識やスキルを持続的に向上させるために、研修プログラムの充実やキャリアチャレンジ制度の機会提供を行っております。
・研修プログラム
専門スキルの取得・管理者育成向けの研修プログラムを実施しております。また、2025年3月期より、介護DXの促進のため、介護DX人材育成制度を新設し、選抜者向けの研修プログラムを実施しております。2026年3月期には、介護DX人材6名が外部のお客様先へコンサルタントとして従事いたしました。
また、新卒者を対象に、入社後5年目まで行われるフォローアップ研修を実施し、サービス向上に必要な知識・スキルの習得に加え、従業員の成長および企業文化の醸成につながるスタンス向上を図っております。これに加え、毎月開催されるハイスタンダード研修では、法定項目内容に加えて、当社が強みとしている個別アクティビティの提案に役立てるための能力開発を行っております。
・ワークショップ「Designing the Future Summit」の開催
当社が2026年3月期より重視する「提案人材」の育成および「エンゲージメントの向上」「ウェルビーイングの向上」の実現に向けた取組みの一環として、若手・次世代人材を対象とした選抜型ワークショップ「Designing the Future Summit」を開催いたしました。本ワークショップでは、事業所見学を通じた視野の拡大や他事業所への理解促進に加え、経営層との対話を通じて、会社の未来や経営層の想いを共有する場を設けております。
また、「10年後のアズパートナーズ」をテーマとした未来デザインワークを通して、中長期視点での組織づくりやキャリア形成について議論を実施いたしました。さらに、懇親会の場を通じた参加者の状態把握やキャリア提案も行い、継続的な選抜育成・タレントマネジメントの強化を推進しております。
今後も、本ワークショップを継続的に実施することで、次世代を担う人材の育成と、組織の持続的な成長基盤の構築を進めてまいります。
・キャリアチャレンジ制度とキャリア相談窓口の設置
従業員に成長とキャリア発展の機会を提供し、スキルや能力を向上させることを目的として、キャリアチャレンジ制度を設けております。社内の人材を適切な役割や責任に配置することで、従業員のモチベーションの向上、組織全体のパフォーマンスの向上へつなげております。
また、キャリア相談窓口を設置し、従業員が自身のキャリア目標や成長を相談し、適切なアドバイスやガイダンスを受ける機会を提供しております。従業員は自身のキャリアパスを考え、組織がそれを支援することで、従業員の成長や満足度の向上につなげております。
これに加え、年1回、キャリア意向調査を実施し、従業員の希望と適正を踏まえた人事異動を行っております。
③心身の健康管理の充実
従業員の健康管理とメンタルヘルスケアを重視しております。定期的な健康チェックやインフルエンザワクチン接種の機会の提供に加えて、チャット型で医療相談ができる福利厚生制度も整備しております。
特に健康診断は各事業所へ健診カーや健診従事者を手配し、従業員が健康診断を受けやすい環境を提供しております。二次健康診断については、担当部署より積極的に受診の働きかけを行っております。
各事業所では腰痛予防として、毎日の体操プログラムを推進すると共に、2026年3月期の研修プログラムより、ノーリフトケア研修を取り入れ、従業員の健康の維持をサポートすることで、従業員が安全かつ健康的に業務を遂行できる環境を整えております。
・「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」認定の取得
こうした健康管理の取組みが外部からも評価され、2026年3月期において、当社は経済産業省・日本健康会議が認定する「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」を取得いたしました。これは、従業員の心身の健康増進に対する継続的な投資、ならびにDE&Iを踏まえた柔軟な勤務体制の整備等が評価されたものであります。
今後も、健康経営の取組みを更に推進し、従業員一人ひとりのウェルビーイング向上と、企業価値の持続的な向上の両立を図ってまいります。
④ダイバーシティの推進
当社では、社会的な不平等を解消し、機会均等を実現すべく、ダイバーシティを推進しています。
・女性管理職比率と男女の賃金格差
当社のケアチーフ以上の女性管理職比率は35.6%(係長相当職:15.8%)、会社全体の男女の賃金格差は79.0%(76.6%)(「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出)です。当社は、性別に関係なく、個人の能力とポテンシャルを評価し、適正な報酬とキャリアパスを提供することを大切にしております。また、同じ役割であれば、男女で賃金の差はなく、男女の賃金格差は、主に勤続年数の長い社員に男性比率が高いこと、管理職に男性比率が高いことが要因です。
※( )内は「出典:令和6年度雇用均等基本調査(厚生労働省)」
| 指標 | 2024年 3月期実績 | 2025年 3月期実績 | 2026年 3月期実績 | 2027年 3月期目標 |
| 女性管理職比率 ※1 | 39.8% | 40.4% | 35.6% | 41.0% |
| 男女間賃金格差 | 78.2% | 80.2% | 79.0% | 78.4% |
| 男性育児休業取得 | 50.0% | 81.8% | 92.3% | 90.0% |
| 女性育休復帰率 | 90.0% | 90.5% | 95.5% | 95.0% |
| 女性育休復帰後定着率※2 | 80.0% | 85.7% | 66.7% | 85.0% |
※1 ケアチーフ以上
※2 育休復帰後1年間以上勤務している社員
・特定技能外国人材のオンボーディングと受け入れ促進
当社では、多様な人材が安心して能力を発揮できる環境整備の一環として、特定技能外国人材の受け入れおよびオンボーディングを推進しております。インドネシア、ミャンマー、バングラデシュ、フィリピン等から特定技能外国人材を受け入れ、多様な価値観や文化的背景を持つ人材が活躍できる組織づくりを進めております。
また、入国・入社後には、特定技能外国人材を対象とした入社セレモニーや研修を実施し、日本語や企業理念への理解促進に加え、日本で安心して働くための基盤づくりを行っております。これにより、当社への理解を深め、働く意欲や職場への適応力向上につなげております。
さらに、受入事業所に対しては、文化的背景や価値観の違い、受け入れ時の留意点等に関する事前研修を実施し、円滑な受け入れ体制の整備と相互理解の促進に取り組んでいます。今後も、特定技能外国人材の受け入れおよび定着支援を継続的に推進し、多様な人材が安心して活躍できる環境づくりを進めることで、サービス品質の向上および持続的な組織成長につなげてまいります。
⑤ウェルビーイングの向上
当社は従業員のウェルビーイングを向上し、満足度を向上させることに注力しております。
全社や部署・事業所ごとの状態を把握するため、定期的な調査と相関分析を行い、各部署に対してフィードバックを行っております。
・従業員コンディション調査(1on1、毎年2回実施)
従業員コンディション調査では、従業員一人ひとりの仕事満足度・健康状態・人間関係の3つの項目について、従業員のコンディションを確認することに加え、従業員が部署内に相談できないことを直接、人事担当者へ相談できる仕組みを整えております。面談では、従業員の仕事満足度等に対する声を傾聴すると共に、従業員の目標達成のために、面談者がフォローする役割も担っております。従業員は自身の成長や仕事満足度等について話し合うことができ、個別のニーズに対応するための具体的なアクションを共有することも可能です。これにより、従業員は自身の価値を認められ、自己成長の意欲や組織への貢献意識向上を図っております。
・ウェルビーイング調査(匿名式アンケート、原則毎月1回実施)
当社では、従業員の主観的ウェルビーイングを定量的に評価するための調査を実施しております。この調査では、従業員一人一人が毎月、自分自身の状態を振り返り、「今の自分はいい状態か?」という問いに答えることで、社内のウェルビーイング度を明らかにしております。
・ES(従業員満足度)調査 (匿名式アンケート、年1回実施)
当社では、従業員の満足度を把握し、働きやすい職場環境を整えるために、年1回、匿名式の従業員満足度(ES)調査を実施しております。
調査結果は、従業員の満足度や課題を明確にし、改善策を講じるための貴重なデータとして活用しております。
・全社方針発表
当社では、毎年4月に全社方針発表をオンライン形式で実施しております。この場は、前期の成果を振り返り、各部署の課題を共有するとともに、当期の目標を明確化するための重要な機会と位置付けております。全社員が共通の理解と方向性を持つことで、組織全体として一体感を強化し、目標達成に向けた活動を円滑に進めることを目的としております。
・全社総会
毎年1回社員が一堂に会し、共通の目標や価値観を共有します。総会では、優れた業績や貢献を称える機会となっており、成果についてお互いを讃え合う組織文化が醸成され、社員のチームワークを深める場となっております。
・サークル活動
当社では、社員同士の交流を促進し、働きやすい職場環境を構築するために、サークル活動を積極的に支援しております。部門や職位の垣根を越えたコミュニケーションの場として、サークル活動は社員同士の親睦を深める場として促進しております。
2026年3月期末時点では、新たに3つのサークルが発足し、多様な趣味や関心を反映した11のサークルが活動中です。スポーツや文化活動をはじめ、趣味の合う仲間が集まるこの取組みには多くの社員が参加しております。各サークルは定期的な活動やイベントを通じて、社員一人ひとりが日々の業務のリフレッシュができる場を提供しております。また、本社・事業所を含めて、社内の新しい人間関係を築くきっかけとしても重要な役割を果たしております。
今後も、社員の声を取り入れ、新たなサークルの設立や支援体制の強化を行いながら、より多くの社員が参加できる環境を整えていく予定です。