訂正有価証券報告書-第9期(2024/11/01-2025/10/31)
対処すべき課題
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「一人ひとりの時間を豊かに」というビジョンのもと、「「はたらく」を通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」をミッションに掲げ、有料職業紹介事業として「働きたい時間」と「働いてほしい時間」をマッチングするスキマバイトサービス「タイミー」を全国へ展開しております。「ジブンゴト」「理想ファースト」「やっていき」「ブースター」の4つのバリュー(注1)を当社グループ共通の価値観として大切にしながら、新しい「はたらく」インフラとして、一人ひとりが自身の可能性を広げていける社会を目指しております。
(注1)それぞれのバリュー(社員の行動基準)の詳細は以下のとおりです。

(2)経営戦略及び目標とする経営指標等
当社は、クライアントの掲載する求人情報に対してワーカーが申し込みを行い、ワーカーの勤務終了後にワーカーに支払う賃金報酬等の30%程度を手数料として徴収する成果報酬型の料金体系を採用しており、2025年10月期の平均手数料率実績は29.3%となっており、2021年10月期第2四半期以降、30%を若干下回る水準を維持しております。そのため、ワーカーに支払われる賃金報酬等の合計である流通総額を増大させることが、当社売上高の継続的な成長へとつながります。「タイミー」は従来とは異なる新しい働き方を提供していることから、ワーカー・クライアント双方における認知度・シェア拡大が重要となっております。また、クライアントにとって“今働ける人がすぐに見つかる”(ワーカーにとって“今働ける仕事がすぐに見つかる”)サービスであり続けるためには、高水準の稼働率を維持することが重要であります。そのため、流通総額、登録ワーカー数、累積アクティブワーカー数(サービス開始から各四半期末までの間に1回以上稼働したワーカー数)、登録クライアント事業所数、アクティブアカウント数を重要な経営指標として考えております。各指標の足元の推移は以下のとおりです。
(3)経営環境及び中期的な会社の経営戦略
近年、日本は少子高齢化が進み、生産年齢人口(注1)は1995年の8,716万人(注2)をピークに減少を続け、2070年には4,535万人(注3)まで減少すると予測されており、人材確保は企業経営において最重要課題となっております。また、2020年4月1日には「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」が施行され、企業には正規雇用と非正規雇用にとって同一労働・同一賃金の支払が求められ、非正規雇用における状況に大きな変革が生じてきております。
働き手に目を向けると、政府が推進する働き方改革の一環として、副業・兼業の解禁・促進が広がっており、多様な働き方を求める社会潮流は今後ますます広がっていくと考えております。そのような社会的背景から、「働く」にパラダイムシフトを起こし、時代に合わせた新しい「働き方」を提供する当社グループへの需要は今後も拡大していくものと考えております。
日本の生産年齢人口は年々減少(注4)

そのような状況の下、当社グループとしては、我が国において非正規就業者は2,122万人(注5)、副業意向のある正規就業者は1,532万人存在していると推計(注6)しており、これらの潜在的な労働力がスポットワークという新しい働き方を通じて顕在化することでスポットワークの市場自体が急速に拡大し、2030年度には1,000億円(注7)を超える規模まで成長すると捉えております。企業が非正規の人材獲得にかける予算においては、その規模は派遣領域が9,194億円(注8)、求人広告(アルバイト)領域が2,150億円(注9)と推計しており、当社サービスのプラットフォームに蓄積された膨大な勤務データを活かしてより広範なソリューション開発を推進することで、スポットワークが新たに切り開く市場と合わせてこれらの膨大な市場機会にアプローチできるものと考えております。また、ソリューション開発は正社員領域まで拡大し、新規事業である正社員人材紹介サービス「タイミーキャリアプラス」の市場規模は、8,442億円(注10)と推計しております。

(注1)15歳以上65歳未満の人口であり、生産活動の中心にいる人口層
(注2)総務省「平成7年国勢調査」
(注3)国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」出生中位・死亡中位推計の結果
(注4)2020年までは総務省統計局「国勢調査」。2025年以降の推計値は、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」より、出生中位・死亡中位推計の結果に基づく
(注5)総務省統計局「労働力調査」(2025年11月公表分)
(注6)正規労働者(副業意向者)数は正規労働者数と副業意向のある正社員の割合の積として算出。正規労働者数は総務省統計局「労働力調査」(2025年11月公表分)、副業意向のある正社員の割合はパーソル総合研究所「第三回副業の実態・意識に関する定量調査」(2023年)に基づく
(注7)矢野経済研究所「スポットワーク仲介サービス市場の現状と展望」(2025年度)の単発バイト求人情報サービスに基づく
(注8)人材派遣業の市場規模:約9.58兆円(矢野経済研究所「人材ビジネスの現状と展望」(2025年度))÷ 派遣料金:1,969円(厚生労働省「労働者派遣事業報告書の集計結果」(令和5年度)の社会福祉、一般事務、営業・販売関連事務、外勤事務、商品販売、介護サービス職業、生活衛生サービス、接客・給仕、その他のサービス、農業、林業、漁業、自動車運転、運搬、清掃、包装、その他の運搬・清掃・包装等の平均派遣料金)× タイミー手数料:339円(プラットフォーム上の平均時給×30%)× 当社分析に基づく比較的単純・簡易作業とされる職種に従事する就業者の割合:55.7%(総務省「労働力調査」(2025年10月)の保健医療、販売、サービス職業、農林漁業、生産工程、輸送・機械運転、運搬・清掃・包装等に従事する就業者の全体に対する割合)
(注9)矢野経済研究所「人材ビジネスの現状と展望」(2025年度)のアルバイト・パート・派遣求人情報サービスに基づく。
(注10)正規雇用の転職者数:約2.2百万人(厚生労働省「雇用動向調査結果の概要」(令和6年))× 当社分析に基づく人材紹介の対象となりうる職種に従事する就業者の割合:65.8%(厚生労働省「雇用動向調査結果の概要」(令和6年)情報通信業、金融業、保険業、不動産業、物品賃貸業、学術研究、専門・技術サービス業、教育・学習支援業、医療、福祉以外の産業の全体に対する割合))× 年収400万円未満比率:約48%(国税庁「民間給与実態調査結果」(令和6年))× タイミーキャリアプラス手数料:約1.2百万円(想定年収400万円×30%)
当社グループの経営戦略は以下のとおりです。
①「スキマバイト・シフト」
当社グループは、中長期戦略の柱として「スキマバイト・シフト」を掲げております。これは、世の中のあらゆる仕事を、誰もが柔軟かつ軽やかに取り組める「はたらく機会」へと変えていくことを目指すものであります。
この「スキマバイト・シフト」を実現する上で、当社が最も重要視しているのがBPR(Business Process Re-Engineering:業務プロセスの再設計)であります。
スポットワークの活用を最大化するには、クライアントにおける既存の業務プロセスそのものを、スポットワーカーが即戦力として活躍できる形にアップデートする必要があります。当社は、業務を細分化・標準化し、ワーカーがスキルや経験に依らず「軽やかに踏み出せる」業務ステップを創出するBPRのノウハウを蓄積してまいりました。このBPRの実行により、クライアント(顧客)に対しては即戦力となる業務を創出することで、深刻な人手不足の解消に直接貢献し、ワーカー(働き手)に対しては仕事へのハードルを下げ、新しい「はたらく」へ踏み出すための架け橋となります。このBPRを遂行できる営業体制と、それによって蓄積される膨大なノウハウが、当社の圧倒的な競争優位の源泉となります。
当社グループは、これらを通じて、深刻な人手不足という社会課題の解決と、新しい働き方の実現を両立させる、労働市場における独自のポジションを確立してまいります。

(注11)イメージ画像
②エンゲージメントを高める機能開発
当社は、サービス開始以来、ワーカー・クライアント双方に対して様々なプロダクトを開発してまいりました。
プロダクト開発の軌跡(注12)

(注12)各機能の詳細は以下のとおりです。
1.タイミーメンバーシップ
勤務実績・経験値に応じてワーカーのレベルとグレードが蓄積されるロイヤリティプログラム。
2.お仕事リクエスト機能
クライアントが特定のワーカーに限定した募集を掲載できる機能。
3.スマート開設
クライアント向けの営業担当を介さないアカウント作成機能。
4.タイミーエキスパート
高い評価の獲得など一定の条件達成後にワーカーへ自動で付与される称号。タイミーエキスパートになると、新しい募集の通知・表示をいち早く受け取ることが可能。
5.パーソナライズおすすめ機能
ワーカー向けのレコメンド機能。
6.検便
ワーカー・クライアント双方向けの検便検査対応。
7.ワーカープールダッシュボード
一定の距離圏内のワーカーを可視化する機能。
8.タイミーキャリアプラス
正社員採用サービス。
9.NFCタグ
NFCタグを用いてスマートフォンで出退勤を管理できる機能。
10.アルムナイ機能
アルバイトのOBOGを対象としてクライアントグループ内で限定公開を行うことができる機能。
11.求人公開範囲の自動切替
「グループ限定公開」の求人を自動で「一般公開」に切り替える機能。
12.年額報酬による稼働制限解除機能
事業者が所定の手続きを行うことで、ワーカーの年額報酬上限による稼働制限を解除できる機能。
例えば、ワーカーが相互レビューを通じて蓄積した信頼だけでなく、実際に就業して得た経験・スキルもバッジという形で可視化しております。ワーカーにとっては、自身のスキルを向上させるインセンティブになると同時に、バッジで裏付けされた経験・スキルに応じた報酬のアップが期待できます。クライアントはバッジ付与者に限定して求人を出すことも可能で、高いスキルが求められる求人も「タイミー」で募集することが可能となっております。加えて、ワーカープールダッシュボードは、クライアントの各事業所の周辺にどのようなスキルを持ったワーカーがどれだけ存在するかを可視化しております。これにより、クライアントは掲載後のマッチングのイメージを持ったうえで募集を開始することも可能となります。
また、ワーカーの各求人情報の閲覧履歴、就業履歴を元に、それぞれのワーカーの選好に即した求人情報をレコメンドする機能を継続的に改良しております。
今後も、蓄積されたデータを活用し、ワーカー・クライアント双方のエンゲージメントをより一層高めるために、プロダクト開発を実施してまいります。
③蓄積された信頼をもとにしたインフラの進化
「タイミー」での就業実績が信頼価値としてプラットフォーム内に蓄積され、それが新たな就業機会や人生の可能性を広げる好循環を生み出すフライウィール効果の創出により、社会インフラとしての進化を目指す方針を掲げております。
この戦略の基盤となるのが、独自の「信頼」データの構築であります。従来の学歴・職歴・資格といった「過去の実績に基づく信用」に加え、当社プラットフォーム上での稼働回数・GOOD率・バッジ獲得状況・高難易度業務の実績といった「タイミー」を通じて得られる期待値を統合し、これらを掛け合わせることで、より精緻で動的な信頼情報を生成し、将来的には教育・資格取得支援、福利厚生、給与前払い(バンク)、融資優遇といった周辺サービスの拡充などの、「人生の可能性を広げるインフラ」としての新たな価値創出を目指しております。

(注13)イメージ画像
④海外展開
未曾有の少子高齢化・人口減少時代が到来した日本が直面する労働力不足とそれに対して「タイミー」が提供するソリューションは、今後、同様の課題に直面する様々な国々にも適用が可能だと考えております。市場規模、労働人口、求人慣行、各種規制等を総合的に勘案した上で、海外展開の実施を検討してまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが、更なる事業拡大のために対処すべき課題は、以下のとおりであると認識しております。
①サービスの健全性強化
当社グループが、プラットフォームの安全性を維持・強化していくためには、サービスの不正利用を防止し、より一層安心安全にスポットワークのマッチングサービスをご利用いただける環境を整えることが重要な課題であると考えております。当連結会計年度においてはサービスの不正利用対策を強化するため、既存クライアントの実態調査の再実施及び新規クライアントの「タイミー」利用開始に際しての公的書類提出の必須化、クライアントの求人原稿をプラットフォームに掲載前に全件チェックする体制の構築を行いましたが、これらを基盤としてサービスの成長ステージに合わせた運用を行い、引き続きプラットフォームの健全性の維持・強化を図ってまいります。
②開発力・技術力の強化
競争力のあるアプリケーションを提供していくためには、新たな情報技術やサービスをタイムリーに採用し、常に新しいアプリケーションを創造し続けていくことが重要な課題であると考えております。そのために、労働環境の変化や「タイミー」サービス利用者の要望を効率よく吸収し、質の高いアプリケーションを提供してまいります。
③優秀な人材の確保
事業の継続的な成長を実現するためには、優秀な人材を採用すると同時に、全従業員が経営方針を理解して、強い企業文化を醸成していくことが重要であると考えております。スタートアップにおける採用市場は、近年逼迫しておりますが、リファラル採用の推奨や採用イベントの積極的な登壇等の多様な採用チャネルを活用し、優秀な人材を獲得してまいります。
④内部管理体制の強化
当社グループは成長段階にあり、業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。当社グループが効率的に事業拡大できる体制の確立に向けて、コンプライアンスの徹底及び内部統制の強化を重要な課題として認識しております。これまでも体制整備を進めてまいりましたが、今後も事業規模の拡大に伴って人的補充を行い、定期的な内部監査の実施によるコンプライアンス体制の強化、監査役監査の実施によるコーポレート・ガバナンスの充実などを行っていく方針であります。
⑤業務の効率化による生産性向上
事業規模の拡大に備えた増員は、一方で人件費等のコストアップに繋がり当社グループの利益圧迫要因となります。当社グループは、全業務のプロセスの継続的な見直しを行い、無駄を削減し業務の効率化を図ってまいります。また、基幹システムを中心にシステム投資を強化し、インフラ面を改善するとともに業務の省力化による生産性向上を図ってまいります。
⑥業務基幹システムの維持・強化
当社グループの業務は、クライアントを個別にかつ的確に管理し、必要な時に迅速に売上情報等の把握ができることが業務遂行上重要であり、その管理の根幹をなす自社開発の基幹システムを安定的に稼働させることが経営戦略上非常に重要な課題であります。昨今の事業拡大、事業の継続的発展に伴い、当該システムに対する負荷は比例的に増大しますので、機能の拡充を継続的に実施していく方針であります。
⑦規律ある投資の実行
従来からテレビコマーシャルやデジタル広告を活用した認知度向上及び顧客拡大のための広告宣伝や、当社サービスを拡大していくための開発人員等の採用など、積極的に投資を行ってまいりました。今後も高い成長率を持続していくために継続的に投資を行っていく方針ですが、費用対効果を考慮するのみならず、営業損益の水準を鑑みたコストコントロールを行い、規律ある投資を実行してまいります。
⑧財務基盤の強化
当社グループは、ワーカーに対して、勤務終了後に賃金報酬等の立替払いを行うため、当該立替を行うための手許資金の流動性の確保が重要であると認識しております。2025年10月末時点において9つの金融機関との間で総額33,000百万円の当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しており、借入による資金調達も可能であることから、優先的に対処すべき財務上の課題はないと考えておりますが、今後の事業拡大に備えて、更なる内部留保の確保と営業キャッシュ・フローの改善等により財務基盤の強化を図ってまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「一人ひとりの時間を豊かに」というビジョンのもと、「「はたらく」を通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」をミッションに掲げ、有料職業紹介事業として「働きたい時間」と「働いてほしい時間」をマッチングするスキマバイトサービス「タイミー」を全国へ展開しております。「ジブンゴト」「理想ファースト」「やっていき」「ブースター」の4つのバリュー(注1)を当社グループ共通の価値観として大切にしながら、新しい「はたらく」インフラとして、一人ひとりが自身の可能性を広げていける社会を目指しております。
(注1)それぞれのバリュー(社員の行動基準)の詳細は以下のとおりです。

(2)経営戦略及び目標とする経営指標等
当社は、クライアントの掲載する求人情報に対してワーカーが申し込みを行い、ワーカーの勤務終了後にワーカーに支払う賃金報酬等の30%程度を手数料として徴収する成果報酬型の料金体系を採用しており、2025年10月期の平均手数料率実績は29.3%となっており、2021年10月期第2四半期以降、30%を若干下回る水準を維持しております。そのため、ワーカーに支払われる賃金報酬等の合計である流通総額を増大させることが、当社売上高の継続的な成長へとつながります。「タイミー」は従来とは異なる新しい働き方を提供していることから、ワーカー・クライアント双方における認知度・シェア拡大が重要となっております。また、クライアントにとって“今働ける人がすぐに見つかる”(ワーカーにとって“今働ける仕事がすぐに見つかる”)サービスであり続けるためには、高水準の稼働率を維持することが重要であります。そのため、流通総額、登録ワーカー数、累積アクティブワーカー数(サービス開始から各四半期末までの間に1回以上稼働したワーカー数)、登録クライアント事業所数、アクティブアカウント数を重要な経営指標として考えております。各指標の足元の推移は以下のとおりです。
| 期 | 年月 | 流通総額 (百万円) | 登録ワーカー数(サービス開始以降の累計)(千人) | 累積アクティブ ワーカー数 (サービス開始以降の累計)(千人) | 登録クライアント 事業所数 (サービス開始以降の累計)(千拠点) | アクティブ アカウント数(千拠点) |
| 2020年10月期 | 第1四半期 | 461 | 915 | 23 | 9 | 6 |
| 第2四半期 | 307 | 1,348 | 29 | 16 | 4 | |
| 第3四半期 | 252 | 1,447 | 33 | 23 | 3 | |
| 第4四半期 | 526 | 1,537 | 42 | 28 | 5 | |
| 通期 | 1,547 | 1,537 | 42 | 28 | 20 |
| 期 | 年月 | 流通総額 (百万円) | 登録ワーカー数(サービス開始以降の累計)(千人) | 累積アクティブ ワーカー数 (サービス開始以降の累計)(千人) | 登録クライアント 事業所数 (サービス開始以降の累計)(千拠点) | アクティブ アカウント数(千拠点) |
| 2021年10月期 | 第1四半期 | 875 | 1,696 | 56 | 33 | 8 |
| 第2四半期 | 879 | 1,858 | 68 | 38 | 8 | |
| 第3四半期 | 1,043 | 2,000 | 80 | 43 | 9 | |
| 第4四半期 | 1,578 | 2,163 | 98 | 48 | 11 | |
| 通期 | 4,376 | 2,163 | 98 | 48 | 37 | |
| 2022年10月期 | 第1四半期 | 3,016 | 2,325 | 132 | 60 | 23 |
| 第2四半期 | 3,962 | 2,747 | 185 | 70 | 24 | |
| 第3四半期 | 5,817 | 3,069 | 245 | 79 | 37 | |
| 第4四半期 | 8,114 | 3,535 | 323 | 90 | 42 | |
| 通期 | 20,910 | 3,535 | 323 | 90 | 128 | |
| 2023年10月期 | 第1四半期 | 12,410 | 4,227 | 448 | 105 | 63 |
| 第2四半期 | 11,368 | 4,747 | 537 | 121 | 70 | |
| 第3四半期 | 13,426 | 5,374 | 638 | 143 | 85 | |
| 第4四半期 | 17,297 | 6,089 | 771 | 176 | 106 | |
| 通期 | 54,503 | 6,089 | 771 | 176 | 326 | |
| 2024年10月期 | 第1四半期 | 21,426 | 6,866 | 928 | 220 | 141 |
| 第2四半期 | 20,535 | 7,751 | 1,065 | 254 | 148 | |
| 第3四半期 | 22,179 | 8,612 | 1,205 | 286 | 170 | |
| 第4四半期 | 26,637 | 9,595 | 1,382 | 316 | 189 | |
| 通期 | 90,779 | 9,595 | 1,382 | 316 | 649 | |
| 2025年10月期 | 第1四半期 | 29,905 | 10,447 | 1,555 | 343 | 207 |
| 第2四半期 | 26,666 | 11,254 | 1,695 | 369 | 200 | |
| 第3四半期 | 28,367 | 11,983 | 1,841 | 392 | 215 | |
| 第4四半期 | 32,263 | 12,747 | 1,992 | 417 | 226 | |
| 通期 | 117,202 | 12,747 | 1,992 | 417 | 849 |
(3)経営環境及び中期的な会社の経営戦略
近年、日本は少子高齢化が進み、生産年齢人口(注1)は1995年の8,716万人(注2)をピークに減少を続け、2070年には4,535万人(注3)まで減少すると予測されており、人材確保は企業経営において最重要課題となっております。また、2020年4月1日には「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」が施行され、企業には正規雇用と非正規雇用にとって同一労働・同一賃金の支払が求められ、非正規雇用における状況に大きな変革が生じてきております。
働き手に目を向けると、政府が推進する働き方改革の一環として、副業・兼業の解禁・促進が広がっており、多様な働き方を求める社会潮流は今後ますます広がっていくと考えております。そのような社会的背景から、「働く」にパラダイムシフトを起こし、時代に合わせた新しい「働き方」を提供する当社グループへの需要は今後も拡大していくものと考えております。
日本の生産年齢人口は年々減少(注4)

そのような状況の下、当社グループとしては、我が国において非正規就業者は2,122万人(注5)、副業意向のある正規就業者は1,532万人存在していると推計(注6)しており、これらの潜在的な労働力がスポットワークという新しい働き方を通じて顕在化することでスポットワークの市場自体が急速に拡大し、2030年度には1,000億円(注7)を超える規模まで成長すると捉えております。企業が非正規の人材獲得にかける予算においては、その規模は派遣領域が9,194億円(注8)、求人広告(アルバイト)領域が2,150億円(注9)と推計しており、当社サービスのプラットフォームに蓄積された膨大な勤務データを活かしてより広範なソリューション開発を推進することで、スポットワークが新たに切り開く市場と合わせてこれらの膨大な市場機会にアプローチできるものと考えております。また、ソリューション開発は正社員領域まで拡大し、新規事業である正社員人材紹介サービス「タイミーキャリアプラス」の市場規模は、8,442億円(注10)と推計しております。

(注1)15歳以上65歳未満の人口であり、生産活動の中心にいる人口層
(注2)総務省「平成7年国勢調査」
(注3)国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」出生中位・死亡中位推計の結果
(注4)2020年までは総務省統計局「国勢調査」。2025年以降の推計値は、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」より、出生中位・死亡中位推計の結果に基づく
(注5)総務省統計局「労働力調査」(2025年11月公表分)
(注6)正規労働者(副業意向者)数は正規労働者数と副業意向のある正社員の割合の積として算出。正規労働者数は総務省統計局「労働力調査」(2025年11月公表分)、副業意向のある正社員の割合はパーソル総合研究所「第三回副業の実態・意識に関する定量調査」(2023年)に基づく
(注7)矢野経済研究所「スポットワーク仲介サービス市場の現状と展望」(2025年度)の単発バイト求人情報サービスに基づく
(注8)人材派遣業の市場規模:約9.58兆円(矢野経済研究所「人材ビジネスの現状と展望」(2025年度))÷ 派遣料金:1,969円(厚生労働省「労働者派遣事業報告書の集計結果」(令和5年度)の社会福祉、一般事務、営業・販売関連事務、外勤事務、商品販売、介護サービス職業、生活衛生サービス、接客・給仕、その他のサービス、農業、林業、漁業、自動車運転、運搬、清掃、包装、その他の運搬・清掃・包装等の平均派遣料金)× タイミー手数料:339円(プラットフォーム上の平均時給×30%)× 当社分析に基づく比較的単純・簡易作業とされる職種に従事する就業者の割合:55.7%(総務省「労働力調査」(2025年10月)の保健医療、販売、サービス職業、農林漁業、生産工程、輸送・機械運転、運搬・清掃・包装等に従事する就業者の全体に対する割合)
(注9)矢野経済研究所「人材ビジネスの現状と展望」(2025年度)のアルバイト・パート・派遣求人情報サービスに基づく。
(注10)正規雇用の転職者数:約2.2百万人(厚生労働省「雇用動向調査結果の概要」(令和6年))× 当社分析に基づく人材紹介の対象となりうる職種に従事する就業者の割合:65.8%(厚生労働省「雇用動向調査結果の概要」(令和6年)情報通信業、金融業、保険業、不動産業、物品賃貸業、学術研究、専門・技術サービス業、教育・学習支援業、医療、福祉以外の産業の全体に対する割合))× 年収400万円未満比率:約48%(国税庁「民間給与実態調査結果」(令和6年))× タイミーキャリアプラス手数料:約1.2百万円(想定年収400万円×30%)
当社グループの経営戦略は以下のとおりです。
①「スキマバイト・シフト」
当社グループは、中長期戦略の柱として「スキマバイト・シフト」を掲げております。これは、世の中のあらゆる仕事を、誰もが柔軟かつ軽やかに取り組める「はたらく機会」へと変えていくことを目指すものであります。
この「スキマバイト・シフト」を実現する上で、当社が最も重要視しているのがBPR(Business Process Re-Engineering:業務プロセスの再設計)であります。
スポットワークの活用を最大化するには、クライアントにおける既存の業務プロセスそのものを、スポットワーカーが即戦力として活躍できる形にアップデートする必要があります。当社は、業務を細分化・標準化し、ワーカーがスキルや経験に依らず「軽やかに踏み出せる」業務ステップを創出するBPRのノウハウを蓄積してまいりました。このBPRの実行により、クライアント(顧客)に対しては即戦力となる業務を創出することで、深刻な人手不足の解消に直接貢献し、ワーカー(働き手)に対しては仕事へのハードルを下げ、新しい「はたらく」へ踏み出すための架け橋となります。このBPRを遂行できる営業体制と、それによって蓄積される膨大なノウハウが、当社の圧倒的な競争優位の源泉となります。
当社グループは、これらを通じて、深刻な人手不足という社会課題の解決と、新しい働き方の実現を両立させる、労働市場における独自のポジションを確立してまいります。

(注11)イメージ画像
②エンゲージメントを高める機能開発
当社は、サービス開始以来、ワーカー・クライアント双方に対して様々なプロダクトを開発してまいりました。
プロダクト開発の軌跡(注12)

(注12)各機能の詳細は以下のとおりです。
1.タイミーメンバーシップ
勤務実績・経験値に応じてワーカーのレベルとグレードが蓄積されるロイヤリティプログラム。
2.お仕事リクエスト機能
クライアントが特定のワーカーに限定した募集を掲載できる機能。
3.スマート開設
クライアント向けの営業担当を介さないアカウント作成機能。
4.タイミーエキスパート
高い評価の獲得など一定の条件達成後にワーカーへ自動で付与される称号。タイミーエキスパートになると、新しい募集の通知・表示をいち早く受け取ることが可能。
5.パーソナライズおすすめ機能
ワーカー向けのレコメンド機能。
6.検便
ワーカー・クライアント双方向けの検便検査対応。
7.ワーカープールダッシュボード
一定の距離圏内のワーカーを可視化する機能。
8.タイミーキャリアプラス
正社員採用サービス。
9.NFCタグ
NFCタグを用いてスマートフォンで出退勤を管理できる機能。
10.アルムナイ機能
アルバイトのOBOGを対象としてクライアントグループ内で限定公開を行うことができる機能。
11.求人公開範囲の自動切替
「グループ限定公開」の求人を自動で「一般公開」に切り替える機能。
12.年額報酬による稼働制限解除機能
事業者が所定の手続きを行うことで、ワーカーの年額報酬上限による稼働制限を解除できる機能。
例えば、ワーカーが相互レビューを通じて蓄積した信頼だけでなく、実際に就業して得た経験・スキルもバッジという形で可視化しております。ワーカーにとっては、自身のスキルを向上させるインセンティブになると同時に、バッジで裏付けされた経験・スキルに応じた報酬のアップが期待できます。クライアントはバッジ付与者に限定して求人を出すことも可能で、高いスキルが求められる求人も「タイミー」で募集することが可能となっております。加えて、ワーカープールダッシュボードは、クライアントの各事業所の周辺にどのようなスキルを持ったワーカーがどれだけ存在するかを可視化しております。これにより、クライアントは掲載後のマッチングのイメージを持ったうえで募集を開始することも可能となります。
また、ワーカーの各求人情報の閲覧履歴、就業履歴を元に、それぞれのワーカーの選好に即した求人情報をレコメンドする機能を継続的に改良しております。
今後も、蓄積されたデータを活用し、ワーカー・クライアント双方のエンゲージメントをより一層高めるために、プロダクト開発を実施してまいります。
③蓄積された信頼をもとにしたインフラの進化
「タイミー」での就業実績が信頼価値としてプラットフォーム内に蓄積され、それが新たな就業機会や人生の可能性を広げる好循環を生み出すフライウィール効果の創出により、社会インフラとしての進化を目指す方針を掲げております。
この戦略の基盤となるのが、独自の「信頼」データの構築であります。従来の学歴・職歴・資格といった「過去の実績に基づく信用」に加え、当社プラットフォーム上での稼働回数・GOOD率・バッジ獲得状況・高難易度業務の実績といった「タイミー」を通じて得られる期待値を統合し、これらを掛け合わせることで、より精緻で動的な信頼情報を生成し、将来的には教育・資格取得支援、福利厚生、給与前払い(バンク)、融資優遇といった周辺サービスの拡充などの、「人生の可能性を広げるインフラ」としての新たな価値創出を目指しております。

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④海外展開
未曾有の少子高齢化・人口減少時代が到来した日本が直面する労働力不足とそれに対して「タイミー」が提供するソリューションは、今後、同様の課題に直面する様々な国々にも適用が可能だと考えております。市場規模、労働人口、求人慣行、各種規制等を総合的に勘案した上で、海外展開の実施を検討してまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが、更なる事業拡大のために対処すべき課題は、以下のとおりであると認識しております。
①サービスの健全性強化
当社グループが、プラットフォームの安全性を維持・強化していくためには、サービスの不正利用を防止し、より一層安心安全にスポットワークのマッチングサービスをご利用いただける環境を整えることが重要な課題であると考えております。当連結会計年度においてはサービスの不正利用対策を強化するため、既存クライアントの実態調査の再実施及び新規クライアントの「タイミー」利用開始に際しての公的書類提出の必須化、クライアントの求人原稿をプラットフォームに掲載前に全件チェックする体制の構築を行いましたが、これらを基盤としてサービスの成長ステージに合わせた運用を行い、引き続きプラットフォームの健全性の維持・強化を図ってまいります。
②開発力・技術力の強化
競争力のあるアプリケーションを提供していくためには、新たな情報技術やサービスをタイムリーに採用し、常に新しいアプリケーションを創造し続けていくことが重要な課題であると考えております。そのために、労働環境の変化や「タイミー」サービス利用者の要望を効率よく吸収し、質の高いアプリケーションを提供してまいります。
③優秀な人材の確保
事業の継続的な成長を実現するためには、優秀な人材を採用すると同時に、全従業員が経営方針を理解して、強い企業文化を醸成していくことが重要であると考えております。スタートアップにおける採用市場は、近年逼迫しておりますが、リファラル採用の推奨や採用イベントの積極的な登壇等の多様な採用チャネルを活用し、優秀な人材を獲得してまいります。
④内部管理体制の強化
当社グループは成長段階にあり、業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。当社グループが効率的に事業拡大できる体制の確立に向けて、コンプライアンスの徹底及び内部統制の強化を重要な課題として認識しております。これまでも体制整備を進めてまいりましたが、今後も事業規模の拡大に伴って人的補充を行い、定期的な内部監査の実施によるコンプライアンス体制の強化、監査役監査の実施によるコーポレート・ガバナンスの充実などを行っていく方針であります。
⑤業務の効率化による生産性向上
事業規模の拡大に備えた増員は、一方で人件費等のコストアップに繋がり当社グループの利益圧迫要因となります。当社グループは、全業務のプロセスの継続的な見直しを行い、無駄を削減し業務の効率化を図ってまいります。また、基幹システムを中心にシステム投資を強化し、インフラ面を改善するとともに業務の省力化による生産性向上を図ってまいります。
⑥業務基幹システムの維持・強化
当社グループの業務は、クライアントを個別にかつ的確に管理し、必要な時に迅速に売上情報等の把握ができることが業務遂行上重要であり、その管理の根幹をなす自社開発の基幹システムを安定的に稼働させることが経営戦略上非常に重要な課題であります。昨今の事業拡大、事業の継続的発展に伴い、当該システムに対する負荷は比例的に増大しますので、機能の拡充を継続的に実施していく方針であります。
⑦規律ある投資の実行
従来からテレビコマーシャルやデジタル広告を活用した認知度向上及び顧客拡大のための広告宣伝や、当社サービスを拡大していくための開発人員等の採用など、積極的に投資を行ってまいりました。今後も高い成長率を持続していくために継続的に投資を行っていく方針ですが、費用対効果を考慮するのみならず、営業損益の水準を鑑みたコストコントロールを行い、規律ある投資を実行してまいります。
⑧財務基盤の強化
当社グループは、ワーカーに対して、勤務終了後に賃金報酬等の立替払いを行うため、当該立替を行うための手許資金の流動性の確保が重要であると認識しております。2025年10月末時点において9つの金融機関との間で総額33,000百万円の当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しており、借入による資金調達も可能であることから、優先的に対処すべき財務上の課題はないと考えておりますが、今後の事業拡大に備えて、更なる内部留保の確保と営業キャッシュ・フローの改善等により財務基盤の強化を図ってまいります。